友井羊のレビュー一覧

  • やるせない昼下がりのご褒美

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    昼下がりのご褒美と、それにまつわる思い出。
    同じ食べ物にも、そこには一人ひとり違う、誰かにとっての大切な記憶がある。
    中でも、「春とマーマレード」がとても好きだ。日々の生活の中で、「食」を通じたひととひとのつながりを、丁寧に繊細に描く友井羊さんの作品は、食や人に対する愛に溢れていて、いつ読んでも心が安らぐ。
    どの短編も、あたたかく、素敵なお話だった。

    0
    2026年03月10日
  • 巌窟の王

    Posted by ブクログ

    ニュースで逆転無罪の映像をリアルタイムで見ていた。当時は戦前戦後辺りの警察の捜査なんてそんなもんだろうなくらいに思ったし、でも本当はやったかもしれないんでしょ、とまで思っていた。その時の自分を殴ってやりたい。
    冤罪を覆すまでの想像を絶する苦難、努力、絶望…、これは到底常人では耐えられない。自分だったら数年どころか数日で諦めてる。
    小説だからこそ読めるこのスペクタクル感はノンフィクションだからこそか。目が離せない。涙は止まらない。

    0
    2026年03月08日
  • 特選 THE どんでん返し

    Posted by ブクログ

    5人のミステリー作家さんの短編集。
    テーマは「どんでん返し」という事だが??というのもあるがミステリーとしてはおもしろかったです。特に秋吉理香子さんの「神様」、井上真儀さんの「青い告白」は好みです。友井羊さんの「枇杷の種」、七尾与史さんの「それは単なる偶然」もそれなりにおもしろかった。
    新たに読みたい作家さんが現れたので良かった。

    0
    2026年03月07日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 子ども食堂と家族のおみそ汁

    Posted by ブクログ

    すっごく間空けながら読んでるもので、
    麻野さんのお母様のエピソードが記憶から消えかけていました。水難事故で亡くなったお姉さんの代わりに女の子として育てられてたんでしたっけ?
    戻って読み直す気力がないんですが、
    いがみあったまま、という事にはならない様でよかったです。

    0
    2026年02月28日
  • 巌窟の王

    Posted by ブクログ

    身に覚えの無い殺人容疑で逮捕され死刑判決を受ける主人公。そこから過酷過ぎる獄中生活や不当な裁判を生き抜き、冤罪に立ち向かっていく50年の奮闘。群像劇なので多数の視点で話が進んでいき、人間関係の噛み合いにも触れることができた。
    人間の執念の強さの物語。

    0
    2026年02月28日
  • 巌窟の王

    Posted by ブクログ

    大正2年名古屋近郊で起きた強盗殺人事件で、全く無関係であるにも関わらず、真犯人の1人沼澤に主犯と名指しされ逮捕された岩田松之助。

    文字通り殴る、蹴る、水責め、床に並べた棒の上に正座させるなどの、江戸時代を思わせる拷問を受けながらも関与を一貫して否定するが、証拠調べやアリバイ確認もおざなりに済まされ、無期懲役刑が確定する。

    獄中で無実を訴え続け、何度となく暗闇の独房に入れられるが、裁判書類を読み陳情書を書くために50歳を前にして文字を学んだ岩田が小菅、網走の刑務所を経由し、秋田で仮釈放されたのは事件から21年の後、岩田は56歳になっていた。

    出所後も無実と再審を訴え続け、いつからか「昭和の巌窟王」と呼ばれるようになった岩田。
    二度の大戦を挟み、事件から50年後に再審、無罪を勝ち取った裏には、本人の類稀なる不屈の精神力と忍耐、正義感があった。

    初めに岩田の話を聞いてくれた新聞記者の白井、夏川、神林、新藤ら支えてくれた弁護士、白井からスクープを奪った後名古屋政財界の顔役となった古賀、異端の検事結城、岩田の国会証言をお膳立てした代議士赤塚、岩田の生活を助けた古物商の木村チヨ、事件当時に岩田が働いていた硝子工場主服部、秋田刑務所で進むべき道を教えてくれた大崎所長など、快活で真っ直ぐな性格ゆえに周囲の人々にも恵まれた。

    生来の嘘つきで、そのたびに証言を覆す沼澤の虚言で50年を棒に振った岩田は、再審への希望を抱く都度、幾度となく司法の厚い壁にはじき返される。

    名古屋高裁に森裁判長という人を得て、ようやく下された再審開始の判断にも、名古屋高検は異議を申し立てる。
    異議申し立てを判断する判事は、あろうことか、恒例の岩田が審理中に死去することを願って判断を引き延ばすという挙に出る。

    新藤弁護士が見つけた、現行法では可能な高裁判断への異議申し立てが事件発生時の旧々刑事訴訟法では認められないという法律の穴は、皮肉にも本件が約半世紀という長きに亘っていることの象徴でもあった。

