トルストイのレビュー一覧

  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    ベートーヴェンのクロイツェル・ソナタを聞いてから気になって手にとった。
    トルストイの作品の中でも”性”について扱う中編二作品を収録。どちらのタイトルも抗いがたい欲望の引き金を象徴している。
    特に『クロイツェル・ソナタ』で行われる、列車の長旅の中で行われる人物たちの対話はとてもおもしろく感じた。
    どちらの作品もazuki七さんが常日頃感じているように、愛というものをどんな形にするのか、よくわからなくてイライラしてしまう。人間の動物的欲求を克明に描き出していると共に、そんな中でも清くあれと叫んでいるような感じがそれでもしてしまう。
    トルストイ自身も愛というものを探していたのかもしれない。

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    2014年03月14日
  • 戦争と平和(二)

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    ネタバレ

    「過ちをおかした女を許してやるべきだとぼくは言った、しかし、ぼくが許すことができるとは、言わなかった。」

    ナターシャの恋愛事情。
    戦争前の平和なロシアでの社交界。

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    2013年09月04日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    本当にこの人の本は本を読んだという
    思いを私たちにさせてくれます。
    ロシア文学は難しいなんて
    言われますが、そうではないと思います。

    どちらも「死」がテーマとなる作品です。
    特に後者は妻殺しをした男の
    告白となります。
    だけれども、そこまで至る経緯は
    ここまで極端ではないものの
    誰しもが抱いたことのある
    感情ばかり。

    結婚前に読むか読まないかでも
    だいぶ違いそうな本です。

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    2013年08月31日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    ロシア文学に早く出会えなかったことに
    本当に損をしたな、と感じました。
    人生における事柄が網羅されています。
    恋、苦悩がそこに。

    確かにアンナのとった行動は
    世間一般では相容れられない行為です。
    だけれどもそれを頭ごなしに批判することは
    出来ないと思います。

    誰しも、アンナほどではないですが
    大きい、小さいに関わらず
    道に外れてしまう、というのは
    少なからずありますので。

    目先の出来事からの逃避も
    その1つかと思いますので。

    そしてリョーヴィンに関して。
    彼の苦悩も本当に分かります。
    でも、それに気づいたのは
    大きな成功ですね。

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    2013年07月31日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    一番長い巻でしたが問題なく読めました。
    やっぱり面白いね。
    ロシア文学は長くて、難しい。
    そんなイメージばかり抱いていましたが
    全然。面白いじゃないですか。

    きっとキティーとリョーヴィンが光
    アンナとヴロンスキーが闇なんだと思います。
    そして終盤のそれは光と闇の迎合。

    最後はどうなるのでしょうか。

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    2013年07月23日
  • アンナ・カレーニナ 2

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    はじめはこのページの多さに辟易しちゃう。
    でもいったん読み始めてしまうと
    そのコメントはどこへやら、になっちゃう不思議さ。

    扱っている世界が社交界という
    貴族の世界なのもやはり惹かれる理由かな。
    普通では体感できない世界というのが。

    私はメインのアンナよりも
    不器用で、時に意見を言うときにも
    何かと後悔ばっかりしている
    リョーヴィンが好きです。

    農業経験のある私は
    この描写は全然退屈じゃなかったなぁ。
    人によっては退屈かなぁ。

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    2013年07月19日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    この本は実はタイトルの女性は
    少しページを読み進めてこないとでてきません。
    いきなりすごいことになるわけではないので
    そこのところ、お間違えなく。

    本当に文章が巧みに尽きる作品です。
    ロシア文学と聞くとクソ難解という
    悲しいレッテルを貼られがちですが
    この本はそうではありません。
    確かに長いですが決して難解ではなく
    彼の文章に惹かれることでしょう。

    本当の主人公はアンナなのですが
    私は失意の底に落ちたキティが気に入っています。
    彼女の再生の模様を見ていきたいです。

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    2013年07月03日
  • アンナ・カレーニナ 4

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    アンナの他人からみた時の美しさの描写、猟の描写、リョーヴィンキティの掛け合い、リョーヴィンの最期の悟りの部分、特に良かった。ありとあらゆるテーマが緻密に書き込まれていていながらわかりやすいダブルプロットでとても読みやすく☆5を付けざるをえない。とても楽しかった。

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    2013年06月21日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    ここまでいろいろ盛り込まれてる上に面白いなぁと思うと4をつけれない。他の4と別格ゆえに5しかありえないみたいになる。

    リョーヴィンの童貞臭さがすごく好きだわ。

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    2013年06月19日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    純潔に夢見てるトルストイらしい真摯さというか真面目さの見えるお話。罪と信仰と性に関して、理想持つ立場から書き綴られています。
    こんな風にキリスト教的な精神の葛藤を題材にした小説は多いけれども、仏教や神道では寡聞にしてあまりそういうのを見かけない気がする。

