友井羊のレビュー一覧
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大正2年名古屋近郊で起きた強盗殺人事件で、全く無関係であるにも関わらず、真犯人の1人沼澤に主犯と名指しされ逮捕された岩田松之助。
文字通り殴る、蹴る、水責め、床に並べた棒の上に正座させるなどの、江戸時代を思わせる拷問を受けながらも関与を一貫して否定するが、証拠調べやアリバイ確認もおざなりに済まされ、無期懲役刑が確定する。
獄中で無実を訴え続け、何度となく暗闇の独房に入れられるが、裁判書類を読み陳情書を書くために50歳を前にして文字を学んだ岩田が小菅、網走の刑務所を経由し、秋田で仮釈放されたのは事件から21年の後、岩田は56歳になっていた。
出所後も無実と再審を訴え続け、いつからか「昭和の -
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ネタバレ「泣きたい午後のご褒美」の続き気分で読み出したが、今回はミステリー要素もあり、なかなか楽しい。
それぞれおもしろいのだが、秀逸だったのが、「ペンション・ワケアッテ」。
いやいや、日本語って奥深いとつくづく思う。
主人公は訳あり旅行に出てきて、なんだか感じ悪さMAXだったけど、いつの間にか前を向いていた。
一方的に別れを告げた男との唯一の繋がりの象徴である手紙を、愚かだと思いつつも大事にしてしまう切なさは伝わってくる。
だけど、一番大事な話を一方的に手紙で済ませようとしたつまらない男の幻想から目が覚めて、本当によかった。
どの作品も、とてもおいしそうなお夜食ばかり。
読んでいておいしくて楽し -
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新刊かと思い購入したら新装版だった。
東日本大震災からまもなく15年という節目でもあり、3.11迄約一ヶ月、自分の中でも風化させてはいけないという思いとボランティアにも興味があったので手に取った作品。
『スープ屋しずく』の著者というのも理由のひとつだ。ミステリー仕立てになっているのは予想外だった。
タイトルの『ボランティアバスで行こう!』という軽快さとは裏腹に、震災現場と作業の描写がとにかくリアル!
それもそのはず、著者が実際に目で見て触って体験したものだから説得力がある。
バスのなかでの独特な空気感、被災地での作業中の泥の匂いや瓦礫の重さ、被災者との微妙な距離感、実際に現場で体験した空気 -
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スープが自慢のスープ屋「しずく」は、昼と夜をメインに営業しているが、
ひっそり早朝にも営業をしている。
OLの理恵は、早朝出勤途中にぐうぜん店に立ち寄ると、店のスープの虜になる。
理恵は、職場の同僚たちとうまくいかず、愛用のポーチ紛失事件が発生し、
ストレスで体調を崩していた。しずくの店長でシェフの麻野は、理恵の
悩みを見抜き、真相を解き明かしていく。
この作品は、連作短編で、ぶっちゃけありがちなストーリー展開であり、
たくさん日常ミステリーを読んでいれば、何度と巡り合うタイプではある。
ですが、この作品には、魅力あふれるスープが登場し魅了され、スープを
食す人を癒す。そんな中で、店長の麻野