あらすじ
セイディはMITの学生。ある冬、彼女は幼い頃一緒にマリオで遊んだ仲のサムに再会する。二人はゲームを共同開発し、成功を収め一躍ゲーム界の寵児となる。だが行き違いでゲーム制作でも友情でも次第に溝が深まっていき――。本屋大賞受賞作家による最新長篇
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Posted by ブクログ
読書備忘録911号。
★★★★★。
久しぶりの翻訳本。堪能しました。
作者はあとがきで、この作品は働くことの小説である。と言っています。
さらに作者は、この作品は愛についての小説である。とも言っています。
加えてシンタローは、この作品は家族についての小説である。と言っています!
しつこくシンタローは、この作品は生きることについての小説である。とも言っています!
アンフェア・ゲームズ社のメンバーは家族ですよ。
どんなにすれ違っても、いがみ合っても、愛し合っても家族という関係だったんだと思う。
なので絶対に見捨てず、置き去りにせず、寄り添う。家族だから。
そして最後、さて次のゲーム作ろうか!で終わる。
主人公サム・メイザーとセイディ・グリーンは幼馴染み。
大学生となったサムはハーバード。セイディはMIT。
ボストン近郊ケンブリッジで再会した。
そしてゲーム制作に賭けた彼らの30年が語られる。
11歳の頃、彼らはロスの病院で出会った。
セイディは小児がんで入院する姉のお見舞いで。
サムは交通事故で負った二十数か所の骨折の治療で。
サムはゲーム(スーパーマリオ!)をしていた。それを後ろから見ていたセイディ。
サムはコリアンタウンで祖父母と共に住む貧困の少年。
セイディはユダヤ系でビバリーヒルズの高級住宅街に住む金もち。
サムは心を閉ざしていた。それをセイディが開いた。
そして唯一無二の友達になるが、誤解が彼らの仲を引き裂く。
(この誤解は物語の30年を通じて禍根を残し続ける)
大学生となり再会したした二人。
サムはセイディから課題で作ったゲーム「ソリューション」を渡される。
ルームメイトのマークスとソリューションをやったサムはその出来栄えに衝撃を受ける。
一方セイディは、MITでゲーム制作を教えるカリスマクリエーターのドーヴ・ミズラー(妻帯者)と恋人関係。そして破局。
セイディは外界との接触を一切拒絶した。
サムの献身的な働きかけで復活したセイディは、マークスを加えた3人でアンフェア・ゲームズを立ち上げ、世界的な大ヒットゲーム「イチゴ」をリリースする!
という感じで物語の導入部は語られる!
そんなに厚くない本なんですが、紙が薄い薄い!550pくらいあるので、このあたりで200pくらいか・・・。
ここからは、ゲーム開発に情熱を注ぐあまりすれ違い、仲違いしつつも、家族であり続ける彼ら3人の生き様が語られる。
備忘録として全てカット!割愛!面倒くさい!
こういう小説って、読んでる自分も彼らのそばでずっと寄り添っていたと錯覚させる。
備忘として主人公3人の物語を整理してみた。
天才ゲームプログラマーのセイディ。愛情深く、だけど嫉妬深く、妬み、嫉みに溢れ、頑固で多感な少女の物語。
天才ゲームデザイナーのサム。コンプレックスのかたまり。不器用が歩いている。孤独。コミュ障と言っても良い頑固な少年の物語。
天才実業家のマークス。いい意味で人転がしの天賦の才を持つ。良いやつ。良い奴過ぎて・・・(T_T)、の物語。
そして作品名はシェイクスピア!
「明日、また明日、そしてまた明日と、
記録される人生最後の瞬間を目指して、
時はとぼとぼと毎日歩みを刻んで行く。
そして昨日という日々は、
阿呆どもが死に至る塵の道を照らし出したにすぎぬ。
消えろ、消えろ、東の間の灯火!
人生は歩く影法師。哀れな役者だ、
出番のあいだは大見得切って騒ぎ立てるが、
そのあとは、ぱったり沙汰止み、音もない。
白痴の語る物語。何やら喚きたててはいるが、
何の意味もありはしない。」
知らんし!ジジイは全然知らんし!
ガブリエル!説明してくれ!ジジイに!
でもこの言葉。この作品の根幹?言い得て妙?
百聞は一見に如かず!
百レビューは一読に如かず!
気になったら、この作品読むべし!
