亀山郁夫のレビュー一覧
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ネタバレ長い物語の中で、いくつもの父と子の関係が描かれている。
ヒョードルと実子たちと私生児
二等大尉とイリューシャ
血のつながりだけではなく、「父=教え導く者」としての関係性も散見される
長老とアリョーシャ
アリョーシャとコーリャ(コーリャに父がおらず、偏った考えで突き進むところも印象的)、こどもたち
そして、ロシア正教に基づく神と登場人物たちの関係
勤めを果たさない父を持った4人のカラマーゾフの兄弟のうち、外の世界に父を求めたアリョーシャだけが、精神の安寧を、救いを得たようにみえる。
最後のシーンでアリョーシャは、両親の元で幸せに過ごす幼少期の尊さを少年たちに説くが、今後の自分たちの繋がりを強調する。
両親に恵まれなくても、求めれば導きを得られ、精神を貶めず引き上げていくことはできる、という思いが込められているように読めた。
…しかし、面白かったけど長かった!
普通の会話でも登場人物が軒並み「!」と叫んでいて、エネルギー過剰、、とやや当てられて(嵐が丘でも同じ印象を受けた)さらにイワンの1人語り問答のわけのわからなさもあって、途中ちょっと停滞しました。
でもモームが紹介している中で「冗漫で読み飛ばすこともある(大意)」と書いていたので、そっか〜理解しきれなくても一度読み通してみよう、と少し気楽に付き合えました。
ロシア正教について予備知識があった方がより面白いかな、と初心者向けのキリスト教の本を併読したことで、ドミートリーの罪の意識などが多少理解しやすくなって良かったです。
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Posted by ブクログ
第三巻 (収められているのは第五部 第六部 エピローグ)
巻末に読書ガイド ドストエフスキー年譜 訳者あとがき
第三巻 色んなことが起こりすぎてエンタメ感満載
ルージンがソーニャに窃盗の濡れ衣をきせるとか
カテリーナ(マルメラードフの妻)が狂い死にとか
ラスコとポルフィーリーの口合戦(自首をうながされる)とか
スヴィドリガイロフ(ソーニャに老女&妹リザヴェータの殺害を打ち明けてる時に隣の部屋で盗み聞きしてたので)と話し合うけど決裂とか
ドゥーニャもスヴィドリガイロフと会うけど彼の愛を拒否ってピストルで撃つとか
失意にスヴィドリガイロフはピストル自殺とか
後半はエンタメ感に驚いた
エンタメが面白くて
で、ラスコは老女たちをなぜ殺して、どう自首に至ったのかがよくわからないままになってしまった
で、結局また読んだ
殺害の動機
生きるべき人間とそうでない人間、自分は殺す資格のある側の人間だと思い、それを試してみたかった、自分がその資格のある特別な人間だと
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殺害後は
良心の呵責には悩んでない
罪の意識には悩んでない
捕まるのを恐れ、社会に自分がしたことが明るみにでることを恐れてる
↓
予審判事(刑事的な人)ポルフィーリーに自首したほうが得だと言われ、自首しようかそれとも自殺しようかと考えだす
↓
老女たちを殺害した自分を社会は許さないが、ソーニャはラスコを受け入れる
↓
自分はソーニャ、母親、妹を愛し、そして愛されていたことを感じ始め、自首を決意する
《それにしても、あいつら、なんだってこうもおれを愛するんだ、おれにそんな値うちなんてないのに!そう、もしおれがひとりきりで、だれもおれを愛してくれなかったら、そして、このおれもだれひとり愛することがなかったら!こういうことは何ひとつ起こらなかったろうに!》
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8年間シベリアで徒刑を受けるも自分の運命に投げやりな気持ちをもち、ソーニャに対しても無関心で無愛想、そして自分の罪を悔いてはいない
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やがていつも寄り添うソーニャを愛していることに気づく
お互いの心の中に、相手の心に命を与える、尽きることのない泉が湧き出て⋯心が通い合うことを知る
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ソーニャを愛す感情、ソーニャから愛される感動を知ることで、ラスコは改心しようという気持ちが芽生え始める
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あと7年の刑期が残る
「新しい生活は、ただで得られるものではなく、それははるかに高価であり、それを手に入れるには、将来にわたる大きな献身によって償っていかなければならない⋯」
ん?「罪と罰」
愛によって人は変わるって物語でもあるんですか?
