トルストイのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
クロイツェルソナタ
嫉妬と思い込みから妻を殺してしまった男の独白。
ここまで徹底した独白の小説を読んだのは初めて。物事の経緯やその時々の心情を事細かに描写している。
悪魔
クロイツェルソナタが男性上位な思想によるもの(に私には思える)としたら、こちらはその中にあって、妻に誠実であろうとする主人公の苦悩。
時代や文化やいろいろな背景があるけれど、私はこんなに道徳や嫉妬や宗教にがんじがらめになるのはつらいし、この男たちは面倒くさいと思った。そして、その面倒くさいことで出来上がっているこの小説はとてもおもしろかった。
翻訳もきれいで読みやすく、ところどころ面白い表現があって笑えた。40年も前の訳 -
Posted by ブクログ
ネタバレロシアの文豪・トルストイの初期の作品。
無気力な生活を送っていた青年貴族・オレーニンが軍隊に志願し、中央アジアのコーカサス(カフカス)へ赴任。
雄大な自然に抱かれ、コサックの生活に溶け込み、村の娘に恋をする。
コサックの生活様式、文化、狩猟と酒、チェチェン人との関係などが描かれています。
遊牧民の描写では、やはり東洋的な要素が垣間見えます。
巻末には訳者による解説があり、ロシアにとってのコーカサスの位置づけ、ロシア文学の題材としての役割、こんにちも残るチェチェン問題、またトルストイの略歴と文学の過程も述べられています。
トルストイ自身の若き日の経験も盛り込まれているそうですが、のちの『戦争と -
Posted by ブクログ
トルストイの作品を初めて読んだ。『アンナ・カレーニナ』や『戦争と平和』等大作と呼ばれるものが多いが、かなり長い作品ばかりなので、トルストイの作品を読む気になれないでいたが、この作品は短いものだったので読んでみた。また、ロシアの作風がそうなのかもしれないが、作中人物が管を巻くように、自分の考えを述べると云うのが、ドストエフスキーの作品と似ていると感じた。
どちらの作品も性欲を否定的に捉えたもので、かなりストイックな思想である。
クロイツェル・ソナタでは主人公が、列車の中で自分の妻を殺した経緯を乗り合わせた乗客に語る。おそらくこの作品が書かれた時代は、縁組等によって結婚相手が決まってしまう