亀山郁夫のレビュー一覧

  • 罪と罰 3

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    初めてのドストエフスキー。
    登場人物の名前が最初は覚えられずにネットにあった相関図と睨めっこしながら読み進めたが、最後には随分と理解できるようになった。

    全てを環境のせいにし、自分を正当化して身勝手な罪を犯したラスコーリニコフ。
    彼は自分自身や自分と近い人には優しくできないのに、そうではない人に対しては優しさを持てるところに共感した。

    自分も、家族や友達には「俺はこんなに不幸なのに」と当たる時もある。
    でも、顔も知らない人のために募金をしたり、道を教えてあげたりする。
    誰にでも「いい人」と見られたいという欲求が確かにある。

    そんな中で出会ったソフィアを通して、本当の愛というもの知ることに

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    2025年06月17日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    ずっと読んでみたかった名作。めちゃくちゃ長くてめちゃくちゃ時間かかったけど読んで良かった!
    あとがきにあった、四巻+エピローグという形式は交響曲の形式と似ているっていうのにすごく納得。
    第一部がアレグロ・コンブリオ(速くいきいきと)。登場人物が多い割に、時系列や人物関係、キャラクターが分かりやすくまとめられていて、さほど苦労せずに読めた印象。カラマーゾフとは何たるかを知る場面。
    第二部がアダージョ(ゆっくりと)。ここが長くて辛かった!あとがきにここで挫折する人が多いとあったけど、それも頷ける。神がかり的な力を持つゾシマ長老に傾倒する無垢な三男アリョーシャと、「神がいないことで全てが許される」と

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    2025年06月13日
  • 罪と罰 3

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    長大な物語を饒舌な会話の力で一気に押し切るという本作の技法は、現代のエンターテインメントにとっても参考になるだろう。読者にとっては、程よい長距離走のような読書体験であり、読後には大きな達成感が得られる。
    ただし、「殺人」というテーマの是非については掘り下げがやや不十分かもしれない。ソーニャへの悔悟に関しても、まだその入口に立ったに過ぎない。

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    2025年04月18日
  • 罪と罰 2

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    ネタバレ

    長大な物語を饒舌な会話の力で一気に押し切るという本作の技法は、現代のエンターテインメントにとっても参考になるだろう。読者にとっては、程よい長距離走のような読書体験であり、読後には大きな達成感が得られる。
    ただし、「殺人」というテーマの是非については掘り下げがやや不十分かもしれない。ソーニャへの悔悟に関しても、まだその入口に立ったに過ぎない。

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    2025年04月18日
  • 罪と罰 1

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    ネタバレ

    長大な物語を饒舌な会話の力で一気に押し切るという本作の技法は、現代のエンターテインメントにとっても参考になるだろう。読者にとっては、程よい長距離走のような読書体験であり、読後には大きな達成感が得られる。
    ただし、「殺人」というテーマの是非については掘り下げがやや不十分かもしれない。ソーニャへの悔悟に関しても、まだその入口に立ったに過ぎない。

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    2025年04月18日
  • 増補 『罪と罰』ノート

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    難しかった…。
    キリスト教や思想に関する単語を知らないと理解が難しいかもしれない。これは罪と罰そのものに言えるだろうけれども。

    分かるようで分からない。体系的に解説されているわけではなく、ただ章ごとにズラズラと述べられていくので自分の読解力では難しかった。またリトライしたい。

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    2025年03月20日
  • 罪と罰 2

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    一巻に比べかなり物語の解像度 (犯行動機、哲学的な背景)が高くなってきたが、まだイマイチ犯行動機がしっくり来ない。新しい考えを実現させるためには犠牲者を出してかまわないという持論をラスコーリニコフは持つが、ラスコーリニコフの持つ新しい考えが何か分からず、またそのせいで老婆が殺されたという因果関係もまだ理解できない。これからどうなるのか展開が楽しみ。
    それはそうとやはり解説が詳しくて素晴らしい

