トルストイのレビュー一覧
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非常に難解な文章だった。人生論とあるが、幸福論としたほうが相応しいような気がする。
人間は動物的自我によって自分個人の為の生き方に疾走ろうとし、それこそが幸福であり生活の凡てだと思い込む。しかし、あらゆる人間が自分個人の為に生きると考えると、その為には他人を排除しようとする者が出てくる。とすると、自分個人の幸福とは容易に手に入るものではない。ましてや病気、衰え、死などが刻々と近づいているわけである。それを避けることはできないし、そうなると自分個人の幸福はまやかしのようなものであることに気づき、人生の矛盾にぶち当たる。
したがってほんとうの幸福の為には自らの動物的自我を理性的意識に従わせる必要がある。そこから発生するのが愛である。愛とは自分個人の幸福よりも他者への善、自己犠牲を伴う行為である。真の愛の為には死をも恐れなくなるのだ。
拙い要約としてはこういう内容であった。おしまい。
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金持ちで地位の高いイワンイリイッチが死ぬまでの過程を描いた話。
序盤は退屈だったけど、後半からはイワンイリイッチの心理描写にのめり込めて面白かった。
別に心の中では悪い事しようとしてる訳じゃないのに、周りの家族から蔑まれるのが辛いね。最後の力が出なくて「許してくれ」って言えないシーンが悲しい。
最後は死の恐怖を克服し、幸せな気分で消える事が出来て良かった。
あとイライラとかだんだんとかの単語を、「むらむら」って表現するのがちょっと気になった。
主人公は今までの人生振り返り、歳をとるにつれ、加速度的に辛くなる事に気が付いた。そこそこ楽しいと感じていたこれまでの人生だけど、振り返ってみると、無意味で穢らわしいものに思えて来るらしい。
自分は死ぬ間際に、これまでの人生を振り返ってどう思うのだろうか? 後悔しないように海外行ったり色んなバイトするようにしてるけど、最近はそれがなんなんだ?って気持ちになる。海外行けば目新しい感じになって人間的に成長した気はするけど、結局帰ってこれば特に何も変わってない。変わってた所でも別にそれがなんなんだ?とはなる。
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ナポレオンのロシア遠征、ボロジノの会戦からフランス軍のモスクワ入城までが第3巻の主要な舞台だ。ボロジノの戦いを第三者的な目で見るピエール、彼の心の中にはナターシャがいるが、その行動は因循だ。一方、ナターシャの放埒な行動に傷ついたアンドレイは軍隊に戻りクトゥーゾフと共に戦いに臨む。瀕死の重傷を負ったアンドレイはその心の中にナターシャが棲むことを知る。二人はモスクワのロストフ家で偶然再開するが、この場面は本作品中、最も美しいシーンではないかと思う。ピエールはナポレオンの暗殺を志向するが、放火の疑いでフランス軍に逮捕される。ピエールの行動、ナターシャの恋の行方、ロシアから撤退するナポレオンの思い、第4巻に期待するところが大きい。
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黒沢明監督の現代映画『生きる』がイシグロカズオ氏の脚本でリメイクされたと聞き、改めて生きるを視聴しよう!と思った矢先に出会った一冊です。
黒沢監督はこのトルストイの短編から着想を得て、死を間際にした男が何を考えるか、説こうとしました。
本作品はその原型として読んでみたのですが、似た展開をしつつ、違うものです。
黒沢映画は、作中で主人公の死を突然挟むことで、観るものに驚きを与える効果を狙ったようにみえます。
前半だけ観ていたら『もしかしたら彼は助かるかもしれない』と思うこともできる。
対して、トルストイはそういった驚きよりも、不可避の死を冒頭数ページで描写します。
助かるかどうかという可能性はゼロにして、必然的に起きる死に対して、その過程が書かれます。
最期の数時間の描写は三度読みするほど迫真です。
この原作と『生きる』、そして2023年公開の『living』を一気見して、三者三様の死との向き合い方を比べてみようと思います。
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登場人物が多いので細かいことは気にせず読み進めたが、それでも結構な時間がかかった。細かく区切られてるため少しずつ読みやすいが、一区切りついてつい休憩してしまうのが原因だと思う。
全編通して500人以上の登場人物がでてくるらしいが、ひとりひとりの解像度がめちゃくちゃ高い。現代日本とはだいぶ文化が異なるのに、こんな人いるなーというのがたくさんでてくるし、こんなときあるなーという場面と心情がたくさんでてくる。
