亀山郁夫のレビュー一覧

  • 罪と罰 2

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    “「でも、きみの罪はなにより、きみが自分をむだに殺し、自分をうらぎったからだ」”(p.314)


    “ご自分の猜疑心のせいで、物事に対する健全な目までうしなってらっしゃる、てことを言いたいんです。”(p.376)

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    2020年05月26日
  • 罪と罰 3

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    “すべては、人間がどういう状況にあるか、どんな環境にいるかにかかっています。すべて、環境しだいなんですよ、人間それじたいは、何ものでもない。”(p.29)


    “要するに、変にこざかしく考えないことです。あれこれ考えず、人生にすなおに身をまかせることです。心配はいりません。岸までそのまま運んでくれますから、二本足で立たせてくれますから。どういう岸、ですか? いや、それはわたしにもわからない。”(p.250)


    “すべての原因は、自分のおぞましい環境にあった。それは、極貧と、すべてからの孤立であった。”(p.430)

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    2024年06月13日
  • 白痴4

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    ネタバレ

    完結巻。
    終幕近く、正気を失くしたムイシキンとロゴージンが、ナスターシヤの遺体とともに夜を明かす場面は、象徴に満ち絵画的で、美しいとさえ言えるかもしれない。しかしムイシキンの無垢さ、純真さ、聖性は、その場でも遺憾なく発揮されるものの、そこに至るまでの悲劇を思うと現実に生きる人間たちには(ムイシキン自身も含め)手に負えないものなのだろうと感じられる。

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    2020年05月22日
  • 賭博者

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    ネタバレ

    326ページの中編。
    とてもドストエフスキーらしいと感じた。
    亀山先生言うところの「カーニバル的な」熱狂的な部分だけでできているので一気に駆け抜けるといった印象で読みやすいのでは。

    解説によると『未成年』の中に、「金は、あらゆる不平等を平等にする」という一節があるらしく、まさにロシア人の金銭感覚を端的に言い表していて、金は労働から得るものではなく、贈与か、せがんで手に入れる、もしくは強奪するものらしい。

    知ってたけど…ロシア人おかしいよ!

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    2020年04月12日
  • 悪霊 1

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    ネタバレ

    <登場人物>
    ヴェルホヴェンスキー氏
    ワルワーラ夫人
    ニコライ・スタヴローギン  奇行がある。
    アントン・G  わたし 物語の語り手。
    リーザ リザヴェータ・ニコラーエヴナ
    ダーリヤ
    キリーロフ
    レビャートキン大尉
    シャートフ
    リプーチン
    ペトルーシャ  ヴェルホヴェンスキー氏の息子。
    プラスコーヴィヤ  リザヴェータの母。

    ワルワーラ夫人の性格
    ”夫人が何にもましてがまんできなかったのは、裏にまわってこそこそと陰口を叩くやり方で、つねに正々堂々とした戦いを好んでいた。” (p390)
    【物語】
    ワルワーラ夫人とヴェルホヴェンスキー氏との関係で話は進んでいく。
    ワルワーラ夫人の勧めで、ヴェル

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    2020年01月19日
  • チャイコフスキーがなぜか好き 熱狂とノスタルジーのロシア音楽

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    ロシアの作曲家を概観。

    グリンカは、ロシア音楽の西欧化の役割を果たした。ロシアの内容を西洋の形式によって、ロシア文化と西欧文化を融合した。バラキレフが音頭を取り、1860年代に登場した五人組は、より民族的な色彩の強い音楽創造をめざした。五人組は、国家のアイデンティティを強調するため、ロシア中世の歴史と、ロシアの文化が本質的に帯びている東方的な性格に注目した。彼らが共同戦線を張ることができた背景には、同時代の革命運動であるナロードニキ運動に共感を寄せていたことがある。その運動が1870年代に入ると、急激にラディカル化して、五人組は独自の道を歩み始めた。

    ボロディンはグルジア皇太子の非嫡出子と

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    2019年11月19日
  • 悪霊 2

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    二巻では、ピョートルとスタヴローギンかどんな人物なのかがわかってきてだいぶ読みやすく、面白くなってきた。

    特に『スタヴローギンの告白』がここに入っててよかったと思う。
    この章があるとないとでは全然スタヴローギンへの理解が変わってくると思うので読めてよかった。昔は削除されてたと聞いたので。

    ピョートルの「ぼくはあなたに寄生する蛆虫だ……」はピョートルの不気味さと相まって名言だなあと。

    三巻はさらに大きく展開が動きそうなので楽しみ。

    (2024/02/06:再読)

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    2019年10月13日
  • 罪と罰 2

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    ますます面白くなってきた
    ますます趣深くなってきた

    ここに描かれていることは
    人間の暮らしがある限り
    時代を超えて
    国境を越えて
    時を超えて
    ありうる感情なのだ
    と 改めて思ってしまう

    そして いよいよ
    第三巻へ

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    2019年08月25日
  • 万葉集の詩性 令和時代の心を読む

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    文学や編集に携わる8名の手による万葉集エッセイ集、といえばよいか。
    出だしから中西進氏による『旧約聖書』と『万葉集』のリンクが展開され、度肝を抜かれる。良き文学とはほかの文学と共鳴するものとはいうが、まさかそんなところと響き合うとは。しかも万葉集の第一人者の一人中西進氏からそんな。おみそれしました。
    川合康三氏の「山上憶良と中国の詩」、高橋睦郎氏の「いや重く謎」あたりは若干硬めの印象を受けるかもしれないが、基本的には一流の文化人たちによる平易な万葉集エッセイである。いや平易と言ったが完全に万葉集知りませーん何書いてあるんですかーな人には向かないかもしれない。ちょっとは齧った人向け。だが、ちょっ

