あらすじ
終戦後、荒廃から立ち直る日本において、「食」から家庭を応援する女性がいた。料理研究家である彼女は、様々なレシピを発表し、日本中の女性から支持を集める。そんな「伝説の料理研究家」が現代まで歩んできた道を、それぞれの時代の社会背景とつくられてきた料理を絡めて描く連作ミステリー。「2020年のポテトサラダ」「2004年の料理教室」「1985年のフランス家庭料理」「1965年の朝の食卓」「1947年のじゃがいもサラダ」の5編からなる。
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Posted by ブクログ
いくつもの時代を料理で渡ってきた人と
周りの人々がつながっていく
読み終わった時には、時間旅行をしてきたかのような気持ちになれた。
再開することだけがハッピーエンドじゃないんだろうなと思うし
一緒に穏やかな気持ちになって読み終えていた。
ここに出てくるじゃがいもサラダ食べたいなー
Posted by ブクログ
少しずつ出されていた謎が、最後には全てクリアになり、すっきりと読み終えることができました。
生きている間に伝えたいことは伝えなきゃ、と思えました。
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料理研究家、大河弘子の人生を辿る物語。
美味しそうな料理と謎。かなり好みだった!時代を遡って明らかになる事実も楽しい。
出来過ぎの偶然も、個人的には好きだな。
毎日の家庭の料理では柔軟性も大事という弘子の方針に、料理に対する苦手意識が取り払われ、家でビーフシチューまで作るようになる理央が、頼もしい。
若干ふらふらしている翔吾も、曾祖母の歴史を辿って、これからきっと自分の料理の道に進むのだろうと思うと、ちょっとにんまり。
戦後から現代まで、逞しく生きる弘子さんと、彼女に関わる人たち。素敵な人生だなぁ。
Posted by ブクログ
著名な料理研究家である大河弘子先生の100年の人生には、いつも料理が中心にあった。
人が豊かに生きていくためには、何をどのように食べるかが重要で、でも日々手の込んだ料理を作るのは大変だ。
料理には苦手意識があったけど、自分に合うレシピ本を探してみようかなという気持ちになった。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ良かった!!
伝記ならば、その人の生い立ちから成人、そして老後、と読み進めるだろう。
が、これは逆なのだ。
亡くなったところで、その人の焦点が始まり、段々と時代を遡る。懐かしい単語、見慣れない単語なども出てきた。
そして、戦争。
私は経験がない、が、こんな風になっていたのか、と胸が軋む、が、その中で人々は生きてきたのだ。
焦点に当てられた、大河弘子。
謎も面白かったし、最後に繋がる終点も本当に良かった!!!!
Posted by ブクログ
話は1話ずつ過去の話へ遡っていくが、人と人との繋がりがどんどんわかって、100年ってすごいなと思う。
戦時中と戦後を生き抜く強さと、生き抜いたからこその優しさがある気がする。
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料理研究家 大河弘子さんの100年が詰まった料理と推理と人生の物語。
章が進むにつれ時代を遡り、時代背景と食卓,社会情勢が感じられ、どんどん面白くなっていった。
料理研究家の仕事って何だ?を初めて理解した。
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料理研究家の女性の100年の物語。
ただの美味しいお料理が出てくるだけでなく、色んな時代の女性たちの悩みや苦しみが描かれ、ほんのりとミステリの味付けも施されていておもしろかった。
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料理が苦手で彼氏に振られた理央。彼氏にもう一度振り向いて欲しくて、料理研究家・大河弘子の料理学校へ通う決心をする。そこで、弘子の曾孫・翔吾と出会い…
現在から遡って展開するオムニバス短編集。
ちゃらんぽらんに見えて、一番弘子の才能を引き継いでいる翔吾と料理に目覚めていく理央が良いコンビでした。
家庭料理を簡単に美味しく手抜きに出来るなんて、今の時代の先駆けな弘子がとても格好良かったです。それが現代に受け継がれているのが感慨深かったです。
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出てくる料理がとにかく美味しそうでした。
最後の参考文献を見ると小林カツ代さんや飯田深雪さん、江上トミさん栗原はるみさんなどの本を挙げられていました。