Posted by ブクログ
子供の頃に出会った男女。友達以上、恋人以上、の想いをお互い持つが故にぶつかり時には憎しみ、何年も口聞かない、とか極端な行動もするのに、根っこの部分でリスペクトと、お互いをかけがえの無い存在だと認めているから、時が経つとまたお互いを必要とする人間関係性にとてつもなく惹きつけられました。
2人の関係が男女の恋愛じゃ無いけど、そこに確実な何かがずっとあるのがひしひしと伝わってきました。
サムもセイディも素直で、でも素直になりきれなくて、勝手な誤解や妬みがあってピタッとハマる時もあれば思い切りぶつかる時もある。ぶつかる時は思い切りソッポ向いちゃうのがなんかアメリカらしいな、なんて思ったりしました。
そんな二人の隙間を埋めるマークスが本当にいいやつで。だから、物語の展開は辛かった。。。
私はサムのコンプレックスや思いやりなど、彼の気持ちに寄り添えることの方が多かったですが、主人公2人とも気持ちのアップダウンが人間らしくて好きでした。
ドーヴみたいな大人も憎めないし、出てくるキャラクターがどれも良かったなぁ。
決して楽しい作品では無いけど、とある男女の人生を子供から大人までしっかり堪能できるいい作品だと思います。
2025.3.2
48
Posted by ブクログ
とても素敵な話だった、、、
色々な愛の話でもあり、仕事の話でもあり、人生の物語だった。
ゲームがテーマになっているけど、ほぼゲームにハマったことがなく、登場する現実にあるゲームの名前もピンとこないのだけど、そんなことは全く問題なく、セイディやサムの熱意、考えに学ばされることがあった。
やや長いけれど、15年くらいの年月が描かれるので、飽きないし、終わってほしくなかったな、、
これから先も気になるな、、
映画とかドラマにありそうだけど、空気感を映像化するのは簡単では無さそう。
Posted by ブクログ
サムとセイディの30年弱を、共に葛藤しながら伴走させてもらった。
私は、こういう主人公と長い時間を過ごせる小説が好きみたい。
深くその人を知れるから。
才能のあるお互いがお互いにとって唯一無二の存在であるふたりが、ゲーム作りを通して時を重ねていくんですが、価値観のズレに傷ついて、猜疑心や嫉妬心で溝ができてしまう。
でも、周りに素敵な仲間や家族がいて、ふたりを見守ってくれている…
たくさんの苦難を乗り越えて、互いの大切さを知る。
等身大の人間っぽさが、すごくよかった!
安っぽくふたりを恋仲にしないのがよかった!
現実の辛さを、ゲームで癒されていく描写もすごくよかった。深くて寄り添ってくれる感じがたまらなかった。
Posted by ブクログ
1章読んだ時点で既に5点つけたが、読み終わってつけ足りないくらいだ。
普段ミステリーしか読まないが、本作に出会えてよかったと心から思える感動の一作。今まで感動して泣くことなんて2-3回くらいだったと思うが、ボロボロ泣いてしまった。2人のステキな人生に嫉妬してしまう一方、尊敬してやまないもの、決して欲しがってはいけないものだと深く感じたことが大きな感動につながってると思う。小説は面白くても読んだら買取に出しているが、これは小説以外も含めても残したいと悩んでいる。
Posted by ブクログ
登場人物が魅力的!描かれている30年間のボリューム感、主人公2人を取り巻く環境や人間関係の変化、皆の思考回路等々、色々と相まって皆に人間味を感じた。30年分も描かれている為、まるで知り合いの様子を近くで見守ってるようなような気分になり、好きだった。距離感が近いと勘違いして登場人物に愛着が沸く。2人の間にしかわかり得ない愛情は、紆余曲折を経ても尚本物。本物って分かるような物語を書いてる作家さんも、訳してる翻訳者もすごい。。
Posted by ブクログ
いろいろな人がお勧めしているのを見て読んだ。書店主フィクリーのものがたりの著者だと気付かなかった。長い物語だし、辛い場面もあるので読み終わるのは時間がかかってしまった。
あとがきには「働くこと」「愛」の小説とあるけど、私は喪失と再生の物語だと感じた。読み終えて、改めて本のタイトルが沁みる。「続けてさえいればいつか勝てるという希望」。辛いことはあるけれど、毎日の生活・仕事・やるべきなにかを続けることが希望となる。
自分はゲームをしない人間だけど楽しめた。逆にゲームに興味も湧いた(でもやらないと思うけど)。ゲーム好きな人はもっと楽しめるのかもしれない。ゲームのジェンダーについて言及があるのも良かった。
会話のテンポも良いし文章も好き。
サムと最初に仲違いした時の、セイディを慰めるフリーダが温かくて好き。
Posted by ブクログ
〜明日、また明日、そしてまた明日と、
記録される人生最後の瞬間を目指して、
時はとぼとぼと毎日歩みを刻んで行く。
そして昨日という日々は、阿呆どもが死に至る塵の道を
照らし出したにすぎぬ。消えろ、消えろ、束の間の灯火!
