亀山郁夫のレビュー一覧
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命の価値によって殺人は許されるか?普遍のテーマに切り込む永遠の名作。あちこちで使われてしまうタイトル……元ネタはこちら。椎名林檎でもNintendo64でもないぞ!
これは面白い。難解な内容を想像していたが、犯行前後のサスペンスと犯人が心理的に追い詰められていく過程、深みのある人間関係のドラマに夢中になってしまった。
第1巻を読み終えた時点では、殺人の動機がまだぼんやりしているもののおそらくは、「多数の若者のために死んでくれこの老害!」ということだろうか。これは高齢化社会のなかで老人が命の価値をはかられる現状の日本にとってもリアルなテーマだし、犯罪を正当化する心理という意味では普遍的なテー -
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圧巻の読み応えの2巻。
めちゃくちゃひきこまれました!
有名な大審問官のパートはつきささったし、それ以外にも印象的なくだりが盛りだくさん。
スネギリョフとイリューシャの、貧しさと闘うなかでの鬱屈とプライド、それから親子愛。
若かりし日のゾシマ長老を訪ねる謎の訪問者も面白かったなあ。
あと意外だったのが、若いアリョーシャとリーズが想いをかよわせる場面!
うそ……これ……60近いドストエフスキーが書いているんだよね?
読んでいるこちらがムズムズしてしまうくらい、甘酸っぱいんですよ。
文豪の知らない顔を垣間見た気がして、なにげに好きなところでした。
ところで、今回、読んでいる途中でちょっと失敗し -
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ネタバレドストエフスキーの癲癇と父殺し -2006.03.27記
以下、フロイトの孫引きになるが、
「少年フョードルは、ライバルでありかつ支配者である父親を憎み、その反面、強者である父親を賛美し、模範にしたいというアンビバレントな感情に苦しめられていた。しかし、ライバルたる父親を亡き者にしたいという願いは、父親から下される罰、すなわち、去勢に対する恐怖によって抑圧されていた。そして、その父親が、彼の支配下であった農奴たちによって殺されたことで、図らずもその願いが現実化したため、まるで自分が犯人であるかのような錯覚にとらわれた」というのである。
「ドストエフスキーの発作は、18才のときのあの震撼的な -
購入済み
おもしろかった
半分も理解できてないだろうけど
ともかく読み終わった。おもしろかった。
なぜそうなったのかと思うところもあるが
世の中理屈で割り切れるものではないということからすると
とても現実的な物語なのかもしれない。
気力があれば読み返してみたいところだが
今はちょっと無理。 -
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長老の遺体による腐臭騒ぎで、迷いが生じるアレクセイ。一方、ドミートリイは愛人のため金策に走り回っていた。
グルーシェニカの人柄と背景がよくわかる深掘りと、アリョーシャ(アレクセイ)の信仰が新生する第7編。第8編ではミーチャ(ドミートリイ)が奔走するなか、ついに事件が起こってしまう。続く第9編では、ジャンルが変わったのかと思うほどミステリー小説な展開に。疾走感のあるこの第3部で物語は一気に加速した感がある。相変わらず会話文の分量が多く、読みやすいが長い。とはいえ、思想性や哲学性の高かった第2部と比べるとよりエンタメ性が増し、それぞれの人物への感情移入も深まって、夢中で読み切ってしまった。
ア -
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さらに泥沼化するかに思える複雑な人間模様のなか、兄イワンと高僧ゾシマ長老がそれぞれに神学的テーマを展開。
キリストにケンカをふっかけるイワンの創作叙事詩『大審問官』の衝撃と、ゾシマ長老の愛に満ちた談話・説教のコントラストが印象深い。いずれも難解で普遍的なテーマを含んでいるため、ざっと一読では消化不良に終わってしまった。とりあえずネット上にある解説や考察などを調べてみているが、ここは宗教に疎い人はつらいところかも。
とはいえ、主人公アレクセイを中心に起こるトラブルの数々は筋書きとして面白いし、各人物の魅力や思想的な深みも相まってものすごく重層的な世界が出来上がっているなぁと圧倒された。 -
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父親=ロシア=フョードル、と恐らくたとえが置き換えられており、かつ、フョードルは「父親ではない」として、ロシアの国としての態度を批判している構図。そもそもこの父親は生物学上の父親ではあるが、父親たる行動はとれていないため、その子供には権利と自由が生まれる、としている。
その偽父親を国民の8割を占める「農民」としてのスメルジャコフ(偽父親の私生児)が、自身の境遇を呪って殺し(状況を誘導してその状況を作り出し)、その罪をロシア貴族階級に負わせようとし、それらを農民たちが支持し(誤審し、または分かっていても罪を着せ)、目論見は成功してしまう。農奴解放がなされ平等化が進むように見えるが、内面的な階級 -
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さて、この複雑で面白いたくさんの登場人物たちとラスコーリニコフというトンデモ青年の物語を読み終わって、思い上がり青年の無謀な殺人は、本人の罪だけでなく、家族はもちろん、周りの人たちをも否応なく巻き込む複雑なストーリーになるのだなあ、と。(名作なれば)世界中の読者も「これは何なのか!あれは何だったのだ!」と懊悩するのだよ。
主人公の名前ラスコーリはロシア語で叩き割るの意味だそう。さすが主人公…、名に恥じない!?
似たようなことは現実世界にもあった、ありますね。それを19世紀に予言したドストエフスキーは偉い。
トルストイもそうだけど、その他大勢のロシア近代文学者の作品はとても奥深くすごい、近代 -
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3回目なのにすっかり忘れているから、やっぱりおもしろいなあと読み進む。
忘れるからと、第1部と第2部はあらすじを追って書き出したが、何のことはない『罪と罰 2』巻末の「読書ガイド」に、翻訳者の亀山先生が第1部と第2部のあらすじを完璧にまとめてくださっていたのだ。第3部と第4部は最後の『罪と罰 3』の巻末にあった(それも忘れていて)。
この文庫本がある限り、そこを見ればよい、ということで、ここからはラクをしよう。
第3部の感想
もうろうとして母と妹に再開し、妹ドゥーニャの犠牲的婚約の話が面白くないラスコーリニコフなんだけど、自分の罪にもおびえて複雑。そりゃそうだ。でも、妹アヴドーチャ(ドゥ -
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第一部あらすじ
7月の太陽が照りつけるペテルブルグの街中を、元大学生ラスコーリニコフは歩いている。
彼は殺人計画を立てていて、そのターゲット金貸し老女アリョーナの居室を下見の目的で訪れるのである。はたして実行できるのか、神経質にびくびくしている様子が描かれる。
いよいよ金貸しアリョーナの部屋に着き、古い銀時計を質草に金を借り、また訪れると予告して去る。
幾ばくかのお金を手にして居酒屋に寄るラスコーリニコフ。そこで、マルメラードフという飲んだくれの元役人に出合い、酔いに任せたおしゃべりで彼の家庭事情を聴かされる。再婚した妻の病気、子沢山、そして前妻との実娘ソフィアの稼ぎ(売春)に頼る生活。