池田真紀子のレビュー一覧
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ネタバレあ〜とか、う〜とか、思わず唸ってしまうほどの、陰鬱な描写や展開があり、精神的負荷がかかりすぎて、読み終わるのに時間がかかった。
その癖に、最後に謎の爽快感がある。
最悪なのに、最高。そんな変な小説。大好きです。
文は短く、テンポが良くて読みやすい。声に出して読みたい日本語。
フォスターとミッツィの運命が、段々と引き寄せられ、遂に交差する感じがたまらなかった。
途中で挟まる、謎の雑誌の内容に気づいた時や、見覚えのある描写が出てきた時、先の展開が予測された時、前のページに何度も戻り、確かめた。
待てよ、ロートンって…嘘だろ、そういうこと?
ん?真珠のネックレス…うわー。
え?シェローってもし -
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この本が言いたいこと
•むやみやたらと,ともすれば無自覚に新しいテクノロジー(主にSNS)を利用してはいけない.
•なぜならそれらは人間が進化の過程で習得してきた能力のごく一部しか使用しないような「質の低い余暇活動」であり,真に価値のある過ごし方とは,「実体との関わり」を伴ったときにしか得られないからである.
•「実体との関わり」とはすなわち,
- 人間同士のコミュニケーションにおいては,同じ時間・空間を共有したFace-to-faceでの会話であり,
- 趣味おいては,上記に加えて,リアルなモノと向き合う活動である.
•「質の低い余暇活動」が必要なのであれば,それを予め1日 -
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久しぶりのリンカーン・ライムシリーズ。
ウォッチメイカーを彷彿とさせる、解錠師ロックスミスとは何者なのか。
さらに、ライムにしては珍しい事態や、政治絡みの駆け引きに巻き込まれたり、陰謀論者が動画サイトに現れ、世間を騒がせたり。
今回もてんこ盛りの事件、事件、事件。
そして、何重にも張り巡らされた伏線や仕掛けやどんでん返し。
何度もどんでん返しで驚かされてきたのに、まだ返されるのか、という(笑)。
あと、読者をひやひやさせる描写が上手いのよ。今更だけど。
訳者あとがきによれば、すでに本国では新作の予定もあるようで、本当に長く楽しませてもらっているなと。
膨大な数だけれど、1作目の『ボーン -
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この本。最初から最後まで面白かったかと言えば、そうではなくて、どちらかといえば、後半から急速に面白くなってきたという具合でした。
そのため、おそらく読む人を選ぶ作品であるだろうし、駄作と見られても仕方がない表現も一部あり、それらのデメリットを乗り越えた名作、という表現がこの作品について書ける、ネタバレなしの書評かな、と思います。
実はこの作品、出会ったきっかけはMr.Childrenの『ファイトクラブ』という曲から始まり、実際にその映画があったことから映画を見て、原作を読んだ、という経緯を踏んでいます。
大まかなあらすじと結末は、映画で既に知っているので、だからこそ、改めて読み切ること -
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ネタバレリンカーン・ライムシリーズの第十五作。
いかにも犯人らしい登場人物が犯人で無いのが、
ライムシリーズのお約束なのはよくわかっているので、
驚きはするが動揺はしない。
だが、
アメリアやライムが危険な目に遭いそうになるのもお約束だというのに、
毎回ハラハラしてしまう。
自分が学習能力が無いのか、著者が凄腕なのか。
ロックスミスと名乗る天才的な解錠師が、
夜中に女性の部屋に侵入し、出て行く。
物質的肉体的被害はないが、
精神的な恐怖は底知れない。
おりしも、ライムが政争に巻き込まれた結果、
NY市警との契約を破棄されただけでなく、
ライムに情報を流したり捜査を依頼した者には厳罰に処されること -
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短編集『フルスロットル』に続く『トラブル・イン・マインド』二分冊の後編。前編が、リンカーン・ライムの他、キャサリン・ダンス、ジョン・ペラムなど懐かしの主人公たちが活躍するのに比して、こちらは独立作品がほとんど。標題の『死亡告示』のみがリンカーン・ライムものだが、本書中では最も短いショートショートに限りなく近い短編。でもライムのアームチェアが表紙を飾っている。不思議だが出版社の意図が感じられ、それもまた理解できる。
最初の一篇『プロット』は、スリラー作家の死を巡る短めの一篇だが、こちらと『死亡告示』は兄弟のような作品に見える。それと書く側の内なる深淵を覗き込んだら、えっ? となるようなひね -
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最初の方のいくつかの短編はディーヴァーらしくないプロットや、フィリップ・K・ディックのような不思議な世界観の話。あれ?どうしたのかなと思って読みすすめた最後の「永遠」は、これぞディーバーの本領発揮といえる作品でした。短編ではなく中編のボリューム。
主人公と仲間のキャラも出来上がっているし、どんでん返しがこれでもかと続く。リンカーン・ライム、コルター・ショウに続く新しいシリーズのお試し版として読者の反応を確かめるために発表したのではないかと思うほどの作品です。
前半の短編があれ?だったことについて、訳者あとがきを読んで理解できました。
「短編集1巻「フルスロットル」の著者まえがきにあるように、 -
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「こうなるといいな」っていうストーリーだった!
「こうなるといいな」っていう結末だった!
やっぱり凄いなディーヴァーは
こんなタイプの物語も書けちゃうんだよ
流浪の名探偵コルター・ショウは父を死に追いやった陰謀を最強で最高のバディと共に追う
それは父の死の直後に姿を消した兄ラッセル・ショウだった!
前二作を読んでショウの苦悩を共にしたので、この二人がみせる阿吽の呼吸がもう嬉しすぎてたまらないのよ!もう、上手いなー!
前二作がいろいろな意味でちゃんと繋がってる
全てがこの結末をむかえるために必要なことだったんだって思える
しかも、このスピード感
次から次へと「出来事」が「場所」が「人」が -
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私の人生はどこに向かっても、この本はバイブルとしたい。
ファイトクラブの映画のレビューで「かっけえ、これは男の映画だ」というレビューが割と多く、とても残念に思っていた。映像にするとタイラーが格好良すぎて、過激なシーンの本質がお洒落さに変わってしまうんだなあと、メッセージ性があるストーリーなだけに、残念に感じていた。でもそれは監督であるデヴィット・フィンチャーの力量が、あまりにも凄まじいが故の事象だとも思う。
小説だとカルピスの原液くらい濃く、何を言いたいかが切実に鋭利に伝わってきて良い。
原作者のチャック・パラニュークが何を思って書いたのか、詩的な文や直接的な皮肉が混じった言葉で、独特の