綾辻行人のレビュー一覧
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新本格ミステリの端緒を開いた『十角館の殺人』刊行から三十周年を記念したアンソロジー。新本格第一世代のレジェンド作家七名の夢の競演。
「名探偵」をテーマに書かれたレジェンド作家のアンソロジー。
「名探偵」をテーマに、とはいえ、実はストレートに探偵ものミステリを書いてる方は少ない印象。ちょっとメタフィクションっぽかったり、今までの新本格の歴史への郷愁を感じさせるものだったり。
ただ、短篇でも粒ぞろいで、この作家陣の並びだけでも非常に贅沢なものを読んでいる満足感があります。
個人的には我孫子武丸さん『プロジェクト:シャーロック』と歌野晶午さんの『天才少年の見た夢は』が好きでした。どちらもちょっ -
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ネタバレ前作の緋色程の衝撃はなかったものの幻想的な雰囲気を持ったサスペンスホラーミステリーって感じで面白かった。
過去の猟奇殺人の真相はまた別のお話らしいから、それを除いた今回の事件は全部「事故」ってところがあんまり読んでこなかったパターンで新鮮に感じたなぁ。
小学3〜4年(特に4年の実矢)なら死んだ人が生き返るなんて御伽噺だってことギリギリ理解できそうなもんだけど、そうならなかったのは隼雄が凡そ子供が好むであろう漫画やアニメの類を禁じてたが故だと思うと何だか遣る瀬無いな…隼雄もただ単に子供達が憎たらしくてそうしてた訳じゃないってとこがまた…そして最期まで子供達のことを理解して和解することもないまま -
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ネタバレまあまあ。
読んだことないかなと思ってたけど、読んだことがあるものばかりだった。ただ、細かいところは忘れていたので新鮮に楽しんだ。
「赤いマント」
簡単な話だけど、ミステリーとしてはきっちりしててすごい。ホラーテイストなのも良い。色ばかりに気を取られるが、匂いか。なるほど。
「崩壊の前日」
雰囲気。スピン元をよく知らないのが残念。
「洗礼」
読んだことあるやつ。読みながら思い出すのに、地震が関係してて…くらいしか思い出せなかったし、哀悼的な話のも忘れてた。
「蒼白い女」
なんか知ってた気がする。ホラーオチ。
「人間じゃない-B○四号室の患者-」
こんなオチかよ。いやまあ人間じゃないの -
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綾辻さんと言えば、館シリーズが真っ先に思い浮かぶのですが、この『緋色の囁き』から始まる囁きシリーズも、初期作品群の中では忘れ難いものがあります。
封印された記憶にまつわる謎が、ホラーやサスペンスの要素を交えて解き明かされる様は、館シリーズとは違った趣が感じられました。
日常から少し浮遊したかのような感覚は幻想性を帯びていて、それが後に発表される数々の作品にも受け継がれているように思います。
全寮制の女子校で起こる連続殺人事件に、不気味で陰鬱な作品世界が相まって、読み進めるごとに緊迫感が増してくる展開と、タイトルにもなっている「緋色」が強調された描写が印象的でした。
映画『サスペリア』を -