亀山郁夫のレビュー一覧

  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

    Posted by ブクログ

    「大審問官」はさすがに圧倒的。テーマが多岐に渡り、内容の深さも難解さも段違い。

    本編の感想ではないが、「大審問官」の理解のために、木下和郎氏のブログ「連絡船」が非常に参考になった。
    同ブログは基本的に、この光文社の亀山郁夫訳『カラマーゾフの兄弟』について亀山氏の理解の間違いを指摘する内容のものだ。その部分は、読んでも別に面白くはない。

    ただ、「些細なことながら、このようなニュアンスの違いの積み重ねによって読者は、少しずつ、しかし確実に原典から遠ざけられて行く。」その六、と題されたページ(彼の亀山訳批判のタイトルの通し番号らしい)の「大審問官」評は秀逸。
    途中に亀山氏の解釈への批判が挟まりは

    0
    2026年09月06日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

    Posted by ブクログ

    脱走の葛藤やカテリーナの激しい愛憎劇を経て、物語は幼いイリューシャの葬儀と「石のそばの挨拶」へ収斂する。イワンが突きつけた神への不信や理性の問いに論理で勝つのではなく、アリョーシャは「良い記憶がいつか人を救う」と語りかけ、死ぬまで泥臭く生き抜く人間の責務を少年たちと誓い合う。傲慢さや狂気、情念に引き裂かれながらも、人は互いに小さな「一本の葱」を差し出し合える。「カラマーゾフ万歳」の叫びは、矛盾に満ちた生を肯定し、他者とともに歩み出す人間への賛歌とも言えるだろう。
    書かれることのなかったこの小説の第二部で何が起こるのか、気になってしょうがないが知ることはできない。
    亀山郁夫さんの充実した解説もあ

    0
    2026年09月01日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自らの思想を怪物化させたスメルジャコフの告白と悪魔の幻影に追い詰められ、発狂へと至るイワンの悲劇が凄まじい。続く法廷劇では、検察の過剰な心理分析や弁護士の巧みな弁論術が空転し、真実から最も遠いところで「父殺しの物語」が完成してミーチャに有罪が下される。近代司法や人間の知性の限界を冷徹に暴く一方、無実の罪を背負いながら「すべてを許す」と叫ぶミーチャの姿には、逆説的にゾシマ長老の説いた受苦と赦しの魂が宿る。人間の底知れぬ暗部と崇高さを描き切る。圧巻。

    0
    2026年09月01日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    長老の死による腐臭スキャンダルを機に、神の正義を疑いかけたアリョーシャは、グルーシェニカとの「一本の葱」の交情を経て大地に口づけし、揺るぎない魂の新生を遂げる。一方、父殺しの嫌疑で追い詰められるミーチャもまた、予審の極限状態と「餓鬼」の夢を通じ、己の愚劣さや全人類への罪を自覚して「苦しみによる浄化」を受け入れ始める。理屈ではなく生々しい受難を通じて、兄弟が期せずしてゾシマ長老の説いた「すべての人がすべての人に対して罪を負う」境地へ至る展開が凄まじい。いよいよ裁判へと向かう第4巻が待ちきれない。

    0
    2026年09月01日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

    Posted by ブクログ

    無垢な子供の苦しみを盾に理性の名のもと世界を告発するイワンと、理屈を超えて他者の罪を引き受け愛せよと説くゾシマ長老。この作品の思想的頂点である二つの立場が鮮烈に対峙する。一方で、プライドから「錯乱」し互いを傷つけ合うカテリーナやスネギリョフ、不穏な影を落とすスメルジャコフなど、誰もが矛盾と弱さを抱えて足掻いている。論理による救済の限界を突きつけつつも、見返りを求めず大地に跪くような愚直な愛の可能性を提示する構成が圧倒的。長老の死を経て、物語がどこへ加速していくのか。