    最高裁でようやく勝ち取った再審の判事に再び指名されたのは森だった。

    無実の判決に涙の快哉を叫ぶ支持者たち。

    森裁判長が語る反省と謝罪の弁は、これまでの岩田の生涯を見てきた者たちの胸に強く響いた。

    本事件の後、重大事件にも雪冤の事例が現れるようになったが、官僚的で硬直的は司法の実態は本質的に何も変わっていない。

    本書では真っ当な働きをした日弁連も、今ではすっかり左傾化、政治化してしまった。

    0
    2026年02月26日
  • 巌窟の王

    Posted by ブクログ

    戦前、知り合いから、やってもいない殺人犯にされてしまった男。有罪になってもずっと自分の無罪を叫び続けていた。

    現実の冤罪事件を描くノンフィクション風小説。自分が無罪であるということをこんなにも長く叫び続けるパワーに驚く。面白かった。最近の再審請求に関する法整備のおかしな方向性についても考えさせられる

    0
    2026年02月18日
  • 眠れぬ夜のご褒美

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「泣きたい午後のご褒美」の続き気分で読み出したが、今回はミステリー要素もあり、なかなか楽しい。

    それぞれおもしろいのだが、秀逸だったのが、「ペンション・ワケアッテ」。
    いやいや、日本語って奥深いとつくづく思う。
    主人公は訳あり旅行に出てきて、なんだか感じ悪さMAXだったけど、いつの間にか前を向いていた。
    一方的に別れを告げた男との唯一の繋がりの象徴である手紙を、愚かだと思いつつも大事にしてしまう切なさは伝わってくる。
    だけど、一番大事な話を一方的に手紙で済ませようとしたつまらない男の幻想から目が覚めて、本当によかった。

    どの作品も、とてもおいしそうなお夜食ばかり。
    読んでいておいしくて楽しい。最高である。



    2025/09/19 11:42

    0
    2026年02月13日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん まだ見ぬ場所のブイヤベース

    Posted by ブクログ

    いやー知識量えげつなくないですか?
    医療系、化学系、調理用具系、生物系、
    全方位、隙なし?
    面白かったけど。

    0
    2026年02月12日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん

    Posted by ブクログ

    仕事してると、訳がわからない何かに巻き込まれる。それは受け止めるても見ないふりをしても、どう対処しても、どうしようもないことが多い。だから、区切りを自分の中につけて、生きていくんだなと思えた作品。食事は人生の糧、とは言い得て妙である。

    0
    2026年02月09日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 大人の小休止と鎌倉野菜のポトフ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後は賛否が起きそうだけど、スープ屋しずくらしい終わり方。語り手は伊予ちゃん。主たる語り手だった理恵さんの登場は控えめ。
    パニック発作の流れは身近なことでハラハラした。休職を認める会社で良かった。そうでなかったら余計ストレスになったと思う。
    全体的に『しずく』ならではの雰囲気は味わえた。活力になり、清々しい朝を迎えたような気分になれた。
    新キャラも準レギュラー化してくれそうで嬉しい。ほぼ身内化した理恵さんの視点はこれから減っていくのだろうか。次巻も楽しみ。

    0
    2026年02月08日
  • 新装版 ボランティアバスで行こう!

    Posted by ブクログ

     新刊かと思い購入したら新装版だった。
    東日本大震災からまもなく15年という節目でもあり、3.11迄約一ヶ月、自分の中でも風化させてはいけないという思いとボランティアにも興味があったので手に取った作品。
    『スープ屋しずく』の著者というのも理由のひとつだ。ミステリー仕立てになっているのは予想外だった。

    タイトルの『ボランティアバスで行こう!』という軽快さとは裏腹に、震災現場と作業の描写がとにかくリアル!
    それもそのはず、著者が実際に目で見て触って体験したものだから説得力がある。
    バスのなかでの独特な空気感、被災地での作業中の泥の匂いや瓦礫の重さ、被災者との微妙な距離感、実際に現場で体験した空気が生々しく伝わってくる。
    特に各章の終わりにある「ボラバス体験記」被災地で汗水垂らした者にしか書けない感想やコメントがとても興味深い。

    この物語のポイントはミステリー仕掛けになっているところだ。
    探偵役の成子がボランティアや被災地の「謎」を鮮やかに暴いていく。
    その「謎」も誰かを思う優しさからで、最後に恩送りという善意の連鎖に胸があたたかくなった。

    参加した登場人物の理由も想いも様々。
    最初の動機こそ何であれ、その勇気と行動力は素晴らしい。
    もし自分も行くとなると仕事や経済的な理由を言い訳に躊躇してしまうかもしれない。
    そして、もしかしたら明日は自分が被災者側かもしれない。
    けれど本書を読んで「情けは人の為ならず」誰かを思う気持ちは回り回っていつか自分に帰ってくる。
    善意の連鎖、恩送りという言葉があたたかでボランティアが今までより身近に感じられた。

    スープ屋しずくが炊き出しに来てくれればもっとあたたかくなるかもしれない。

    0
    2026年02月08日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 大人の小休止と鎌倉野菜のポトフ

