亀山郁夫のレビュー一覧
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父親=ロシア=フョードル、と恐らくたとえが置き換えられており、かつ、フョードルは「父親ではない」として、ロシアの国としての態度を批判している構図。そもそもこの父親は生物学上の父親ではあるが、父親たる行動はとれていないため、その子供には権利と自由が生まれる、としている。
その偽父親を国民の8割を占める「農民」としてのスメルジャコフ(偽父親の私生児)が、自身の境遇を呪って殺し(状況を誘導してその状況を作り出し)、その罪をロシア貴族階級に負わせようとし、それらを農民たちが支持し(誤審し、または分かっていても罪を着せ)、目論見は成功してしまう。農奴解放がなされ平等化が進むように見えるが、内面的な階級 -
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さて、この複雑で面白いたくさんの登場人物たちとラスコーリニコフというトンデモ青年の物語を読み終わって、思い上がり青年の無謀な殺人は、本人の罪だけでなく、家族はもちろん、周りの人たちをも否応なく巻き込む複雑なストーリーになるのだなあ、と。(名作なれば)世界中の読者も「これは何なのか!あれは何だったのだ!」と懊悩するのだよ。
主人公の名前ラスコーリはロシア語で叩き割るの意味だそう。さすが主人公…、名に恥じない!?
似たようなことは現実世界にもあった、ありますね。それを19世紀に予言したドストエフスキーは偉い。
トルストイもそうだけど、その他大勢のロシア近代文学者の作品はとても奥深くすごい、近代 -
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3回目なのにすっかり忘れているから、やっぱりおもしろいなあと読み進む。
忘れるからと、第1部と第2部はあらすじを追って書き出したが、何のことはない『罪と罰 2』巻末の「読書ガイド」に、翻訳者の亀山先生が第1部と第2部のあらすじを完璧にまとめてくださっていたのだ。第3部と第4部は最後の『罪と罰 3』の巻末にあった(それも忘れていて)。
この文庫本がある限り、そこを見ればよい、ということで、ここからはラクをしよう。
第3部の感想
もうろうとして母と妹に再開し、妹ドゥーニャの犠牲的婚約の話が面白くないラスコーリニコフなんだけど、自分の罪にもおびえて複雑。そりゃそうだ。でも、妹アヴドーチャ(ドゥ -
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第一部あらすじ
7月の太陽が照りつけるペテルブルグの街中を、元大学生ラスコーリニコフは歩いている。
彼は殺人計画を立てていて、そのターゲット金貸し老女アリョーナの居室を下見の目的で訪れるのである。はたして実行できるのか、神経質にびくびくしている様子が描かれる。
いよいよ金貸しアリョーナの部屋に着き、古い銀時計を質草に金を借り、また訪れると予告して去る。
幾ばくかのお金を手にして居酒屋に寄るラスコーリニコフ。そこで、マルメラードフという飲んだくれの元役人に出合い、酔いに任せたおしゃべりで彼の家庭事情を聴かされる。再婚した妻の病気、子沢山、そして前妻との実娘ソフィアの稼ぎ(売春)に頼る生活。 -
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旧訳版を古本屋で見つけて読んでいたのだけど、上巻の終盤になって自分が話をまったく整理できてないことに気づいてよくわからなくなってしまったので、新訳版を買い直した。
旧訳は上下巻だけど新訳は3巻に分かれていて、最近の「100分で名著」のアンコール放送で、同じくドストエフスキー著の『カラマーゾフの兄弟』を解説してるロシア文学研究者の亀山郁夫さんが訳。
1巻は第一部と第二部。解説もついていて、登場人物の愛称を絞っていたり旧訳より行間も広くなっていたりで私にはわかりやすかった。
年取ってもう少し理解できるような力がついたら読み比べるのもありだなと思う。
わからなくてもとりあえず最後まで読ん -
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最終巻。もう出だしからめちゃくちゃ面白い。ルージンがうまく立ち回ろうとして逆にやられちゃうという。レベジャートニコフグッジョブ!気持ち良かった!!
その後はカテリーナの場面でしんみりして、推しのスヴィドリガイロフの退場シーンでは息をのんだわ。やっぱりドゥーニャが忘れられなかったのか……。
もう、めちゃくちゃストーリーが面白いんですけど!! ドストエフスキー先生最高っす!!
ラストもいいよね。ラスコーリニコフにちゃんと未来がある感じがいい。この展開で読後感がいいのスゴイよな。
いやぁ、罪と罰、めちゃくちゃ楽しかったです。全3巻十日ぐらいかけて読んだんだけど、めちゃくちゃ濃い十日間だった。