あらすじ
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何なのか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を、SFの巨匠クラークが哲学的に描いた傑作。初版刊行から36年後、現代に合うように著者が物語に調整をほどこした新版、初の邦訳!
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Posted by ブクログ
すっかり光文社の手先と化したわたくしが今回選んだのは池田真紀子さん訳の『幼年期の終わり』です
なぜか訳者で読む本を選ぶ行為を「通」と思っているふしがある
蕎麦を最初に1本だけそのまますするみたいな
さらに池田真紀子さんがSFとは珍しい
実に興味深いんですが作者クラーク?
はて、クラークとな誰やねんクラークて
アーサー・C・クラークだわバカタレ!
そしてSF界の巨匠の代表作はやはりとんでもなく面白かったのです
もう序盤から引き込まれまくり!
人類の統治者たるオーヴァーロードが初めて姿を現した時なんか、うわーそう来たか!やられたー!思いました
頭の中で「やられたー!」がこだましました
さすがアーサー!
そしてこの概念とか設定は非常にSFチックでありつつ哲学チックでもあって、ごちゃごちゃしてるんだけど、ちゃんとより分けられたら自分だけの光の道が見られるようになってくるのよ(伝わらん)
と、とにかくCの代表作にとどまらない
SF小説はとっても面白くて、とっても思考させられる至極の一冊でした
Posted by ブクログ
70%ほどかから一気に盛り上がり、凄まじいクライマックスにつながっていく。
まだ現代ほど、情報もSF的な物語も少ない時代によくもこれほどに、時間も空間も共におおきなスケールで善悪にも分類できない、悲しくも嬉しくも神々しくもある結末を描いていることに感動した。
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第二部で描かれている、合理性を信奉し自ら家畜になっていく人類の様子はまさしく生権力の話そのもので興味深かった。ラストについてはまだあまり頭の整理ができていない。
Posted by ブクログ
SFを超えた哲学小説
という帯と、SFの古典ということで
ぜひ読みたいと思い手に取りました。
とりあえず、面白い!哲学的!でもわかりやすく
難しい知識も必要ないのに深い!
最後の展開、よく考えつくなーー
素晴らしい創造力です。
今のSFではもっと科学的なものを発展して
創造されたものが多い気がしますが、
根底に、平和を愛する気持ちや
哲学があり
今のSFを読みなれてる人は、ところどころ
古いと思うかもしれないけれど
私は本当に大好きです。
途中平和になりすぎたことが退屈にならないか?
ってとこで
最近読んだ 暇と退屈の倫理学 という本のことを
思ってました。
なので、それをどう捉えてるのかも興味深かったし
それでどうなるの?先が読みたくて
どんどん進みます。
最後の展開は、もう少し咀嚼したいとこです。
また再読をぜひしたい本に出会いました!
Posted by ブクログ
最高。壮大で、美しく、暖かく、切ない。読み終えたあと、「幼年期の終わり」というタイトルが示す意味が、じんわりと心に沁みた。不思議な読み味の名作SF。ハヤカワから出ているものよりこちらの訳のほうが読みやすかった。
三島由紀夫がこの小説に触発され「美しい星」を書いたというエピソードはどこに書いてあったんだっけな…
Posted by ブクログ
SF寄りのアニメや映画が好みであったら抑えておきたい名作、今読んでもとても面白かった。ブッ飛んだ壮大な物語の中にも人情味があってホロリとくる。
Posted by ブクログ
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」「星を継ぐもの」に引き続き、SFの古典的名作を読んでいる。本書の初版発行は1953年、第1部に改稿が施された新版が出たのが1989年。1953年の初版発行からは、70年近くが経過しており、まさにクラシックだ。
文庫本の裏表紙に書かれているあらすじは下記の通り。
【引用】
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何か?異星人との遭遇によって新たな道を歩み始めた人類の姿を哲学的に描いた傑作SF。
【引用終わり】
本書は3部構成となっている。第1部が「地球とオーヴァーロードたち」、第2部が「黄金期」、第3部が「最後の世代」である。第1部から第2部、また、第2部から第3部に進む際に、物語は大きな展開を見せる。
ネタバレになるので、内容は書けないが、特に第2部から第3部に進む際の話の展開は、私にとっては衝撃的なものだった。
上記のあらすじには「新たな道を歩み始めた人類」を描いた作品・物語という紹介がされているが、実際には、人類が主人公ではない。もっと大きなものが主人公であり、それが明らかになる展開に衝撃を受けたということだ。