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    2013年05月14日
  • アンナ・カレーニナ 3

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    トルストイを読んでいる時、同時代のドストエフスキーのことをつい考えてしまう。ドストエフスキーは貧困と底辺の生活に喘ぎながらもその中から無数の声無き声を聞き取り、分裂し矛盾する人間というものを混沌的に暴き出した。それに対してトルストイは、社会に翻弄される個人というものを観察しながら人間が人間として生きようとする感情に寄り添おうとした作家だと言えるだろう。それ故に登場人物の感情の機微は丁寧に描かれ、全編通して唯一副題の付く5部20章でニコライが死に至る描写はその最たる箇所であり、凄惨ながらも祝福的ですらある。

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    2013年05月09日
  • 戦争と平和 (六)

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    歴代Best3に入る愛読書。
    愛読書といっても社会人になったばかりのときに一度読んだきりだが、その感動は語り尽くせないほどであった。
    最初は登場人物多くて苦戦したが、後々その人間関係が複雑に絡み合って繋がっていく壮絶なストーリーに大興奮だった。
    戦争という大きな時代の中だからこそ見つけられた本当の平和。
    いつかもう一度読み返したい!

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    2013年03月03日
  • 戦争と平和(一)

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    これを一人の人間が書いたのか!とおもう。500人を超える登場人物をひとりひとり緻密に書き分け、みな血が通った人間にしたてあげている。友人から「どういうストーリー」ときかれてうーんとうなってしまった。ピエールのことをいえばいいのか、アンドレイか、ナターシャか、ナポレオンか・・・一人一人の人生が生き生きと、そして丁寧にえがかれている。いくつもの物語が交錯して、まったくどう説明していいか見当もつかない。これはその時代のロシアを偉大な文豪が鋭利な刀で切り取ってきた作品ですとでもいえばいいのか。

    歴史はどうしてつくられるのか。一部の有名人によって形成されるのか。作者はちがうという。目に見えない動き、とくに民衆の動きが歴史を決定していくと。

    読むのに時間がかかるのだけれども、人間がかきうる最高傑作だとおもう。

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    2013年01月15日
  • クロイツェル・ソナタ 悪魔

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    『クロイツェル・ソナタ』の方は光文社文庫で読んだので、こちらは『悪魔』のみの感想をば。

    エヴゲーニィという真面目な青年の悲劇。
    人間なら誰もが抱くであろう感情に苦悩し敗北してしまった人。
    こんなにも苦しんだのに誰一人彼の苦悩を理解しない結末。
    もしかしたら、それは現代人にも通用することで、今現代で同じ悩みを持つ人間がいたなら、恐らくその人も誰にも理解されないのではないだろうか…。
    エヴゲーニィはあの女性を“悪魔”と言っていたけど、悪魔は常にエヴゲーニィの中に居たんじゃないかな。それは誰の中にも居るだろうものだと思う。

    エヴゲーニィとリーザは良い夫婦だと思う。身重のリーザをお姫様抱っこしたシーンが好きです。
    表面的な描写しかないけど。

    エヴゲーニィが終始かわいそうだった…。
    真面目が故に苦しむ人。そして現代ではとても生きていけない人。

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    2013年01月12日
  • 人生論

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    トルストイが小さな怪我から重い病気になり死を意識する。なぜ何ために死はあるの理性と感情が保てない、という見舞いの手紙に返事したのが元となりトルストイ思想を知る本にもなる。というものの中盤は難解至極で凹む。人は真の理性をもてば死は怖くない、誕生から死しても未来へ永遠に続くものそれはあなたの愛で、自分の幸せ願望は他人も同じ、戦争なぞ無い未来が来る。だけども、苦や痛みは人生に当然あるもの、その中に幸せがあると理解せよ。顕微鏡で覗いても宇宙へ行っても見つからない。つまり、快楽のみにボ〜っと生きるなということかな。

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    2013年01月04日
  • 光あるうち光の中を歩め

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    数人の閑人が人の幸福について語るが誰一人幸福でないといった、結局口先だけで論じ合うのが関の山というプロローグから始まる本書。トルストイが考える人の真の幸福の生き方はキリスト教に答えがあった。理想(キリスト教)と現実(俗世)的な生き方をする登場人物2人の言い分はともに正論に思える。若き読者は老いるまで老いた読者は死ぬまでの経験する総てが本書150頁の中にあるかもしれない。読みながら自身の過去を想い、先を思い、右往左往する。《彼は喜びのうちなお20年生き延び肉体の死が訪れたのも知らなかった》果たして我が身は。

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    2013年01月03日
  • イワン・イリイチの死/クロイツェル・ソナタ