連作短編集で料理研究家の大河弘子(現在99歳)が料理にまつわる事件を各年代ごとに推理します。
2020年20歳の曾孫の翔吾のガールフレンドの理央と弘子の関係が最後に明らかになります。
ストーリーも心温まるお話でした。
「2020年のポテトサラダ」
料理が下手だったために二カ月付き合った隆史にふられた大学二年生の理央は大河弘子99歳の開いた料理教室に入門し弘子の曾孫で料理のセンス抜群の翔吾と仲良くなります。ある日理央の家のキッチンから甘いものがすべて消えてしまうというおかしな事が起こり、オンライン通話で話した弘子がその謎を解き明かします。弘子は理央の祖母の知り合いのようでもあるのですが…。
「2004年の料理教室」
料理教室の講師大河健吾は大河弘子の孫であり、翔吾の父です。当時翔吾5歳。弘子84歳。
中川愛歌5歳と母親の清美が料理教室で料理を習いに来た日、愛歌の誕生日でした。美味しい物の大好きな愛歌は誕生日なのでお昼に「レストラン・トゥルーム」のステーキ丼、デザートに「えがお家」のチョコレートケーキを食べていました。しかしその夜、愛歌は牛乳アレルギーの発作に苦しみました。弘子はアレルギーの原因を推理します。
「1985年のフランス家庭料理」
「1965年の朝の食卓」
「1947年のじゃがいもサラダ」
昭和22年大河弘子27歳。3歳年上の商社に勤める夫と結婚していますが、夫は戦争へ行ってしまいました。弘子は一人で小麦を売りパンを作ってもらいサンドイッチを売り始めます。そして阿久津美代子と完治夫妻の家で女中をしていた働いていた幼なじみの花央が行方不明になった原因を推理します。そして2020年、理央との因縁がわかります。
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100歳で亡くなった料理研究家大河先生のこれまでを20年ごとに綴る連作短編集。
一話目は突然の謎解きパートに違和感だったけど、どの話もコロナや、アレルギー対策などそれぞれその時代の背景を反映させた事件になっているのが面白かった。それゆえに、現代では「異物混入までして、その理由がこれ?」と思えることでも、説得力を増していたように感じる。
各話でじゃがいものサラダにまつわる伏線も出てきて、ラストの大河先生の親友の話に繋がるのも美しい。
異物混入の話だからか食が全面に出ている小説でもお腹があまりすかなかったのは誤算。
Posted by ブクログ
料理 × 謎解き × ドラマ
と内容盛りだくさん!
時代の社会背景と料理を絡めて描いているので想像してたよりも内容に深みがあって引き込まれたし、時代を越えてつながる人間ドラマに感情を揺らしながら読み終えました。
1人の女性の生い立ちを追いながら、レシピの話だけに留まらず、日本という国が辿ってきた食の歴史や、女性の生き方にも触れられていておもしろかった。
こういう時代を遡って少しずつパーツが埋まり、繋がりを感じられる構成好き。
料理研究家としての道を歩んできた理由、祈りにも近い「想い」を知って胸がいっぱいになった。
改めて読み返してみて涙ぐんでしまった。
良き読書時間でした。
『日本の色々な家庭で、今日も家庭料理が作られている。日々の営みは過去から現在、未来に向けて綿々と続けられていく。』
Posted by ブクログ
2020年 コロナの味覚障害
2004年 食品偽装問題 アレルギー
1985年 アルコール強要や依存症
1965年 愛情 女性が働くこと
料理研究家を中心にとても奥行きのある話でした!
最後、積み重ねられた100年のレシピとは友を思う気持ちだったのかと驚きました。そして、簡単な家系図を書いてしまいました。
Posted by ブクログ
とてもおもしろいストーリーでした。
ネタバレにはならないと思うのでいいますが、章ごとに語り部が変わるのが読んでいてとてもおもしろかったです。あと、愛歌ちゃんがなんでそんなに大食いなのかはわからずじまいでした。
ただ、序盤の方の展開が主人公にいいように進みすぎていて、ピクシブの小説を読んでいるようだったのが少し残念でした。最後まで読めばしっかりといい小説だと言えるのは確かです。
Posted by ブクログ
100歳で亡くなった料理研究家の
人生に絡むミステリー
料理が苦手な大学生はそれが原因で
彼氏に振られ
著名な料理教室に通うことになる
アレルギーに関する事件
アルコール依存に関する事件
そして戦前戦中戦後を
いかに生きてきたか明らかになる
そして大学生の祖母と料理研究家との
関係が読み手に明らかにされる
何だか料理教室に通って
美味しい料理を作りたくなった
Posted by ブクログ
料理×ミステリーすごく面白かった!!!
