あらすじ
少女はその夜、何を見たのか――?
抜群の知能で追っ手を翻弄しながらダニエル・ペルの逃走は続く。彼の行動の謎を解明するため、キャサリン・ダンスはカルト集団の元ファミリー、そして一家惨殺事件のただひとりの生存者、次女テレサに接触を試みる。サスペンスフルな展開の末に訪れる驚愕の結末まで、ダンスはノンストップで駆け抜ける!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この作品の何がすごいって、プロローグが終わったと思ったら、いきなり『羊たちの沈黙』を思わせるような凶悪犯との息詰まる尋問シーンが始まり、ハリウッド顔負けの爆破シーンや逃走シーンが入るってところだと思う。
しかも、それを50ページで収めてしまう……。そんな出だしをやられたら、引き込まれずにいられないじゃない……。
そこからは、もう安心のディーヴァーブランド! 裏の裏を読み合う心理戦に、緊迫の追走劇。凶悪犯の目的や協力者の正体にどう迫っていくか、と読ませるツボをこれでもかと突いてくる。
それでいて、登場人物の個性やキャラも立たせているのは、さすがディーヴァー!
キャサリン・ダンスをはじめとした警察側の面々や、ダンスの家族の個性はもちろんなのですが、凶悪犯ペルが、どのように協力者を支配下に置いていくか。その辺のやり口もリアルで、これがさらにペルの個性を際立たせる。
さらに過去や現在のペルの協力者の女性たちの描写もリアル。ペルの事件を取材するジャーナリストや、過去ペルに一家を殺害された女の子、それぞれを単に物語の駒にするだけじゃなく、きちんと成長や変化を描いているっていうのがすごい!
そして、物語が核心に迫っていくたびに、次々と明らかになる真実と、ディーヴァーが仕掛けた罠とどんでん返しの数々! やっぱりディーヴァー作品は面白い!
サスペンスとして読ませるのはもちろんのこと、キャラの魅力でも読ませるディーヴァーは、やっぱり当代きってのエンタメ作家なんだろうなあ、と思います。
2009年版このミステリーがすごい! 海外部門5位
Posted by ブクログ
キャサリン・ダンスの
「相手を観察し読み解く力」と
ダニエル・ペルの
「人の心を読み、操る力」の対決
二人とも感情を読みあい手を打ち合う構図は
ライムシリーズに無くて面白い。
あと、一作目からライムシリーズとのキャラ被りを意識してなのか、出てくる登場人物の味付けが濃い目で、こちらの人々の方が結構印象に残ってる。向こうで出来なかったことをこちらのシリーズでどんどんやって欲しい。
色々ツッコミどころはあるんだけど…
Posted by ブクログ
追う側、追われる側での出し抜き合い…ペルを巡る事件や人間関係を紐解くプロセス…逃走中のペルが起こす事件と、それを阻止しようとするダンス…息詰る対決がスピーディーに続く中、交通事故で夫を亡くし、2人の子ども達や両親と暮すダンスの日常も挟まり、実に豊かなドラマが展開する…そして終盤は“どんでん返し”の連発だ…
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァーの「キャサリン・ダンス」シリーズ第1弾。同じ作者のリンカーン・ライムのシリーズ『ウォッチメイカー』にゲスト出演のように登場したキャサリンが、地元カリフォルニアで主役を張る。いきなり主人公に据えるのではなく、すでに確立している別シリーズに登場させてから……というやり方が、まるでTVシリーズのスピンオフ作品のようだ。
それはともかく。リンカーン・ライムが証拠を検討する鑑識シリーズであるのに対して、キャサリンはあくまで「人間」を観察する。わずかな感情の動きであっても表情に影響を及ぼすところ、また、表情の動き自体は捉えられても、その理由を読み誤ることもある。そういう点がリンカーン・ライムのシリーズと違うようで似ている所が面白い。
話の構成や展開、人物配置などは、いつものディーヴァー節だなぁと思いつつも面白く読んだ。前半の方では、なぜタイトルが『スリーピング・ドール』なのかピンと来なかったが、それも後半の方で明らかになる。なるほど、あの事件はそういうことだったのか……と、視点をがらりと変えられる所が良かった。