    0
    2026年09月01日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

    Posted by ブクログ

    無神論的な逆説を弄しながらも底知れぬ思考の揺らぎを長老に見抜かれるイワン、自己陶酔と罪悪感の間で破滅へ転落していくドミートリー、そして義侠心やプライドに縛られたカテリーナ。登場人物の誰もが気高さと卑劣さ、神と悪魔の相容れない矛盾を抱えて激しく衝突している。道化を演じる父親フョードルや不気味な気配を漂わせる下男スメルジャコフを含め、一筋縄ではいかない強烈な人間たちの業が絡み合い、この先にどんな破局や展開が待っているのか。

    0
    2026年09月01日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

    Posted by ブクログ

    投資の本読んだり、ギター始めたりでめっちゃ読むの時間かかった。あと、テスト期間もあった。
    ドストエフスキーのひねくれてる感じ好き。
    読書慣れしてるからか、今のとこ割と読みやすい。教会と国家のどっちが上位かって議論とか、当時のロシアの宗教、思想について知れておもろい。

    0
    2026年08月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    解説が充実していて、そこを読むのも大変楽しかった。

    スメルジャコフが死んだとき「壁の釘にぶら下がってた」とあるのが気になる。釘といえばスメルジャコフの父親説が出ているもうひとりの人物「ねじ釘カルプ」。釘に始まり釘に終わるというのも興味深いから父親はカルプだったりしてと思ったけど……さすがに偶然かな。他の訳と見比べたい。

    解題で指摘されたミーチャの散財癖と、それに反するような金に対する無執着さが気になる。この性格から私が思いだすのはファム・ファタール(≒男を狂わせる女)。金をせびるが、そのわりに手元に残すことなく使いきる様子がよく似ている。カテリーナさんがもしミーチャにぞっこんだったら、ミー

    0
    2026年08月23日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

    Posted by ブクログ

    翻訳書の中でも読みやすいと聞き、手にとってみた。ロシア文学特有の複雑な愛称が簡略化されており、想像していたよりは読み易かったが、人間関係が複雑なのでネットで調べた相関図は手元にあると良い。
    この巻ではひたすら人間関係の土台が語られており、肝心の事件は発生していないが、いつの世も身内に敵がいると厄介なのは同じなのだと感じた。

    0
    2026年08月20日
  • 罪と罰 3

    Posted by ブクログ

    面白くて面白くて、一気読み。
    しかし、主人公の殺人に対する考えって変わったのだろうか、読み飛ばしたりしている可能性があるので、解説や他の出版社のものを読んで再読したい。。そう思えるくらい人の思考や行動が面白かった。
    次はカラマーゾフの兄弟を読もう。

    余談ですが、スヴィドリガイロフさんの名前がカッコよくて出るたびに、つい口に出しならが読んでいました。

    0
    2026年08月15日
  • 罪と罰 2

    Posted by ブクログ

    買ってから途中まで読んで積読状態だったが、いい加減読もうと腰を上げて読み始めた。そこから、ページを捲る手が止まらない、止まらない。
    登場人物の台詞はとても長いちょくちょくあるが、それが考えさせられ心に刺さることも多く。ドストエフスキーさん恐るべし、、

    0
    2026年08月15日
  • 罪と罰 3

    Posted by ブクログ

    読み終えました。
    格闘でした。
    有名なあの場面がいきなり出てきて、このあとどう展開するのか、展開しようがあるのか、退屈との戦いがあるのか
    などと迂闊にも思ってしまいましたが…

    心は捻じ曲げられ焦らされ圧倒されながら何とかついて行きました。
    ドストエフスキーには、つかれきった足にも、何とか前に進もうとさせる魔力があります。

    そして、たどり着いた先には、
    思いもよらぬ安堵と平和に満ちた世界が用意されているのが意外でした。

    0
    2026年08月05日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

    Posted by ブクログ

    第3部。
    アリョーシャとゾシマ長老。
    ミーチャ(ドミートリー)とグルーシェニカと大宴会。
    ミーチャの予審。

    疾走感のあるめまぐるしい展開。第2部の重厚さを受け、ストーリーは進む。
    特にミーチャに目が離せなくなる。ただのキレやすい女狂いの若者だと思ってたけど、印象が大きく変わる。
    予審では何が真実なのかわからなくなって、これまた先が気になる。

