トルストイのレビュー一覧
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ヴロンスキーとのイタリア旅行から帰国したアンナは、どうしても息子に会いたい一心でかつての我が家に戻る――。一方、新婚のリョーヴィン夫妻は、新しい生活をスタートさせるが――。
2巻の感想で、アンナの心情がさっぱりわからない、と書いたけれど、3巻を読んでいくうちに、それも当然のことだったのかもしれない、と思うようになってきた。
この巻でも、やはりアンナの行動ははっきりしない。自分が心の内で思っていることと矛盾した行動を取り、時にヒステリックなまでに感情を高ぶらせ、それでも輝くばかりに美しく聡明である。
彼女自身も混乱しているのだ。どうしたらいいのか、ほんの数時間、数十分先のことさえわからないでい -
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トルストイの長編小説。非常に文量の長い作品であるが、大変読み応えがあり、さすがは世界の大文豪、と舌を巻いた。
正直、ドストエフスキーやら何やらこの手の世界文学的古典には手も触れたことがなかったが、本作品を読み、その凄みをありありと感じた。これを皮切りに世界文学の世界に足を踏み入れていきたい。
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本長編作品に、登場する二人(男女)の主人公、アンナとリョービン、時に二人は光となり闇となり、同じロシアを舞台としながら、全く別の世界をパラレルに生きていく。
アンナとリョービン、この二人に共通する点は、「自分を偽れない」という点だと思う。ある意味とても純粋素直で、そのため通俗社 -
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まさかアンナが自殺してしまうとは。
そこに至るにあたってのアンナの壊れぶりが凄まじい。ここまで自殺者の心境に迫ったトルストイは、物凄く追い詰められたのではないかと思う。目に映るすべてが「負」としてしか捉えられなくなり、すべてが厭世を引き起こし、自己嫌悪の対象になるアンナ。環境がプロセスを作り上げて結果に至るのではなくて、「自殺」という結果ありきで、そこに至ることを目的にプロセスが意識的にゆがめられていく恐ろしさ。「死が明らかに生き生きと彼女の脳裏に浮かび上がった。死こそ彼の心に自分への愛情をよみがえらせ、彼を罰し、自分の心に住み着いた悪霊との間に行われていた戦いに勝つための、唯一の手段」と -
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切れ目なく続く展開と交差の連続。
瀕死のアンドレイと、一度は彼を裏切ったナターシャの再開があまりに美しく、震えた。
導かれるまま、いやらしくもない、劇的な場面の応酬で、☆五つ。
指導者がすべての手綱を握っているかのように思われがちだが、そうではない、抗いがたい何かによって時代が動いていく。
指導者は戦争を始める事もできなければ、終わらせる事もできない。そこに彼の感情や思想はなんの影響力ももたない。
ではいったい、戦争とはなにか?
実際の戦争を細かに描写しながら、個人の心の中や民衆の生活の中にあるそれを見事に浮き彫りにしていく。
戦場と社交界
個人感情と神
それぞれのものだと思っていたものが、 -
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ネタバレ前巻である程度収拾がついたと思われた人間関係・社交界との関係・価値観の変化がもう一度展開される
リョーヴィンとキティのカップルは、ニコライの死を通じてより一層深い関係になり世間と良い関係を築こうと志す一方で、ヴロンスキーとアンナのカップルは社交界から拒絶されてることを自覚しており、利害関係者・身内だけで世界を閉じてしまった
両カップルと仲の良いドリーは、ヴロンスキー邸で時間を過ごすことで、母親であることの尊さ・善性を再認識する
精神的・観念的な事柄に対する関心はヴロンスキーもリョーヴィンももっているものの、前者はそれを肯定的に見ている一方で、後者はそれを無意味なものとして否定的に見なすという -
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ネタバレ前巻においては夢見がちで彼との結婚を目前に捉えていたアンナと、現実的でカレーニンを現実の障害として捉えていたヴロンスキーの二人が、この巻では逆の立場になる
その点は、農奴解放などで現実を直視せざるを得なくなった貴族の視点と、出世コースに乗ろうと思えば乗れる青年将校の視点の違いが遂に現れたんだと思う
いずれにせよ二人ともどん底には陥るし、実際死にかける
地獄にスキップして向かうか現世をチラチラ見ながら向かうかという程度の違い
一方、絶望的な展開だったキティとリョーヴィンの二人は、オブロンスキーが主催する食事会で再会したことでお互いの気持ちを完全に理解してあっという間に結婚に向かっていく
読んで -
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再読/1887年『光あるうち光の中を歩め』は、晩年のトルストイ思想が分かりやすく示さた作品である。ドストエフスキー、ツルゲーネフと並び、19世紀ロシア文学を代表する文豪。文学のみならず、政治・社会にも大きな影響を与えた。非暴力主義者としても知られる。1910年82歳没。wiki調べ。
物欲が一時的に満たされても幸福にはなれない、欲には限りがなく心の中は空虚な感情が渦巻いている。他者から奪うのではなく、与える愛こそが幸福に満たされる手段であるとキリストは説いた。主人公のユリウスは改宗までに3度の試しを経て、信仰に目覚めるのだった。1990年購入とページに記載、当時しおり紐はP86で止まる。 -
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ネタバレ『戦争と平和』と並ぶトルストイの代表作
政府高官であるアレクセイ・カレーニンの妻アンナは、兄のオブロンスキーとその妻ドリーの喧嘩を仲裁するためにペテルブルクを訪れたところ、エリート将校であるヴロンスキーに一目惚れする
その一方で、地主貴族でありオブロンスキーの親友でもあるリョーヴィンはオブロンスキーの義妹キティに求婚するも断られていた
この恋敵がヴロンスキーであり、キティも彼を気に入っていたのだが、前述のタイミングでヴロンスキーもアンナに惚れる。それを知り気に病んだキティはドイツに湯治に向かう
あらすじを聞いて分かる通り非常に複雑な人間関係なのだが、主要登場人物に関しては読んでいる内に慣れ -
Posted by ブクログ
トルストイズムに触れたくて読んでみたけど、個人的には読みやすかった!
前半は眠くなることしばしば、、という感じだったが、後半慣れてくると章が細かく分かれており、分かりやすく論理が展開されていると思った。
基本なるほどなーと素直に受け取りながら読めたけど、トルストイが説く「自己犠牲の愛」だけは共感できなかったな。
これは自己犠牲に反発を覚える自分の人生経験があるからだと思うけど…彼が印税で稼いだお金を受け取らず奥さんと喧嘩したことを思い出した。
聖書の再解釈ともいえる内容、極端に思える箇所があるかもしれない。けれど、彼が歩んだ人生を通して実感を伴ってたどり着いた思想の極致なのだろうと納得する