友井羊のレビュー一覧
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オフィス街の一角にあるスープ専門店。ランチとディナーのみの営業だが、実は朝のスープセットが存在する。ひっそりと営まれる朝ごはん。
第1話 タウン誌編集部で働く理恵は、一時的に化粧ポーチがなくなり、その事で同僚を疑ってしまう自分が嫌になっていた。そんな時にしずく屋さんの朝営業を知る。
第2話 理恵の同僚伊予は、友達で先輩の椎名が彼女に去られて食べられない状態であるのを知る。一緒に彼女を探しながら、なんとか食べさせたい伊予は椎名をしずく屋に誘う。
第3話 ふくちゃんのお姉ちゃんは元モデルで美人。お母さんも美人。自分がふっくらしていると思っているふくちゃんはダイエットしようと頑張るが、ついつい食べてしまうのだった。しかし甘いものが目の前に出て来るのが姉の企みだと知り…
第4話 理恵はしずく屋で3人連れの女性客と行き合う。そのうちの1人が婚約指輪を紛失したと言いがかりをつけられ…
第5話 しずく屋の麻野の娘露は早くに母を亡くしたはずだったのに、ある時理恵は露が「お母さん」と呼ぶ女性と一緒にいるのを目撃してしまう。 -
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スープ屋しずくの謎解き第2弾。
本書では4つの話があるが、3話が『「このミステリーがすごい!」大賞作家書き下ろしBOOK』に掲載されたもの。最後の1話が書籍化書き下ろしとなっている。
なので、2冊目から読んでも前3話は比較的内容は分かると思われる。
特に印象に残ったのは、3話目の『山奥ガール』
伊予の友人がジビエの美味しさから狩猟に興味を持つという話。
この話の中で、猟師になるにはどのぐらいの準備がいるのか、狩猟のルールがなど細かく書かれている。
特に今年は全国的にクマの出現が多く、猟師も少ないといった話を聞く。
時には食のために、時には駆除のために動く猟師は、人間と山との橋渡しをする存在かもしれない。
そんなことを思いながら、いつかおいしいジビエ料理が食べたいと思いをはせる。
最後に、淡々としているように見える店主の麻野さんが、ジビエに影響され、娘の露ちゃんにジビエ用の熟成庫を置きたいと懇願する場面は、ちゃんと欲のある一人の人間なんだな~とかわいさを感じた。 -
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食事のメインにはなりにくいけれど、あると嬉しいのがスープ。
ちなみに食事におけるスープの役割としては
・消化を助ける
・栄養バランスを整える
・体を整える温度調節機能
・ご飯とおかずを繋ぐ
・心理的な安心感
という働きがあるよう。
そういえば、このスープ屋しずくに来店するお客は、疲れた人が多い。そして、しずくで食べた後はほっこりした気分になることが多い。
なので、スープが作品を繋ぐ要になっているのは間違いないだろう。
個人的には3話目の「ふくちゃんのダイエット奮闘記」が印象的だった。
読み進めていくと感じる違和感を、最後にしっかりと回収していく。しかも、終わり方がモヤモヤしない、わたし好みの内容と構成だった。
また、スープの描写がイメージを搔き立て、食べたくなってしまうので、食テロ注意!
ミステリー好きだけど、グロいのは苦手という人におすすめ。 -
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昔読んだ記憶があったが、内容を忘れていたので再度購入・再読。描写は細かくそれでいて堅苦しくない軽い文体で非常に読みやすい。「謎」のクオリティーに関しては著者の他の作品で信頼出来ると確信していたので不安はなかったが、この作品も例に漏れずこちらの認識を2度3度と裏切ってくれる心地よささえ感じられる。
個人的には第5話「わたしを見過ごさないで」のまんまと著者の思惑通りに騙され続ける感覚も好きだが、「あぁ、やっぱりこの作者好きだな」と思わせてくれたのは第3話「ふくちゃんのダイエット奮闘記」だろう。食事に関する描写も巧みなので腹が減る。夜も深い時間にこのレビューを書いているがスープでも作ろうか……いや明日の朝まで待ってみようか。そんな気持ちにさせてくれるあったか~い作品。おすすめ。 -
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ネタバレHKさんのおすすめ。
勤め先の近くに朝食にスープを食べさせてくれる店がある。
それだけでも贅沢な感じなのに、
美味しくて体に良くて、
しかもパンとドリンクがフリーとは。
お店として大丈夫なのか心配してしまう。
案の定、店主の生み出すスープは採算ぎりぎりらしく、
ちゃらいバイトと思いきや、実は店のあるビルのオーナーから文句を言われている。
だが、店主が幼い頃、母親のために亡くなった姉のふりをしていたとか、
その店主を気にかけて救い出してくれた警察官が亡き妻だったのは予想外だった。
それと、意外だったのは、
店主の娘が「刺されちゃえば良かったんだ!」と言っていたこと。
娘の親友の母親が、親友のことを覚えていないだけでなく、
お金目当てだったことがわかり、
親友が母親を刺そうとしたことに対して。
いくら握りしめていたのがボールペンだったとしても、
娘もその親友も暴力的すぎません?
全体としてほのぼのしている感じだったので、少し驚いた。
店主と娘の家族になりたいと思った主人公の理恵との関係はどうなるのか、
楽しみ。