ストーリーもわりと展開するので、登場人物の多さに混乱さえしなければそこまで読みづらさはない。とりあえず思い切って読みはじめてよかったとは思っている。 -
Posted by ブクログ
1巻は序章だったのか?と思えるくらい2巻で一気に物語が動き出す
ぼんやりしていた各人物像と関係性がクリアになっていき、ようやく読みやすくなる
こんな長編モノは恐らく二度と読めないので備忘録のため、あらすじを残しますのでネタバレご注意ください
あまりに膨大なので主要人物にそってまとめることに
■ベズーホフ家
ピエール
莫大な財産を手に入れたちょいダサ男(眼鏡&太っちょ)のピエール
妻エレンが他の男(ドーロホフ)と親密になり逆上して決闘をしちゃったり…
はたまたフリーメイソンに入会しちゃったり…
(秘密結社の宗教団体というよりここでは村の寄り合いの延長みたいな感じだけどね)
勘違いに突っ走り、私財を投じて聖堂を建設したりと、かなり寄付をしている模様(いいように巻き上げられております)
うーんかなり精神的に参っていらっしゃる
しっかり踏みしめようと努めるほど、ますます足下から沈んでいくのを感じるピエール
求めているものとのギャップに苦しみすさんで荒れた生活が続く…
まだまだ青いピエール君
環境を変えたって駄目なのよ、君自身が変わらないとね
純粋で良い子なんだけど、意志も弱く流されやすいし、何か変えたいと思っても頑張るも観点がズレてるし…
不器用で困ったちゃんである
本来は愛されキャラなんだけどなまじ財産と悪妻をもってしまったばっかりに運命にもてあそばれている真っ最中
■ロストフ家
ロストフ家のお坊ちゃマンこと長男ニコライ
もう呑気で平穏な良家のお坊ちゃまではいられなくなり試練が立て続く
試練その①
ピエールと決闘し負けたドーロホフ
今度はソーニャに惹かれ、厚かましくもプロポーズ
ニコライを愛しているソーニャはもちろんきっぱりお断り
腹いせにドーロホフはニコライを賭博の席に招き、こてんぱんにニコライを叩きのめし大損させる
財政難の父に頭を下げ借金をするハメに…(しかしドーロホフって恐いわぁ!サイコだ)
試練その②
連隊へ戻ったニコライ
ドイツのとある村で足止めを食らうことをきっかけに補給が途切れだし、連隊が飢餓状態に
仲間であるデニーソフが飢えた隊員のため味方の歩兵から食糧を略奪し暴力沙汰となり、傷を負ったデニーソフは病院へ
(ちなみにデニーソフはニコライ妹のナターシャにプロポーズ、が母親にしっかりに断られる)
入れられた病院はあふれんばかりのチフス患者ばかり
痩せて黄濁している者、多くの意識のない者、さらには漂う死臭(死体の片付けが追いつかないのだ)
デニーソフの大ピンチのためにプライドを捨て、野心家マザコンのボリスを頼る
ニコライはまっすぐな気持ちを持ちながらも、大人の駆け引きをしなくてはならない世の中に嫌気を感じつつも立ち向かう
試練その③
遅ばせながらようやく居候ソーニャの魅力と変わらない彼女の愛情に改めで気づくニコライ
が、二人の結婚に両親は猛反対
特に母親はこの財政状況を立て直してもらえるような資産家との結婚を願うため狂ったように反対
大いに反発し、親子の縁が切れる直前までいってしまう
とうとう母親は病床に臥せる
…とまぁ、こんな試練が続く続く
兎にも角にもロストフ家の経済状況がかなり悪化している状態
母親から帰郷をせがまれ、父に代わり立ち向かおうとする
戦時下っぽい出来事にも立て続けに巻き込まれていく
果たして自分の力でどこまで這い上がれるのだろうか
でもね世間知らずだったニコライ君
なかなか頑張ってるのよ
少しずつだけど大人になりつつあるわよ~
一方、天真爛漫のおきゃんな娘ナターシャ
ナターシャは16歳に
もう4年も会っていない(一応彼氏だった)野心家ボリスとは母親の反対もありジ・エンド
さて次なる出会いは素敵な舞踏会
踊りの得意なナターシャをアンドレイが誘い二人は恋に落ちる
生命の抜け殻となっていたアンドレイに幸せが訪れる
しかしアンドレイの頑固な禿山引きこもりの老父(ボルコンスキー公爵)が大反対
二人に試練を与え、1年会えない遠距離恋愛となる
最初のうちは「ママあの人に会わせて!早く!」と駄々っ子レベルだったが、
時間の経過とともに鬱屈した気持ちが腐りだすアンドレイ不在の彼の実家ボルコンスキー公爵家を訪れることになるナターシャ
追い打ちをかけるように、老父から今まで受けたことのないほどの冷遇を受け、心がさらに折れまくる
そんなナターシャの目の前に現れたのが成金貴族クラーギンの息子アナトーリ(禿山老父の娘マリヤを狙っていたが失敗した最低男)
傷ついた心の隙をチャラ男アナトーリがすかさず狙い撃つ
弱り切って隙だらけのナターシャがまさかのご乱心
駆け落ち未遂にまでに発展し大問題に
心より頭が先に動いてしまうアンドレイは冷静にきっぱりナターシャと別れる
どうなるナターシャ!?
