亀山郁夫のレビュー一覧

  • 罪と罰 3

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    先が、気になって気になって…仕事が手に付かない。とか言っている場合じゃ無いほど(私生活上も公の上でも)色々とあって、第3巻を読むのに少しばかり時間が掛かったけれど。

    ドストエフスキーの『罪と罰』を1回読み終えました‼︎

    今回は光文社版の亀山郁夫さんの訳したものを読みました。
    最初は新潮社版の工藤精一郎さんから読み始めたものの、1巻目の数十ページを読み進めた時点でこちらに変更して読み直し。
    「100分で名著」で『カラマーゾフの兄弟』の解説をなさっていたのを観てその熱意を目の当たりにしていたことや、光文社古典新訳文庫が行間を広くしたり文字を大きくしたりしていて、老眼には読み易かったし、言葉遣い

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    2025年05月01日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    ここで終わるんだ。がまず最初の感想
    3巻ぐらいから、グルーシェンカのことを可愛いなと思い始めていた私はその対局のようなカテリーナがヒステリーっぽくなるたびに、よりグルーシェンカと比べてしまった

    けれどこの5巻ではアリョーシャに素直に、今の彼女の気持ちを話しているところで、少し見方が変わった。
    まだイワンと、しなくていいような嫉妬や言い合いしそうだけど
    幸せになってほしいなとおもえた。

    私はあの、どうしようもないフィヨードルが一番好きだったから
    (途中からグルーチェンカに変わった)早々の退場で残念だった

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    2025年04月15日
  • 罪と罰 2

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    引き続きドストエフスキーの『罪と罰』にどハマりしながら、その世界の中に没入しております。

    1巻目の時に書いた「ロシア名は覚えにくい」は撤回。その特殊性により逆に覚えやすく感じるようになりました。そしてその名を持つ者がどのような人物なのかがより鮮明に頭の中で結び付くようになってきた。

    第3部、第4部に進むにつれ読み取らなくてはならないことが多種多様になり、人の心の動き、表と裏、表象しているもの…複雑に絡まり合ってくるけれど、そこがとくに素晴らしい。
    世界一の小説に敬服する。

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    2025年04月06日
  • 罪と罰 1

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    精神的に常に囚われている自分がラスコーリニコフに重なった。
    久々に読む小説。歩きながらでも読んでしまいそうな勢いで熱中して読んている。
    自分がドストエフスキーを読むとは考えたことも無かった。登場人物のロシア名すら覚えられないと感じていた。
    しかし、この小説は凄い。引きずり込まれる。今後何度も読み返す予感がする。
    今まで読まず嫌いだったのが悔やまれる。

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    2025年03月26日
  • 罪と罰 3

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    ネタバレ

    総ページ1489ページ (読書ガイド含む)を超える超大作でこんなページ数初めて読んだ。長い人名、多くの登場人物に戸惑いながらも読書ガイド、付属の人名しおりのおかげでなんとか読み切ることができた。22日程度かかった…ラスコーリニコフが老女殺しに至った経緯、思想をようやく知ることができた。結局自分を何らか特別な力を持つ者と勘違いしてしまった青春小説なのかもしれない (怒られそう)。前二巻に比べ第三巻は場面展開が激しくどんどん読むことができた。中弛みしなかった。ポルフィーリーとラスコーリニコフのバトルは手に汗握るほど熱が伝わってきた。面白かった。スヴィドリガイロフの神出鬼没さが更なるスパイスとなって

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    2025年03月06日
  • 未成年1

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    ドストエフスキーの小説に出てくる人ってコミュ障多くない?って言ったらコミュ障多すぎるしコミュ障じゃない人はモブキャラって言われて超ワロタ

    1846年『貧しき人びと』
    1848年『白夜』
    1860年『死の家の記録』
    1861年『虐げられた人びと』
    1864年『地下室の手記』
    1866年『罪と罰』
    1866年『賭博者』
    1868年『白痴』
    1870年『永遠の夫』
    1871年『悪霊』
    1875年『未成年』
    1880年『カラマーゾフの兄弟』
    1881年連載していた『作家の日記』が絶筆となる

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    2025年01月17日
  • 増補 『罪と罰』ノート

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    永遠の名作『罪と罰』の新訳で知られる亀山郁夫教授による解説書です。明治大学の齊藤孝教授も『罪と罰』を何度も読み返すと聞きましたが、本書を読んで初めて知ったディティールの細かさに、何度も驚かされました。




    これを読む前、ロシアで製作されたドラマ版の『罪と罰』を見ていました。原作に忠実なつくりで、主人公のロジオン・ラスコーリニコフがたどる苦悩と『救済』への道のりが丁寧に描き込まれていました。

