亀山郁夫のレビュー一覧
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ドフトエフスキーの五大長編の中で、もっとも解釈に苦しむ「悪霊」。この作品につき新訳で知られる亀山氏、ロシアの研究者サラスキナ氏の討論と質疑応答を中心に組み込んだ、文学好きには必読の書。
特に主人公スタヴローギンの「告白」の取り扱い方と解釈。また、彼のエルサレムからヨーロッパを縦断し、アイスランドに至る放浪をどのように位置づけるのか。という二点がヤマ。
ロシア正教とその異端、ここのところが事前の知識として必要である。正直、自分はスタヴローギンのアイスランドへの渡航を、作者はどのようなバックボーンを得て作品に入れたのかを解説した終盤の部分にもっとも興味をそそられた。
「悪霊」そのもの -
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なぜ父は殺されるのか?
それは復活のために。
アリョーシャ実行犯説は聞いたときからピンと来なかった。
モチーフである父殺しの反復といえど、ガリラヤのカナで目覚めたアリョーシャが皇帝を、というかキリストを象徴的にでも殺すということがピンと来なかった。
で、本書。読む前は、イワンが無意識にスメルジャコフをそそのかしてフョードルを殺しミーチャが巻き添えをくらったように、アリョーシャが無意識にコーリャをそそのかして皇帝を殺しイワンが巻き添えをくらうのかな、なんて思ってたけど、ガチョウの下りを読んでたときにはたとひらめく。
コーリャがバカをそそのかしてエサに夢中なガチョウの首をはねたように、アリ -
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ネタバレ[ 内容 ]
未完に終わった大長編の新訳から浮かび上がった驚くべき「続編」の可能性。
ドストエフスキー最晩年の思想がいま、蘇る。
[ 目次 ]
第1章 作者の死、残された小説(残された手がかり 空想のための九つの条件 友人、妻……同時代人の証言)
第2章 皇帝を殺すのは誰か(序文にすべての秘密がある 「始まる物語」の主人公たち 思想の未来)
第3章 託される自伝層(年代設定とタイトル アリョーシャはどんな人間か テロルと『カラマーゾフの兄弟』と検閲)
第4章 「第二の小説」における性と信仰(リーザと異端派 「第二の小説」のプロットを空想する 影の主役、真の主役)
[ POP ]
[ お -
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[ 内容 ]
崩壊への道をひた走る帝政ロシア。
貧困、凶悪犯罪、性の退廃、革命の夢と挫折。
世界の変革を夢見る若いドストエフスキーに死刑判決が下る。
八年のシベリア徒刑、賭博、恋愛の修羅場から『罪と罰』『白痴』が生まれた。
青春時代の内面に刻まれた四つの事件=トラウマの深層に迫り、自己犠牲と欲望に引き裂かれた主人公たちの悲劇的な運命を通して、隠された「父殺し」の謎を焙り出す。
[ 目次 ]
第1部 若き魂の刻印(楽園追放;引き裂かれた夢想家;回心、神をはらめる民;地下室の誕生)
第2部 聖なる徴のもとに(観念という狂気;聖なるものの運命)
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆ -
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作者の予告が有りながら、死去により未刊となった「カラマーゾフの兄弟」の「第二の小説」。そのストーリーを新訳文庫の訳者が組み立てる試み。
新訳本出版社の企画ながら、奇を衒わずに公表されている資料に忠実に、解明・組み立てを行っている。
最大の注目は、ドストエフスキーの死後一ヶ月余りで、予想されたストーリーである「皇帝暗殺」が実際に「行われて」しまった事だ。ここをどう片付けるかに注目だ。
作者の予告は「一つの伝記に、二つの小説」。よって、アリョーシャが主人公、エピローグ前に出てくる「少年たち」が物語の中心になることは言うまでもない。
「空想」は資料・史実に照らして、蓋然性有りと -
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エピローグは60ページくらいで、あとはドストエフスキーの生涯、解題、そして訳者後書き。
やはり、2つめの小説ありきになってるから、エピローグ自体は物足りない。
続編があると、これが見事な伏線になってるんだろうな、きっと。
エピローグは分冊になっているせいで妙に期待してしまったけど、4部の後に続いていたほうが良かったように思えた。でもドストエフスキーにとっては第5部的な位置付けだからこれが作者の意図どおりの構成。
解題は長いけど読む価値あった。
大審問官やゾシマの説教、イワンとスメルジャコフのやりとりの意義。ミーチャが主人公の割に存在感が薄い理由。スメルジャコフの発言の真意など、曖昧だった