あらすじ
累計60万部突破「スープ屋しずくの謎解き朝ごはん」シリーズ著者が放つ
感動のどんでん返しミステリー
・本作は末永く読み継がれるべき作品である。全国民必読! ――宇田川拓也(ときわ書房本店)
・「SRの会」第1位!
※SRの会:日本最古のミステリーファンクラブ
※2013年ミステリーベスト10/国内部門
東北で大地震が発生した。多くの支援が行われるなか、大学生の和磨は、バスをチャーターして支援活動に参加する「ボランティアバス」を企画することに。
行方不明の父親の手がかかりを探す姉弟に出会った女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内など、さまざまな人が各々の思惑を抱えてバスに乗り合わせるが……。驚きのラストが感動に変わる!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
新刊かと思い購入したら新装版だった。
東日本大震災からまもなく15年という節目でもあり、3.11迄約一ヶ月、自分の中でも風化させてはいけないという思いとボランティアにも興味があったので手に取った作品。
『スープ屋しずく』の著者というのも理由のひとつだ。ミステリー仕立てになっているのは予想外だった。
タイトルの『ボランティアバスで行こう!』という軽快さとは裏腹に、震災現場と作業の描写がとにかくリアル!
それもそのはず、著者が実際に目で見て触って体験したものだから説得力がある。
バスのなかでの独特な空気感、被災地での作業中の泥の匂いや瓦礫の重さ、被災者との微妙な距離感、実際に現場で体験した空気が生々しく伝わってくる。
特に各章の終わりにある「ボラバス体験記」被災地で汗水垂らした者にしか書けない感想やコメントがとても興味深い。
この物語のポイントはミステリー仕掛けになっているところだ。
探偵役の成子がボランティアや被災地の「謎」を鮮やかに暴いていく。
その「謎」も誰かを思う優しさからで、最後に恩送りという善意の連鎖に胸があたたかくなった。
参加した登場人物の理由も想いも様々。
最初の動機こそ何であれ、その勇気と行動力は素晴らしい。
もし自分も行くとなると仕事や経済的な理由を言い訳に躊躇してしまうかもしれない。
そして、もしかしたら明日は自分が被災者側かもしれない。
けれど本書を読んで「情けは人の為ならず」誰かを思う気持ちは回り回っていつか自分に帰ってくる。
善意の連鎖、恩送りという言葉があたたかでボランティアが今までより身近に感じられた。
スープ屋しずくが炊き出しに来てくれればもっとあたたかくなるかもしれない。