亀山郁夫のレビュー一覧

  • 白痴4

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    ムイシキン公爵、ロゴージン、ナスターシャ、アグラーヤの4人をめぐる恋愛小説である。ナスターシャが殺され、アグラーヤの素直な性格のみ際立つ感じがする。皆が幸せになっていない分、幸せとは何かを考えさせられた。

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    2021年11月28日
  • ドストエフスキーとの旅 遍歴する魂の記録

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    人生そのものがドストエフスキーなエッセイ。翻訳の成功と苦悩、旅先でスパイ疑惑をかけられたり濃厚な日々が熱気をはらんだ文章で綴られる。「「黄金」の時」の一篇などは珠玉の出来ではなかろうか。

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    2021年12月06日
  • 未成年1

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    ちょうど新潮文庫版を読み終わったところに新刊として出たので、確認のための再読がてら読んでみた。一人称が「ぼく」なのはよい。新潮版でいちばん違和感があったのは「わたし」の持つ冷静さや大人感。こちらの訳だと、語り手の青くさいところや激高しやすいところ、現実をよく知らないくせにわけわかんないオレオレ理論にとりつかれるところが生々しくてよい。これ、若いときに読んでたら共感できてるのかなぁ。。ただ、ところどころ意味不明なところがあるのが気になる(工藤訳や米川訳で確認すると別に元がおかしいわけではなさそう)。

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    2021年11月29日
  • ドストエフスキー『悪霊』の衝撃

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     私にとって『悪霊』はドストエフスキー作品への入り口であり、大学の講義のテキストとして強制的に読まされたにもかかわらずその破滅的な物語の魅力に今でもとりつかれている。この本は亀山郁夫先生とリュドミラ・サラスキナさんのトークセッション及び後日亀山先生がメールで送った質問表と、サラスキナさんの回答で構成されている。
     例えばスタヴローギンと『罪と罰』のラスコーリニコフはどちらも美形の青年として描かれているが、最初から自殺する道しかないスタヴローギンと、ソーニャによって救われたラスコーリニコフはどう違うのか。『罪と罰』から『悪霊』までの5年間に、作家の心理にどのような変化があったのか。亀山先生の数々

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    2021年11月21日
  • 悪霊 3

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    最後の最後まで作品からの圧力が凄かった
    滅茶苦茶だった あまりにも人が死にすぎた
    昔のロシアでこんな物凄い作品が書かれていたことに驚いた

    読者ガイドにもあるように、ヴェルホヴェンスキー氏は面白おかしく人間味あふれる人物だった
    彼が出てくるシーンは何故かホッとしていた

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    2021年10月29日
  • 白痴1

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    ムイシキン公爵とロゴージンと美女ナスターシャをめぐる三角関係の話。ロシア人は登場人物が欲望のまま行動するところは興味深いと感じた。幸せとは何か?を考えさせられる。ドストエフスキーの抱えていた苦悩もよく表現されていると感じた。

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    2021年10月24日
  • 悪霊 2

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    登場人物それぞれが個性が強くて面白い
    いびつでカオス
    どうやって終わるのか楽しみ
    いつかまた読み直す

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    2021年10月11日
  • 罪と罰 3

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    1人の青年の破滅と再生を描く作品 「優れた人間が世のために行う殺人は正当化されうるか」というテーマを取り扱っている。 ドストエフスキーの作品全般に言えることであるが、とにかく登場人物のバラエティの豊かさに驚かされる。 どんな作品でも、登場人物は大なり小なり作者の影響を受けるため、なんとなく共通した雰囲気を持つキャラクターで構成されることが多いが、これほどまでに登場人物の個性が独立しているのは、ドストエフスキーが天才と言われる理由の一つだと思う。

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    2021年10月08日
  • 悪霊 1

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    他のドストエフスキー作品と同じように、初めは名前を覚えるのが大変だった
    序盤はそうでもないが、途中から段々と変な雰囲気になってきた
    登場人物の一人一人に細かい設定があってすごいなあ

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    2021年09月29日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    かなりキリスト教の宗教色の強い一巻だと思う。神の存在、聖職者フリーメーソン(秘密結社)、ヨハネの福音書、修道僧ゾシマ長老、黙示録。イワンとドミートリーとのやり取りが少なくアリョーシャの行動、心理が多く描かれていて兄弟の不仲が伝わってくる。兄弟同士、女性とどう絡んでいくのだろうか?

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    2021年08月13日
  • 賭博者

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    明らかにエンターテイメントの小説ではないことは確かでした。主人公であるアレクセイを通してドストエフスキーの思考および嗜好を伝えようとしているのは理解できました。
    全てを理解することは難しかったが、訳者あとがきの定められた運命=ルーレットとする解釈など視点が穿っており、大変刺激的だった。

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    2021年07月24日
  • カラマーゾフの兄弟〈2〉

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    メインストーリーに組み込まれる形で周辺の登場人物のサブストーリーが挿入される。サブストーリーだけでも強烈。

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    2021年07月13日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    二巻同様、次男イワンに翻弄されます。

    主となるのは長男ミーチャの振る舞いに対する真偽。
    これまでの登場人物が一堂に会し意見をぶつけるさまは予想できるところもあり、そうなの!?と読む手が止まる時もしばしば。

