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Posted by ブクログ
在日でもなく、この時代の日本に暮らしたわけでもない著者が、なぜここまでの物語を書けたのか。それが不思議でならない。そこにまず驚きを感じながら読み進めた。
多くは事実に基づいているのだろうが、物語である以上フィクションも相当混じっているはずだ。それでも破綻することなく、最後までぐいぐい読ませる。四世代にわたる家族の物語を丁寧に描きながら、一人ひとりのキャラクターがしっかり立っている。
女性主人公には、正直なところ、ややいらだつ場面もあった。なぜそこでその行動を取るのか、と。ただ、それが母親というものなのだろうとも思う。
大河ドラマのような壮大な物語でありながら、同時に、紛れもなく実在した歴史の一部でもある。
自分自身の生い立ちと重ね合わせながら、こんな苦労を重ねて生きていた人たちがいたのだと、はっきり意識させられる一冊だった。
Posted by ブクログ
面白かったのでほとんど一気に読んだ!
家族四代記だから、上巻に比べて下巻の登場人物が多いったら。
眠れない夜にそのひとりひとりを思い出してみたりして楽しかった笑
これ、著者が英語で書いたものの、日本語訳なんだね。てっきり韓国の文学だと思っていたけど、巻末の解説を読んで、納得しました。
なんにせよ本当に面白いのでおすすめします。
「パチンコ」ってタイトルが、俄然生きてくる下巻。
コ・ハンスの心情、内心の葛藤、本心なんかも、知りたかったな。
地味で強情なソンジャも、
高潔でザ・聖女なキョンヒも、
現実に生きるヤンジンも、
モーザスの妻裕美もみんな知り合いのように思える。
そしてノア。繊細なノア。私にはちょっとその気持ちが計り知れないところがあって、ノアの顛末にはたいそう驚いたよ。
ソロモンまではいいとしても、悦子とか花のくだりは正直しんどかったなぁ。
Posted by ブクログ
先輩に薦められて読んだ。
なにかが解決するような話ではなく、いち家族の物語。在日コリアンの存在は知っているが、法的・社会的に壁を作られている彼らの苦悩が少しだけ知れた。それを勉強させようとする物語ではないので、これだけで理解したというのは難しいけど。
どの登場人物も自分を強く持っていて、芯がある人たちばかりだった。それが逆に自分にはないところと感じて、もっと芯を持って行きたいと思った。
p289
最終的にカズはソロモンに嫌なことをしてしまうが、このページのカズの言葉が印象に残っている。
「平凡税はぱっとしない人間だと周囲に知られるという形で課せられる」
「自分はそのへんの人間と変わらないって自覚ほどみじめなことはない」
ノアの死を考えると、ここにハッとさせられるのは幸せなことであるが、私は自分で平凡税を増やさないように行動したいと思った。
Posted by ブクログ
過去に虐げられ、不当に扱われた歴史というのは今もなお個人に、家族に、民族に深く根差している。
日本人がチャイニーズやコリアンに対して抱くマイナスの感情というのは、メディアの印象操作や何の根拠もない事実に基づいたステレオタイプであり、逆もまた然りだと思う。
いい日本人もいれば悪い日本人もいるというのは本当にその通り。
民族的ルーツと生まれ育った町が異なるということは、想像以上に生きづらさや肩身の狭さを感じてしまうのかもしれない。
すごく考えることの多い作品だった。
在日の歴史、パチンコと在日コリアンの深い結びつき、もっと深掘りして勉強したい。
Posted by ブクログ
在日コリアンは韓国では日本人扱いされ、日本では外国人扱いをされる。故郷がない。
という言葉にとても納得した。
そのような扱いを受けるのは彼らが日本へ渡ってきた頃からずっと変わっていない。
現在4、5世などが増えていくにつれ、かつての1世や2世などが持っていたアイデンティティや帰属意識などは確実に薄れていっているように思う。
自分は何人なのか、と読後より考えるようになった。
母語は日本語であり一生を日本で暮らしてきた私にとって、自分は韓国人だといえるのか。だからといい日本人ともいえない。
今まで自分が何人なのかをキッパリと答えられない自分を正直恥じていた。しかしこの本を読んで、在日コリアンである、と自信を持って言えると思う。
日本籍へ帰化することは個人の自由でありいけないことだとは思わないが、過去の1世や2世が必死に生き繋いできた在日コリアンという血筋をこれから守っていきたいと感じた。
Posted by ブクログ
日韓併合から太平洋戦争を経て現在にいたるまでの、在日コリアン4世代にわたる物語である。まず、知識として、在日コリアンの歴史、生活、考え方について知ることができた。パチンコがコリアンが発展させた産業であること、在日コリアンの国籍など知らないことがたくさんあった。
そして、祖国を追われた外国人としてのアイデンティティのありかたが、1世から3世にいたるまで変化していくありさまが非常に鮮明にえがかれていることがなによりも印象的であった。貧しさ、そして、娘の妊娠のために、娘を異国におくりとどけることをだまって見送るしかなかった0世、貧しさと不義、愛する子供のためにただ働き続けるしかなかった1世、在日としての差別に直面しながら在日コリアンとしての2つの祖国にはさまれたアイデンティティに苦しむ2世、そして日本、韓国それぞれの祖国の由来するアイデンティティを受け入れていく3世。こうした境遇の人に思いをめぐらせる想像力をもてるようになりたい。
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小説・文芸
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