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    2019年08月15日
  • 白痴4

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    怒涛の展開だった。なんともやりきれない話なのだけれど、引き込まれた。
    相手のことを思うがゆえに、二人にとってよくない方向に進んでしまうのは、どこに原因があるのだろうと考えてしまう。素直に享受すればよいのに、どこかで自分を卑下してしまうのか、傷つくことに快を得るからなのか。

    純粋な気持ちにも、いろいろな表れ方があるのだなあとも思った。周りの人にとって気持ちのいい表れ方もあるし、表裏がなくても苛立たせる表れ方もあるし、陰湿で苛烈な表れ方もある。表面だけでは内面はわからないし、内面が同じでも表面は異なることがある。

    そういう人間の性質も、小説が尽きない要因なのだろう。

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    2019年06月21日
  • 新訳 地下室の記録

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    言い回しを現代風にするなど、読みやすさに特化した新訳です。
    うだつが上がらない地下室人の雑記がひたすら続くという内容ですが、この整然としていない点に人間性があります。
    普通の人間が無理矢理に自分の思いを書いている勢いを感じました。
    引っ込み思案で苦労する彼の手記には続きがあることになっていますが、その後の人生を色々想像してしまう一冊。

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    2019年06月16日
  • 悪霊 1

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    以前別の出版社のものを読もうとしたら訳が馴染めず序盤でリタイヤしてしまったけど、こちらは読みやすい訳なので読みきれた。
    この訳者の訳は批判されることもあるようだけど、細かいところは一旦おいておいてまず読みきることを前提とするなら一番向いてる気がする。
    しおりに登場人物表もついてるのでわかりやすいし。

    それでも後半までは話があまり進んでる感じがしなくてしんどかったけど、キリーロフの話は引き込まれるものがあったし、終盤やっとスタヴローギンとピョートルが登場してからは展開が気になって楽しく読めた。
    ここからだいぶ話に勢いがつきそうな気がするので2巻も楽しみ。

    (2024/01/22 再読)

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    2019年01月26日
  • 白痴4

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    ネタバレ

    Wikipediaで登場人物の確認をしていたら、うっかり結末が目に入ってしまったのが悔やまれる。オチを知らない状態で読みたかった。。
    ナスターシアとアグラーヤのどちらを選ぶか?と問われたら、世間の男子の意見は割れるでしょうが、私はナスターシアかな。。

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    2018年11月17日
  • 白痴2

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    「貧しき騎士」の朗読前後の、A.M.D. A.N.D. A.N.B. N.F.B. の違いのくだりは、亀山さんの解説を読まない限り絶対に分からない。。。

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    2018年10月27日
  • 白痴1

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    感想は全巻読後に。(主人公って本当に白痴?、十分知的な人に見えるが? が初巻の印象。ナスターシアの方が余程。。)

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    2018年10月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    裁判シーンも凄かったけど、イワンとスメルジャコフのやり取りが一番気持ちがしんどいながらも一番のめりこんで読めた。
    私は三兄弟の中ではイワンが性格的に近い部分があるからかイワンのシーンは読んでて引きずり込まれそうになったところも多かった。

    (2022/05/09に再読。感想は再読記録のほうに。)

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    2018年03月31日
  • ロシア革命100年の謎

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    読み始めてすぐに緊急手術・入院、退院後の自宅療養と続いて
    読み終わるのにめちゃくちゃ時間がかかってしまった。

    昨年はロシア革命から100年ということで関連書籍がいくつか出ている。
    本書もそのうちのひとつ。

    ただ、タイトルにこそ「ロシア革命」と入っているが全体としては革命
    前夜からのロシアの芸術・文学史を基礎において、ロシア民族を語る
    という感じかな。

    トルストイ、ドストエフスキー等の作家をはじめ、芸術家・音楽家の
    名前がわんさか出て来るので、ある程度のロシア文化の知識がないと
    ふたりの話について行くのが大変。

    ロシア文学を読み漁ったのって10代後半から20代にかけて

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    2018年02月24日
  • 新訳 地下室の記録

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    正直に言うと、前半は読み進めるのがしんどかった。
    読み進める度に、「こんなに自意識過剰なのでは、どうやって生きていけるのか」と頭を抱え、思考がそこにとどまってしまった。
    しかし、後半を読んでなぜ主人公がこうなってしまったのか、納得ができた。
    「罪と罰」の主人公には、助けようとする友人や家族、恋人とのやり取りがあり、他者へと開かれている部分があり、それが救いにつながっているような印象を受ける。
    そういった他者への希求が全て内向きになってしまっているから、救いのなさのようなものを感じさせるのだろう。
    風穴という言葉の大切さに気付かされた。

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    2017年10月29日
  • 磔のロシア スターリンと芸術家たち

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    六人の芸術家の在り方を通して時代とスターリンが浮かび上がってくる.ブルガーコフやマンデリシタームは全く知らなかった人だが,面白く読めた.

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    2017年06月17日
  • ドストエフスキー 父殺しの文学 (下)

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    ドストエフスキーの世界にどっぷり。登場人物を掘り下げる。ドストエフスキーを全部読んだからこそ、楽しめた論だったが、あの横溢したエネルギーの神秘には、迫れなかった気がする。

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    2016年12月20日