亀山郁夫のレビュー一覧
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[ 内容 ]
神か、革命か。
皇帝権力とテロリストの果てしない闘い―「終末」の様相を深めるロシアの大地に、国家の囚人として生きる晩年のドストエフスキー。
生身のキリストと罪なき子どもに託されたロシアと世界の救済。
しかし、真実はどこに?
『悪霊』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』に刻まれた「教唆」のモチーフを辿り、ドストエフスキー文学における最大の謎「父殺し」をついに読み解く。
[ 目次 ]
第2部 聖なる徴のもとに(犠牲、欲望、象徴;使嗾する神々)
第3部 彷徨える大地の子ら(偶然の家族;プロとコントラ;解体の原理、復活のヴィジョン;「父殺し」の子どもたち)
[ POP ]
[ おすす -
Posted by ブクログ
「アリョーシャがそんなことするなんてっ!!」カラマーゾフを読み始める前は、全然こんな本「ケッ」って思ってたんだけど、読み終わったら、ぜひ買わなくては読まなくては、と思った。書かれなかった第2の小説。それがどんな展開になるかを科学的(?)に分析。どうなるの?どうなるの?と思ってさくさくと読めました。特にこの本、訳者の亀山先生(現在『罪と罰』を訳し中らしい☆楽しみ!!)が書いているんだから、信憑性が高い!!そうか、そうかー、なるほどーー、ふむふむ、と思って読めました。読みながら自分も第2の小説を考えられて、もしかして、こんな筋道!?と思ってたら合ってたりして・・・そこらへんの推理小説よりは面白いか
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ネタバレ長い物語の中で、いくつもの父と子の関係が描かれている。
ヒョードルと実子たちと私生児
二等大尉とイリューシャ
血のつながりだけではなく、「父=教え導く者」としての関係性も散見される
長老とアリョーシャ
アリョーシャとコーリャ(コーリャに父がおらず、偏った考えで突き進むところも印象的)、こどもたち
そして、ロシア正教に基づく神と登場人物たちの関係
勤めを果たさない父を持った4人のカラマーゾフの兄弟のうち、外の世界に父を求めたアリョーシャだけが、精神の安寧を、救いを得たようにみえる。
最後のシーンでアリョーシャは、両親の元で幸せに過ごす幼少期の尊さを少年たちに説くが、今後の自分たちの繋が -
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第三巻 (収められているのは第五部 第六部 エピローグ)
巻末に読書ガイド ドストエフスキー年譜 訳者あとがき
第三巻 色んなことが起こりすぎてエンタメ感満載
ルージンがソーニャに窃盗の濡れ衣をきせるとか
カテリーナ(マルメラードフの妻)が狂い死にとか
ラスコとポルフィーリーの口合戦(自首をうながされる)とか
スヴィドリガイロフ(ソーニャに老女&妹リザヴェータの殺害を打ち明けてる時に隣の部屋で盗み聞きしてたので)と話し合うけど決裂とか
ドゥーニャもスヴィドリガイロフと会うけど彼の愛を拒否ってピストルで撃つとか
失意にスヴィドリガイロフはピストル自殺とか
後半はエンタメ感に驚いた
エンタメ -
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第二巻(収められているのは第三部、第四部)
老女殺しは
てっきり貧乏と、心気症と、老女の因業な金貸しが憎くて殺害かと思ってたけど、それだけではない様子
ラスコの考え方、思想も殺害に影響している
ラスコを追い詰める予審判事ポルフィーリーがおもしろい
「選ばれた人間は思想や自分の信じる道を実現するにあたり、誰かを殺してもかまわない」というラスコの思想を指摘し、
曖昧模糊にラスコをあおって、じらして、頭に来させて、相手の内面を揺さぶり心理的に追い詰める
泳がせて、相手がボロをだす、カマをかけるみたいなやり方で
読みにくさはあるけど、おもしろさもあるので第三巻も読む
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エピローグ付きの六部からなる長編小説 第一巻(収められているのは第一部、第二部)
1865年夏当時のロシア首都サンクトペテルブルクが舞台
元大学生の青年が金貸しの老女を殺害する話
貧困と精神的な行きづまり
心気症に似た鬱的な状態で
金貸しの老女を憎むようになる
「ある考え」(殺害)を実行に移すかどうか逡巡し、重なり合う様々な偶然により犯行へと導かれる様子が主人公(ラスコーリニコフ)の心の声、セリフなどで語られる
殺害は老女だけでなく、その妹も計2人
孤独かと思いきや心配してくれる友人ラズミーヒンや、世話をしてくれるナスターシヤがそばにいて意外。
巻末に訳者亀山郁夫の読書ガイドがあり -
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モームの「世界の十大小説」に選ばれているカラマーゾフ家の物語。冒頭に著者の前書きがあり、それがべらぼうに面白い。
主人公はカラマーゾフ家の三男アリョーシャ……なんだけど、どのキャラも濃くて……濃い笑
一巻ではカラマーゾフ三兄弟の出自から始まり、アリョーシャが身を寄せている修道院での宗教の話から、おそらく話の核になりそうなスメルジャコフの出自とグルーシェニカの登場シーンまで。
ドストエフスキーといえばのキャラの濃さがすごい笑。一緒に暮らすのは嫌だけど、話に聞く分には興味深い人が
たくさん出てくる。
カラマーゾフ家もだし、女性陣もすごい。なんかもう、すごい。
フョードルも、酒飲みのおっさんか