池田真紀子のレビュー一覧
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ネタバレ韓国併合~戦後にかけて日本に渡った在日コリアンたちの、四世代に渡る物語。日本の社会に馴染みほとんど日本人のように生きていて、それでもルーツは分断する前の朝鮮で。帰化するかあるいは韓国籍か北朝鮮籍を選ぶ、そのことに割りきれない思いを抱く在日コリアンの気持ちが痛いほど伝わってくる。
おそらく多くの日本人が無意識に内在してしまっている在日差別・ガイジン差別も突き付けられてしんどいけど、日本人はもっと歴史に向き合わなければならないなと痛感させられた。
海外の人が描く日本て違和感を抱くことが多いけど、この『パチンコ』は日本の描写の解像度がすごくて、引っ掛かることなく読めた。ちょうど朝ドラで在日コリアンのことを取り上げているときに読んでいたので、ドラマの登場人物の気持ちと重ね合わせて読めたのもよかった。 -
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ネタバレデジタルテクノロジーは否定しないし大いに活用していきたいが、その前にスマートフォンはスロットマシンだと強く自覚する必要がある。
SNSと検索サイト、ニュースサイト、サイト上のあらゆる広告、記事でさえ利用者の注意、時間を奪う目的で設計されている。これは個人が対抗不可能なほど強力だ。
利用者がより長く画面を眺めれば、それを売上利益に変えるアテンション・エコノミー注意経済、広告産業がのさばっているのだ。このアテンションエコノミーに属するフェイスブックやXやgoogleは、自身では何も生み出していないのに、利用者が画面を見ているだけで稼ぐ。世の中を豊かにしていないのに企業価値が異常に高い。
という点を強く強く認識する必要がある。
彼らは我々ユーザーの大事な人生、時間を如何に奪うか心血を注いでいる。ちょっとやそっとでは対抗できない。
1日3時間もスマホを触ってしまう、なんて勿体無い。習慣を変えよう。
習慣を変えるには環境を変えなくてはならない。
注意を奪う、時間を奪うため特化してきたスマートフォンとの付き合いは、スクリーンタイムを設定するごときでは改善できない。
彼らは強力だ。
まずは、スマートフォンとの付き合いをリセットする必要がある。
1.一ヶ月のリセット期間を設ける。この間、必ずしも生活や仕事に必要でないテクノロジーの利用を休止する。
2.この一ヶ月の間に、楽しくてやりがいのある活動や行動を新しく探したり再発見する。
3.休止期間が終わったらまっさらな状態の生活に、休止していたテクノロジーを再導入する。ただし! 自分の生活や活動にどのようなメリットがあるか、そのメリットを最大化させるにどのように活用するべきか、明確にしてから利用する。
自分のライフスタイル実験。
開始1、2週間は禁断症状が出るが、そのうち消える。
デジタル片付けは、SNSから一時的に離れることにとどまらず、もっと高い価値のある活動を積極的に探さなくてはならない。
真の充実感を生む活動を再発見し、より意義深い目標の達成を後押しするためだけにテクノロジーを活用するような生活に仕向けられる。
■SNSでの繋がりは、対面での広帯域幅の『会話』カンバリゼーションに遠く及ばない低帯域幅の交流を指す『接続』コネクションでしかない。
■人間は他人との繋がりに幸福の土台がある。
■幸福の土台たる他人との本当の人間関係、響き合うコミュニケーション(対面では相手から受け取る情報が多い、共感能力が養われる、自分の話を聞いてもらえる喜び、相手から理解される喜びが得られる)はSNSの文字のみのメッセージでは作られにくい。対面での会話は受け取れる情報も多く相互に幸福感を生み出すが、接続ではそこに至らない。人間は他人との繋がりが絶たれると身体的な苦痛まで感じるほどである。家族を亡くしたりパートナーと別れたり、あるいは単に誰かに冷たくあしらわれただけでも。
古来より他人との繋がりが人類の繁栄を左右する重大な要素だった。
目の前にいる人、親しい相手とのコミュニケーション、信頼できる他人と共にいられる事が、幸福感を生むということであろう。
■人間の脳は、どんな感情を持っているか他者の心の状態を理解するのを助けるネットワークにかなりのリソースを費やしている。
■1人ですごす大切さ。誰とも繋がらず、1人静かな環境で頭を整理する時間が必要。大事な決断も1人の時間があってこそできる。
■従来、人間がコミュニケーションとれる人数はせいぜい150人まで。それを超えて繋がるSNSで、会話、人間関係を維持するのは不可能。
■いいね、は毒。脳は「繋がりたい」もので、古来よりコミュニティから外されれば生きていけなかったから他人の顔を伺う&承認がとても重要に感じてしまうし求めてしまう。しかし現代では必要ない。もちろん、社会性は必要だが。
いいね、することで誰かと繋がっている安心感満足感を疑似体感してしまう。実際には無意味。
いいね、することも、されることも、毒である。偽物の承認欲求を満たしてしまう。
それよりも本物の会話が大事。
いいね、してしまうと、なんかした気になってしまうが実はなんも生み出せてないぜ!