Posted by ブクログ
幸いというか不幸にも風邪でダウンしていたので、昼夜夜中と夢中で読んでしまいました。
時に体調ぶり返しながら(夜更かしで・・(笑)
なんですか、オカルト集団てかつでニュースでもありましたけど、怖いですね。
人をあんなにも変えてしまう力があるなんて。
オウムもそうだった・・・
あれこれない頭で推理しながら・・
えぇ~!を繰り返し、でも途中でケロッグがなぁって思った私に自画自賛したりして(笑)
ペルが殺された時点で、本がまだ残りページがかなりあるぞと、さてさてこの後はどう転がっていくのだろう・・・
気になっていたのはキャサリンの両親の家で母親が聞いた物音・・
そしてジェニーが生きていて、彼女になかった感情が湧いてきたとき・・・
あの音とジェニーを結びつけちゃったのね、私は( ̄△ ̄;)
まさあんな結果になるとは想像もしてなかったから、私は探偵には向かないと納得しました(笑)
よく恋は盲目とか、霊感のある人は自分を視れないって言うけど、さすがのキャサリンもケロッグにはホロっとしてしまったのね。
でもそういう面もあって私は良かった~って思いました(ニッコリ(☆Д☆)
リンカーン・ライムシリーズも好きだけど、キャサリン・ダンスも好きだわ~
次の作品も読もう!!
Posted by ブクログ
文庫は「上・下」で別々登録になっちゃうのか…。
サテ。ジェフリー・ディーヴァーです。最早,翻訳ミステリでは間違い無い。としか云いようが無い。
ところでこちらはリンカーン・ライムのシリーズではなくてたぶんスピンアウトのキャサリン・ダンスのモノ。こちらもシリーズ化するんですかね?
ジェフリー・ディーヴァーの本は必ず,「この事件はだいたいコレで解決?」みたいな段になってまだ本のページ数が相当に残ってるんだよ。ドレもそうだがコレもそう。楽しめるコト請け合いデス。
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァーの"リンカーン・ライム"シリーズのスピンアウト。人が無意識にとる動作から嘘を見抜く尋問のスペシャリスト、キャサリン・ダンスが活躍するシリーズ。
カルト集団を率い、一家惨殺事件を起こした犯人が、脱獄に成功。
彼を追うキャサリン・ダンスとの、一進一退の攻防が始まります。
脱獄したダニエル・ペルは他人をコントールする天才。一方のキャサリン・ダンスは嘘を見抜く天才で、その2人の才能のぶつかり合いがこの作品の一つの魅力になっています。
脱獄犯であるダニエルを見ていると、以前に読んだオウム真理教信者の手記『アンダーグラウンド』を思い出しました。
寂しさ、心のすき間、"絆""愛情"の渇望。そこへ入り込み、相手をコントロールするダニエル。彼にコントロールされてしまう登場人物に対し、「ああ!駄目!支配されないで!」と声をかけたくなるのですが、一方で、その人物がダニエルのお陰で一種の救いを見ていることも間違いないわけで。ダニエルがいなくても、結局は似通った誰かが自分を支配してくれることを望んでしまうんだろうなあ、と、なんだかやるせない気持ちになりました。
勿論、いつものディーヴァー節は絶好調。ページを捲らずにはいられない、スリリングな展開。登場人物の魅力的なキャラクター。そしてアメリカならではの雰囲気!
警官の中に様々な人種がいたり、子供達が「ピザの後にアイスが食べたい!」というシーンがあったり。些細な描写が、私を行ったことのない国、アメリカへ連れて行ってくれます。
しかし、"ドンデン返しの名手"であることは有名なのに、その上でこれだけ楽しんで驚くことができる作品を作り続けることができるディーヴァーは、本当に凄いなあ。
彼の作品に出会えて心から幸せ。
Posted by ブクログ
あと一歩で捕まえられない脱獄犯ペル。8年前の事件のただ1人の生き残り"スリーピング・ドール"はペル捕縛の決め手になるか?
