柳田邦男のレビュー一覧

  • 絵本の力

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    色々と至らなさすぎる未熟な親だけど、私を媒介してたくさんの素敵な絵本に子どもたちが出会えるようにしてあげることは心がけている。商業主義的な児童書や絵本が増える中で、故松居氏がいらした福音館書店は、心から信頼できる出版社の一つだと思う。

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    2025年12月21日
  • 砂漠でみつけた一冊の絵本

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    絵本の単なる説明や紹介ではなかった。ひとつ、あるいは複数の絵本について、柳田が主催している読書会の話題で取り上げたり、読者からのリクエストであったり、翻訳絵本をどのように絵本にするを、訳者、画家、絵本作家、出版社と話し合う、というような様々な状況での絵本の話であった。もちろん巻末には推薦する絵本を列挙しているが、それが本文で挙げられた絵本の全てではないような気がする。

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    2025年11月29日
  • 「死後生」を生きる 人生は死では終わらない

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    表紙の裏に書かれています。「著者の言葉」
    「人間、死んだら終わり」といわれますが、私はそうは思わない。
    なぜなら、人の精神性のいのちを映す最後の生き方や言葉は、遺された人の心に生き続け、その人生を膨らませていくからです。
    このことを私は「死後生」と呼んでいます。

     ここで、般若心経入門―――276文字が語る人生の知恵 松原泰道
    147から148頁の一部を紹介
    「色不異空」
     仏教思想の「空」は、零を意味するシユーニャから派生した抽象名詞「シューニャーター」の訳語で、単に無いとか存在しないとかいう意味ではありまさえん。
     むしろ、あるものが目に見え、存在する事実を認めたうえで、さらに考えを発展

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    2025年11月02日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    細かく、事故のこと、それざれの怪我の痛みや、苦痛、日常生活がおくれない、人生がこんなにも変わってしまうのかと、壮絶さ、終わることない事故とのつながり。

    両足を切らずに、壮絶な痛みと苦しみと闘い抜いた山下さんの話が、ちょうどコロナと溶連菌のダブル感染で苦しみと闘ってた私を奮い立たせてくれた。

    別の記事で、JR西日本が治療費の支払いに前向きじゃないし、彼らに会うのが苦痛で和解にして、実費で治療費を支払っている人が大多数なんだと、なんて世の中なんだと非情さを感じた。

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    2025年09月28日
  • 空白の天気図

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    昭和20年8月6日の広島への原爆投下。続く9月17日枕崎台風は上陸地の九州でなく広島県下で最大の死者を出す。原爆と台風、二つの災禍に立ち向かった広島地方気象台の戦中、戦後を描いたノンフィクション。
    気象視点からの原爆被害特に黒い雨の分析が秀逸。
    主人公の一技師の観測精神に感動。

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    2025年08月06日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    ネタバレ

    事故が起きると、その原因や死傷者の数の報道がメインとなり、時間の経過とともに風化する傾向にある。しかし、事故に遭遇した被害者自身や被害者家族の苦労について詳しく知る機会はほとんどない。事故から何年経とうとも、被害者家族にとっては忘れることのできない心の傷も残る。福知山線脱線事故は、阪神淡路大震災の後だったこともあり様々な点で経験値が生きて、救助活動等大いに役に立った。大事故はもちろん起きて欲しくないが、その経験を活かし、安全な社会となって欲しい。

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    2025年07月16日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    2005年に起こったJR福知山線の脱線事故。著者の柳田邦男さんは、この事故の事故調査にオブザーバーとして関わると共に、遺族、重傷を負った被害者や家族、医療従事者、専門家等に取材を重ねた。それが詳細に書かれています。
     脱線から転覆までわずか10秒。その間に何が起こったのか。遺族や、命は助かったけれども、重傷を負った被害者のその後の苦悩。それらが、読む者にも悲しみや苦しさを感じさせる。

    命は助かったけれども、障害を負い、何度も手術を受けなければならなくなった人、心に深い傷を負い、「どうして私が助かってしまったのだろう」と苦しむ人、脳に障害を負ってしまった人。どれだけ多くの人々が事故の後遺症に、

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    2025年06月29日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    単行本2冊分ほどありそうな分厚さ。
    ひたすら読み進めながら事故の凄惨さを知る。
    1〜2章では体験談、その後、細かな描写が描かれている。
    5〜6章の企業とのやりとりには熱量まで感じさせられる、忍耐のあるやりとり。
    20年経っても風化させない、思い出すことの大切さを学んだ