    思い詰め、興奮して熱くなった人間の言動の表現が本当に素晴らしい。こんなの自分じゃ絶対書けない。

    0
    2026年06月30日
  • 罪と罰 1

    Posted by ブクログ

    数年前に買って一度読んだが、主人公の支離滅裂さに嫌気がさして積読になってしまった。最近、読みたくなり再読。
    解説を先に読み、これが犯罪者の独白なのだと頭に置いたためか、サクサク読める、とても面白い。

    0
    2026年06月23日
  • 罪と罰 3

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    こんな感情を抱くことになるとは、思いませんでした。
    愛とはなにか、その答えのない問いを自分なりに言葉にするためのヒントを与えてくれた気がします。
    自分の中に他者が息づいていること、そして他者の中にも自分が息づいていること。そして、その他者と共にいることをこれからも選び続けること。
    ラスコーリニコフは、大それたことを成し遂げようとするそのエネルギーも素晴らしいものではあったが(ポルフィーリーが彼に感じていたように)、最終的に、ソーニャとの出会いと時間を通して愛の尊さを、頭ではなく、心で理解したというところが、私の心に深く大きな感情をもたらした理由だと思う。

    0
    2026年06月08日
  • 罪と罰 3

    Posted by ブクログ

    新潮文庫で1度読見ましたが、亀山郁夫訳で再読しました。
    1度目よりも深く理解できた気がします。
    カテリーナの乱心、ポルフィーリとのやり取り、母との別れ、スヴィドリガイロフの苦しみ、ラスコーリニコフの自首に至るまでの葛藤…どの場面も心に残っています。
    母との別れの場面では、ラスコーリニコフを自分の息子に置き換えて想像してしまって涙が溢れてしまいました。
    とにかく素晴らしい大作です。
    読み終わった途端鳥肌がたち、さらにもう一度読み直したいと考えていました。
    出会えてよかったと思える作品でした。

    0
    2026年06月04日
  • 罪と罰 1

    Posted by ブクログ

    以前、新潮文庫で読みましたが新訳で読みたくなりこちらの本を手にしました。
    とても分かりやすく、引き込まれる文章です。
    新潮文庫で読み取れなかったことが解決しました。
    2巻も楽しみです!

    0
    2026年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    なんか罪と罰と終わり方の雰囲気が似てた気がしなくも無い。こんな長い小説よく読みました!次はドンキホーテ行くぞ!笑

    0
    2026年05月27日
  • 罪と罰 3

    Posted by ブクログ

    ついに最終章。
    長く読み続けてきた甲斐のある、素晴らしい作品だった。

    話はルージンの視点から。間借りしているレベジャートニコフとの場面から始まる。
    そして次第にラスコーリニコフに戻り、ドゥーニャの元家庭教師先のスヴィドリガイロフへ。その後またラスコーリニコフに戻る。

    カテリーナの乱心は目を覆いたくなるリアルさ。子どもたちの気持ちになってしまい、心乱された。

    ポルフィーリーとの舌戦は相変わらず素晴らしい。

    終盤のスヴィドリガイロフのシーンが美しすぎて、思わず読み返した。

    6部のラストにかけてのラスコーリニコフも良いし、エピローグも良かった。

    巻末の読書ガイドを読むとさらに理解が深まり

    0
    2026年05月18日
  • 白痴1

    Posted by ブクログ

    新潮文庫で読み進めていましたが、ちょっと訳分からなくなってきたので亀山訳の光文社古典新訳文庫で読み直しています。
    非常にわかりやすい訳で、スラスラと読み進めることができます。
    盛り上がったところで終わってしまったので、すぐに2巻を読もうと思います。

    0
    2026年05月13日