Posted by ブクログ
言わずと知れたクラークの超名作。の、2007年に出た光文社古典新訳文庫版。ずいぶん以前に読んだ時はオーバーロードのオチになるほどと感心し、ラストが気持ち悪い?くらいの印象だったのだが、再読して「すげぇぇぇ!」と今頃になって興奮している(汗)。科学力や知能など、物理的な部分においてすべてを超越する宇宙人と、心や精神の力において潜在的な可能性を持つ地球人類。宇宙に広がる幾多の高次元の存在と、「人類のアセンション(進化)」を描いたものとして捉えると、クラークの生命存在というものについての洞察と予見には感服するしかない。これはSF史上最高傑作のひとつだ。自分はもう40をすぎてあと何年生きるかわからないが、生まれ変わってまた地球で生きることがあれば、そのときもきっと読むことになる小説だと思う。
Posted by ブクログ
なんの予備知識もなく読み始めてSFなんだと気がついたところから、このタイトルの意味するところ、3部のそれぞれのタイトルが気になり読み進める。これは壮大すぎるストーリーですね。オーブァーロードと呼ばれる宇宙人は、人類の歴史に介入することで滅亡を回避させるが、その目的が中盤までの最高の謎であり、終盤でとても納得出来る理由を提示してくれスッキリするも、人類にとってのバッドエンド?につながるスケールの大きさ。
オーブァーロードが人類に提示される程よいテクノロジーの提供で黄金期を迎えた人類の生活がとても羨ましい。確かに争い事は無くなるでしょうけど、向上心もなくなりますね。
人類の現在の形態は幼年期であるという設定には驚きと真新しさを感じます。ルパート家でのパーティにて行われたコックリさん(もしかしてこの本がルーツ?)が人類新時代へのトリガーなのか。そこでオーブァーロードの母星への潜入を発想したジャンが80年後に地球に戻りラストマンになる流れも素敵ですし、地球最後の実況シーンと絶望的で好みです。
確かにこれはSF傑作と言えます。
Posted by ブクログ
おすすめされて読んでみましたが、おもしろくて
一気読みしてしまいました。
地球時間で約150年の間、
謎に包まれたオーバーロードとの人間の交流や、
変わっていく世界がおもしろかったです。
ただ、驚きもせつなさもあり、とんでもないラストに
読み終わってから脱力してしまいました。
個人的に外に出かける時にサングラスをかける
オーバーロードが好きです。
Posted by ブクログ
最近読んだ海外SFと比べると、かなり読みやすい。人々が飢餓や労働から解放されたらどうなるのか、というところがかなり興味深かった。娯楽に興じて「何も生み出さないスポンジに成り下がろうとしている」は、自分に言われているようでヒヤリとした。
途中、三体を彷彿とさせるところもあった。70年前の作品なので、色々な作品に影響を与えてそう
Posted by ブクログ
弟にSFの名著として勧められ手に取りました。
名著の名に違わぬ内容だった。
当初読んで自分で予想した結末から全く違う結末、オーバーロードの目的、驚きながら読んだ。
この話はもちろんSFだが、我々人類は争いなどの社会問題を克服し成熟できるのか、皆が少しずつ良き影響を発揮し、元気玉のイメージでより良い世界になればと感じさせられた作品。
Posted by ブクログ
人間の終焉をディストピアとして描く映画や小説は多い。人間が進化し、統合体という新たな上位の存在に生まれ変わるのはわたしにとって目新しかったし、美しいとさえ思えた。
オーバーロードの最後の演説は、忘れ去られる人間に敬意もあり、素敵だった。
Posted by ブクログ
SFの古典的名作。クラークは『2001年宇宙の旅』が全然ハマらなくて遠ざかっていたんですがこちらは非常に面白かった。地球に宇宙人がやってきて…という邂逅物なんですが、いわゆる侵略ではない出会い。人類の進化や宇宙全体の広がりについてあれこれと考えさせる魅力がありますし、地球文明のあり方や行く末が「人類のみ」から描かれている辺りを時代を感じさせる記述のあり方と読むか、それ自体も上位存在の視点を問いかけるクラークの仕掛けと読むか、色々な読み方ができる名作ですね。
Posted by ブクログ
昔々、多分まだ高校生か大学生だった頃に読んだことがある古典的なSF作品を改めて読んでみた。難解な展開もあの頃よりは理解できるようになったように思うが、それでもなかなか普通の頭にはストンとは腑に落ちないような感じだった。でも再読してみて良かったと思う。
Posted by ブクログ
「知性ある者は、運命の必然の腹を立てたりはしない」
その考えかたは、人類のには最後まで受け入れられなかったわけだな。
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地球外知的生命体「オーヴァーロード」(最高君主)に地球のオーナーシップが移行され、人類最後の人間ジャンが地球の終わりをレポートする最後はまるで自分がその瞬間に立ち会っているみたいに具体的ですごかった。
「自分の悩みなんて宇宙の大きさに比べたら大したことない」という考え方の処世術にうんざりするほどの説得を与えてくれる作品。
