亀山郁夫のレビュー一覧
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私にとって『悪霊』はドストエフスキー作品への入り口であり、大学の講義のテキストとして強制的に読まされたにもかかわらずその破滅的な物語の魅力に今でもとりつかれている。この本は亀山郁夫先生とリュドミラ・サラスキナさんのトークセッション及び後日亀山先生がメールで送った質問表と、サラスキナさんの回答で構成されている。
例えばスタヴローギンと『罪と罰』のラスコーリニコフはどちらも美形の青年として描かれているが、最初から自殺する道しかないスタヴローギンと、ソーニャによって救われたラスコーリニコフはどう違うのか。『罪と罰』から『悪霊』までの5年間に、作家の心理にどのような変化があったのか。亀山先生の数々 -
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二巻同様、次男イワンに翻弄されます。
主となるのは長男ミーチャの振る舞いに対する真偽。
これまでの登場人物が一堂に会し意見をぶつけるさまは予想できるところもあり、そうなの!?と読む手が止まる時もしばしば。
裁判シーンは形式上過去が整理されるのでスポーツのようにわかりやすくなります。
とはいえ、それでも頭を悩ませるのがこの本の特徴です。
カテリーナはなぜその振る舞いを?
スメルジャコフって、脇役だと思っていたのに!
イッポリート、後からの登場にしてはよくしゃべる、、、などなど。
現場にいるミーチャの気分と重なっていると思うほど混乱します。
極めつきはイワンです。
初めての読書の中で、彼 -
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最初の宗教的、哲学的な部分は読みづらいが、長男ドミートリーの行動が中心となる後半はどんどん読み進められた。面白い。多くの登場人物それぞれに特徴があり、個人個人の描写と心理、お互いの反応が絶妙。
「わたし、だれにもお金を貸さない主義なんです。お金を貸すことって、喧嘩をするのと同じことですからね。あなた、とくにあなたにはお貸ししません」p177
「(百姓について)百姓たちに葉巻やワインやお金をふるまったりしないよう言い聞かせ、女たちがリキュールを飲んだりお菓子を食べたりしていると言って、いたく憤慨していた。「シラミだらけの連中ですよ。ドミートリーの旦那」と彼は言った。「あんなやつら、わたしなら、 -
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ネタバレかなりモヤモヤ感のあるラストでしたが、まああれはあれで四人にとってベストな結末だったのでは無かろうかと^^;。あと、ムダに長すぎる会話文も、あれはあれで、善と悪に分かれがちな各登場人物それぞれの多様な一面であったり心情であったりが読み取れて面白かったかな~☆…全ての作家があの方式を採用されるとちょっと困るけど(笑)。
<以下、ネタバレ有り>
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以下、主要な登場人物4人に対する僕のざっくりとした感想。
●ムイシキン公爵
=八方美人は嫌いです^^;。相手の事を思ってわざと冷たくするのが本当の愛じゃないのかな~。
●ロゴージン
=あれを一途とか言ってたらスト -
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むかし手に取った時は、途中から何読んでるのかさっぱりわからなくなるほど、話が全く頭に入って来ず。
一巻の途中であえなく断念。
中村文則のエッセイ読んだことをきっかけに(バーの帰りに女の子の家にまんまと遊びにいけたのに、悪霊の続きが気になって仕方ない中村文則は、二兎を得ようとして女の子の部屋でモリモリ悪霊を読み進み、結局女の子との間には何も起こらず朝を迎えた、あの悪霊)、そんなにおもろいんかともう一度チャレンジ。
2回目手に取った今回は、あら、こんな話でしたっけ?
と思うほど、一度目の私のおぼろげな記憶にあった話とは全然違って、驚くほどスイスイと面白く読みました。
一巻の終わりまで難なくたど