綾辻行人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
最後、読後の満足感がすごい作品。
ミステリーというより、幻想小説・怪奇小説のジャンルに近いかも。この作者さんお得意の「そうくるか!」という膝を叩きたくなるような展開が魅力。
ミステリアスな世界観、登場人物に3巻後半からは手が止まらなかった。
この作者さんの傾向として「すべての謎を解きすぎない」のがあると思うので、そこは好き嫌い分かれるかもしれない。あれは結局なんだったんだろう…という一抹の不穏な謎を残した終わり方がシリーズ通してあるので、そこを解釈の余白として楽しめるタイプの人か、解決になってないとモヤモヤするかで評価が異なる気がする。
あと多少無理があるでしょ!というような設定や落とし所に -
Posted by ブクログ
画家の飛龍想一は静岡から、父・高洋が遺した京都の屋敷「人形館」に移り住むこととなった。人形館には芸術家の父の作った顔や部位の欠損したマネキン人形が至る所に置かれていた。人形館でしばらく過ごしていた想一の身の回りで起こる殺人事件。さらに、想一へ届く脅迫状。一体犯人は誰なのか…というストーリー。
十角館、水車館、迷路館に次いで読んだ作品だったが、それまでの作品が印象深かっただけにうーんとなってしまった。中盤あたりでこの人が犯人で真相はこうじゃないか?っていうのが大体想像できてしまった。
終わり方もボンヤリしていてちょっとモヤモヤの残るものだった。マネキンのトリック(?)は好きだった! -
Posted by ブクログ
基本的に大体の時間は良質な恐怖作品を摂取したい!と嗅ぎ回っているような生活をしている。しかしどういうタイプの怖い話を摂取したいか、というのは日によって随分異なる気がする。
アンソロジーの良いところは、特に下調べせず手に取っても、なにかしら気分にぴったりな作品に出会えるところ。
今回しっくりきたのは三津田信三『集まった四人』、小池真理子『山荘奇譚』。
山あいの怪談が気分だったのかもしれない。
ーーーーー以下ネタバレーーーーー
三津田信三『集まった四人』
これ絶対アカンやつ!という序盤の電話シーンや神社絡みの伝説から期待膨らむ。知らない者同士で曰く付きの山に行くとか嫌やなぁ...。山あいに -
Posted by ブクログ
ネットでみかけたオススメから読む。
綾辻は十角館しか読んだことがなく、あまり詳しくない作家。
新本格と呼ばれる京大ミステリ研グループ作家たちのほぼリーダー、というイメージ。
いろんなお嬢様が出てくるお嬢様学校でのミステリ、ということでワクワク読む。
殺人系クララ白書である。
はじめはその分厚さには驚いたが、一行ずつが短いので1時間半ほどで読み終える。
読み終えて。
えー、犯人って⚪︎子じゃなかったんかー。
ちらちらと怪しく描かれているし、読者をびっくりさせるには、⚪︎子か××が犯人かと思ったけど、そうきたのかー。
たしかにあの子達がいなければ、その次にはあやしい人物だったかも。
うーん、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ犯人に関してのどんでん返しはまさかそっちか!とまんまとしてやられた。
動機に関して尾関の姉が元教主の光子だとか?と思って読み進めていたらそっちの方と因縁があるのね。
所々怪しいと思っていた映美のバックボーンはなるほど。
トリックに関しては、冒頭のロープ、寝袋うんぬんで方法はわかったもの、物理苦手過ぎてF=maのあたりははえー、そうなんだ…で正直ピンとはこなかった(笑
最後の種明かしからの自殺辺りが若干チープにも感じたが、きちんと細かい描写の伏線回収もされていて、明日香井家のキャラクター達が若干漫画、ラノベっぽい?設定しているもののキャラが立っていて読みやすい作品だった。
2025.052 -
Posted by ブクログ
いかにもグロテスク表現がふんだんに盛り込まれていそうな、奇怪なタイトルに惹かれて。
短編集はこれまでいくつか読んだが、いまいちどれも刺さらず、
それならばと個人的"ハズレ無し作家"である綾辻行人の短編集を読んでみた。
特徴としてはどの短編にも「由伊」という名前の女性が登場するが、すべて別人である(と解釈できる)。そしてその女性の近いところ、あるいは女性自身に事件が起こる…といったところ。
話に繋がりがありそうで無い、みたいなモヤモヤ感のせいか、いまいちのめり込めず。
結果的に私の短編への苦手意識がより高まってしまう形に…
そろそろ『暗黒館』に手を出すか…