さてロストフ家絡みでとても気に入ったシーンが2カ所ある
その①犬追猟
猟犬130頭と20数名の騎馬の猟師が繰り出す大掛かりな狩り
このシーンはスピード感とリアルさを感じる描写が生き生きとして面白い
ちょっと映像で見てみたい
(ロストフ家経済状況本当に悪化してんの?庶民にはお金持ちのレベルがよくわからない)
その②伯父の家
このシーンは今までの本書で一番お気に入りだ
丸木の裸壁のあまり清潔ではない小屋
素敵な家政婦の素敵なたくさんの料理
(料理の描写がにくいにくい ほかほかした湯気とおいしそうなにおいが立ち込めているのがわかる このお家に招かれたい!)
すべてに潤いと、まじりけのなさと、白さと、快い微笑がこもっている素敵な家政婦
そしてバラライカ(ロシアで人気のあるギターに似た楽器)やギターの神がかった演奏
たまらずナターシャが踊り出す
素朴で暖かい幸福な時間
(こちらは映像化しちゃダメよ 膨らむ妄想をめいっぱい楽しめるシーンなんだから!)
■ボルコンスキー公爵家
アンドレイの妻リーザが産気づく
いよいよ…というときアンドレイが戦場から帰ってくる
一瞬の再会直後妻リーザは死ぬ(無事出産)
逆に精神的に参ってしまったアンドレイは軍務につかず2年間もの間引きこもる
しかしここでまさかのピエールが(失礼)アンドレイの心を動かす
アウステルリッツ以来はじめてあの高い青空を見る
そうナポレオンと会った時、彼の背景に見た青く高い空
彼の内部に眠っていたよりよい何かが目を覚ます
アンドレイの心境の変化には自然の風景が伴い美しく分かりやすい
この描写方法が面白い
こういうところはトルストイ作品の素敵なところだ
一方老父と娘マリヤはモスクワへ
老父の老衰が進行し、忘れっぽいわ、怒りっぽいわ…とさらに嫌な頑固爺に!
完全なる虐待者となり娘マリヤを辱め、卑しめ、挙句の果てに出て行けと言わんばかりに…
ひぇ~歪んだ愛情が怖すぎる
孤独で追い詰められつつあるマリヤ
そんな中、兄の2人目の嫁になるかもしれないナターシャに対してよい感情を持てない
マリヤも心の拠り所がまったくなくなってしまい、崩壊寸前!