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    2025年02月28日
  • 未成年3

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    ネタバレ

    終わってみれば何のことはないのだが、語り手アルカージーだけが事態に気づいていないパターンが繰り返され、読者としても振り回されるかたちになった。
    父と子が揃って幼稚で、醜態を演じていて呆れ返ってしまった。特に感動屋で相手の嘘を見抜けないアルカージーにはヤキモキさせられる。どこに行っても子ども扱いされていて、まさにその通りの若者なのだ。今後働き口を探したら探したで何かよからぬことに巻き込まれそうだし、大学に行ったら行ったで詐欺に遭いそうで正直不安だ。
    マカールの話を聞いているときだけは少なからず幸せを感じた。しかし彼の話はそれを聞いている瞬間は感動を呼び起こすが、忙しない日常のなかに埋もれていくも

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    2025年02月28日
  • 未成年1

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    ネタバレ

    話の流れが掴みにくく読みにくいが、人々の理想や信念や思想がたくさん出てきて、それにじっくり向き合いたくなるような小説だ。
    死者が出たのは驚きだったが、この出来事を通してまた登場人物たちがどう考えるのか、興味がある。
    主人公アルカージーには、父と母を憎むのに十分な理由があるように思うが、そう単純には描かれていないことが徐々にわかってきた。憎んでもいるが愛してもいる。人間の複雑な心を深く見つめる視線を感じて好ましい。
    妹のほうが落ち着いた聡明さを見せたりしていて、アルカージーのそそっかしさが目立ち、これから何をするつもりなのか心配だ。
    その未熟なアルカージーの目線で話が進むため、全貌が見えていない

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    2025年02月21日
  • 悪霊 3

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    『悪霊』と聞いてどんな姿を思い浮かべる?
    姿があるものと仮定してだけど

    なんか、むにゃむにゃっとした奴
    向こう側がぼんやりと見える半透明で、色は黒っぽいけど、青でもあって、見ようによっては赤っぽくもある
    体はなんか剥ぎ取られたカーテンのようで、形はあるようでないような
    とにかくでっかくてゆらゆらしていて、何かこう覆いかぶさってくるような
    で、ギザギザした口と尖った目が付いている

    自分が思い浮かべる『悪霊』はそんな姿だ

    そしてドストエフスキーの『悪霊』もそんな物語だった

    別にいいのです
    誰にも理解されなくても

    『悪霊』はなんかむにゃむにゃっとした悪意のかたまりの物語でした

    さぁ、ネン

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    2025年02月18日
  • 罪と罰 1

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    ずっと読みたかった本。描写が細かくゆっくり読めば状況をイメージしやすい。平易で無理のない表現のため読みやすい。しかし人名が多くなかなか大変。メモしながら読むしかない。これからどんな展開になるのか、なぜラスコーリニコフは殺人を犯したのか、すごく気になる。3〜6章も楽しみだ
    読書ガイドの細かさが光文社古典新訳文庫で買って良かったなと思った。

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    2025年02月17日
  • カラマーゾフの兄弟〈5〉エピローグ別巻

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    エピローグは、明るい未来を感じさせるものでした。「カラマーゾフ万歳!」と青年たちが叫ぶのはよくわからなかったですが。
    ドストエフスキーの生涯や解説は興味深い内容でよかったです。作品を振り返ることができました。

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    2025年02月12日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    カラマーゾフ兄弟のそれぞれの動きが明らかにされて、読みやすかったです。事実とは別に法定ではさまざまな憶測のもとにミーチャを裁こうとしているやりとりが興味深いです。ミステリーとしての面白さが味わえます。

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    2025年02月11日
  • 悪霊 2

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    長いわ!( ゚д゚ )クワッ!!

    もうね、ず〜っとほのめかしなのよ
    なんか裏で進んでるな〜
    なんか企んでるな〜
    なんか隠してるな〜
    ってのは分かるのよ
    分かり過ぎるのよ

    でも肝心なことはち〜っとも出てこない
    引っ張る引っ張る
    つか引っ張りすぎやでドストエフスキー!
    もう、いらん話ばっかりやん!っていうね

    そして分かり過ぎるくらい分かることがもうひとつ
    みんなちょっと狂ってる!
    そしてちょっと狂ってる人の中からだいぶ狂ってる人が浮かびあがってくる!