    亀山郁夫教授による『罪と罰』を呼んだのはそれよりも何年か前の話になりますが、忘れかけていた話のディティールを映像で視覚的に思い出したあとで、本書を読むとまた違った感慨がわくものでありました。

    ここに

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    2025年01月05日
  • 悪霊 1

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    ドストエフスキーの小説を読んでいると、よく登場してくる人種がいるけど、『悪霊』では特にニヒリストにスポットが当てられ、彼らの話がメインプロットになっている。スタヴローギンの告白を始め、検閲との戦いに終始したのがよく分かる。

    だからこそ、登場人物の微妙な仕草や、何を象徴しているのかよく分からない物の描写など、その曖昧さが作品を埋めているのだとも思いつつ、それを可能にするドストエフスキーの神がかり的な直観的なセンス、変態さ。他にこんな作品を描ける人はいるのか。

    第一部の、我らが敬愛するヴェルホヴェンスキー氏の恋バナは、正直長く感じたものの、圧巻の作品。

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    2024年11月01日
  • 賭博者

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    ネタバレ

    遺産相続を当てにしていたおばあさんが、実はめちゃくちゃ元気で、ルーレットでお金を溶かしそうになって(最後にはしっかり溶かす)周りがハラハラするところが最高。おばあさんがもうすぐ死にそうという最初の印象が強いので、おばあさん登場のギャップがすごい。カラマーゾフの兄弟もそうだけど、ただの古典ではなくて、今読んでもエンタメとして十分楽しめるので、色んな国でオペラや映画に変換されているのも頷ける。
    最後のアレクセイのセリフ、「明日こそ、明日こそ、すべてに決着がつく!」、絶対またルーレットするんだろうな、、、ルーレットと、それによって得られる金が全ての問題を解決してくれると思っているし、なんなら勝ち負け

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    2024年09月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    文学史上の最高傑作を読みたくて購読。
    長く、難解なため読むのに非常に時間がかかった。
    本作のテーマは、神は存在するかという点である。様々な場面で神の存在を信じる者と信じない者との対比が描かれており、その様子を楽しむことができた。
    私はカラマーゾフの兄弟以外にも『罪と罰』を読んだことがあるが、当時のロシアの様子、キリスト教的価値観の揺らぎを感じることができ、非常に面白い。
    全体的に理解できたとは言い難いが、各巻の後書きの解説を読みながら進めることで、理解が深まった気がする。その解説の中でも、カラマーゾフの兄弟は四楽章仕立ての交響曲的構成になっているという指摘は、フィナーレに向けて盛り上がる様子か

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    2024年09月18日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    とても、面白かった。
    でも振り返ってみると「大審問官」が全然理解できていなかったことがわかった。
    もう一度、キリスト教について学びなおし、読み返してみてこういうことが書いてあったのかと、やっと少し理解。
    ドストエフスキーの厳しいカトリック批判だなんて気が付きもしなかった

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    2024年08月19日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    圧巻。さすがに面白すぎる。イワンの悪夢、裁判の一連の応酬、、本当にここまで読んできてよかったとそう思わせてくれる面白さ。
    フェチュコーヴィチの父親論、大変痺れました。

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    2024年06月09日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    エピローグで何かあるかと思ったがこれもあっけなかった。 
    それより全体解説の「ドストエフスキーの生涯」約100ページと「解題」約200ページがわかりやすくてすばらしい。ロシア皇帝権力に対するテロ事件に影響を受けていた様子がよくわかった。単なる芸術家ではなく祖国を何とか良くしたかった。 
    だから第2の小説は13年後のアリョーシャやコーリャが皇帝暗殺を目指すという説に説得力がある。ドストエフスキーがもう少し長生きして執筆してくれてたら・・・。でも若い頃国家転覆の罪で銃殺刑に処されかけたのが恩赦で助かって第1の小説を書いてくれただけでも良しと考えよう。ドストエフスキー万歳!

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    2024年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    第4巻はコーリャ少年のキャラクターがよい。しかしコーリャ登場も唐突。これは確実に第2の小説につながる。鉄道や爆薬のエピソードは何気なく読んでしまったが、将来ロシア皇帝を暗殺することを暗示しているという解説はなるほど。
    裁判は最後に何かどんでん返しがあるかと思ったがあっけなかった。 
    全体を通して似たような構造の別の話が折り重なっていて重層的という表現がぴったりの小説。第1の小説だけでもいろんな読み方ができる。この懐の深さは確かに世界最高レベル。それでもストーリーはやや中途半端かも。より重要な第2の小説があると言われるとなおさら。

