あらすじ
地球上空に、突如として現れた巨大な宇宙船。オーヴァーロード(最高君主)と呼ばれる異星人は姿を見せることなく人類を統治し、平和で理想的な社会をもたらした。彼らの真の目的とは何なのか? 異星人との遭遇によって新たな道を歩み始める人類の姿を、SFの巨匠クラークが哲学的に描いた傑作。初版刊行から36年後、現代に合うように著者が物語に調整をほどこした新版、初の邦訳!
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Posted by ブクログ
面白かった。第1部で謎の存在だったオーヴァーロードたちが姿をあらわした第2部から面白さが増していった。オーヴァーロードたちの目的はハヤカワ版で読んでいて分かっていたけどそれでも楽しんで読める。オーヴァーロードの船に密航したジャンの帰還など第3部の展開も良い。
Posted by ブクログ
読むと不安になる、独特な不気味さがあるSF小説。
物語のラストで人類は“超進化”を遂げる。しかしその結果、新人類の子供たちは親や旧世代の人類と意思疎通できなくなり、最後には地球を破壊して去っていく。
私は思った。「これのどこが“進化”だというのか?」
私にとって、種としての進化とは宇宙との調和に向かうものだ。しかし本作で起きているのは、旧世代との断絶と破壊である。これは進化というより、突然変異によって“クリーチャー化”しただけではないか、とすら感じた。
だが同時に、これこそが著者クラークの示した「問い」なのだとも思う。私の違和感は、あくまで“旧人類の視点”に立ったものに過ぎないのだろう。
本作における進化とは、既存の価値観と必ず断絶し、旧世代には理解不能で、個を捨て、感情や文化を超えた宇宙規模の意識へと合流することを意味する。その過程で地球という“入れ物”が破壊されるのも必然なのだ。
クラークは進化を肯定しているのではない。むしろ、進化が持つ残酷さを描いている。読み終わると、何とも言えない気持ちだけが残る。そんなSF小説だ。
Posted by ブクログ
人間の終焉をディストピアとして描く映画や小説は多い。人間が進化し、統合体という新たな上位の存在に生まれ変わるのはわたしにとって目新しかったし、美しいとさえ思えた。
オーバーロードの最後の演説は、忘れ去られる人間に敬意もあり、素敵だった。
Posted by ブクログ
何世代にも渡るストーリーはとても壮大で惹き込まれた。余りにも説明してくれていることが、想像の余地を奪われてしまった感があり、私としては逆に不親切さを感じでしまった。
進化の誤解釈では?
人類が世代を重ねれば自ずと人類はより高度な形質に進化するという考えがこの小説の根幹にあります。
この考えに同意する読者にはなるほどこの小説は名作です。
一方で進化とは単に「多様な形質の淘汰の結果」であると考える私のような読者にはオーバーロードの種明かしの演説内容にはかなり不満があるのではw正直ズッコケました