愛し、愛され、罪を認識し、再生しようとする、生き直そうとする
やっと人間ぽくなる
そして、殺していい人間なんていないということに考察しだす⋯予定?
三巻めが一番面白かったけど一番難しかった -
Posted by ブクログ
第二巻(収められているのは第三部、第四部)
老女殺しは
てっきり貧乏と、心気症と、老女の因業な金貸しが憎くて殺害かと思ってたけど、それだけではない様子
ラスコの考え方、思想も殺害に影響している
ラスコを追い詰める予審判事ポルフィーリーがおもしろい
「選ばれた人間は思想や自分の信じる道を実現するにあたり、誰かを殺してもかまわない」というラスコの思想を指摘し、
曖昧模糊にラスコをあおって、じらして、頭に来させて、相手の内面を揺さぶり心理的に追い詰める
泳がせて、相手がボロをだす、カマをかけるみたいなやり方で
読みにくさはあるけど、おもしろさもあるので第三巻も読む
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Posted by ブクログ
エピローグ付きの六部からなる長編小説 第一巻(収められているのは第一部、第二部)
1865年夏当時のロシア首都サンクトペテルブルクが舞台
元大学生の青年が金貸しの老女を殺害する話
貧困と精神的な行きづまり
心気症に似た鬱的な状態で
金貸しの老女を憎むようになる
「ある考え」(殺害)を実行に移すかどうか逡巡し、重なり合う様々な偶然により犯行へと導かれる様子が主人公(ラスコーリニコフ)の心の声、セリフなどで語られる
殺害は老女だけでなく、その妹も計2人
孤独かと思いきや心配してくれる友人ラズミーヒンや、世話をしてくれるナスターシヤがそばにいて意外。
巻末に訳者亀山郁夫の読書ガイドがあり、作品誕生の経緯や当時のサンクトペテルブルクの環境、また地図で主人公ラスコの家や盗品の隠し場所まで記されていて興味深かった。
なんだかひと昔前より、だいぶ読みやすいよう解説されているのは新訳ならではないかと思う。
登場人物を記した栞が付いている(カタカナ登場人物多し)
脱落せずに読みきることができてよかった。第二巻も読む。
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Posted by ブクログ
モームの「世界の十大小説」に選ばれているカラマーゾフ家の物語。冒頭に著者の前書きがあり、それがべらぼうに面白い。
主人公はカラマーゾフ家の三男アリョーシャ……なんだけど、どのキャラも濃くて……濃い笑
一巻ではカラマーゾフ三兄弟の出自から始まり、アリョーシャが身を寄せている修道院での宗教の話から、おそらく話の核になりそうなスメルジャコフの出自とグルーシェニカの登場シーンまで。
ドストエフスキーといえばのキャラの濃さがすごい笑。一緒に暮らすのは嫌だけど、話に聞く分には興味深い人が
たくさん出てくる。
カラマーゾフ家もだし、女性陣もすごい。なんかもう、すごい。
フョードルも、酒飲みのおっさんかと思いきや意外と教養があったりして、そのチグハグさが面白い。
亀山郁夫氏の翻訳は読みやすい。私は物語が楽しめたらいい派なので、今風に翻訳してくれるのほんとにありがたい。 -
Posted by ブクログ
初めてのドストエフスキー。
登場人物の名前が最初は覚えられずにネットにあった相関図と睨めっこしながら読み進めたが、最後には随分と理解できるようになった。
全てを環境のせいにし、自分を正当化して身勝手な罪を犯したラスコーリニコフ。
彼は自分自身や自分と近い人には優しくできないのに、そうではない人に対しては優しさを持てるところに共感した。
自分も、家族や友達には「俺はこんなに不幸なのに」と当たる時もある。
でも、顔も知らない人のために募金をしたり、道を教えてあげたりする。
誰にでも「いい人」と見られたいという欲求が確かにある。
そんな中で出会ったソフィアを通して、本当の愛というもの知ることになったラスコーリニコフ。
罪というものは、こういった突っ走った考えから生まれてしまうものなんだろうなと考えさせられた。