貴志祐介のレビュー一覧
-
無料版購入済み
なんだろう・・・親しみやすくなっているのかもしれないけど、なんだか、そこらへんの普通の異世界ものってかんじで、小説とイメージがちがいます。
-
Posted by ブクログ
ネタバレこの小説は……なんなんだ?
ミステリか?ハードボイルドか?SFか?スピリチュアルか?って考えながら読んでた。
でもジャンル分けなんて別にどうでもいいのよね、面白ければ。
さすがの貴志先生で、なんだこれはと戸惑わせながらも先が気になる展開でグイグイ読ませる。
面白かった。
とても面白かったんだけど、でもどうしてもひっかかってしまう部分もあって、今一つお話に乗り切れなかったのも事実。
気になったところを二つばかし書いてみる。
まずひとつ。
宇宙の真理、前世の真実といったものの正体がこのお話の肝になってるんだけど、それって現実世界の我々が知る事のできない『絶対の真実がないもの』だから、「意識」が時空間を飛び越え全ての人を巡っていたんだよ!と言われても、へーそうなんだー、くらいの感想にしかならないのよね。
どんな答えが書かれても作者がそう作っただけの真実なんでしょ、ってな感じで、普通に小説を読んでいる以上に「だってフィクションなんて作者の匙加減次第じゃん」みたいなのを感じてしまって。
ふたつ。
上記の真実を知って精神が壊れる寸前で、茶畑は死んだ恋人を思い出してなんとか持ちこたえるんだけど、え、そんなもんで戻ってこれるの?愛で?って。
加茂禮子は「強いよすががあったから」とは言うのだけど、どうにも納得できないというか。
愛で復活が陳腐と言いたいんじゃなくて、愛した人への思い程度でいいの?みたいな。
そんなん誰でも持ってるんじゃないの?恋人へでも家族へでも、強い愛ってあるよ?って。
作中の描写からはそのくらいの普通の愛にしか感じなかったから、ちょっと肩透かしというか、ね。
面白く読んだのだけど、最後の最後に気になるポイントが二つぽんぽーんと出てきてしまって、ちょっとトーンダウンしてしまったかな。
丹野がいいキャラしてて、楽しんで書いてたんだろうなーなんて思ってたら、巻末付録のインタビューで貴志先生がまさにドンピシャなことを言っててちょっと笑ってしまった。
読んでてわかるよね(笑