トルストイのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
どこを読んでも瑞々しい輝きに満ちた中編。
たくさんの愛すべき登場人物に囲まれてのびのびと暮らし、母から注がれる最上の愛と、それを渇望する少年の人生に於いてもっとも幸せな時代。
日常の小さな幸せのひとつひとつにこそ胸を締め付けられる想いがしたし、もうとっくに思い出す事もなくなっていた甘美な思い出も思い出させてくれた。
あの頃のような瑞々しい心や感動はどこへいったのか?
トルストイの言葉をそのまま自分に問いかけてみる。
「あの涙や歓喜が永久にわたしから離れ去ってしまうほど、
重い足跡を、はたして人生がわたしの心に残しただろうか?」
そんなはずはないと、思ってはいるけれど。