亀山郁夫のレビュー一覧
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光文社カラマーゾフの兄弟を読み終え、翻訳者の方の熱量に圧倒されていたら、同じ方の続編空想があることを知り「まだまだ書き足りないなんて」と驚きを感じて手に取りました。豊富な背景知識を持った方が深く洞察したからこそ導かれる考えが、みっしりと詰まっていました。
個人的には、原作の方でなぜページを割くのか困惑していたコーリャ界隈の記述が続編に繋がる布石だったことが説明されていて、腑に落ちる思いでした。
失われた続編、なんてロマンがあってわくわくするものなのか。100年後に研究する人も同じ書物に当たりながら空想するのでしょうか。ドストエフスキーの書いた文章を読み込ませたAIに続編を書いてもらう遊びも -
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ドストエフスキーに興味を持ったからには いつか読んでみなければなるまいと思っていた超大作。 頑張って 読んでみました。
超 難解で暗黒の世界。ミステリーの最高峰とか言われてるようですけれども そういうジャンル じゃないんじゃないでしょうか
もう存在が、 人間の存在そのものというかドストエフスキーの思考 そのものというかが難解すぎてその存在がミステリーでございます。
非常に視点が いろいろ変わって様々な文化政治 人々の生活 思想も巻き込みながら 展開していく物語の力 強さ というのはやはり 素晴らしいのですが やっぱり行動の原理がわかんないですっていうのは相変わらずの ドストエフスキー節でご -
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ゾシマ長老の死とその後の動きからグルーシェニカの初恋の相手の話、長男ドリートミーが愛を手に入れるため金策に奔走する中で起きるある事件……。
ミーチャァァ!!これは長男ミーチャの魂の物語ッ!!!(落ち着け
2巻までの小難しい宗教関連の話から一転、3巻は疾走感あふれる展開でめちゃくちゃ面白かったッ!!グルーシェニカとミーチャ、それぞれの生き様に釘付け。1巻では嫌なやつだった二人が生き生きと描かれていてもうすっかり応援したくなる感じ……ドストエフスキー氏こわい。キャラ造形が上手すぎる
父殺しの犯人もきっちりぼかしていて、ミステリとしても楽しめる。すごい……これは面白いよ……これが、モーム氏が選 -
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ゾシマ長老と敵対するフェラポント神父の登場からイリューシャと父スネギリョフとの出会い。イワンの大審問官にゾシマ長老の辞世の説教まで。
特にこだわりがなければ巻末の読書ガイドは先に読むのがオススメ。
イワンの創作物語詩である「大審問官」はロシア内でのキリスト教の立ち位置などがわからない私にはふわっとしかわからず。ただ、熱量はすごい。冷めた感じのイワン、こんな熱い男だったのか……。
罪罰の時にも思ったんだけど、ドストエフスキーは連載小説がうますぎる。2巻の終わりの引きはやばい
あの終わり方はすぐ次読みたくなるやん……小説の構成力というか何というか、ほんとに上手いな……。
宗教に関しては全く -
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(全巻読み終えた感想をまとめて記載)
罪を犯したラスコーリニコフ、その母と娘、罪を暴こうと追い詰める捜査官。登場人物それぞれの信念や価値観、生き方、信条が深く描かれています。さらに、当時のロシア社会の風潮や思想、宗教なども表現されていて、登場人物たちの内面がより鮮明に浮かび上がるように書かれています。
特に、ラスコーリニコフが罪を犯し、追い詰められ、徐々に変貌していく様は、鬼気迫る迫力があります。こちらが引き込まれていきそうになる生々しい描写はとにかく圧巻です。
対話シーンでは、それぞれの思想や信条がぶつかり合っていて激しいです。長尺のセリフが多く、宗教や時代背景も絡んでとにかく難解です -
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第1巻前半は登場人物の前史のような話でつまらない。
カラマーゾフ兄弟に絡む二人の女性が登場してそのあとは俄然面白くなる。これほどプロットのある長編とは思わなかった。事前の想像より面白い。
未読の方は、世界屈指の評価を受ける小説がどんなものか、読んでみることをお勧めする。
この古典新訳文庫の5巻目は訳者亀山氏の解説が長い。
小説部分(エピローグ)が60頁、訳者解説等が300頁ほど。
エピローグは4巻に含め、5巻は解説書として販売した方が読者に親切だった。
ちなみに解説中の「ドフトエフスキーの生涯」100頁程は未読。
解題(200頁程)は、批判的に読んだ。
この作品のどこが・なぜ、過去から現在ま