柳田邦男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1945年9月、1ヶ月前の原爆投下の傷もまだ癒えていない広島に新たな脅威が近づいていた。枕崎台風。その規模は11年前に大きな被害をもたらした室戸台風にも劣らぬほどの強さだった。
戦争において気象学は重要。攻撃を仕掛ける時の天候は勝負を分ける大きな要因の一つだからだ。戦時において各地の気象台の計測データは暗号化して中央気象台に伝えられ、中央気象台からの各地の観測データも同様に暗号化されて各地に配信されていた。
天気予報自体が敵に知られてはならない情報なので国民向けの天気予報、台風に関する情報も戦時は国民に一切提供されなかった。
そこに原爆投下で広島のインフラが大きな損害を受けた。そのために通信 -
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オムニバス形式。
大切な人を亡くして悲しいときに、自分自身と死者にどう向き合うかという視点と、
悲しみの真っ只中にいる他人とどう関わるのかという視点があると感じた。
宇多田ヒカルの「夕凪」という曲の原題は「Ghost」なのだが、あの曲の理解が少し深まった気がする。私は悲しいことがあったとき、「夕凪」を聴けなくなったため、本を読めなくなったエピソードに共感を覚えた。今まさに自分で物語を書いているから本が読めないのなら、あの曲が聴けなくなったのはその時まさに自分で言葉を書き連ねていたか、詠っていたからなんだと思った。
もっと深く話を聞き進めたいところで章が終わる。共著者の本を読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
著者の息子が心の病から自死にいたり、脳死判定を受け、腎移植を決断する。
脳死という考えを、当事者というか、肉親の立場から考える。科学上、また、医学上、脳死は、一定の判定をクリアするとそういう判定となるが、死というものは、ここまでが生きていて、ここからが死んでいると言う風にスパッと決められるものではない。肉親は、特にそうだ。少しずつその死を受け入れていく。
自分の息子の死を題材にしているので、主観が入るのは当たり前だし、仕方がないが、ちょっと感情的な文章というか、表現になっているところもあった。それが悪いというわけではなく、だからこそ本書の意味があるといえる。 -
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『ガン回廊の朝』の続編。前著刊行後の10年間に、ガン克服に取り組む研究者や臨床医の姿を描いています。
まずは、二重造影法による胃ガンの早期発見法を確立した市川平三郎自身が、早期胃ガンであることが判明したことがとりあげられています。国立がんセンターで手術を受けた市川は、速やかにセンターの勤務に復帰することができました。これは、早期胃ガンの診断と治療の確立を意味しており、ガンとの戦いにおいて貴重な勝星をあげたに等しい意義があるとされます。
また著者は、研究者と技術者が協調しながらガン克服に向けて研究を進めていく様子を描いています。超音波検査とX線検査は、工業技術の発展と手を携えて進展していくこ -
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心を病んでしまった息子(洋二郎)が自殺を図って病院に搬送されてから脳死に至るまでを綴ったエッセイ。
臓器移植や脳死判定の手順等が詳細に書かれていてます。
洋二郎が書いた短編小説も収録されており、心を病んだ洋二郎の心境の考察を試みていました。
エッセイなので著者の主観も入っています。 自分は個人的に、この著者は生理的に受け付けられないタイプだと思いました。なんとなく「そんなんだったから、俺は言ってやったよ」とか、「こんなに苦しんでいる人がいるんだからお前もこうしろ(著者はこうは言っていません。あくまで私の感想です)」といタイプが苦手な方にはお勧めできません。 -
Posted by ブクログ
絵本を選ぶ目は確かだと思う。しかし、それらを紹介する記述がくどいというか、胸に響かない。本を紹介する難しさをあらためて感じた。絵本に寄りすぎているか、本人が出過ぎているかのどちらかで、エッセイに成りきれていない。
ただし、『星の王子様』だけは飛び抜けて素晴らしい。亡くなった息子さんとのやりとりがなまなましく、心の深みが感じられるからだ。
・絵本は文学の重要なジャンルではないか、いや正確に言えば、絵本とは、簡潔に洗練された言葉と象徴的な絵と音読する肉声とが一体となって物語の時空を生み出す独特の表現ジャンル。
・なぜ「今、大人こそ絵本を」なのか。1.仕事やお金のことばかりではなく、豊かな感性や