    裁判シーンは形式上過去が整理されるのでスポーツのようにわかりやすくなります。

    とはいえ、それでも頭を悩ませるのがこの本の特徴です。
    カテリーナはなぜその振る舞いを?
    スメルジャコフって、脇役だと思っていたのに!
    イッポリート、後からの登場にしてはよくしゃべる、、、などなど。

    現場にいるミーチャの気分と重なっていると思うほど混乱します。

    極めつきはイワンです。
    初めての読書の中で、彼

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    2021年07月10日
  • 悪霊 3

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    なんというか、圧倒されたまま終わってしまった。宮部みゆき作品を読んでいるような展開の圧力と速さと暗さ。雨で流量の増した川の流れに押し流されるような、抗っても耐えられない恐ろしさ。
    いつの間にか忍び寄って、気づいたときにはもう後戻りできない。

    いまでも、ごく一部ではあるが純化されて暴走する組織は存在しうる。そういうときにどうすればいいか。根本対処は自分ではどうしようもない気はするので、助けを求められるうちに求めないとと思う。

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    2021年04月29日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    複雑で発散したような展開のようで、最後はしっかりとまとめてきたって感じ。読み応えあり。解説者が「計算し尽くされた作品」というのが理解できたような気がします。

    「人間は悪いことを憎むとか、みんな言ってるけど、心のなかじゃ、みんな悪いことが好きなのよ」p203
    「ひょっとしたら見あげた心の持ち主だったかもしれないのに、酒と女遊びがたたって、スウェーデン人みたいに破滅してしもうた」p214

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    2021年04月10日
  • カラマーゾフの兄弟〈3〉

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    最初の宗教的、哲学的な部分は読みづらいが、長男ドミートリーの行動が中心となる後半はどんどん読み進められた。面白い。多くの登場人物それぞれに特徴があり、個人個人の描写と心理、お互いの反応が絶妙。

    「わたし、だれにもお金を貸さない主義なんです。お金を貸すことって、喧嘩をするのと同じことですからね。あなた、とくにあなたにはお貸ししません」p177
    「(百姓について)百姓たちに葉巻やワインやお金をふるまったりしないよう言い聞かせ、女たちがリキュールを飲んだりお菓子を食べたりしていると言って、いたく憤慨していた。「シラミだらけの連中ですよ。ドミートリーの旦那」と彼は言った。「あんなやつら、わたしなら、

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    2021年04月03日
  • そうか、君はカラマーゾフを読んだのか。 仕事も人生も成功するドストエフスキー66のメッセージ

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    「相手が他人であれ自分であれ、人を毛嫌いするということは避けなさい」
    ゾシマ長老の言葉。

    なかなかに長編なので読むのを避けてましたが、これをきっかけに亀山郁夫訳のカラマアゾフの兄弟、読もうと思います。

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    2021年03月17日
  • 白痴4

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    ネタバレ

    かなりモヤモヤ感のあるラストでしたが、まああれはあれで四人にとってベストな結末だったのでは無かろうかと^^;。あと、ムダに長すぎる会話文も、あれはあれで、善と悪に分かれがちな各登場人物それぞれの多様な一面であったり心情であったりが読み取れて面白かったかな~☆…全ての作家があの方式を採用されるとちょっと困るけど(笑)。


    <以下、ネタバレ有り>
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    以下、主要な登場人物4人に対する僕のざっくりとした感想。
    ●ムイシキン公爵
    =八方美人は嫌いです^^;。相手の事を思ってわざと冷たくするのが本当の愛じゃないのかな~。
    ●ロゴージン
    =あれを一途とか言ってたらスト

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    2021年03月16日
  • 悪霊 1

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    むかし手に取った時は、途中から何読んでるのかさっぱりわからなくなるほど、話が全く頭に入って来ず。
    一巻の途中であえなく断念。

    中村文則のエッセイ読んだことをきっかけに(バーの帰りに女の子の家にまんまと遊びにいけたのに、悪霊の続きが気になって仕方ない中村文則は、二兎を得ようとして女の子の部屋でモリモリ悪霊を読み進み、結局女の子との間には何も起こらず朝を迎えた、あの悪霊)、そんなにおもろいんかともう一度チャレンジ。

    2回目手に取った今回は、あら、こんな話でしたっけ?
    と思うほど、一度目の私のおぼろげな記憶にあった話とは全然違って、驚くほどスイスイと面白く読みました。
    一巻の終わりまで難なくたど

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    2021年02月19日
  • 悪霊 2

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    1巻の解説で少々ネタバレがあったものの、読んでみると不穏な空気にぐいぐい引き込まれた。悪意のある人々に、善良で金や地位がある人がしらずしらずのうちに巻き込まれていく様は非常に恐ろしい。本書はずっと不穏。宮部みゆきさんの作品を読んでいるような気分になる。

    スタヴローギンが主教に相談にいく場面はなにか唐突な感じはしたが、想像と違った方に進んでいて、こちらも目が離せなくなった。

    本書の解説では、当時のロシアの社会情勢を教えてくれており、それはとても参考になる。少し置いて読み直したい。

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    2021年01月24日