トルストイのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
保育園時代、人がいずれ死ぬことがわかってから「どーせ死ぬのになんでみんな一生懸命生きてるの?自分も生きていかないとなの?」とたまに思うようになり、それを考えた日は一日中両親や先生がロボットに見えてました。
大人になるにつれトルストイの言う矛盾に当たり、ずっと悩み続け大学で哲学の授業をいくつかとってみたりしましたが、答えは出せず。
と思ったらこの本でまず初めに自分のこの感覚についてこてんぱんにやられました笑
まだここに書かれている全てを肯定する気にはなれませんが、納得せざるを得ないことや完全に同意できる部分が多々あり、影響を受けたのでこれからもあーだこーだ考えながら生きていきます。
ちなみに普段は1〜2日に1冊読みますが、この薄い本に1週間かかりました。私の小さな脳みそで完全に理解しようとするならあと2回は読まないとです。 -
Posted by ブクログ
宗教色の強い難解な本です。それでも多くの日本人が手に取っているのは魅力的なタイトル(元は聖書の言葉ですが)とこれくらいなら読めそうと思わせる本の薄さのせいでしょうか。
作中のパンフィリウスのような生活を送るのは、個人としても集団としても、とても難しいことです。そもそもパンフィリウスの説明には理解に苦しむ箇所もあり、一方で、キリスト教に傾くユリウスをたびたび引き戻す老人の言うことの方が合理的で正しく思えるところもあります。
いつかこの老人の言うことがすべて欺瞞だと感じられるようになれたら、その時はじめてこの物語が、すなわちトルストイの思想が十全に理解できるのだと思います(そうなりたい、とか、そうすべき、かどうかは人それぞれですが)。
何度も読み返したくなる本です。 -
Posted by ブクログ
▼えぐいです。トルストイさん。
▼「イワン・イリイチの死」は、俗物の役人(貴族なんだっけな)が結婚して働いて子供もできて出世もするけど中年?初老?で病を得て死ぬ。なんだけどこの人がもう、なんのためにどう生きてきたのか、人生が絶望至極の中で病にもだえ苦しむ姿が、もう圧巻‥‥。実にひやりとじめっと冷たくて絶望的な強烈さと突き放したユーモアに包まれる衝撃。
▼「クロイツェル・ソナタ」要するに「嫉妬の余り妻を殺害しちゃった男の回想物語」なんです。19世紀?20世紀初頭?のロシア社会のなかで、この人は別段死刑にならずに数年して社会復帰している。そして、たまたま列車で乗り合わせた若者が、知識ゼロから彼の回想を聴く、という趣向。
▼嫉妬に心さいなまれ、壊れていく人格の描写がすごくって・・・。ふっと思い出したのは別の本の以下のやりとり。
「私は人を殺すような人間ではありません!」
「たれだってそうだ。最初の殺人を犯すまでは」
(薔薇の名前だったか?)
▼比較すれば、当たり前なんですけれど「戦争と平和」にはかないません。「アンナ・カレーニナ」だって相当にレベルが違います。それにしても強烈な中編ではあって、トルストイっていう人も中年期に代表作書いちゃったから、老年期の創作っていうのは一種もどかしさもありながらも、それでもやっぱり力はあるんだなあ…と思い知りました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『イワン・イリイチの死』が特に好きだった。
私もとある病気で、この苦しみから逃れられるくらいなら死んだっていいって思うくらいのお腹の痛みに苦しんだことがあるので、イワン・イリイチの苦しみの描写はとても共感できた。
病気になると、周りは最初は心配してくれていても、そのうちこの嫁のように疎ましく思ったり病気になったことや苦しんでいることが他人への当て付けなんじゃないかと思われたりすることは本当にあるし、病気のせいで周りを暗い気持ちに引きずり込んでしまうこともよくあることだと思う。
自分の人生は間違いだらけだったんじゃないか、こんな時に甘えることができるのは使用人だけなのかとか、なぜ自分だけがこんなに苦しまなければいけないのかとか…読んでいてすごく苦しかった。
解説にもあるけど、恐れ→拒絶→怒り→戦い→絶望→鬱→受け入れという段階を踏むのも共感できた。
最後に死を目前にして、「なんと歓ばしいことか!」「死は終わった」「もはや死はない」という場面があるけど、本当にそうだと思う。
恐ろしいのは死自体ではなくてその瞬間に辿りつくまでの痛み苦しみを乗り越えるところだと私は思っているので、やっと全てにケリがつくと悟った段階でもうそれは死ではなくて救いや安堵だったのではないかなと思う。
『かつて光があり、今は闇がある』という部分も好き。
『クロイツェル・ソナタ』に関しては、一言で言うとなんだこの男……って話。
汽車の中でたまたま相席になった男が、いや実は自分は妻を殺してましてね……と話し出す、というとサスペンスのようだけど、実際は性愛についてみたいな部分が多くてちょっとうんざりした。
性欲に支配されすぎたおじさんにしかみえなかった。性欲がすべての中心すぎる。
ここまで人間て性欲だけで動いてるの!?って絶望しそうになるほど性欲のことばっか考えてる。
これは禁欲の大事さを訴えたかったのかな……?
女を人間とも思わないような思想をずっと聞かされるのでだいぶしんどいけど、やっぱり小説としてはうまいのかなと思う。
嫌だななんだよこのおじさん……と思いながら一気に読めた。
読後クロイツェル・ソナタを聴いてみた。
主人公が言わんとしてることはなんとなくわかった。 -
Posted by ブクログ
初めてのトルストイ。
重い内容だったけれど、リアリティな描写、豊かな感情表現で、100年以上前の世界が迫ってくる。においまで伝わってきそう。
今の時代がいかに恵まれてるか。人の尊厳を大切にする社会に近づいている国であればそう。でもこの本のような社会で生きている人たちもたくさんいる。
人間を人間的に扱わなくてもいい立場なんてない。身体的なことだけでなく、精神的なことでは、今の社会でもたくさんの非道がある。
1人ひとりが子どものように純粋に、自分の喜びのために生きるのではなく、神の国と神の義を求めるそんな生き方をすれば、もっと世界はよくなるのか。
自身が復活できる日はくるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトルストイの歴史観が最後や途中に展開されるあたり、司馬遼太郎感ある。最後の解説にあった、丸くなって輪になって平和、というのはなるほどなと思った。アンナカレーニナと違って、ナターシャは女性らしい魅力を失って太った幸せな母になる。プラトン・カラターエフは丸く表現されている。主人公ピエールも肥満。
アンドレイやペーチャは死んで、マリアとナターシャはそれぞれニコライとピエールと結婚して幸せになる。ソーニャがかわいそうすぎる気がするけどそこはあまり描かれない。ギスギスしないんだろうか。ソフィアは賢さを表すから、感情の争いには無縁なんだろうか。
関係ないけど、トルストイという名前は太っているという意味だと初めて知った。