人生は歩く影法師。哀れな役者だ、
出番のあいだは大見得を切って騒ぎ立てるが、そのあとは、ばったり沙汰止み、音もない。
白痴の語る物語。何やら喚きたててはいるが、
何の意味もありはしない。〜
ちくしょう、シェイクスピアめ!
Posted by ブクログ
いやー、おもしろかったぁ…。偶然出会った本で読み終わったあとこんなふうに思えるのは年に2-3回あるかどうかだと思っているけど、それに1月早々出会ってホクホクした気持ち。
物語の前半の舞台は、アメリカ東海岸のボストンはケンブリッジエリア。1990年代、子供の頃の親友であるハーバード大の男子学生サムとMITの女子学生セイディは再会を果たし、ある夏一緒にゲーム開発をする。男女だけど2人は友達。恋人にはならない。恋よりも愛よりも濃い信頼で結びついた2人は、バディとしてゲームを開発し、成功を目指す。
一方は足が不自由なアジア系、もう一方は裕福なユダヤ系。そして彼らを支援しのちにプロデューサーになるのは、日系の同窓生のルームメイト。アメリカらしい多様な文化とスタートアップスピリット。物語の前半は、わくわくする青春ものだ。まだ何者でもない持たざるものが、未熟ゆえに強さを発揮する。
後半の舞台は西海岸。ビジネスに成功した三人はロサンゼルスに移住し更なるゲーム開発を進めるが、大人になるにつれ、人生の苦味が出てくる。人間関係にも変化が…人生は簡単じゃないね。3人の、あるいは2人の友情はいかに…。すれ違い、そして悲劇。
何かに打ち込めること、唯一無二の仕事のパートナーがいて何かを創造できること、素敵だな。苦難に満ちた子供時代を送ったサムを支えたセイディとゲームで遊ぶ日々、そして苦難に満ちた大人時代を送るセイディに救いを差し伸べるサムのゲーム。
なるほど、ゲームの中では誰もが現実の制約からは自由で、ゲームの中では命をなくしても何度でも挑戦ができる。ゲームの世界にはクリエイター自信が反映される。ある人のためだけに世界を作り込むこともできる。
いつだって、いつまでも、僕とゲームを作ろうとセイディを誘うサム。ラスト、この2人は大丈夫だ、また冒険に出かけるだろうという幸せな予感で物語は閉じられる。何かに打ち込む人は、一生、青春なんだなー。ゲームと違い現実の人生はリセットできないしフェアじゃないけど、さまざまなものを抱え込み続けながら前進する姿が、現実の人間の美しさだ。
ちなみにタイトルは、シェイクスピアの戯曲の中のセリフから。そして表紙は北斎だ。著者の教養の深さも物語に厚みを持たせていると思う。
Posted by ブクログ
話に出てくるどのゲームのアイデアも本当に魅力的!
ゲーム化して!と願うものばかり。
そして、ゲームのクリエイターさんのイマジネーションに驚くばかり。才能。
Posted by ブクログ
面白くて550ページ一気に読み進められた。
プログラミングやゲーム作りなどの天才たちの物語を読むのが好きで、この作品もすぐにハマった。
全体的にフェミニズムやジェンダー、人種、障害、そしてインターセクショナリティといったものに関する描写が多く、それらに関心のある方にもお勧めできる作品。
特に婚姻制度についての言及やセイディの態度、セイディとサムは一度も恋愛的な関係にならなかったけれど、お互いに誰よりも深く結びついていたことがすごくよかった。
作中に出てくるゲームはほとんどやったことがない(名前は知っているのも多かった)くらいゲームには疎いけどとても楽しめたし、セイディとサムが作ったゲームをプレイしてみたいと思った。特にソリューションが気になる!
サムがセイディに素直に自分の足の状態や辛さを打ち明けられていたらと思ってしまった。それでも希望が持てるラストで、二人なら支え合ってこれからもゲームを作り続けてくれるはず。
Posted by ブクログ
めちゃくちゃ面白い!
