亀山郁夫のレビュー一覧

  • 人生百年の教養

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    亀山氏というと、ドストエフスキーの翻訳が有名だね。いくつか本を読んでいるし、佐藤優氏との対談も読んでいる。本書は、亀山氏の読書を中心とした知の変遷。興味は惹かれつつ、ドストエフスキーとかロシア文学から感じられるカタサのようなものから、退屈なんじゃないかなぁなんて思ったものだけど、予想よりも面白かった。学生運動が華やかだった亀山氏の学生時代から、研究に向かう懊悩、ソ連に行ってスパイと間違えられてほんとに殺されるんじゃないかと思ったような体験など、引き込まれて読んだな。俺自身は夏目漱石の『こころ』は教科書以外未読なんだけど、十代で読んだときと、大人になってから読んだ印象がまったく変わっていたというあたり、読書人の成熟を感じられるエピソードだった。音楽や、大学人としての話、英語とのつきあい方など、話題も幅広く、楽しかった。

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    2022年11月13日
  • 未成年2

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    ドストエフスキー五大長篇のひとつ。カラマーゾフの前の4番目の作品。

    1巻を読んで間が7ヶ月空いているので、記憶を呼び起こすのが大変だったが、亀山郁夫さんによる「読書家ガイド」に1巻の振り返りがあったので助かった。

    内容は、登場人物が全員一筋縄では行かない人たちばかりで、だれに感情移入したものやら、悩ましいが、主人公アルカージーの一人称形式なので、アルカージー目線で読むしかない。。

    セルゲイ公爵が何でこんなにモテているのか全くもって謎。

    原題は「無秩序」だったらしく、その名の通り、主題が見えないまま最終巻へ。

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    2022年10月11日
  • 罪と罰 2

    A

    購入済み

    話が動いてきた

    あい変わらず登場人物の感情や行動はよく解らないところがあるが、
    まぁ現実世界でも他人の考えてることは解らないのだから
    そういうものかもしれない。
    話が動きだして面白くなってきた。
    マルメラードフの件はなんとなく身につまされるものを感じる。
    それはともかく、ラスミーヒンはいい奴だ。

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    2022年10月02日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    第4巻は、かなり文学的な、じっくり読める内容。それにしても、よくずっーと高揚した物語が続くものだ。だが、アリューシャの影が薄い。12歳?のコーリャだってほとんど大人と変わらないぐらい心を顕にしてるのに。後半のイワンも凄い。でも、賢く理性的だったはずのイワンもミーチャと凄く似てきた。カラマゾフ家ののろわれているのか。
    すべてが繊細すぎ、すぐ傷つく。そして、この物語の背景に神キリストが居る。この世界を支配している。それが我々には分からない理由の大半を占めるのかもしれない。

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    2022年08月11日
  • 悪霊 1

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    ドストエフスキーの本、以前挑戦した時は名前の法則の難しさ、(リーザとエリザヴェータは同一人物か?)などが把握しづらく挫折したが、本書の巻末の「読書ガイド」にて解説が添えられている。

    ヴェルホヴェンスキー氏とワルワーラ夫人の関係がよくわからず、不思議だった。はじめは夫人の子供の家庭教師だったのか?とも思うけど、もう子供たちは大きくなり独立したりしているのに、未だに同じ屋敷に住んでいる。ハンサムなヴェルホヴェンスキーの服装にまで口出しして恋人のようにも見えるけど、姪との結婚を勧めたり。距離が近いパトロン?うーん。変な関係。

    夫人の息子スタヴローギンとヴェルホヴェンスキーの息子ペトルーシャが登場するとちょっと面白くなってきた。

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    2022年05月04日
  • 人生百年の教養

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    ドストエフスキーといえば亀山郁夫氏。
    東京外国語大学、名古屋外国語大学の学長を務められていたとは知らなかった。

    教養とは「共通知」とも言える。
    「知の取得は、おおむね探求型から選択型に代わり、それと同時に『共通知』の体系は根本から揺らぎはじめ」た。
    そこには、情報の点的な取得があって、継承という線的な流れが機能しなくなっている課題がある。

    一冊の本を読んでも、教養がなければ見過ごしてしまう、感じ取れない節がある。
    お互いにそうと分かっていて進むような、深い対話を実現するためには、母語でなければ困難を伴う。

    「教養知、すなわち教養人と呼ばれる人々における知は、『全人』的という表現に値する、ある有機的な結びつきのなかで披露されるわけです。すなわち哲学です。教養と常識は、裏づけとなる哲学があるか、ないかによって二つに分岐する、といってもよいでしょう。哲学が、最終的には、『人格』の理念と深く呼応していることはすでに述べた通りです」

    後半のリーダーシップ論も面白い。
    今の自分にとっても「黙過」は主題になりえる。

    「問題は、いっさいを『黙過』せず、すべての問題にコミットすべきなのか、それとも問題によっては『黙過』も可とするのかという点にあります。組織全体の名誉を考え、黙過することによって汚名から逃れる場合もないではありません。誰しも、汚名を恐れています。しかし、黙過によってたとえ組織が救われても、個人の良心は痛みつづけます。その痛みに敢えて目をつぶるのか、つぶらないか。理性は、むろん、つぶらないという選択肢を指示していますが、本能は、つぶりたいと考えている。全体か、個人か。その場合、上から見下ろすか、横から凝視するか。すべての組織、すべてのリーダーを悩ませる根本問題です。」