お家芸の「怒涛のどんでん返し」は今作も健在!安定の面白さです。
Posted by ブクログ
早い展開。いくつものどんでん返し。リンカーン・ライムシリーズで慣れてはいるものの、これでもか、が何度も。そしてもちろん、最後の最後にまたどんでん返し。
面白かったです。
それにしても、アメリカの方々は、恋愛が何歳、どんな状況でも、あって当たり前なんですね。そこもびっくり。
Posted by ブクログ
ジェフリー・ディーヴァーは好きな作家です。
展開がスピーディーで会話がお洒落。
この「スリーピング・ドール」同作家のリンカーン・ライム シリーズのスピンアウト版との事。
ライムが物証第一主義で科学捜査の天才に対して今回の主役キャサリン・ダンスは人間嘘発見器と言われるキネクシスの天才。
キネクシスとはチョットした動作や表情からどんな嘘でも見破ってしまう行動心理学らしい。
カルトのリーダーが取り調べをされていた拘置所から脱獄。
脱獄の直前に彼を取り調べていたダンスと彼女のチームが脱獄犯を追う。
ストーリー展開はスピーディーで登場人物のキャラクターも良いので楽しく読めました。
ですが敵役の脱獄犯のキャラクターが少し弱い。私には少々小者感がありもう少しスケールのデカイ悪党であって欲しかった。
アクションあり随所に間一髪的な追いつ追われつのスリリングな展開ありで、流石ディーヴァーと思わせる部分は多数あるだけに残念。
でも一般的には面白い小説だと思います。
Posted by ブクログ
下巻もスピーディーな展開がめちゃくちゃいい。終盤の展開の意外性はさすが。テレサの活躍はめちゃ少なかったけどね。詳細の描写がめちゃくちゃしっかり調べられております丁寧にされてる印象。
Posted by ブクログ
驚愕のどんでん返しの名手にしては、いささか物足りなさの残る真相だ。
キャサリン・ダンスの「人間嘘発見器」の手腕も、今回はあまり発揮されていない。
何より、タイトルにもなっている少女がそれほど大きな鍵を握っているわけでもないのが、タイトル負けというか。
キャサリン・ダンスというヒロインは魅力的だけどね。
Posted by ブクログ
(上巻より)
印象に残ったのは、
加害者一味とも被害者ともいえる三人の女性が、
過去を話し合う場面。
思ったような展開にならなかったのも合わせて。
殺人犯のいいなりになっていた共犯者が、
自らをみつけて自主してきたのも良かった。
残念だったのは、
キャサリン・ダンスの私生活がうまくいかなかったことかな。
Posted by ブクログ
いつものジェフリー・ディーヴァーのやり方だとわかりつつも、まんまとハマって一気読み。
リンカーン・ライムシリーズ以外の作品は初めてだけど、海沿いの風景描写が新鮮。モンテレーのラッコはググって癒されました。
そして下巻では、筋書きとの関連が見出せなかった「スリーピング・ドール」の意味も判明。細かな伏線もきっちり回収してくれてます。
欲を言えば、『ウォッチ・メイカー』での尋問と言う名の戦闘シーンが好きだったので、ペルとダンスの取り調べシーンがもっと見たかったかな。
Posted by ブクログ
『ウォッチメイカー』に出てきたキャサリン・ダンスがすごく気になってたからスピンオフ嬉しい!
下巻で100ページ残して犯人が死んだからどう進むのかと思ったら…。今回衝撃はなかったけど小ネタ満載でやっぱり面白かった。
Posted by ブクログ
前半は名前がなかなか頭に入らなかったが、後半は名前も入ってきて展開もテンポ良く進んだので、スラスラ読めた。
ダンスか相手の動作から心理を読むキネシクス専門家というのが興味深く読めたところだったかもしれない。
2017.10.6
Posted by ブクログ
いつもながら後半に怒涛のどんでん返し(笑)
もうちょい前から展開してくれないかと思いながら、いつ来るかとドキドキ待つ(笑)
ダンスシリーズも面白いです。ライムシリーズに負けず劣らず(*≧∀≦*)
オニールはアンと別れていつダンスと付き合うのだろう…www
Posted by ブクログ
一件落着の後もまだあれこれありそうなのが残りのページ数で察せられるとはいえ、予想を上回る展開や、今後も何かありそうな気になるポイントを残しつつ終わるところがさすが。リンカーンシリーズほどのドキドキ感はなかったものの面白かった。
Posted by ブクログ
最後の大どんでん返しの要素は、リンカーン・ライムの専売特許では無いと言う事ですかね。そう来たかぁ~、と言う感じです。
それと、最後のマイケルの告げた情報が、次の話への伏線なのは明らか。次作が早く読みたい!!