■脳はデフォルトモードネットワークを「何もしていない、考えていないとき」に起動する。脳は暇になると社交活動について自動的に考え出してしまう。
■スマホからSNSアプリは全部消すこと。
スマホのアプリはパソコン版よりも中毒性が異様に高く、気づくとスマホを触る、画面を見る、時間を奪われるのに気づかない、非生産的な生活に陥っている感覚が麻痺する技術の粋で作れている。
ソーシャルメディアのプロは、特定の情報取得にのみ使用する。
■そのアプリやサイトを立ち上げたら次々と記事や商品、他人の投稿が見えてしまうなら、消した方がいい。
日々を主体的に生きるため、デジタルツールの「行為依存を促す仕組み」を理解して、目標の為になる、使うに値するものだけとする必要がある。
SNSは最たる毒で、最低限スマホからアプリは削除しよう。
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SFを超えた哲学小説
という帯と、SFの古典ということで
ぜひ読みたいと思い手に取りました。
とりあえず、面白い!哲学的!でもわかりやすく
難しい知識も必要ないのに深い!
最後の展開、よく考えつくなーー
素晴らしい創造力です。
今のSFではもっと科学的なものを発展して
創造されたものが多い気がしますが、
根底に、平和を愛する気持ちや
哲学があり
今のSFを読みなれてる人は、ところどころ
古いと思うかもしれないけれど
私は本当に大好きです。
途中平和になりすぎたことが退屈にならないか?
ってとこで
最近読んだ 暇と退屈の倫理学 という本のことを
思ってました。
なので、それをどう捉えてるのかも興味深かったし
それでどうなるの?先が読みたくて
どんどん進みます。
最後の展開は、もう少し咀嚼したいとこです。
また再読をぜひしたい本に出会いました! -
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日韓併合下の朝鮮で生まれ、貧困の中で育ち、ハンスと恋に落ち息子を授かり、イサクの愛に守られながら大阪へ渡る。
今の私たちには想像もできないような貧困と差別の中、控えめに誠実にたくましく、愛する家族のためだけに生きる女性ソンジャ。
在日韓国人を韓国人の視点から書かれているが、日本を糾弾する内容ではなく、全ての登場人物を愛情を持って書いている点が素晴らしい。
1940年代の在日韓国人の生活に、こんなにも引き込まれて読めるのは、訳者の翻訳力の高さでもあろう。
日本人が知ろうとしなかった在日韓国人の歴史に思いを馳せながら、ソンジャとその息子たちの人生がどのように流れていくのか、下巻に期待したい。 -
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ディーヴァーの主力シリーズのリンカーン・ライムが、全身麻痺で動けないヒーロー(現代版アームチェア・ディテクティヴ)であるのに対し、近年になって登場したコルター・ショウはひとところに落ち着くことのない動く探偵である。初期シリーズであるジョン・ペラムに似ているが、そちらはロケ・ハンターという職業で、本シリーズ同様、米国内のあちこちに活躍の舞台を移していた。作者としてはペラムの進化型として、コルター・ショウのようなひとところに定住しない放浪型主人公を新たに生み出したのではないだろうか。
当初三部完結と言われた本シリーズの三作目タイトルも『ファイナル・ツイスト』であり、内容的にもコルター・ショウの父や兄との関わりを軸に置いた作品であったこともあったことから、四作目の本書の登場は嬉しいサプライズであった。ショウの出生から父による特殊教育、兄との関係など、プライベイトな側面までもが明らかにされた『ファイナル・ツイスト』だったが、この『ハンティング・タイム』は、そうしたコルター・ショウが過去の因縁から放たれて、またも自由に仕事を請け負い、新たな土地フェリントン(架空?)を舞台にその個性的な活躍を見せてくれる、まさに超の付くほどのエンタメ作品である。
