池田真紀子のレビュー一覧
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リンカーン・ライムシリーズは基本的にチームリンカーンと真犯人の対決形式が多く
いわゆるどんでん返しも真犯人と思われる人物がひっくり返るのと真犯人の真の目的がひっくり返るのとがあると思うんですよね
今作はそのへんのもろもろが濃いです
そして気持ちよくひっくり返って行きました
そして一件落着のはずがまだページが残ってる!というのがシリーズの醍醐味でもあるわけですが今回は1章まるまる残ってます
果たしてなにがひっくり返るのか?
そして今回あらためて思ったんですが
リンカーンシリーズをしゃぶりつくそうと思ったらやっぱりちゃんとホワイトボード読まないとだめですね
もういっそ自分で書いちゃって見えるところに掛けといてもいいですね
「謎解き」重視派の人は是非やってみて下さい!
そしてどんなだったか教えて下さい!
自分ではそんなこと絶対にやらないと思うので!! -
Posted by ブクログ
リンカーンライム、シリーズ。
デパートのエスカレーターに巻き込まれて男性が死亡する。事故かと思われたそれは、連続殺人の幕開きだった。
ライムが、大学の教鞭をとっていて、へ、ってなるよ。
まぁ、彼の考えもわからないでもないけど、やっぱりアメリアとしては、ねぇ。
っていう、このぎくしゃくした感じが、うまい。
「オクトーバー・リスト」の時も思ったけど、人の何気ない行動とか仕草を描いて、その人の心情や関係性を描くのがとんでもなく上手いのよね、ディーヴァーって。何なんだろう。メタファーとは違うけど、ちょっとそれみたいな、というか、匂いというか別の質感があるんだよね。
ともあれ、犯人とライムたちの頭脳戦が始まる。
毎度ながら、<今、そこにある危険>って感じに震える。
私たちは、便利という果実と引き換えに、何を失おうとしているのだろう。
そして、驚愕の…。
ディーヴァーなので、びっくりさせられるのは毎度なのだけど、想像の斜め上いってました。
参りました。
でも、これは喪失の物語だったのだろうな、とぼんやり思うのであった。 -
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ついに北京オリンピックが始まりましたね!
わーわー言うてますが日本人なんて始まってしまえば結局熱中しちゃうんですよね
ただ東京に続き今回も無観客ということで残念なことです
結局テレビ観戦の身とはいえやはり現場の歓声が聞こえるのとそうでないのとでは盛り上がりが違います
ちなみに今回の冬季オリンピックでなにかひとつ好きな競技を観戦していいとしたら何を選びますか?
自分は寒がりなのでせめて屋内、フィギュアスケートやスピードスケート、アイスホッケーなんかもおもしろそうですが、やはり氷上のチェスとも言われるカーリングなんかいいですよね
各チームの戦略なんか予想しながらゆっくりと観戦したいものです
というわけで冬季オリンピック何かひとつ観戦していいと言われれば『カーリングがいいなー』
さて『バーニングワイヤー』です
今回のチームリンカーンの相手は電気を操る犯人です
目に見えない電気を武器とする凶悪犯に戦々恐々とするチームリンカーンですが、いつもの科学捜査により早々に容疑者が特定されます
はいはい途中で犯人がわかるパターンね
ん?パターン?いやいやいやパターンなんて言葉を安易に使ったらジェフリー・ディーヴァーにまたしてもしてやられるに決まってる!パターンの裏をかいてくるのが…いや裏の裏、違う裏の裏の裏の裏?あれ?裏の裏は表だから…裏の表の裏の裏?
あーもう下巻だ!
(てかそもそも犯人が途中でわかるパターンのやつってなんだよ) -
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ジェフリー・ディーヴァー『ブラック・スクリーム 下』文春文庫。
リンカーン・ライム・シリーズの第13弾。特別収録短編『誓い』も収録。
リンカーン・ライムがサックス、トムと欧州に渡り、謎の犯人を追うという面白い展開。何よりも、どんでん返しの魔術師ディーヴァーならではの後半の予想外の展開には腰を抜かした。まさか、そんなこととは……
コンポーザーを追ってイタリアへ渡ったライムたちはアメリカ人留学生が加害者となった暴行事件の捜査にも協力する。一方、逃亡したコンポーザーはイタリアの難民キャンプの住人をターゲットに拉致監禁と殺人を繰り返す。コンポーザーの頭の中を駆け巡るブラック・スクリームの正体とは、犯行動機は……
特別収録短編『誓い』。ついにリンカーン・ライムとアメリア・サックスが結婚するが、そこで事件が起こる。
本体価格930円
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ジェフリー・ディーヴァー『ブラック・スクリーム 上』文春文庫。
リンカーン・ライム・シリーズ。
冒頭からの展開が非常にスピーディで、知らぬ間にストーリーの中に引き摺り込まれていく。今回、リンカーン・ライムが対するのは大胆不敵で狡猾な拉致監禁犯のコンポーザー。巻頭の登場人物リストでコンポーザーの名前が判明しているのだが、人物像や経歴、犯行目的は全くもって不明だ。果たして……
マンハッタンの路上で白昼に男性が車で拉致される。その後、コンポーザーを名乗る犯人が拉致監禁した男性、ロバート・エリスが首を吊られる姿を苦痛にうめく声をサンプリングした『美しく青きドナウ』の曲と共に動画サイトにアップロードする。
