亀山郁夫のレビュー一覧

  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    10代後半に挫折した本作に、40を前にして挑む。感想は最終巻で。各巻では印象に残ったフレーズを。

    "もしも目の前で、うむを言わさぬ事実として奇跡が起きたなら、現実主義者はそれを認めるより、むしろ自分の感覚に疑いを抱くだろう。かりにその事実を認めるにせよ、それは自然の法則内での事実であり、自分にはその事実がただ未知のものにすぎなかったと考える。"

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    2025年10月06日
  • 賭博者

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    ネタバレ

    破滅する話なんだろうかと恐る恐る読んだ。
    お金をめぐって、ごちゃごちゃとした人間関係がややこしいと思っているときに登場した、アントニーダおばあさんの印象は強烈だった。竹を割ったような性格で、これは好きになってしまう!
    でもそのおばあさんですらルーレットに魅入られてしまったのはショック。ギャンブルにのめり込んでしまう人の心理とはこういったものなのかと恐ろしい思いがした。人はこうやって依存症になっていく。嵐のように登場して去っていった、一番記憶に残る人物だった。
    アレクセイは自らをポリーナの奴隷と言ったり、口だけはさも愛しているかのように言うのだが、実際は大して愛していないことは見るも明らかだった

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    2025年09月18日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 ドストエフスキー 五大長編を解読する

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    難解な悪霊をどう解説されているのか興味があり手に取りました。ドストエフスキーの導入としてとてもわかりやすく解説されています。でも亀山氏の訳では読んだことがなく批判の多いところも気になり彼をこき下ろしている木下豊房氏の本も買いました。なんか深みにハマりつつありますが一般の読者に過ぎない私にその辺の問題が理解できるかどうか…

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    2025年09月15日
  • 別冊NHK100分de名著 集中講義 ドストエフスキー 五大長編を解読する

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    「罪と罰」しか読んでいないから、後はちんぷんかんぷん┐⁠(⁠‘⁠~⁠`⁠;⁠)⁠┌しかし、どの主人公も何か嫌な奴だ(; ・`д・´)と思った(-_-;)

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    2025年08月29日
  • 罪と罰 3

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    先に『カラマーゾフの兄弟』を読んでいたので、比較的読みやすかった。

    内容としては、様々な「罪」と「罰」が登場し、罪とは何か?罰とは何か?を常に考えさせられる作品。
    俗世界における「罪」は、ラスコーリニコフが犯したような強盗、殺人といったものが先行するが、作中においては、キリスト教や聖書の中での「罪」も登場する。
    ラスコーリニコフは殺人を犯すが、強奪した金品には一切手をつけることがなかった。殺人を犯した瞬間から精神に異常をきたしたためであるが、良心の呵責に苦しんだというよりも、罪の露呈を恐れたというふうに見える。ラスコーリニコフの罪は、アリョーナを殺したことよりも、リザヴェータを殺したことにあ

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    2025年08月09日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    巻末の解説でも、いろんな人の感想でも、かなり物語の佳境に入っていて面白いとある。
    でも私はイマイチこの3巻目はピンとこなかった。
    ミステリーとロマンスの側面が強いけれど、とにかく尋問がくどく、ミーチャの言い分も意味不明で支離滅裂。高尚な心の持ち主だけど情緒不安定すぎ笑
    でもすごい小説なので先はしっかり読むけどね

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    2025年05月08日
  • 悪霊 別巻~「スタヴローギンの告白」異稿~

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    ドストエフスキー研究をしたいわけではないのでね

    はい、『悪霊』別巻を読みました
    頑張りました

    『悪霊』に登場するエピソード「チーホンのもとで」には3つの異稿が残されていて、それは主に当時ロシアにあった検閲が理由なんだが、とにかくその3つを読み比べることが、真に『悪霊』を読んだってことになるってことなんでしょう

    しかし本編も含めると基本的には同じ話を4回読んだことになり、まぁまぁな苦痛
    いや、ゴーンって来るものはあるけどな
    あるにはあるけど、やっぱ4回目とかは普通に飽きるのよ
    東京都あきるの市(いらんいらん)

    で、読み比べて何を感じたか?