主人公2人の四半世紀を描いていながら、テンポが良くて全然飽きない。
人種や性別の問題など、色々なテーマを詰め込んでいるのにスッキリしてる。
一読しただけでもとても面白いけれど、ゲームと同じように読み込むごとに発見がありそうな作品。
また読みたいと思った小説は初めてです。
サムとセイディは似たもの同士。
もっと素直に、愛も悲しみも伝え合わないといけないなと思いました。
Posted by ブクログ
読んだ読んだ。自分がゲーム好きということを差し引いてもおもしろかった。どこまでいってもややこしく面倒くさい二人+αの話。このαの存在がまあ大きいのだが。
主人公たちが社会的にはとんとん拍子に成功していくおかげで、前述の面倒くささやあれこれの悲劇があるにもかかわらず、ストレスなく読み続けられる。ところどころに未来の話を差し挟んでおくやり口は、興味を持続させたり先の展開に期待させたりという意味ではそこまで有効だったようには思えない。ただ、「再会」を反復するラストシーンは文句なしに美しかった。
それにしてもお国柄や時代、若さのせいもあると思うのだが、ドラッグの扱いが軽ぅい……。
Posted by ブクログ
我らが奈須きのこは、ある対談でこんなふうに語った。
「「RPG」ジャンルの場合は、「世界を旅して、最後に世界の終わりを見る」ことが重要です。そのRPGの終わり……ひとつワールドエンドを見届けるために、その世界の中で物語を作らなければなりません。」
RPGに限らず全てのゲーム(そして全ての物語)は一つの世界を作り上げている。それがモノクロであれ数分で終わるものであれ、何らかの秩序と結末が用意されている。
だからサムがセイディのために作り上げた「パイオニアーズ」は究極の愛情表現だろう。愛する一人のために世界を作り上げるなんて、今まで読んだ本の中でとびきりロマンチックだった。
そして結末を迎えたプレイヤーは、まるで夢から覚めるように現実に向き合える。
現実に生きるためには、現実を一度忘れなければならないんだ。
サムに感情移入しすぎて辛かったけど、多分ゲームを作り上げた時点で「愛」に気付いたんだろうなぁ。愛を与える(「愛している」と伝える)ことに臆病だった少年が、ようやく言えるようになったのは単純だけど綺麗な構成だった。
『書店主フィクリーのものがたり』に勝るとも劣らない名作でした。オススメです。
Posted by ブクログ
ゲーム✖️恋愛版のソーシャルネットワーク(映画)みたいな話だなと思いながら読み進めました。
厳密には全然違うのかもしれないけど…
仲間と何かを成すってのはやっぱりいい!
「ソリューション」のようなコンセプトのゲームって現実にもあるのかな、このゲームのくだりが1番好き。
Posted by ブクログ
想像以上に長くて、読むのに時間がかかった。
が、総じてとても面白かった!
天才的な2人のゲームクリエイターが育む愛と友情の物語。
ゲームクリエイターで読書家の小島秀夫監督がおすすめしていたので読んだのだが、作品に小島監督が出てきて、登場人物に「コジマは天才だ」と評価されていて、何だか笑ってしまった。
個人的にゲームは全く詳しくないのだが、終始楽しく読み進められた。
サムとセイディがつくるゲームは生きているように感じられて、とても魅力的だと思った。
また作者はアメリカ人だが、日本のクリエイターや日本のゲームがたくさん出てきて、ゲーム業界での日本人の活躍を実感出来たのも良かった。
作者の表現する心理描写や登場人物の感性がとても好きだと思った。
お互いがお互いを大切にしているが故の男女の友情の脆さや関係性の危うさのようなものをしっかり描いている。だけどやっぱり誰よりもお互いを理解し、リスペクトし、唯一無二の存在として認め合っている。
Posted by ブクログ
ゲーム制作と文学が見事に絡み合って至極の愛の物語。
男女の友情。葛藤。愛。
少し出来た溝。が思ったより深く。
微妙な距離の2人が愛おしく切なく
後半に起きるある事件から目が離せなく一気読みでした。
出てくるゲームの話題はゲーム好きには堪らなく。
言葉1つ1つ痛いほど胸に突き刺さり
大事な1冊になりました。
Posted by ブクログ
サムとセイディがゲームを作る物語。
自分自身もシステムを作る仕事をしているけど、凄く共感できる部分もたくさんあった。チームで作品を作る難しさ、大変さ、いろんな葛藤や衝突もうまく描かれていたと思う。
ゲーム好きならニヤリとする内容も多く、最後まで楽しめた。特に最後の「荷と溝」は全ての表現が良かったなぁ…とても良かった。ヒューマンドラマの映画を見終わった後の気持ち良さ?がある
Posted by ブクログ
面白かった!
