友井羊のレビュー一覧
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ネタバレ読み始めてすぐに、なぜ主人公をネガティブに見える書き方をするのかなと不思議だった。でも読み進めていくうちに、理由がわかった。そして、それを、ネガティブと感じた自分の中にこそ見えない差別や普通であることが正しいという固定観念が埋まっていると気づいた。非常にセンシティブで、ケースが増えているからこそ書き方も苦労しただろうけど、明るい雰囲気の小説になっているのがすごい。
個人的に、結のほうは直る、改善に近い状況(というか適応できる)になっているのに対して、夏希のほうは直るというところまで、いっていないのが切なく、特性の違いなのかなと思ったりもした。 -
Posted by ブクログ
前作のファンです。
前作の菓奈と今作の夏希。
ふたりの持つものと同じ、当事者なので首が取れそうなほどうなずきたくなるポイントが多くありました。
前の話よりこっちのほうが好きかも…。
登場人物が多すぎなくて読みやすいからです。
前回と違ってしっかり参考文献があるのでそこも勧めたいポイントです!
前作は吃音の本やお菓子の本も参考文献に入れてほしかった…
この作品、夏希の設定に力を入れすぎて社交不安障害についてはあんまりわからなかったかな…。
もちろんこの本読んで知った気になるようじゃダメだけど、もっと、そういう描写が欲しかったなぁ。
話全体はすごく良かった。 -
Posted by ブクログ
「スイーツレシピで謎解きを」の姉妹編
時系列的には前作のその後だけど、単体でもこっちを先に読んでもいい
でも、前作を読んでいると「おおっ」と思う箇所がいくつかある
計8つの連作短編
今回はスイーツに限らず料理や食べ物に関した謎
前作の主人公たちが卒業した後の同じ高校が舞台
主人公は社交不安障害の落合結と、「猪突猛進」「頑固一徹」という言葉が似合うが故にトラブルメーカーな荏田夏希
二人の周囲で起こる食べ物に関する不思議な出来事
その理由を探る過程で培われる友情と周囲との人間関係
お料理×日常の謎×青春小説
・膨らまないパンを焼く
・足りないさくらんぼを数える
・なれないお茶会で語らう
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Posted by ブクログ
シリーズもここまで来ると、もう「安定感」みたいなものが出てきて(^ ^ このシリーズで、もちろん「ハズレ」があろう訳はないし、浅野と理絵の「好き合うてるくせに踏み出さないもどかしさ」も健在(?)だし(^ ^ まるで「美味しんぼ」のように、単純ですぐ改心する登場人物も相変わらず(^ ^; いや、ほめてるんですよ?(^ ^;
全体的に、とてもゆっくりした時間が流れていて、だからこそ「いざ事件」の時の緊迫感がいや増して。「読み手のリズムを誘導する」手練れ感。これこそが「筆力」というものなのでせう(^ ^
ミステリなので、何を書いてもネタバレになりそうなので、ホントに単なる感想文のみでした(^ ^ -
Posted by ブクログ
シリーズ5作目
4つの連作短編
・子ども食堂とふさぎこむ少女の秘密
・揺れる香りは嘘をつかない
・夕焼けに消えた泥棒の謎
・非行少年の目的地
「しずく」の噂を聞いて訪れた青年の省吾は麻野さんのスープと問題解決の能力を頼り、自分も手伝っている子ども食堂への協力を依頼する
子ども食堂に来る子供や親の抱える問題とその解決
そして麻野さん自身の母親との確執の行方
今回のテーマは重い……
何かを抱え込んでいそうで非常に疲れ気味な女子中学生、シングルファザーの虐待疑惑、オカルト嫌いの父親の家に訪れた泥棒、赤ちゃんの妹の首に煙草を押し付けた男子中学生
そんな彼ら彼女らと深く関わっていた夕月逢子は、河原 -
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決して軽くない罪
実の父を訴える13歳の主人公。動物虐待を扱った作品。読むことを躊躇ってしまう表現の数々。物語が進むにつれ、心が悲鳴を上げてしまった。読後もイヤな気分が残るが、主人公を支えてくれる人たちがいることが救いとなった。
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購入済み
いいにおいが沁みます
スープ専門店が舞台。実際にこんなお店あったら行ってしまうだろうな。朝からスープって素敵すぎます。
何かありげな店主と娘さん。それを取り巻く人々との交流が興味深いです。ほんわか系と思いきや、その根本にあるものは、なかなか手強い。これからの展開が、とても興味深いです。