まさか、料理とミステリーが掛け合わさるなんて!!!
作者の料理好き&食べることが大好きなんだなぁと、本からすごく伝わる。
そして、私も食べることが大好きで、料理勉強中だから、読んでいてワクワクした〜!!!
友井さんの本は今回で2冊目だが、他の本も気になった。
Posted by ブクログ
料理×ミステリーで人気のある友井羊さん、初読み。
タイトル「100年のレシピ」にあるように、
この1冊で100年を語る、壮大な物語だった。
しかも斬新!
高名な料理研究家 大河弘子さん、満100歳を迎える!
で、翌日この世を去る……(えっ?!)老衰で眠るように逝かれる。
5つの章では年代がどんどん過去にさかのぼっていく。
令和、平成、昭和のバブル期、戦後、そして戦前から終戦。
視点は他者で、ある出来事かおこり、その謎を大河弘子がときあかす。
最終章では大河弘子自身が語ってくれる。
時代設定がちがうから別の話……と思わせておきながら、最初からのながれに沿っていて、あぁ〜ココと繋がった!と腑に落ちたときが心地いい。
料理のシーンではよだれが出そうなほど美味しそう、それでいて書かれているレシピは手がかからずチャレンジできそうで作ってみたくなる!
謎解きはちょっと辻褄合わせがすぎる??とか、そんなうまく繋がる??と思えるところもあるけれど、大河弘子という人の良さ優しさ強さが作品全体を包み込んでいる。
本を開くと、オーブンを開けたような温かさと美味しい香りで満たされる感覚だ。
各時代のなかで、親しまれた食卓やレシピ、料理法も紹介されていて、懐かしさもある。
さらに、食品に関する事件事故などの史実や当時の物価、暮らしぶりも織り交ぜられていて、たんなるお料理小説やミステリーとの格のちがいを感じさせられた。
やっぱり美味しいものは人を幸せにするし、思い出とともに記憶に残るのだなぁ〜。
さて、今日の夕ご飯はなににしようかな?
大好きな栗原はるみさんにするか、土井善晴先生の一汁一菜で済ますか、やっぱり平野レミさんでドーンといくか!?
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料理研究家、大河弘子の人生を現在から振り返っていく物語。
料理研究家らしく作中にはいろんなお料理やレシピがでてきますが、同じような構成の『東京會舘と私』や『羊は穏やかに草をはむ』に比べて単調なイメージをいだきましまた。けれど、最後の最後でスタートに戻る!
このラストが気に入ったので星3から4へランクアップです。
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その時々の手に入りやすい食材を使用し、素人にも易しい技法で時代に合ったレシピを提案し続ける料理研究家。
市井の人々に寄り添う温かな気持ちと時代を見極める鋭い感覚が必要な重要な職業なのだと知れた。
ミステリー小説なのだけれどそれを忘れてしまうほど料理研究家である大河弘子氏の人生は濃い。
一年の終わりにこんな本に出会えて良かった。
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全てが揃う理科系ミステリー
スッキリする物語だ。ファンタジーといっても良いかな。作者さんは常にフェアなミステリーを届けてくれる。隠し事なし、騙すのもなし。だけら多少偶然過ぎてもスッキリ感が優先する。楽しかった!
