池田真紀子のレビュー一覧
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ネタバレサムとセイディがくっついて欲しかったけど、私みたいなのには理解できないほど絆が深いんだろうと思った。恋人だけじゃ片付けられない何かがあるんだろうな。
それにしてもなんで、マークスが死んじゃうんだろう。ドーヴみたいなきもいオジさんは残って、セイディやサムを支えてきたマークスがあの世に行くんだろう。物語って不思議。それに、セイディがドーヴを思う気持ちも分からない。妻帯者なのに、なんで愛せるんだろう。分かる時が来るかもしれないけど、分かろうとは思えなかった。
アントとサムソンが仲睦まじくてかわいらしい。アントも体調が良くなって何より。てか申し訳ないけどアントがアリの英語にしか見えなくてやばい。赤 -
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二人の人間が刺殺された事件で最重要容疑者となったアンナ・オグルヴィ、通称〈アンナ・O〉は、発見直後には深い眠りについていて、以来、四年近く目覚めることなく眠り続けている。殺人罪として起訴したいという思惑が絡んで、睡眠による犯罪の専門家であるベネディクト・プリンスは、彼女を目覚めさせるために、治療を行うことになる。政治家の母を持つアンナ・Oの罪の有無をめぐっては世論が対立している。果たして彼女は殺人鬼なのか。そして彼女が執拗に調べていた事件とは――。
というのが本書の導入になるでしょうか。なんという魅力的な導入、そしてどこに行き着くか分からない終盤の衝撃的な展開。ここまでやるのか、と感動を -
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ネタバレ「ゲームは現実世界の苦しみを癒すことができる」がテーマ。
「恋愛以上の友情がある」がサブテーマ
かつての日本のゲームが実名で出てくるのが誇らしい。ファミコン時代からゲームで遊んできた人に特におススメ。
アメリカで二人の大学生がゲームを製作しながら葛藤と悩みを乗り越えていく、まぎれもない傑作。
以下ネタバレ
特に第7章で、マークスが死ぬ場面。
長い長い走馬灯のように架空の世界を彷徨いながら自分の命が少しずつなくなっていくシーンが素敵な詩のような表現でつづられるのが美しく素敵。
英語圏の文学でこんな表現をする人がいるんだ!と驚いた -
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在日コリアンは韓国では日本人扱いされ、日本では外国人扱いをされる。故郷がない。
という言葉にとても納得した。
そのような扱いを受けるのは彼らが日本へ渡ってきた頃からずっと変わっていない。
現在4、5世などが増えていくにつれ、かつての1世や2世などが持っていたアイデンティティや帰属意識などは確実に薄れていっているように思う。
自分は何人なのか、と読後より考えるようになった。
母語は日本語であり一生を日本で暮らしてきた私にとって、自分は韓国人だといえるのか。だからといい日本人ともいえない。
今まで自分が何人なのかをキッパリと答えられない自分を正直恥じていた。しかしこの本を読んで、在日コ -
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日韓併合から太平洋戦争を経て現在にいたるまでの、在日コリアン4世代にわたる物語である。まず、知識として、在日コリアンの歴史、生活、考え方について知ることができた。パチンコがコリアンが発展させた産業であること、在日コリアンの国籍など知らないことがたくさんあった。
そして、祖国を追われた外国人としてのアイデンティティのありかたが、1世から3世にいたるまで変化していくありさまが非常に鮮明にえがかれていることがなによりも印象的であった。貧しさ、そして、娘の妊娠のために、娘を異国におくりとどけることをだまって見送るしかなかった0世、貧しさと不義、愛する子供のためにただ働き続けるしかなかった1世、在日とし -
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昨年、釜山に行ったときに影島を訪れた。限られた土地に所狭しと住宅が立ち並び、ここに朝鮮戦争で攻められ避難してきた住民たちが肩を寄せ合って暮らしたのだという話を聞いた。
在日朝鮮人―日本が1910年に韓国併合を実施し、1948年にサンフランシスコ平和条約が発効するまで、韓国から日本に渡ってきた人々とその子孫は特別永住者としての地位が与えられた。朝鮮半島では地勢的影響から、長く他国の占領下に置かれまた東西冷戦の分断最前線として経済発展が抑制されてきた。
貧困にあえぐ人々は着の身着のままで日本に渡り、言語も通じないままバラック小屋のような不衛生な住環境で暮らして日銭を稼ぎながら生きてきた。そのバ -
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読書備忘録911号。
★★★★★。
久しぶりの翻訳本。堪能しました。
作者はあとがきで、この作品は働くことの小説である。と言っています。
さらに作者は、この作品は愛についての小説である。とも言っています。
加えてシンタローは、この作品は家族についての小説である。と言っています!
しつこくシンタローは、この作品は生きることについての小説である。とも言っています!
アンフェア・ゲームズ社のメンバーは家族ですよ。
どんなにすれ違っても、いがみ合っても、愛し合っても家族という関係だったんだと思う。
なので絶対に見捨てず、置き去りにせず、寄り添う。家族だから。
そして最後、さて次のゲーム作ろうか! -
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子供の頃に出会った男女。友達以上、恋人以上、の想いをお互い持つが故にぶつかり時には憎しみ、何年も口聞かない、とか極端な行動もするのに、根っこの部分でリスペクトと、お互いをかけがえの無い存在だと認めているから、時が経つとまたお互いを必要とする人間関係性にとてつもなく惹きつけられました。
2人の関係が男女の恋愛じゃ無いけど、そこに確実な何かがずっとあるのがひしひしと伝わってきました。
サムもセイディも素直で、でも素直になりきれなくて、勝手な誤解や妬みがあってピタッとハマる時もあれば思い切りぶつかる時もある。ぶつかる時は思い切りソッポ向いちゃうのがなんかアメリカらしいな、なんて思ったりしました。
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サムとセイディの30年弱を、共に葛藤しながら伴走させてもらった。
私は、こういう主人公と長い時間を過ごせる小説が好きみたい。
深くその人を知れるから。
才能のあるお互いがお互いにとって唯一無二の存在であるふたりが、ゲーム作りを通して時を重ねていくんですが、価値観のズレに傷ついて、猜疑心や嫉妬心で溝ができてしまう。
でも、周りに素敵な仲間や家族がいて、ふたりを見守ってくれている…
たくさんの苦難を乗り越えて、互いの大切さを知る。
等身大の人間っぽさが、すごくよかった!
安っぽくふたりを恋仲にしないのがよかった!
現実の辛さを、ゲームで癒されていく描写もすごくよかった。深くて寄り添ってくれる感 -
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映画「ファイトクラブ」が大好きで、原作も気になったので読んでみました。結論からいうと、人生のバイブルになるかもしれない1冊です。というと大げさに聞こえるかもしれませんが、これは小説という形を取った一種の思想書だと思います。我々の人生はどこにあるのか?何のために生きるのか?そういった誰もが一度は抱くであろう人生の問いに、暴力的かつ生々しく迫ったのがファイトクラブだと思います。漫然と生きている、人生に意味を見出せていない、生を実感できていない、自分の人生じゃない気がする、少しでもそう感じるならこの本はきっと心に響くでしょう。他人から人生を主導権を取り返し、自分の人生を歩み出しましょう。人生の主人公
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