貴志祐介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集だとどうしても面白みが減ってしまう気がする。
とはいえ、純子と榎本のコンビが好きになってきた。
【狐火の家】
単独犯ではなく、殺人の犯人とそれを隠蔽する父親が絡んでくるので最後まで犯人の予想すらできなかった。
一家のメンツを守るために兄妹間の殺人を隠蔽する父親の行動は、バレなければ正しいものだったのかモヤっとした。
ド田舎で起きた殺人だけに、人間関係のドロドロが絡むストーリーが見たかったけど家庭内で完結していて残念。
【黒い牙】
榎本が手動で推理していく方が好きなので、榎本が現場にも来ずに最終的に純子が結論を出したのは好みではなかった。
もしかしたら現場の密室に巨大な猛毒の蜘蛛がまだ放たれているかもしれない状況はホラーのようなドキドキがあった。
犯人じゃない方の男も癖が強くて面白い人だった。
【盤端の迷宮】
ああいう不正は本当に将棋界であるんじゃないかと、闇を見た気分。
年齢制限がある奨励会に所属している人は犯罪を起こさなくとも物凄いプレッシャーがあるのだろう。
時間の大半を将棋に捧げないと強くなれないのに、年齢制限を超えたら強制退会でいきなり社会に放り出されるのは少し残酷なのでは。
【犬のみぞ知る Dog Knows】
めちゃくちゃ犯人っぽい人が犯人だったという逆どんでん返し??笑
プロの泥棒からすれば番犬なんてどうにでもなるもんなのね笑
結局未だ榎本の正体はあかされず、彼に振り回されている純子が一方的に泥棒だの毒蜘蛛だの言っている関係性が面白い。 -
Posted by ブクログ
貴志祐介は好きな作家だが、これは今ひとつだった。ハードボイルドテイストのサスペンスなんだけど、SF?ホラー?要素が混じってそれをかき回してくる感じだ。この状況設定がどこまで本当なんだろうか、どんでん返し的な展開があるのか、本当に生まれ変わりがあるのかモヤモヤしながら読み進めることになった。それでもそれなりに読めてしまうのだから自分は貴志祐介のことが好きなんだなと思う。
次代小説は好きではないが、挑戦したかったという貴志祐介のコメントが面白い。一部分だったらいいだろうと思ったというくだり(付録に載っていたやつ)。なかなかの臨場感だった。貴志祐介の時代小説なら読んでみたいかも。 -
Posted by ブクログ
ネタバレなかなか、面白かった。
レビューが賛否両論なのがまた面白い。おそらく、最終的なオチを生理的に受け入れられない人と、妙に納得させられてしまう人とがいるんだろうなぁと勝手に思っている。
私はどちらかと言えば後者だけれど、ゾッとするというよりワクワクしてしまったので、ゾッとする話を求めていた身として三ツ星にしました。
ジャンル不定な感じのお話だが、ざっくりと「ミステリー」でいいのかな?オチを考えると、「SFミステリー」とした方が良いかもしれない。
途中の拷問処刑描写はぶっ飛んでて好きです。凌遅刑的な「活け造り」がきちんと痛そうなのと、丹野のイカレっぷりがわかりやすくて楽しい。
あとは、面白通訳さんとのやり取りで爆笑する茶畑のシーンも、シリアスなはずの場面とのギャップに笑ってしまった。茶畑も丹野に負けず劣らずネジ外れてる感じで、にも関わらず(だからこそ?)魅力的に感じてしまうのが不思議だった。
転生に関してのオチは思いのほかSF(もっと洗脳的なオチを想像してた)で、覚醒した茶畑の神通力っぷりが凄すぎて現実味をあまり感じられず、「おお?」と思っているうちに終わってしまった感じ。もう少し「現実にありそう感」があると「ホラー」かなと思うので、やはりこれはSFミステリーだなと感じる。
でも結局、「宇宙の真理」というものの正体が何であれ、何かをひとつの真理、真相、正解として受け止めるのはその人個人の意識である、とも思う。
「全ての生はひとつの意識である」と認知してその全ての繋がりを実感しているのも、茶畑という一個人であり、その感覚を別個人が完全に共有できるのかというと、どうなのかな?と。ゴブリン占い師が感じているものと、詐欺師占い師が感じているものと、茶畑が感じているものが同じだと、断定することも完全に否定することもできない。
依頼人の正木は正木で、転生というものに一定の「答え」を見出し、現時点での「現実」である情報漏洩や相続問題に対応していくのだろうと思うし。
誰しもにその人の「正解」があって、それを信じて皆生きていくしかない。
それが崩れ去ってしまった時、もしかしたら「狂ってしまう」のかもしれないし、「悟りを開く」ことになるのかもしれない。
何にせよ、全ての人がひとつの意識なのだとすると、全ての人は孤独であるし、同時に、孤独でない人などいないということでもあるのだから、逆に「全ての人は孤独である」という繋がりによって、全ての人は孤独ではないとも言えるのかもしれない。
何とも、頭がおかしくなりそうな本を読んでしまったなぁw