事件を捜査するリンカーン・ライムは微細証拠からエリスが監禁されている場所を特定する。監禁場所に急行したサックスだったが、犯人は間一髪、警察の手をかわし、イタリアへと逃亡する。ライムはサックス、トムと共に犯人を追ってイタリアへ。
本体価格890円
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ネタバレやってしまった、気付けば平日の深夜1時、終盤に入ってページをめくるのをやめられなくなってしまった。
個人的には石の猿はいまひとつで、前作の魔術師はまぁまぁだったけど、今作は前作以上に良かった。
終盤にセトルが銀行相手にふっかけるシーンは痛快だった。
カウンセラーに化けたボイドの相棒がセトル親子を連行する直前、ラキーシャの挙動が怪しくて、えっ黒幕?!ってまんまと思わされた。でも、その怪しさの理由が明らかになった時は、けっこう辛かったな。
そして、リンカーンの小さな勝利には驚いた!サックスが気付く前に反応できた自分を褒めてやりたい笑 -
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1882年に生まれ、1967年に亡くなった、エドワード・ホッパーというアメリカの画家の17の作品を題材にして、17人の作家が、それぞれの絵に対しての短編物語をつくるというコンセプトの本。要するに、エドワード・ホッパーの17の作品に対して、17編の短編が書かれ、本書はそれを収めた短編集だ。
アイデアを思いつき、物語をつくることに参加を呼びかけたのは、ローレンス・ブロックである。ローレンス・ブロックは私の最も好きな作家の一人なので、読んでみることにしたのだが、ローレンス・ブロックが書いた短編だけではなく、面白い短編が多かった。ローレンス・ブロック以外にも、マイクル・コナリー、ジェフリー・ディーバー、スティーブン・キングなどの有名な作家が短編を寄せている。
エドワード・ホッパーという画家は知らなかったが、とても独特なタッチの絵を描く作家だ。アメリカでは名の知れた画家なのだろう。
また、絵を題材に物語をつくるという試みは成功している。思いもよらない物語を寄せている作家も多い。 -
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ディテールと色彩が、破滅的な世界を照らす珠玉の小説。愚かで勇敢な少年の冒険譚。どこかファンタジックな雰囲気も醸し出しつつ、ドキュメンタリー的に細部にこだわった作品で、とてもワクワクさせられた。
子ども思いだけど麻薬の密売人をやっている母、その母の恋人で同じく密売人をやっている男性的な魅力ある男、話すのを拒み文字を空中に書いて意思表示する兄と、普通ではない環境に置かれたイーライ。
親友は、脱獄犯のベビーシッターであるスリムで、年齢的にはイーライと60の差がある。
こんな環境でも、擦れることのない少年イーライの視点から物語は語られる。
スリムの哲学を忠実に再現しようとする純粋さや、見たままだけを信じない疑う能力、自分に向かってくる不条理や暴力に、ときには怯えながらも、真っ直ぐに立ち向かう姿勢を持とうとするイーライに心惹かれる。
こうしたカラフルな登場人物たちが魅力的なのだが、彼らのセリフもとても印象深い。
なかでも、老年のスリムがイーライ少年に幾度となく伝える「時間を殺れ」という言葉が印象的だ。
目に見えない時間をどう殺すのか?
スリムは、獄中で時間を操っていたと語り、物事の細部を見逃さない、つまりディテールを見逃さないという方法で、時間を永遠に近いものにしてきた。
その教えが一人語りの文にも生かされており、時には滑稽で時には真に迫った会話劇や、時々の状況を克明に、かつ詩的に描いたまさしくディテールを見逃さない文体が読み手を飽きさせない。
詩的な表現が、破滅的で絶望的な環境下に置かれても、イーライの目には色彩が失われない理由のひとつになっている。
この小説を読んでいると、なんとなく過ごしてきた日々の細部にもディテールがあり、それを見逃してきた自分に気づかされる。
イーライのように色彩を手に入れるためには、日々の細部に注目し、時間を手繰る必要があるのだろう。
この小説は、読み手にも色彩が如何なるものか、どうやって色彩を手に入れるかのヒントをくれる。
常識的に考えて、親がろくでもないことをしていれば、嘆き悲しみ打つ手なしで泣き寝入りするところだが、イーライやオーガストは、状況を受け止めて進んでいく。
少年らしい向こ見ずな言動も含めて、勇気を与えられた。
細部に拘っているからと言って、ストーリーに手を抜いているわけではない。
じつは序盤から伏線がいくつも存在し、ストーリーが進むごとに紡がれていく。
兄のオーガストの予言めいたメッセージ、意味深な言動がこの物語を想像力豊かなものにしている。
主人公イーライは、想像力と現実を見つめる目と、どちらも持って世界に飛び込んでいく。
どんな状況下であっても、イーライが自分の意思を持って飛び込んでいく姿が頼もしい。
展開が読めないのでドキドキしながら読むことができた。
また、訳者の後書きによると、この物語の状況は、作者自身の環境をモデルにしているらしい。作者は元クーリエメールのジャーナリストなので、ほとんどイーライと同じような人生を送ったようなものではないかと、驚かされた。
長い長い小説だが、売れただけあり、ラストに至るまでの盛り上がりも素晴らしく、哲学に満ち満ちている。