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    2024年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    第3巻はゾシマ長老の亡骸から腐臭がすると皆が「実は聖人じゃなかったんだ」「甘いものをかまわず口にしてたもんな」「そもそも苦行僧がサクランボのジャムでお茶楽しんでていいのか?」(p26)ってなってて19世紀末でもこんな迷信まみれなのがおもしろい。と思ってたら解説で腐臭や甘いものは小説上のモチーフとありなるほど。のん気な読みをしていた。 
    ミーチャが大騒ぎするシーンは描き方はうまいのだが、薄い内容をペラペラしゃべる長セリフには辟易とした。よく見るとミーチャ以外もセリフが無駄に長くてロシア人って皆こんな感じなんだろうか。主人公のアリョーシャだけは口数が少なくて別格。 
    第3巻から誰が殺人犯かの謎解き

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    2024年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    第2巻の有名な大審問官のくだりは一読しただけではよく解らず何度も読み返した。キリストの教えでは大多数の弱い庶民は救えないのでローマカトリックは悪魔と手を結んだと大審問官がキリストに語る。よくこんな不信心な発想できるな。でも仏教の大乗/小乗の分裂(人々の救済を目指す/自身の解脱を目指す)と似ているとも思った。イワンの主張は大審問官の1つ前の子ども殺しのくだりと併せてごもっとも。科学がさらに発達した現代の我々にとってはイワンの考え方が近く感じる。解説に出ていたライプニッツの楽天主義を批判するヴォルテールの小説カンディードもいつか読んでみたい。

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    2024年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    最高に面白い小説と紹介されていたので読んでみた。難解なので面白いとはちょっと違うが、世界最高レベルの小説ということはよくわかった。それをわからせてくれたのが第5巻にある訳者の亀山郁夫という人による全体解説。正直解説無しでは本書の良さはわからなかったかも。全部で5巻と長いが、各巻末にあるこれまた訳者による「読書ガイド」という解説もわかりやすく、置いてけぼりにならず伴走されている感じで最後まで読めた。一般に文庫本の巻末解説はしょーもないのが多いが、出版社は反省して本書のような優れた解説を付けるようにして頂きたい。値段が高くなってもいいから。とにかくカラマーゾフの兄弟は読んでよかった。そして光文社文

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    2024年05月28日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    ネタバレ

    ミステリーの行方にドキドキしてるってのに、最初はコーリャとかいう自称社会主義者の14歳の少年とアリョーシャとのなんだかこれいる?っていうエピソードから始まります。が、これがとても良いのです。アリョーシャの修道院を出ても変わらぬ態度を堪能出来ましたから。

    そしてイワンとスメちゃんのやりとり。これこそ真実でしょ?でも、イワンも悲しいかなもう1人の自分という悪魔に苦しめられてる…

    そういうのぜーんぶ持って第12編の『誤審』へ。ここはまるでオリエント急行の殺人の後半のように事件の真相が暴かれていくかとおもいきや、ミーチャの態度がおもろすぎて…自滅しかねませんよ!
    さらに検事と敏腕弁護士との腕の

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    2024年03月29日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    ネタバレ

    いろんな意味で衝撃でしたしミステリー小説の始まりみたいになっちゃってて、おや?私は世界的に有名な文学作品読んでるはずでは?と戸惑いました。

    始まりは不穏としか…これまで数々の奇跡が語られてきたゾシマ長老の棺から、腐臭が漏れだし、あっという間に噂になってしまう。反長老派や不信心者たちからは嘲笑われることに…

    アリョーシャが打ちひしがれながらも長老の言葉通り修道院をでてゆくと、神学生仲間の嫌味なヤツ、ラキーチンによってグルーシェニカの元へ。

    ここで、村上主春樹さんの『街とその不確かな壁』に登場するベッドの上に残された葱を2本を思い出さずにはいられないエピソード、第3部第7編の3章に「一本

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    2024年03月29日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    ネタバレ

    ゾシマ長老がいよいよ最後の懺悔をし、聖体を受けたいと言う朝から始まる。

    アリョーシャはゾシマ長老から修道院を出るように言われているけれど、何故なのかというのがこの朝のパーイーシー神父からの言葉に現れていた。

    神父がアリョーシャにかけた言葉「さあ、お行きなさい、みなし児よ」って今思うと含みあるなぁ。

    小学生たちの喧嘩騒ぎに巻き込まれるアリョーシャは、カラマーゾフ家に恨みのある少年に指を噛まれる。こういう少年たちとアリョーシャのやりとりがYA文学っぽさがあって好き。

    リーズちゃんとアリョーシャの恋もしかり。リーズのめんどくさい女心がとぉっても可愛く?いやエキセントリックに描かれててたまり

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    2024年03月29日