    うーん、特には…(ダメじゃん)

    まぁ、解説読

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    2025年03月08日
  • 罪と罰 3

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    難しい。正直あまり理解できなかった。
    とても悔しいのでまた読み返したい。

    ラスコーリニコフが自首した理由がよくわからない…。皆何を考えているかイマイチ良く分からなかった。

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    2025年03月08日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    面白くなってきました。
    ゾシマ長老の死後、周りの人々の信仰に大きな変化が出てくるのが興味深いです。
    ミーチャの無茶苦茶さに呆れますが、それほど大切にしていることが危うくなったということなのでしょうか?ミーチャにとって何が一番大切なことなのだろう?と考えさせられました。

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    2025年02月04日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    キリスト教の教えを知らないのでよくわからないところが多かったです。「自由」の意味が気になります。
    登場人物のこれからがどうなるのかを読むのが楽しみです。

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    2025年02月02日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    名作を読もうシリーズ。とっつきやすさから光文社の新訳文庫で。あっという間に3巻。長老ゾシマの死、ミーチャの父殺しの容疑……

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    2025年01月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    名作を読もうシリーズ。とっつきやすさから光文社の新訳文庫で。5巻はエピローグと訳者解説などおまけのような感じ。これで一応は、『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがある人間になった。ほかの訳でじっくりいつか少しずつ読み直したい。

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    2025年01月22日
  • 罪と罰 2

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    二分冊目は、物語の進行に加えて、作者の信条やキリスト教の話が盛り込まれており、より奥行きを感じる内容だった。
    また巻末の亀山郁夫さんの解説は、時代背景の詳しい説明や、オリジナリティあふれる解釈で、読みごたえがあった。

    自分の読書メモとして、下記3点を取り上げたい。

    1.ナポレオン主義について
    一分冊目から引き続き、当時のロシアにおけるナポレオン戦争とその後の反動の影響がうかがえる。
    物語中でラスコーリニコフが展開する主張では、歴史的な英雄は、従来の社会や伝統を破壊したという意味で犯罪者だ、という。
    この主張について、同時代の同じくロシアの文豪トルストイが、ロシアの対ナポレオン戦争を描いた著

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    2025年01月20日
  • 罪と罰 1

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    ドストエフスキーは『地下室の記録』から二作目。
    再び亀山郁夫さん訳。
    いつか読もうと思っていたところに、本の交換会で頂いたので、早速。

    一分冊目の感想としては、前出の『地下室の記録』と似たモチーフで、これがドストエフスキーの作風なのかと改めて感じた。

    思弁癖が強く、プライドと自己嫌悪にさいなまれる主人公。
    物語で重要な役割を果たす娼婦という職業と存在。
    ナポレオン戦争勝利後になお、「ロシア」と「ヨーロッパ」の間で揺れる19世紀ロシアの知的世界という背景。

    『地下室の記録』を読んだ際にも感じたが、この自己嫌悪の主人公はドストエフスキー自身だろう。
    そこに天才作家の人間らしいところも見えるの

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    2025年01月18日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    登場人物が、皆個性的で面白く読めます。大長編なので最後まで読めるか心配でしたが、そういう心配は無用でした。アリョーシャがこれからどんなことに巻き込まれていくのか、興味深いです。

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    2025年01月06日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    正直咀嚼しきれていない部分も多いが、物語全体を貫く宗教価値観・ドストエフスキーの自伝的要素等、精緻に論じられた解題のおかげで解像度が上がったと思う。振り返るとサスペンスとしての面白さは圧巻のものであった。読み返すことは当分ないかも。でもこの1ヶ月の読者体験のことはまた思い出しそう。

    年内に読み切れた。来年も活字には触れ続けないと。

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    2024年12月29日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    山は越えた。
    細部は多分よくわかってない部分も多いが、父の死(殺害)に対する三兄弟それぞれのスタンスがわかる。法廷で検察側が展開した三兄弟のスタンスで持ってロシアという国全体を語ろうとする話法は圧巻だったし、ドストエフスキーがやろうとしていたことがここにきてようやく私にも見えてきたかも。あとはやたら人が発狂するけど、何となく地政学的な要因も大きそうな気がするなど。

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    2024年12月25日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    I found it difficult to comprehend a scene where each character discusses religion. There were a lot of words I was unfamiliar with.
    But, I'm looking forward to seeing future developments.

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    2024年12月24日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    意外と短期間で読めた。各人物の思想が多面的に見えてきて少しずつ厚みを持つ。途中これは何を示している…?となるセリフや地の文は、伏線として張られたものであり、後々回収されるであろうということが、巻末の読書ガイドおかげでわかった。

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    2024年12月07日
  • 罪と罰 2

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    解説を読むことで、なぜここまで狂気と混乱の最中にいる人間の心理描写ができるのか腹落ちできました。ドストエフスキー自身が当時のロシアの社会背景も相まって、人生の中で借金や夫婦関係などにおける窮地に追い込まれていなかったら、ラスコーリニコフの目に映る景色をここまで鮮やかかつ仔細に描き切ることはできなかったのだろうと思います。

    なまじ賢い若き青年の選民思想と罪悪感から逃れきれず溢れ出る傲慢で神経質な言動のなんという生々しさ…!彼を取り巻く母や妹や友、ソーニャの抱く得体の知れない恐怖心とポルフィーリーとの探り合いの緊迫感が、ますます昂るラスコーリニコフの混乱を際立たせ、物語の進行を盛り上げます。

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    2024年11月27日