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    2022年05月03日
  • 罪と罰 2

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    推理ものを見ているようかの気分だ。ラスコーリニコフは冷静ではなく、聞いてもいないのに自分に不利になるような挙動を取り続ける。罪の意識は人間をこんなにも非合理に走らせるのだろうか。

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    2022年03月08日
  • ドストエフスキーとの旅 遍歴する魂の記録

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    亀山郁夫さん、独特の感性が面白く興味深く読めた。このレベルまでロシア文学を読みこなせたら楽しいだろうなぁ。

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    2022年02月27日
  • 未成年1

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    いつもながらの複雑な人物相関に翻弄される。
    キレイには頭に入らない。
    「ロスチャイルドになる!」と宣言したあたりからは一気に読み易くなる。

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    2022年01月26日
  • 白痴4

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    ネタバレ

    ムイシキン公爵とアグラーヤの諍いはアグラーヤがハリネズミをプレゼントして収まる。公爵を紹介するために開かれたエバンチン家主催の夜会で、公爵は恩人・パヴリーシチェフの改宗の話を聞いて興奮、自説を弁じたのちに発作を起こし、中国製の花瓶を割ってしまう。

    アグラーヤとナスターシヤが面談、2人はロゴージンとムイシキン公爵の前で言い争いになり、公爵はナスターシヤと結婚することになるものの、結局は結婚式当日にナスターシヤはロゴージンと逃走、加速して悲劇的な結末へと向かう。

    本筋は悲劇的ですが、途中に入るコミカル部分もかなり味があり面白かったです。4巻では、著者が「凡庸な人間」とするガヴリーラ・イヴォルギン、およびその父親・イヴォルギン将軍が目立ちます。

    恋愛小説と言われますが、昨今の恋愛小説とはまったく様相が異なり、暗喩に次ぐ暗喩、当時の社会状況、常識、善意の在り方も異なるため、そこに自分を落とし込む作業がなかなか難しかったです。
    4人の恋愛、ですが主人公のムイシキン公爵以外のナスターシヤ、ロゴージンにはあまり出番がなく、アグラーヤは3巻から目立ってくるというのも、現実の恋愛とはそういうものでしょうけど、創作物としては珍しいのではないでしょうか。

    巻末の読書ガイドがなければスルーしてしまう箇所が多く、私にはキリスト教的思考と素地がないので、浅い読み方になってしまいました。

    とりあえず4巻まで完走できて一安心。『カラマーゾフの兄弟』は挫折しました…。いつか再読読したいですね。

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    2021年12月08日
  • 白痴3

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    ネタバレ

    3巻で目立つのは幼さが残るもう1人のヒロイン・アグラーヤとイッポリート。

    ムイシキン公爵を含む、エバンチン家の別荘に集った人たちは野外コンサートに行くが、会場にナスターシヤが現れる。大騒ぎになる中、ロゴージンがナスターシヤを連れ去る。公爵の誕生日祝いでイッポリートは「わが必要不可欠な告白」を朗読、ピストル自殺を試みるものの失敗。ムイシキン公爵はアグラーヤから受け取った手紙の指示通りアグラーヤとベンチで落ち合い、ナスターシヤからアグラーヤ宛の3通の手紙を受け取る。公爵が別荘に戻ると、レーベジェフから現金が奪われたと報告される。その後、一人になった公爵はナスターシヤから別れを告げられる。

    イッポリートの告白には5~7章が費やされている。「ご安心ください、朗読にかかるのは四十分、いや、せいぜい小一時間ですから…。」(P153)長いよ、厨二病が過ぎるよ、イッポリート…。

    ナスターシヤは相変わらず少ししか出てこない。ロゴージンの出番も少ない。

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    2021年12月05日
  • 白痴2

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    ネタバレ

    作者が語り手となり始まる第2巻。第1巻の半年後から始まる。この半年の間の出来事は後から薄っすらと提示される。

    遺産を手にして大金持ちになったムイシキンは公爵はロゴージンと再会し十字架を交換するが、ホテルでロゴージンに襲われ癇癪の発作を起こす。別荘に移り住み、訪問客に囲まれた公爵の前に、遺産の正式な相続人と自称するブルドフスキーが現れるが、公爵はそれは虚偽であると釈明、その後ナスターシヤが突然現れて去っていく。

    この2巻で目立つのは前半はロゴージン、後半はガヴリーラの弟の友人イッポリート。特にイッポリートは結核を患い、あと数週間の命というところだが、お金を貸してくれる叔父(レーベジェフ)に悪態をつき、ブルドフスキーとともにやってきて演説を始める。その内容が自分勝手を極めた内容で共感できない…。

