亀山郁夫のレビュー一覧
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ネタバレ[ 内容 ]
未完に終わった大長編の新訳から浮かび上がった驚くべき「続編」の可能性。
ドストエフスキー最晩年の思想がいま、蘇る。
[ 目次 ]
第1章 作者の死、残された小説(残された手がかり 空想のための九つの条件 友人、妻……同時代人の証言)
第2章 皇帝を殺すのは誰か(序文にすべての秘密がある 「始まる物語」の主人公たち 思想の未来)
第3章 託される自伝層(年代設定とタイトル アリョーシャはどんな人間か テロルと『カラマーゾフの兄弟』と検閲)
第4章 「第二の小説」における性と信仰(リーザと異端派 「第二の小説」のプロットを空想する 影の主役、真の主役)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
崩壊への道をひた走る帝政ロシア。
貧困、凶悪犯罪、性の退廃、革命の夢と挫折。
世界の変革を夢見る若いドストエフスキーに死刑判決が下る。
八年のシベリア徒刑、賭博、恋愛の修羅場から『罪と罰』『白痴』が生まれた。
青春時代の内面に刻まれた四つの事件=トラウマの深層に迫り、自己犠牲と欲望に引き裂かれた主人公たちの悲劇的な運命を通して、隠された「父殺し」の謎を焙り出す。
[ 目次 ]
第1部 若き魂の刻印(楽園追放;引き裂かれた夢想家;回心、神をはらめる民;地下室の誕生)
第2部 聖なる徴のもとに(観念という狂気;聖なるものの運命)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
Posted by ブクログ
作者の予告が有りながら、死去により未刊となった「カラマーゾフの兄弟」の「第二の小説」。そのストーリーを新訳文庫の訳者が組み立てる試み。
新訳本出版社の企画ながら、奇を衒わずに公表されている資料に忠実に、解明・組み立てを行っている。
最大の注目は、ドストエフスキーの死後一ヶ月余りで、予想されたストーリーである「皇帝暗殺」が実際に「行われて」しまった事だ。ここをどう片付けるかに注目だ。
作者の予告は「一つの伝記に、二つの小説」。よって、アリョーシャが主人公、エピローグ前に出てくる「少年たち」が物語の中心になることは言うまでもない。
「空想」は資料・史実に照らして、蓋然性有りと読めた。おそらく多数が納得できるはずだ。 -
Posted by ブクログ
エピローグは60ページくらいで、あとはドストエフスキーの生涯、解題、そして訳者後書き。
やはり、2つめの小説ありきになってるから、エピローグ自体は物足りない。
続編があると、これが見事な伏線になってるんだろうな、きっと。
エピローグは分冊になっているせいで妙に期待してしまったけど、4部の後に続いていたほうが良かったように思えた。でもドストエフスキーにとっては第5部的な位置付けだからこれが作者の意図どおりの構成。
解題は長いけど読む価値あった。
大審問官やゾシマの説教、イワンとスメルジャコフのやりとりの意義。ミーチャが主人公の割に存在感が薄い理由。スメルジャコフの発言の真意など、曖昧だったことがクリアになった。
時間をおいてもう一度初めから読み通したい作品ですね。 -
Posted by ブクログ
登場人物がやたらと多い。
フョードルは、なんと軽率で信頼のおけない放蕩な父親なのだ。
口が嘘をつくままにする。
面倒くさいだけの関わりたくない人間だと感じた。
ミウーソフも、単純で押さえの効かない性格で、損をしている。
第2編の会合、いる?
意味ある?
根本的にそこがおかしい。
しかし、この場面で、それぞれの人物のキャラクターが浮き彫りになったと感じる。
父親と長男で女を取り合う、その壮絶なさまが滑稽ですらある。
お盛んなことで。
なんというか、日本ではなかなか生まれない筋の話だという気がする。
様々な視点から読み解き考えることのできる作品なのだな、と感じる。
名作たる所以だ。
★父親殺しの話。まあ、ろくでもない父親で。子どもと父が女を取り合う。双方金使いあらすぎ。ミーチャは殺していないらしいが、有罪。スメルジャコフが殺したとしても、結局父親殺しの話になるんだろう、多分。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ破滅する話なんだろうかと恐る恐る読んだ。
お金をめぐって、ごちゃごちゃとした人間関係がややこしいと思っているときに登場した、アントニーダおばあさんの印象は強烈だった。竹を割ったような性格で、これは好きになってしまう!
でもそのおばあさんですらルーレットに魅入られてしまったのはショック。ギャンブルにのめり込んでしまう人の心理とはこういったものなのかと恐ろしい思いがした。人はこうやって依存症になっていく。嵐のように登場して去っていった、一番記憶に残る人物だった。
アレクセイは自らをポリーナの奴隷と言ったり、口だけはさも愛しているかのように言うのだが、実際は大して愛していないことは見るも明らかだった。振り回しているのはアレクセイの方だ。
側から見た、身の破滅という印象とは裏腹に、アレクセイは何かまだ希望に縋っているラストが哀れ。ルーレットで勝ってもきっと満足できないと思う。
読書ガイドによると、アレクセイが稼いだ二十万フランは現在の日本円にして六千百万円にあたるとのことで、それは狂うのも当然かと納得した。