亀山郁夫のレビュー一覧
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文学や編集に携わる8名の手による万葉集エッセイ集、といえばよいか。
出だしから中西進氏による『旧約聖書』と『万葉集』のリンクが展開され、度肝を抜かれる。良き文学とはほかの文学と共鳴するものとはいうが、まさかそんなところと響き合うとは。しかも万葉集の第一人者の一人中西進氏からそんな。おみそれしました。
川合康三氏の「山上憶良と中国の詩」、高橋睦郎氏の「いや重く謎」あたりは若干硬めの印象を受けるかもしれないが、基本的には一流の文化人たちによる平易な万葉集エッセイである。いや平易と言ったが完全に万葉集知りませーん何書いてあるんですかーな人には向かないかもしれない。ちょっとは齧った人向け。だが、ちょっ -
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怒涛の展開だった。なんともやりきれない話なのだけれど、引き込まれた。
相手のことを思うがゆえに、二人にとってよくない方向に進んでしまうのは、どこに原因があるのだろうと考えてしまう。素直に享受すればよいのに、どこかで自分を卑下してしまうのか、傷つくことに快を得るからなのか。
純粋な気持ちにも、いろいろな表れ方があるのだなあとも思った。周りの人にとって気持ちのいい表れ方もあるし、表裏がなくても苛立たせる表れ方もあるし、陰湿で苛烈な表れ方もある。表面だけでは内面はわからないし、内面が同じでも表面は異なることがある。
そういう人間の性質も、小説が尽きない要因なのだろう。 -
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以前別の出版社のものを読もうとしたら訳が馴染めず序盤でリタイヤしてしまったけど、こちらは読みやすい訳なので読みきれた。
この訳者の訳は批判されることもあるようだけど、細かいところは一旦おいておいてまず読みきることを前提とするなら一番向いてる気がする。
しおりに登場人物表もついてるのでわかりやすいし。
それでも後半までは話があまり進んでる感じがしなくてしんどかったけど、キリーロフの話は引き込まれるものがあったし、終盤やっとスタヴローギンとピョートルが登場してからは展開が気になって楽しく読めた。
ここからだいぶ話に勢いがつきそうな気がするので2巻も楽しみ。
(2024/01/22 再読) -
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読み始めてすぐに緊急手術・入院、退院後の自宅療養と続いて
読み終わるのにめちゃくちゃ時間がかかってしまった。
昨年はロシア革命から100年ということで関連書籍がいくつか出ている。
本書もそのうちのひとつ。
ただ、タイトルにこそ「ロシア革命」と入っているが全体としては革命
前夜からのロシアの芸術・文学史を基礎において、ロシア民族を語る
という感じかな。
トルストイ、ドストエフスキー等の作家をはじめ、芸術家・音楽家の
名前がわんさか出て来るので、ある程度のロシア文化の知識がないと
ふたりの話について行くのが大変。
ロシア文学を読み漁ったのって10代後半から20代にかけて -
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『悪霊』というタイトルのくせに上巻のワルワーラ夫人の庇護の元生活しているヴェルホヴェンスキー氏の高等遊民みたいな話で「このおっさん、好き勝手に暮らしてんなー」と気楽な雰囲気がある。
ところが、下巻に進むにつれてヴェルホヴェンスキー氏は脇によけて不穏な動きが出てきて事件が起こし、ラストの方は悲惨。
「ルカの福音書」の引用にからめて、スタヴローギンを中心として(表面的にはピョートルだけど)悲劇に向かっていく展開の仕方、書き方は好み。
神(またはそれぐらいすごいもの)を信じるか、信じないかで全然違う。信じている人は平穏。信じてない人はなんで生きてるのか意味を見つけようとして苦しむ。そんな図式が古