トルストイのレビュー一覧
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「人生とはこの男が調べようとしている水車である。水車が必要なのは粉をよく挽くためであり、人生もそれをよきものにするためにのみ、必要なのだ。(P20)」人生とは、それ自体が目的なのではなくて、粉を挽くために必要なもの。粉を挽くために与えられたもの。この考え方は私にとってはパラダイムシフトだった。ただ生きていることに価値があると、ぼんやりと認識していたが、人生はそれ自体に意味があるわけではなく、何かのためにあるのだという発想。人生をやり過ごしている感じがあった私は背筋を伸ばされた。ただ健康に長生きして人生をやりすごすのは、何の目的もない水車がただ回り続けているのと同じ。私は何をしたいのか。私はこの
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愛、律法、幸福、基本的な概念の捉え方や、前提がかけ離れていて、「知らない以上、否定は出来ない」という無限ループに陥っているユリウスとパンフィリウスのやりとりに、理解の難しさを感じました。これが、少数派にすぎない原始キリスト教の姿の一面であったとすれば、本作で問われ続けた「瞞着」を擦り合わせながら、世界的な信仰へと変化して現代の姿もあるのだろうな、と想像を刺激されました。
前半部、「やって見せよ」「人に見せるためではない」という二人の問答があった。
幸福、あるいは飛躍して救済のための奉仕を淡々と積み重ねていると主張する姿に迷いは見られないが、パンフィリウスとユリウスの中間くらいの位置で、人知れ -
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クロイツェルソナタ
電車で乗り合わせた男の話。
始めは『人生論』のような固い一般論から、次第に男の話は熱を帯びて、その一般論をかざすに至った自らの起こした事件について語り、その語りは読み手の感情を揺さぶり始める。妻の死前後辺り以降が秀逸。あー面白かった。
トルストイというと神の視点のイメージがあり、人間そのものの生をじわじわ太く書くのが良さだと思っていた、そして今回読んで実にそうだと思った。やはり一人の人物に語らせ、前半の一般論の証明のような作品のかたちは、テーマというか作者の意図が絞られるというか、どうしてもパンチは軽くなる、そのぶん切れ味は鋭いんだけどね。まぁ、前半の愛論はなくても、後半だ -
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アンナの物語とリョービンの物語が好対照。
アンナの物語よりもリョービンの物語のが好きだけど、農業については良くわからない……。
「読書ガイド」を読み飛ばしてしまっているのが原因だとは分かっているけど、読み始めた勢いを削ぎたくないんだよなー……。
カレーニンのように自分の感情を素直に表せない人もいれば、オブロンスキーのように極めて自然体で上手に人と付き合える人もいる。
人生これからだ!な弟と人生これまでだ……な兄の対照や、人を愛することで明るい方へ行けるキティと愛することでどんどん苦しくなるアンナの対照が面白い。
(簡単に二項対立の構図にしてしまうと浅い読みになってしまうけど、楽しんで読むん -
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再読。3年半前に読んだ時も衝撃的で、文学嫌いな私でも読める本があるものだなと思わせてくれた本。
あれから私もいろんな勉強をして、思想が現代風に近づいたけれど、今読んでも違った意味でよかった。
意味や、普遍的な正しさが失われたといわれる現代にあって、もしまた規範的なものが必要とされるならきっとこういうものになるんだろうなと思った。そしてたしかにそんな日は近付いてきている。
ただ、この時期ってトルストイはたしか深い鬱状態みたいなものに悩まされていた時なので、これを盲信しすぎるの危険なのかもしれない。
光あるうち光の中を歩め.... 限界まで来たらだらだらするひと休みも可、という但し書きは必要そ -
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不倫物語。
男は~とか女は~っていうところではちょっとフェミっちゃうし、結婚どころか恋すらまともにしたことがない私には理解し難い部分ばかり。
それでも面白くてサクサク読めてしまうのは、この作品が超名作だからなのか、新訳が上手に訳してくれてるからでしょう。
舞台となっている時代のロシアや西欧の知識が全く無いので、知識の不足を強く感じてしまう。
なぜ彼らはロシア語だけでなくフランス語、英語、ドイツ語を使って会話するのか?
貴族社会や、当時のロシア社会そのもの等、勉強してみたくなります。
この調子で、今月中に全四巻読破したいなあ。
視線で会話しすぎ。 -
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幸福な読書だったなぁ、と思う。
3巻から作者トルストイの「語り」が多くなり、うーん?と思う部分もしばしばあり、もっと正直に言えば辟易する部分もなきにしもあらずだった。しかし、それでも、私はもうこの物語を読み終えてしまった。
『戦争と平和』というタイトルの通り、トルストイが描きたかったのは、おそらく「人間の意思」だったのではないかと思う(個人としても、「われわれ」としても)。しかし、この最終巻である4巻を読んで特に感じたのは、トルストイは人間の「仕組み」や「歴史」を描くよりも断然、人間の「魂」を、感情と性格を描く方がまばゆいばかりの光を放つということだ。
彼の人間を描く筆、それもたくさんの、 -
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3巻はそのほとんどを戦争シーンが占めており、登場人物がそれぞれに生き生きと動き詩的な美しさを感じる2巻に比べると、やや退屈に感じてしまった(それでもすごいんだけど!)。
トルストイは「戦争」の中で何度も何度も、「歴史とは一人の人物や一つの原因が作るのではない」と強調する。これがあったからこうなった、ということはなく、それは後世がその結果からただ線を引き繋げて言っているに過ぎないのだと。その場の全て、どれとも誰とも言えない、あえて言うならば「その時」こそが歴史であり、「その場」こそが民衆なのだと。
そして、それらが積み重なり、その時その時が終わって振り返ってようやく、我々はそれを「歴史」として -
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イエスは言われた。
「光は、いましばらく、あなたがたの間にある。暗闇に追いつかれないように、光のあるうちに歩きなさい。暗闇の中を歩く者は、自分がどこへ行くのか分からない。光の子となるために、光のあるうちに、光を信じなさい。」
(新共同訳『聖書 旧約聖書続編つき』日本聖書協会、新約聖書193ページ)
この 光 の意味は 信仰心 ということなのかな。
神というわけではない。
闇の中にも 神はいるはずだから。
物語は キリスト生誕 100年後。
原始キリスト教の時代で、ユリウスとパンフィリウスの会話が基本となり、その間に 医師が話をする。
役者はそろっている。ユリウスの奥さんも、一時期、傾いた -
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クロイツェルソナタ
嫉妬と思い込みから妻を殺してしまった男の独白。
ここまで徹底した独白の小説を読んだのは初めて。物事の経緯やその時々の心情を事細かに描写している。
悪魔
クロイツェルソナタが男性上位な思想によるもの(に私には思える)としたら、こちらはその中にあって、妻に誠実であろうとする主人公の苦悩。
時代や文化やいろいろな背景があるけれど、私はこんなに道徳や嫉妬や宗教にがんじがらめになるのはつらいし、この男たちは面倒くさいと思った。そして、その面倒くさいことで出来上がっているこの小説はとてもおもしろかった。
翻訳もきれいで読みやすく、ところどころ面白い表現があって笑えた。40年も前の訳