    そいつこそが『悪霊』なのだ!(ババーン)

    あとさー
    巻末の読書ガイド、あれいらんわー
    いやドストエフスキーを分かりやすくって意図は分かるん

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    2025年02月09日
  • 罪と罰 2

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    ラスコーリニコフの言動がよくわからなくなる時があり、人物も増え途中で挫折しそうになったけど何とか読み切った…!次でラスト!

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    2025年02月08日
  • 悪霊 1

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    ネンイチドストです!
    2023年『罪と罰』
    2024年『白痴』
    ときて今年2025年は『悪霊』でございますよ!
    ドストエフスキーの五大長編を執筆順に読んでいるんですねー

    もちろん大好きな光文社古典新訳文庫です
    全3巻+別巻という構成となっておりまして、それぞれ546頁、747頁、626頁、363頁という大長編!さすがのわいもえいや!と気合を入れてかかる必要がありますわ

    エンヤ!

    はい、本編
    もうね、さすがに三作目ともなるとドスちゃんのやり口にも慣れてきましたよ
    あっち飛びこっち飛びです
    しかもですよダブル主人公と目されるニコライとピョードルがまぁ出てこない出てこない
    一巻の最後の方ですよ

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    2025年01月26日
  • カラマーゾフの兄弟〈4〉

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    名作を読もうシリーズ。とっつきやすさから光文社の新訳文庫で。駆け足で進んできてこれにて本編終了。小難しいと思っていたけど、新訳の為か案外読みやすく最後まで楽しく読めた。続編の構想があったとかなかったとか。これがドストエフスキー生涯最後の作品。

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    2025年01月22日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    ★★★★ 何度も読みたい

    ロシア文学というかドフトエフスキー特有の、回りくどくキャラクターが入り乱れる作品。読み途中で数日置くと、誰だかわからなくなってくる。
    主な登場人物は、おそらく主人公のアレクセイ(アリョーシャ)、その父のフョードル、そして長兄ドミートリー(ミーチャ)、次兄イワン。カッコ書きで示したのは愛称だが、この作品でも『罪と罰』など他の作品と同様、何の前置きもなく突然愛称が登場する。

    さて、肝心の内容だが、金や女に汚い父フョードルと長兄ドミートリーの間で勃発した美女・グルーシェニカの争奪戦に、清廉な少年アレクセイがカラマーゾフの血の汚さに気付いていく、といった感じだと推測され

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    2025年01月09日
  • カラマーゾフの兄弟〈1〉

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    ある意味ではこのまま終わってよかったなと思う
    何をどこから言えばいいのかわかんないけど、ひとつ言えるとすればこの世のあらゆるテーゼが詰まった小説だった
    あのころのロシアは全国的にキリスト教(ロシア正教)の力が強かったからこの小説が成り立つんだと思う

    世界史や神学、哲学を学ぶ上で欠かせない一冊だなと思った
    個人的にはイワンが好き
    理性と良心の狭間で揺れ動きながら…
    というのがグッとくる

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    2025年01月02日
  • 罪と罰 3

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    6章までの展開がわずか2週間の間に起きた出来事だなんて信じられない……ラスコーリニコフの混乱と狂気、罪の意識が次々と押し寄せ、大洪水を起こすネヴァ川のような勢いで濃密な読書体験に読者を巻き込んでいく小説でした。

    正直6章まではとにかく陰鬱な小説で私の好みでは無いかもしれないと思って(やや渋々読み進めて)いましたが、エピローグを読んでこれは紛れもなく「愛(と信仰と自由)」についての作品なのだと気づいてから、作品の見え方が一変しました。それだけラスト、ソーニャとラスコーリニコフが互いの愛を感じ、蘇るシーンに強く心を打たれました。この瞬間のための1〜6章つまり「罪と罰」だったのですね。

    ただ、ふ

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    2024年11月30日