Posted by ブクログ
ここで話が終わったのでは、というところでも
ページ数がそれなりに残っていたので、
まだまだ、まだ、どんでん返しがあるの?と最後まで興味津々でした。
面白かったです。
主人公の女性(キャサリンダンス)も魅力的です。
★5とまではいかなかったけれど、5に近い4です。
ウォッチ・メーカーを読んでみます。
Posted by ブクログ
上巻で気になった女性三人のうちの一人は外れたけれど、まあまあいい線だった。
本著は100ページ残し事件解決、その後の大掛かりなどんでん返しはないものの、もうびっくりさせられる事はないだろうと思うページ数でコネタがいくつか。
それから最後の方でキャサリンがギターの「マーチン00-18」を弾く場面が出てくるが、これは000(トリプルO(オー))のことかなと思ったけれど、調べてみるとビンテージで「00-18」もあった。
著者の作品はリンカーン・ライムシリーズと本著キャサリン・ダンスシリーズしか読んでおらず、やはり初期の作品から全部読もうと「汚れた待ちのシンデレラ」を用意しておいたのだが、本著の解説で物足りないと書かれていた。
それを現在100ページほど読んだところだが、読む前にそう言われてしまうと、物足りないと思いながら読んでしまいなかなか進まない。
匿名
山の頂きはどこに。
キャサリン ダンスが主人公の物語
最後まで犯人が逃げ切るのかと思わせて、以外な人物が裏切り、スリーピングドールは協力を申し出る。
でも、山はどこにあるのか、謎のままでしたね。
Posted by ブクログ
このミス海外編2009年版5位。リンカーンライムシリーズのスピンオフシリーズ。ウォッチメイカーで登場したダンス捜査官が主役の1作目。リンカーンとサックスも一瞬電話で登場する。ダンスは「キネシクス」の専門家なのです。日本語では「動作学」ってのか、相手のふるまいを見て興味の有無や嘘をついてるか等を分析する尋問のエキスパート。リンカーンの科学捜査と同様、こちらも細かく具体的に説明しながら尋問が進んでいく。緻密で分かりやすいんだけど分量が多い。ストーリー自体は展開が早く意外性もあって面白いし、暗示的な伏線が肩透かしされたりして飽きない作りになっているて、下巻からぐいぐい引き込まれて行くけどやっぱり長いのが辛い。この内容で1冊に収めていただければ良かったかなと。あと、話しの展開上仕方がないけどダンスが恋に落ちるところがちょっと感情移入できないというか唐突というか。
Posted by ブクログ
下巻に突入してもダンスとペルの一進一退の攻防は続き、物語は未だ山場を見せないが、中盤を過ぎて一気にギアが入る。ペルの真の共犯者が判明し、肝心の【スリーピング・ドール】ことテレサも満を持して登場。そこからはどんでん返しの連続による怒涛のノンストップサスペンス。成る程、後半で畳み掛けてくる作家なんだ。しかし、こう二転三転すると作品の色合いは大分変わってくる。後半は【人間嘘発見器】と評されるダンスの本領発揮だが、折角の心理戦も割と駆け足。目一杯詰め込んでいる分、読者が入り込む隙を与えて貰えないのも良し悪しかな。
Posted by ブクログ
二転三転するストーリー展開と最後まで続くドキドキ感がディーバーらしいが、なんとなく消化不良な読後感。主人公の能力であるキネクシスが、飛び道具的な使われ方だからのような気がしてならない。
Posted by ブクログ
リンカーン・ライムシリーズの「ウォッチ・メイカー」に登場したキャサリン・ダンスを主人公にした第1作。
面白かったのだが、証拠至上主義のライムと一緒に登場したほうが、その対比で存在感があると思う。でも、第2作ロードサイドクロスも近々読むだろうなぁ。。。