30年という長い時間軸だけれど、自分の世代と重なっていることもあり、物語の中に自分がプレイしたり知っているゲームや、時代背景が出てきたのも楽しく読めた要因かもしれない。
自分の幼少時代にもこの物語の主人公達のような同世代がいたかもしれない、と思いを馳せたり想像を巡らせてしまう。
私自身はそこまでゲームをやり込んだタイプでもないし、詳しいわけではないけれど充分に楽しめる一冊だった。
長編だけど飽きることなく、読み終わったときはもっとセイディとサムのこれからを読みたい、という気持ちになった。
この2人の関係性は、間違いなくソウルメイト、絆、運命、そんなふうに言えると思う。人生でこんな関係性が結べる相手と出会うって凄く素敵だし幸せだと思う。
Posted by ブクログ
お仕事小説かと思いきや、二人の男女の人生の話だった。しかも恋愛ではない大いなる愛で包まれた友情の話。
ずっと最強だった二人が壊れてしまう様はとても辛かったけど、すごくリアルで一冊に人生が詰まっていた。いつの間にか読ませてしまう不思議な本。映像化にも期待してます!
悔しいのはこれが日本で生まれなかったこと、ゲーム産業では屈指の名作ソフトを産んだ国なのに、この小説は日本では生まれないんだろうなと思う。でもいつかこんな小説が生まれる国になることを願って。
Posted by ブクログ
めーっちゃ良かった‼︎2024年に読んだ本暫定1位かもしれない。セイディ、サムとゲームを中心にしたドーヴ、マークスの人間模様の描き方良い〜ゲームには詳しくないけどわくわくして読めた‼︎
Posted by ブクログ
愛こそ全て。
愛さえあれば足りる。
その荷が溝(轍)と釣り合っているなら。
荷は
愛の重さ。
訳者の後書きより。
良い訳者だった。他の作品も読みたい。
ライフアフターライフのように、ゲームで何度も死んだら生きる。輪廻転生
人を絶望から守るのは、遊びを求めるその心なのかもしれない。
Posted by ブクログ
四半世紀にわたるサムとセイディの物語。
才能あふれる二人のクリエイターの栄光と苦悩。
後半の展開は心が苦しかったけれど胸に刺さった。
このまま映画にできそうなストーリー。
Posted by ブクログ
映画化されたらいいなと思いながら読んだ。サムとセイディは友情、愛情以上のもので繋がっているんだな。*「明日、また明日、そしてまた明日 [中略] プレイを続けてさえいればいつか勝てるという希望だ。」
Posted by ブクログ
ゲーム制作を通じて男女の友情を描く大人のヤングアダルトといった雰囲気の内容。映画的というかアメリカ的というか実に分かりやすい、入りやすい物語だった。会話文はサクッと入って来て地の文は説明めいて少し読みにくい。その面でもアメリカ文学っぽい。ゲーム制作だけにオリジナルなゲームコンテンツが多く、セイディが初期に制作したゲームは大変に面白そうで唸った。この手のストーリー(現実においても)は初期のパートナーがギクシャクするのが当たり前のようにあるのだが本作でも踏襲。ただラストの爽やかな形は妙に清々しい。
Posted by ブクログ
サムとセイディの関係性は、一体何と位置付けられるんだろう??
もはや友達以上恋人未満でもない。家族でもない。ただの同僚にしては関係が深すぎる。
一番近いかなと思いついたのは、幼なじみからコンビになった漫才師。友達という関係だけじゃないし、コンビだと仕事の同僚以上に距離が近い気がする。サムとセイディはそこにもう一つ愛情がのっかるけどね〜複雑〜
そんなことをモヤモヤ考えつつ、個人的には全体的にあまり刺さらなかったなと思っている。
サムとセイディが特殊な関係ということはわかるけど、マークスとセイディがくっついたのはいただけなかった。
サムが傷つくって容易に想像できるじゃん!!なんでよりによってそこがくっつくんだよ…。
そもそも大前提、サムとセイディがめんどくさすぎた。サムは自分のこと隠しまくるし、セイディはなんかずっとわがまま言ってるし…
会社にいたら周囲が手を焼くスペシャリストタイプ。絶対一緒に働きたくない。
たしかに二人の関係性は貴重だし尊いし特筆すべきなんだろうけど、あまりにも自分とタイプが違いすぎて気持ちが入り切らなかったなぁ…残念。
一番印象的だったのはマークス。
彼は、ゲームについて「無限の生まれ変わり、無限の贖罪の可能性」であり、「プレイを続けてさえいればいつか勝てるという希望だ。敗北は一時のものだ。永遠に変わらないものなどこの世にないんだから」(p461)と語った。
でも、人生ってゲームとは違い、ライフは一つしかない。リスタートできない。
それを体現したのが、ゲームは続けいればいつか勝てると言っていたマークス自身であるという点に震えた。
(あくまでも個人的な解釈なので、作者は本当は違う意味合いで書いたのかも)