    巻末の「読書ガイド」を読まないとアグラーヤが朗読する詩の意味がさっぱり分からないので、巻末は読むべきですね。

    ロシア作家ウリツカヤが「第二部には、若干、辟易させられるところがある」(P360)と言うだけあってこの巻はやや冗長と感じました。

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    2021年11月30日
  • 白痴4

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    ムイシキン公爵、ロゴージン、ナスターシャ、アグラーヤの4人をめぐる恋愛小説である。ナスターシャが殺され、アグラーヤの素直な性格のみ際立つ感じがする。皆が幸せになっていない分、幸せとは何かを考えさせられた。

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    2021年11月28日
  • ドストエフスキーとの旅 遍歴する魂の記録

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    人生そのものがドストエフスキーなエッセイ。翻訳の成功と苦悩、旅先でスパイ疑惑をかけられたり濃厚な日々が熱気をはらんだ文章で綴られる。「「黄金」の時」の一篇などは珠玉の出来ではなかろうか。

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    2021年12月06日
  • 未成年1

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    ちょうど新潮文庫版を読み終わったところに新刊として出たので、確認のための再読がてら読んでみた。一人称が「ぼく」なのはよい。新潮版でいちばん違和感があったのは「わたし」の持つ冷静さや大人感。こちらの訳だと、語り手の青くさいところや激高しやすいところ、現実をよく知らないくせにわけわかんないオレオレ理論にとりつかれるところが生々しくてよい。これ、若いときに読んでたら共感できてるのかなぁ。。ただ、ところどころ意味不明なところがあるのが気になる(工藤訳や米川訳で確認すると別に元がおかしいわけではなさそう)。

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    2021年11月29日
  • ドストエフスキー『悪霊』の衝撃

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     私にとって『悪霊』はドストエフスキー作品への入り口であり、大学の講義のテキストとして強制的に読まされたにもかかわらずその破滅的な物語の魅力に今でもとりつかれている。この本は亀山郁夫先生とリュドミラ・サラスキナさんのトークセッション及び後日亀山先生がメールで送った質問表と、サラスキナさんの回答で構成されている。
     例えばスタヴローギンと『罪と罰』のラスコーリニコフはどちらも美形の青年として描かれているが、最初から自殺する道しかないスタヴローギンと、ソーニャによって救われたラスコーリニコフはどう違うのか。『罪と罰』から『悪霊』までの5年間に、作家の心理にどのような変化があったのか。亀山先生の数々のディテールへの突っ込みと、サラスキナさんのロシア人研究者ならではの回答はどれもドストエフスキーファンにとってはたまらなく面白いものである。彼女の「一線を越えた人物の本質とは、犠牲者の目で世界を見ることがないというところにある」という一文はとても印象に残っている。また、スタヴローギンが選んだ縊死は、キリスト教社会では最も醜い自殺方法とされる(ユダと同じ)という指摘も興味深かった。
     この複雑で死の色が濃い物語を「全編に漂う、登場人物相互の不信感と敵対心」「この小説はある町の”集団ヒステリー”を描いている。僭称者たちによる権力の乱用によって町の人々の心に入り込み、一人残らず混乱させていく」と要所要所で総括しているのも自分の理解と一致していて深くうなずける。

     『悪霊』のモデルはネチャーエフ事件であるが、当時のロシアの民主主義者たちはこの小説の登場人物のようにはならないと反発。だがやがてテロリズムが横行し、政治的な動機を持つ殺人は正当化されて小説が示した教訓は生かされなかった。ここは難解だが非常に読みごたえのあるところ。
     ただ、過去の著作からも大変なロマンチストであることが窺える亀山先生による長いプロローグと終盤の「アウラを求めて」の章がかなり読みにくく、サラスキナさんによる「アイスランドのスタヴローギン」もあまり興味が湧かなかった。本編はとても面白いだけにそこが残念。

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    2021年11月21日
  • 悪霊 3

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    最後の最後まで作品からの圧力が凄かった
    滅茶苦茶だった あまりにも人が死にすぎた
    昔のロシアでこんな物凄い作品が書かれていたことに驚いた

    読者ガイドにもあるように、ヴェルホヴェンスキー氏は面白おかしく人間味あふれる人物だった
    彼が出てくるシーンは何故かホッとしていた

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    2021年10月29日
  • 白痴1

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    ムイシキン公爵とロゴージンと美女ナスターシャをめぐる三角関係の話。ロシア人は登場人物が欲望のまま行動するところは興味深いと感じた。幸せとは何か?を考えさせられる。ドストエフスキーの抱えていた苦悩もよく表現されていると感じた。

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    2021年10月24日
  • 悪霊 2

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    登場人物それぞれが個性が強くて面白い
    いびつでカオス
    どうやって終わるのか楽しみ
    いつかまた読み直す

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    2021年10月11日
  • 悪霊 1

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    他のドストエフスキー作品と同じように、初めは名前を覚えるのが大変だった
    序盤はそうでもないが、途中から段々と変な雰囲気になってきた
    登場人物の一人一人に細かい設定があってすごいなあ

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    2021年09月29日