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高名な料理研究家・大河弘子が出遭う様々な人々、料理、そして事件。少しずつ時代を遡りながら、大河弘子がなぜ料理研究家となったのか、何故彼女は食べ物の異物混入やお酒のトラブルを嫌うのかを明らかにしていく。
大河弘子が押しつけがましくなく、でも芯が強くて如何にもな探偵キャラなのだが、そんな彼女も遡れば間違いもあったし奔走もあった。
また料理学校の全国展開では痛い目にもあったらしい。
少しホッとする。
大河弘子がなぜ料理研究家になったのか、なぜそこは語られて来なかったのか。
その原点たる最終話1947年の話と、第一話の主人公・理央の『私の両親なんて、先生のお料理が縁で親しくなったんですよ』という言葉が繋がるのが心地よかった。
『生きていれば、必ず家事をしなければならない』
『多少失敗しても挽回できて、美味しさのツボは外さない』
『少しでも生活が楽になっていてほしい』
出てくる料理が美味しそうで、読んでいるだけで楽しかった。
料理は苦手なので苦痛で仕方ない時期もあったが、こんな思いで作ってくれるレシピがあれば試してみたい。
それにしても100年前というと、もう戦時中の話になるのか。第二次世界大戦も随分と遠い話になってしまった。
Posted by ブクログ
料理が苦手な大学生、理央。彼に料理を作ったとたん失恋。
彼を振り向かせようと、高名な料理研究家の大河弘子が設立した「大河料理学校」に通い始める。そこで理央は弘子の曾孫・翔吾と出会い。
弘子に実家で起きた事件を解決してもらった理央は、100歳の料理研究家、大河弘子の軌跡をたどり始める。
コロナ禍で外出自粛、学校の対面授業はなくなり、理央の家庭内にも影響が。
そんな中、真夜中にキッチンから砂糖とお菓子が忽然と消え、翌日、現れる。
翔吾の父、健吾が料理をふるまった後、乳製品アレルギーの発作で倒れた少女。
乳製品はいつ混入されたのか。
編集者の聡子は雑誌の特集で大河弘子のフランス料理を紹介することに。撮影場所に妹の家を使用することになるが、葡萄ジュースに赤ワインが混入されて。
弘子の料理研究所で、親友の母の料理講師研修に参加することになった、温子。
作っていたコロッケが爆発した原因とは。
戦後、料理の腕を買われて八王子の地主宅で洋食を作ることになった弘子。
実はこの地主宅で働いていた親友の花央の行方を探るために入り込んでいた。
コロナ禍、バブル後の食品疑惑、バブル期の闇、専業主婦と家庭、戦後の渾沌。
それぞれの時代が流行した歌やCMなどを交えて語られる。家庭料理の変遷と共に、戦後から家庭のあり方は随分変化したんだなとしみじみ考えさせられる。
登場する料理も、ミステリもほどよい塩梅で、最後の余韻もいい感じ。
Posted by ブクログ
戦前戦後から現代(2020年)までの100年を生きた料理研究家のお話。
それぞれの時代の社会背景とつくられてきた料理を絡めて描く連作ミステリーでした。
生涯現役で亡くなる直前まで謎解き。綺麗にまとまった感があります。絵に描いたような幸せなラストでした。
Posted by ブクログ
料理に纏わる謎を、料理研究家の大家が解決していくのを20年毎に遡る形式で。
どんな料理にも、思いやりや愛がある。料理がつなげる出会いに、大河弘子の人生が素晴らしい。
夜中に甘いものが消えた謎はギムネマ茶で解決。
食物アレルギーでは偽装が発覚。
猛烈社員の時代には専業主婦の孤独ゆえにアルコール依存症が。
戦後、弘子が料理をふるまうようになるなかで、無くした親友との関係と再びの出会い。
全てが繋がっていく。
Posted by ブクログ
ごはんの描写が非常にイメージしやすく
作ってみようと思えるレシピもあった
手間ひまかけることだけが愛情だと思い込んでいたが、当人が置かれた状況のなかで
できる限りのことを考え、行動に移すことこそ
愛情かもとおもった。
伏線ありの短編ストーリーで構成されたドラマ小説、わずかにミステリー要素あり
最後が今までの短編ストーリーを綺麗にまとめていて良かった
Posted by ブクログ
料理×謎×ドラマとなっているが要素としては謎部分は薄いかな、料理も100歳の料理研究家のお話なので各年代の料理が出て来て多彩ではあるが実際美味しそうかと言われればちょっと家庭料理としては大袈裟、お話もちょっと大きくなりすぎで面白かったけど今一歩。