    Posted by ブクログ

    最新刊!
    今回の主役は理恵じゃなくて伊予。
    新鮮で面白かったなあ。いろんな事件があったけど
    最後ちょっと悲しくなった。最後まで隠そうとしてた事実というかなんというか。いずれ話すのかもだけど、伊予はずっと輝和には恨まれて誤解されたままなのかなあ。うーん。伊予はそれで納得してるみたいだけど……。そう思ってしまうのは私が子どもだからなのかも。

    伊予は働きすぎて体を壊すわけなんだけど、お仕事バリバリの伊予ですら崩すんだから、他人事ではないよなあって思ったり。そんなはずないとか自分は強いからとか思ってたとしても何が起きるかわかんないんだよな。

    0
    2026年01月25日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん

    Posted by ブクログ

    スープが自慢のスープ屋「しずく」は、昼と夜をメインに営業しているが、
    ひっそり早朝にも営業をしている。
    OLの理恵は、早朝出勤途中にぐうぜん店に立ち寄ると、店のスープの虜になる。
    理恵は、職場の同僚たちとうまくいかず、愛用のポーチ紛失事件が発生し、
    ストレスで体調を崩していた。しずくの店長でシェフの麻野は、理恵の
    悩みを見抜き、真相を解き明かしていく。

    この作品は、連作短編で、ぶっちゃけありがちなストーリー展開であり、
    たくさん日常ミステリーを読んでいれば、何度と巡り合うタイプではある。
    ですが、この作品には、魅力あふれるスープが登場し魅了され、スープを
    食す人を癒す。そんな中で、店長の麻野が客の悩みを安楽椅子探偵ばりに
    解き明かしてくれるという読みやすいストーリー。

    この作品を読む前に読んだミステリーではないが、十三湊の「出張料理みなづき」
    も類似した感じがあり、たまたま似ることはあると思いますが、
    こちらも読みやすく、オススメします。

    0
    2026年01月22日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 想いを伝えるシチュー

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    シリーズ3冊目ですが、この後どうなるのと一番ドキドキしました。
    また次作も読みたいです。

    0
    2026年01月10日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 大人の小休止と鎌倉野菜のポトフ

    Posted by ブクログ

    今回は理恵の元の会社の後輩伊与を語り部に変えて、また舞台も鎌倉にしたので、ちょっと感じが変わった。それぞれの謎も、ちゃんろしっかり考えられてて、またいつものおいしそうなスープの描写と共に楽しく読めた

    0
    2026年01月04日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 大人の小休止と鎌倉野菜のポトフ

    Posted by ブクログ

    ハードワークで心を病み
    亡き祖母の鎌倉の自宅で療養する事にする主人公
    スープ屋しずくで心と身体を癒す
    しかし鎌倉散歩中に出会ったキッチンカーや
    ワイナリーで疑問な出来事が?
    その謎にしずくの主人が
    心も温まる。
    読んでてポトフを作りたくなる一冊。

    0
    2026年01月02日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 大人の小休止と鎌倉野菜のポトフ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スープ屋しずくの常連・伊予はある出来事をきっかけにパニック障害を起こしてしまう。休養先に選んだのは、祖母の暮らした鎌倉。そこで近所でキッチンカーのシェフと親しくなり…

    伊予のパニック障害が見ていて切なかったです。冷凍された麻野のスープが毎日の癒しなのが判る気がします。
    祖母の家から出てきたワインの秘密が中々衝撃的でした。昔はそんな作り方をしていたんですね…

    キッチンカーのシェフ・阿久田も味は普通だったのが、伊予を通して知り合った麻野のお陰でみるみる商品の価値が上がって良かったです。

    0
    2026年01月01日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん 朝食フェスと決意のグヤーシュ

    Posted by ブクログ

    シリーズが進むにつれて、どんどんミステリのレベルが上がっているというか、全く想像できなくて驚く結末ばかりでした。
    現場に居合わせることなく、話を聞くだけで謎を解いてしまう麻野さんの推理力は本当にすごい。
    ただ今回はちょっと日常のミステリというには、胸が苦しくなるようなエピソードもありましたが。
    人が争う姿は身内でも他人でもしんどい。
    露ちゃんは年齢よりは大人びて見える子ではありますが、心に傷が残らないか心配になりました。

    麻野さんと理恵さんの関係がさらに進みそうなのは、次作かな。
    毎回楽しみなシリーズなので、続きも楽しみです。

    0
    2025年12月30日
  • スープ屋しずくの謎解き朝ごはん お茶会の秘密と二人だけのクラムチャウダー

    Posted by ブクログ

    高校生?の時に買いだしたシリーズ、もう9巻目なんて。時が経つのは早いねぇ。

    今回もほっこりって感じ。
    ただ、麻野と理恵せっかく付き合ったのに関係性があまり変わっていないような……。まあ素敵な2人やから2人にしか分からない何かがあるのかな?
    モーニング食べに行くのって私割と好きで。
    なんか早起きして美味しいモーニング食べてる時って、その日1日得したように思えるんよな。なんか時間を有効活用したって感じがするというか。

    どこかのモーニングの常連になりたいものですね。

    0
    2025年12月29日