というわけで2巻は戦争描写等は一切なく、どちらかというと、各登場人物たちの目まぐるしい動きがドラマ仕立てとなり読みやすい展開に
歴史的にはロシアとフランスが最初の講和条約が署名される
印象的なのはピエールとアンドレイの真逆なキャラ
悶々としながらピエールが考えていた「領地改革」
それをあっさり行動に移しを実行してアンドレイ
対照的な二人の行動を物語っている
器用で感情より先に頭で考えてしまうアンドレイと不器用で気持ちが内側にばかり向いてしまい空回りするピエール
二人の長所短所がかわるがわる波のように満ちたり引いたりする様は興味深い描写だ
そしてナターシャのまさかの大波乱
さらにはマリヤとナターシャの複雑な心境のぶつかり合いが興味深い
二人はそれぞれ良い人柄(特に「戦争と平和」の登場人物の中ではかなり良い方)なのだが、
人間のもつ嫌らしい部分がここで露出する
トルストイの鋭い感性が光る部分
さぁ盛り上がってきたよ~
なのだが、何だろう…
読みだすと止まらないし、面白いとは思うのだが…
1冊読み切る間に、なんとなーく他の本に浮気したくなる
内容がモリモリ過ぎで疲れるというか…
うーん…確かに面白いのだがトルストイは相性がよくないのだろうか…
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Posted by ブクログ
ネタバレ19世紀当時の帝政ロシアの貴族社会を背景とした物語としての歴史的荘厳さを保ちながら、アンナとリョーヴィンという愛に悩む等身大の人間像を絡めることで、不変的な一大叙情詩かつ一大叙事詩に昇華させたトルストイの古典的名作。光文社の翻訳・編著の妙もあるだろうが、いま読んでも全く古さを感じず面白い。
ヴロンスキーの愛を猜疑しアンナの鉄道自殺で衝撃的に幕を閉じる第7章。これにて終焉としても良かったであろうが第8章のヴロンスキーの自棄的行動やリョーヴィンの啓示的開眼が単なる「不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある」人間模様から数歩抜きん出た深みある印象を与える。 -
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長かった物語もようやく終わりを迎えた。フランス軍は敗北し、生き残ったピエール、ナターシャ、ニコライ、マリヤの結末については読んで確かめてみてください。しかし個人的に印象に残ったのは実は物語の本筋よりも、途中で著者が戦争について、というか戦争にとどまらず歴史論だとか、あげくの果てには宇宙論なんかまで自説をとうとうと述べているところだ。第4巻あたりから徐々にこの形で描かれていたけど、最終巻に至っては分量的に恐らく半分以上、エピローグの第2編に至っては丸々この形式だったので、さすがにこれって小説って呼べるの?と疑問を抱いてしまった。まあ当時としては斬新だったのかもしれないけど、こういうのは物語とは分けて別の作品でやって欲しかったかなあ。
まあ、なんだかんだ言いつつも、読み応えのあるいい作品だったことは間違いないと思う。いずれ『アンナ・カレーニナ』も読みたいけど、さすがに海外の古典作品はお腹いっぱいだし、当分先になるかなあ。 -
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いやー長かった。今年の1月から読み始めて約4か月、文庫本にして3000ページ超えの大長編をようやく読み終えた。実は私、恥ずかしながら本作のことを小説であると思っていなくて、思想書か批評の類だと思っていた(だって普通『戦争と平和』なんて大仰なタイトル、小説につけないでしょ?)のだが、昨年ふとしたきっかけで小説であると認識。帯にある「世界文学の最高峰」との言葉に惹かれ、いつかは読もうとずっと思っていた次第だ。(実は最後まで読むと、最初のカンは一部当たっていたことが分かったんだけど)
1805年のロシア・ペテルブルクでの華やかな社交界の描写で幕を開けた本作。第一部・第一編では大体の主要登場人物が顔をだし、一癖も二癖もある登場人物たちのやり取りが今後の展開に期待を抱かせる。第二編ではナポレオンとロシアの最初の戦い(アウステルリッツの戦い)の様子が描かれるが、やはり戦場の描写は躍動感があって面白い。ところがタイミングの悪いことに、読んでいる途中にウクライナとロシアの間で戦争が…。ロシアにとっては侵略する側とされる側で立場が異なるとはいえ、登場人物はほぼロシア側なので、彼らへの感情移入は正直難しかった。ちなみにトルストイは本作を読む限り、戦争を含めた暴力に対しては総じて批判的なようだ。 -
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イワン・イリイチの死、病床、介護や会話や苛立ちや自己嫌悪や父の言動やを思い出させた。どういう思いがあってトルストイはこれを書いたのだろう。
クロイツェル・ソナタ、男性に意見を聞いてみたい。
いいとか悪いとかではなく、そういうものなのかどうか知りたい。女性もか。大っぴらに話さない話題だし、女性は女性の、男性は男性の感覚で把握してるだろうからお互いそんなに違うと思っていないだろうから人によって違うくらいに思ってた(少なくとも自分は)。が、これを読んで、一般的な傾向なのか(一般的っておかしいのかもしれないが)、疑問に思った。世の中に性描写がある小説が多いのはそういう背景があるからなのか、、、?入れる意味がある?って思う本も結構あり、意味が理解できないのは何か理解できてないからなのか、、、?
以前に男性と女性は全く違う生き物で、ただ女性は男性を別種と思ってるくらいの違いだけど、男性からみた女性は異星人クラスの違いと読んだことがあったけど、どうなんだろうこの話、と思う。「そうそう」って思うのか、「そういう人もいるよね」なのか、「おはなし」と感じるのか。
それにしてもクロイツェル・ソナタって実在のベートーヴェンの曲だったのか。聴いてみよう。音楽に無知すぎて情けなくなる。