ページを開いたら、止まらなくなる面白さは、そもそもディーヴァーの得手とするところだが、本作は近年のディーヴァー作品の中でもちょっと群を抜いたページターナーぶりを発揮しているように思う。それというのも、いつも追跡の側に立つコルター・ショウが、本作では命を狙われる母と娘を守るというガードマンの役割に追われる。彼らを追うのは、三年間の刑期を終えて娑婆に出て来たばかりの元夫であり父であり元刑事でもあるけっこう凄腕のジョン・メリットという不気味なキャラクターで、その複雑な人物造形は、本作の肝であるかもしれない。ジョンの他、二人組の残忍な殺し屋の追跡も受けることとなり、八方ふさがりのショーと母娘の逃避行は、母と娘と、父(追跡者)との愛憎の軋轢なども重奏的に加わって、実に読みごたえがある。
今回はのっけからの逃走・追跡劇。しかも劇中、どんどん加わってゆく新たなキャラや、見た目通りではないキャラクター像と、思っていた通りではない数多くの真相により、読み手を嘲笑う如き騙しのテクニックを駆使しつつ、どのページも相当なノンストップ・アクションで終始している。「ドンデン返し20回超え(小社調べ)」との帯の宣伝文句が告げるように、ディーヴァーの最も得意とするところの作品である。アクションシーンも多いが、全体を締める緊張感がたまらない。久々に凄まじいまでのページターナー作品に出くわした思いである。 -
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★5 ハラハラドキドキ… 迫りくる追っ手から逃げられるか? 驚愕サスペンス #ハンティング・タイム
■あらすじ
かつて鉄工場で栄えていた街、現在は川や土壌は汚染されてしまい、斜陽の一途をただっていた。原子力テクノロジーの会社に勤める優秀なエンジニアのアリソンは、ある日娘と共に姿を消すことになる。なぜなら、DVの罪で刑務所に入っていた元夫ジョンが出所してきたからだ。彼はアリソンを追い続けている。
勤め先の社長であったハーモンは、アリソンの捜索をコルター・ショウに依頼するのだった。
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい。エンタメなサスペンスミステリーを書かせたら、まぁ世界一です。
ディーバーはどんな作品もそうなんですが、文字を追っているだけなのに、まるで映画を観ているかのように絵が見える。プロットの切り取り方やセリフや情報の出し方が上手い。
さて本作のメインの読みどころですが、ハラハラドキドキが半端ないのよ。追う者、逃げる者の距離感が絶妙。単なる追いかけっこではなく、実は頭脳戦、情報戦なところが熱いんすよ。ついに見つかっちゃう?捕まっちゃう? あーもう怖いし、そわそわしちゃう。でも読みたい。
そして絵にかいたように申し分のない登場人物。おすすめキャラは殺し屋の二人、卑劣で変態、でもどこか芸術的でクールな彼ら。後半にかけて徐々にイライラしてくるのが小気味よく、読み手にとってはニヤニヤしちゃうんですよね。
イチ推しはアリソンの娘であるハンナ。彼女のおかげで物語が面倒くさくなるけど、反比例して味わいも深くなってくるんです。懐かしいドラマTWENTY FOURのキムを思い出してしまいました。私は息子が二人いますが、やっぱり娘が欲しな~。可愛すぎだろうと… でも女の子を育てるのは難しそう。
お得意のサプライズ演出も光ってます。そもそもタイトルのハンティング・タイムの意味も、思っていたのと全然違いました。なるほどなぁ~。そして次から次へと、えっそうだったの?!という展開が読者を楽しませてくれます。終盤は顎が何度も外れましたよ…治すのが大変でした。
■ぜっさん推しポイント
ハンナとコルター・ショウと語る場面がカッコ良すぎて染みました。私は子どもたちにこんな風に思ってもらえるように生きているだろうか。どんなことでもごまかしたりせず、まっすぐ真剣に向き合うことが大事なんでしょうね。