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    ネタバレ

    幸福の虚妄と言う点で文学の優れた業をみせている。裕福に暮らすロシアの中流階級層の人間が、世俗の欲望を追うこと意外に生きる意味を見出せない時、愛欲、嫉妬、憎悪といった利己心の中で、人間の「幸福」の条件を焼き滅ぼしてしまう、という内容。

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    2012年11月24日
  • 戦争と平和 (一)

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    ネタバレ

    何年も前から新潮文庫の方を何十回も本屋で開いては文章に謎の拒否感を感じて本棚に戻していたこの小説。
    他の人の訳なら、脳が突っ張ねることもないかと、この岩波版を購入してみました。結果としては、他の方のレビューある通りにこちらも決して読みやすい訳文ではありませんが、それでも内容にぐいぐい引き込まれて最後まで(と言ってもまだ一巻だけですが)読み通すことができました。

    この巻に収録されているのは第一部の第一遍と第二編。第一遍はモスクワの貴族社会が舞台で、主人公挌の青年ピエールの遺産相続の顛末。第二編は一転して対ナポレオン戦争の最前線で、主人公格の一人アンドレイを軸に戦場での日常風景から始まり、侵攻してきたフランス軍をアンドレイの所属するロシア軍の一部隊が食い止めるという壮絶な戦いをクライマックスにして終わります。

    第一遍は正直、退屈でした。かなり進んでから出ないと誰が主要人物なのか掴みにくいし、公爵やら伯爵やら色んな地位の人が入り乱れて相関関係の把握も大変。ちょっと読んだだけで、この小説から脱落する人が多いのもすごく頷けます。ペテルブルグからモスクワに視点が移ったあたりでなんとなく話の筋が見えてきて、ドルベツコイ公爵夫人が自分の借金の心配がなくなる辺りからはよくある遺産相続争いのストーリーとして読めました。といっても、悪役であるワシーリー公爵とエカテリーナが何を考えてるかは最後まですごい掴みづらかったです。

    第二編は、全く逆の感想で、読んでる途中は興奮しっぱなしでした。なぜ、これを第一遍にしなかった(笑)
    トルストイは従軍経験もあるそうで、その経験を十分に生かして、当時の戦争の最前線で兵士たちが何をしていたのか、何を考えていたのかを非常に生々しく描けていると思います。特に自分のお気に入りは、はじめの方のロシア軍の兵士たちが橋の上を押し合いへし合いしながら渡っていくシーンです。雄大なオーストリアの大地の風景描写から始まって、無数の人間が川のように流れていく、その場所にまさにいるかのような臨場感があります。例えて言うなら気合の入った映画の導入部のよう。もっというと、テレビシリーズのアニメが劇場版になった感じ、でしょうか。デティールのある描写が散りばめられていて、自分の頭の中には実写映画のイメージとジブリアニメのイメージの二重写しで再生されました。
    将軍から一兵卒まで、みな人間臭い思考形式で、戦争中なのに流れている空気にはユーモアを感じます。
    クライマックスの一場面、準主人公のニコライが興奮のあまり砲撃を受けて馬が負傷して動けなくなっているのにしばらく気づかず突撃している気になっていて、はっと我にかえって、命からがらフランス兵から逃げ延びるシーンは滑稽さと暴力の恐ろしさが同居していて作者の現実に対する深い思慮を感じます。戦争は非人道的な行為ですが、戦争しているのは紛れも無い人間一人ひとりなのだな、というのがすごく伝わります。

    総合すると、この作品を読まないでいたのはすごく勿体無い! といった感じです。幸い、まだ今年は時間が作れそうなので、最後のチャンスだと思いあとい五冊、読み切ろうと思います。

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    2012年10月14日
  • アンナ・カレーニナ 1

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    リョービンとキティのパートがよかった。多元的でとても人間臭い。農業、労働、宗教に対する考え方に非常に刺激をうけた。
    一方でアンナとヴロンスキーはまさに悲劇のヒロイン。情熱に浮かされて自分で自分を追い詰めていく様に人間の恐ろしさを感じた。

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    2012年05月16日
  • 戦争と平和(四)

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    ロシア帝国の華やかな社交界における様々な人間模様、人間関係、ひとりひとりの感情の微細な変化をこと細かく描かれているトルストイのその文才には感嘆した。

    なによりも、国家とはまさしく幻想の共同体にすぎないことを思い知らされた。一個体としての人間の集合体で支えられている組織は、時としては皇帝の一声でダイアモンドよりも強固になることもあれば、逆に泡のように脆くなることさえある。国家は結局は人間によって支えられている。

    個人的にはアンドレイ・ボルコンスキイの心情の変化は興味深かった。

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    2012年03月24日