「草を食べる虫を食べる鳥を食べる獣を食べる人間」という仕組みを食物連鎖というなら、このSFで描かれてたのは「文明・知識連鎖」って言える。
私たち人間は人間の間だけで優れている劣っているって比べあっているけど、オーヴァーロードたち、さらにその上位に君臨するオーヴァーマインドたちからしたらアリの巣を眺めてるくらいの感覚。ちょっと遊びで月を回してみるくらいの技術力の前に、たかが一惑星の生命体がどう抗えるのか。
タイトルの「幼年期」が「人類の(宇宙全体の知的生命体と比較した)成熟度」って解釈できたけど、皮肉すぎて著者のセンスすごい。
SF作家ってほんとすごいな。
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#読書記録
#幼年期の終わり
Posted by ブクログ
オーバーロードと呼ばれる異星人によってもたらされた地球の平和。オーバーロードたちは何が目的なのか…
いろんな人の目線で話が進んでいって、それも丁寧に説明とかされないから、その話の進み方に慣れない最初の頃は戸惑いが大きかった。話も地球人対エイリアンの宇宙戦争的なものもなく、圧倒的な力のオーバーロードたちを受け入れる地球人、そして地球は平和へ…みたいな話の展開で、すごく落ち着いた感じで話が進むので、今までにないタイプの小説だ…と思った。
舞台は平和な地球でユートピアなはずなのに、どうしても居心地の悪い雰囲気をずーっと感じてた。ラストを読んで「やっぱりディストピアじゃん!」と恐ろしくなった。でもあの新人類からしたらディストピアとかなんとかとか関係ないのかな?子どもを諦めなきゃならない親からしたら耐えられないディストピアだけど。
平和ってなんなの?世界の在り方は?とか、自分でも答えに出ない問いを考えさせてくれたいい本だった。
読む時間を意識的に作って一気読みできたので、そこも満足。
Posted by ブクログ
宇宙からの使者は敵か味方か。
読みたいと思いながら長く読めてなかったので、新訳の方で。宇宙開発が予想より早いから慌てて書き直したとまえがきにあって、笑ってしまった。
第1部のラストがよかったので、墓参りしてくれているところがほしかったな。
Posted by ブクログ
個から全への進化の話。
最後の章の「絶望と希望」「破壊と創造」感が素晴らしい。
訳が良く、とても読みやすかった。
「ジャンは昔から優れたピアニストだった。そしていま 、彼は世界最高のピアニストだった。」
Posted by ブクログ
はじめてのSF作品。
新しい発想の幅が広がる感じがした。
普段考えない領域の物語で、その思考したことないわーということがどんどん出てくる。
なるほど、となったり、なんでそうなった?となったり…。
普段の生活に落とし込んだら役立つ発想がたくさん転がってた。
そこからいろんな発想も生まれた。
SFってリアルとフィクションと理想と希望と未来と、いろいろ混ざってて面白いんだなーと思った。
Posted by ブクログ
予想した結末ではなかったですが、読みやすい訳ですらすらと読めました。他とは違った切り口のSFで、やや哲学的な展開でしたが、最後まで楽しめました。
Posted by ブクログ
SFの傑作、アメリカで1952年に刊行されたものとは思われない。
一種、観念的ではある。
多数の巨大な円盤状の宇宙船が、世界各国の大都市上空に出現、異星人達は、人類を進化させ、地球上から争いは、なくなり、進化を始めていく。
果たして、人類は、どう進化していくのか。
Posted by ブクログ
何世代にも渡るストーリーはとても壮大で惹き込まれた。余りにも説明してくれていることが、想像の余地を奪われてしまった感があり、私としては逆に不親切さを感じでしまった。
Posted by ブクログ
みんなが平穏な日常を享受する、幸せ飽和状態な世の中では、新たな芸術は発展しないという視点が面白かった。よりよい(とされる)文明、圧倒的に高度な知性に対峙すると民族的文化的な多様性は失われ、人間の個性さえ均されていく。テクノロジーの進歩と共にますますグローバル化が進む現代社会においても、とんだ皮肉だなぁ
Posted by ブクログ
人類が迎えた結末は光栄なもの、みたいに書かれているけど、私はバッドエンドだと思いました。そもそも、子供達はもはや人類じゃないものに変貌してしまったし。進化の袋小路に閉ざされたオーヴァーロードの気持ち、人類最後の世代の気持ち、どちらを汲み取っても寂しい。ジェフリーが夢の中で宇宙の様々な部分を垣間見る描写は、想像力に溢れててわくわくした。 人類変貌の描写は、2012年に起こると言われていた「アセンション」に影響を与えたのかな?と思った。
進化の誤解釈では?
人類が世代を重ねれば自ずと人類はより高度な形質に進化するという考えがこの小説の根幹にあります。
この考えに同意する読者にはなるほどこの小説は名作です。
一方で進化とは単に「多様な形質の淘汰の結果」であると考える私のような読者にはオーバーロードの種明かしの演説内容にはかなり不満があるのではw正直ズッコケました