    生きている限り、私の娘への思いは変わることなく、悲しみは消えることはないでしょう。しかし、娘の死の悲しみによって、私が人生を見失うことになれば、娘の生きてきた人生も意味のないものとして、娘の存在を否定することになってしまうのではないかと思います。それでは、私は娘を二度亡くしてしまうことになります。娘のいのちは、私の中で生き続

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    2025年06月26日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    89歳になる柳田さんがで書き上げたドキュメンタリー。 事故後の人々の人生をしっかり追っており、感動した。
    加害企業と被害者が共に原因を究明することの貴さが描かれている。
    これに比べて原発事故の加害企業の姿は、無残すぎて比較もできない。 

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    2025年06月21日
  • この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ

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    危機管理とは何かを考え続けている。本書で著者が指摘している事は、一つ一つ胸に刺さる。ただ、どうしてこのような失敗を繰り返すのか?という疑問は、結局一つの解はなく、巨大システムの責任を負う者が過去の事例やリスクの大きさに対して謙虚に受け止めて対処する心構えを持ち、行動するか、にかかっている。肝に銘じる。
    著者の作品は他も追いかけておきたい。

    気になった箇所を書き留める:
    - では、線引きなどはしないで、発生確率が「極めてまれ」な事象であっても、すべて防災対策の対象に入れるべきなのかというと、そうではない。事業においてコストなどの現実的な制約は避けられない。問題は、発生確率の大小ではなく、その災

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    2025年06月19日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    JR西日本の福知山線で脱線事故が発生して今年で20年になります。多くの犠牲者、怪我人が発生し、JR西日本の懲罰的な日勤教育などが運転手を追い詰めていたことなどが明らかにされました。

    本書前半部では事故に遭いながら命を取り留めた人やその家族からの証言により事故列車に乗車することになった経緯や、救出された経緯を再現、亡くなった方の遺族からの証言によって遺体の身元確認に至る経緯などを辿っています。
    そして次に描かれるのは、命を取り留めた人が入院中や、社会復帰に向けての日々に直面した障害や葛藤に触れています。生き残った人は、横倒しになった車内で多数の乗客が折り重なった状況で、自分自身よりも下にいて命

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    2025年05月21日
  • 犠牲 わが息子・脳死の11日

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    ちょっとした好奇心から読み始めたんだけど、望外の収穫が得られる良い本だった。
    20年以上前の作品だけど人間の根源に関わる普遍的で全ての人が無関係ではいられないテーマで、まったく古さを感じさせない。それどころか、医学が発達するほどジレンマに陥る脳死という問題。
    作者の息子さんの人生を追体験するかのような前半と、脳死論の二部構成。
    次男の遺した文章を織り交ぜる内容でリアルな人物像が浮かび上がるが、一歩引いた視点でまとめられている。現実には父親として想像を絶する苦悩があっただろうに、ここまで冷静に綴られていることに感服した。それでも我が子への愛情がにじみ出ているのが胸を打つ。同時に、作家というのは因

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    2025年04月07日
  • 悲しみとともにどう生きるか

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    【目次】

    まえがき(入江杏)

    第一章 「ゆるやかなつながり」が生き直す力を与える(柳田邦男)

    第二章 光は、ときに悲しみを伴う(若松英輔)

    第三章 沈黙を強いるメカニズムに抗して(星野智幸)

    第四章 限りなく透明に近い居場所(東畑開人)

    第五章 悲しみとともにどう生きるか(平野啓一郎)

    第六章 悲しみをともに分かち合う(島薗進)

    あとがき(入江杏)

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    2024年10月11日
  • 空白の天気図

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    8/6の原爆と9/17の枕崎台風を結びつけて考えた事はなかった。
    当時天気予報が今のように機能していれば被害はもっと小さかったかもしれない。

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    2024年08月22日
  • この国の失敗の本質

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    著者が特定の雑誌に載せたエッセイ風の小論を集めたものに書き下ろしの文章を加えたもの。失敗について、責任者探しをするだけではなく、今後同様の失敗が繰り返されないようにするための調査・分析をすべきである、という主張を軸にしている。考え方のベースにほぼ100%賛同できる。この本は20世紀末に書かれたものだが、2024年である現在に至っても日本の状況は残念ながら大きくは変わっておらず、今だに「正直者が馬鹿をみる」世界のままである。官僚や悪徳経営者たちは今後も蔓延るだろうが、それを変えてくれる猛者の登場を待つだけでなく我々一人ひとりが、「それでいい」という考え方を捨て、新しい価値観に切り替えていかなくて

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    2024年06月01日
  • この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ

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    ネタバレ

    現在、柳田邦夫氏のような存在感のあるノンフィクションライターはいるだろうか。日本人特有の危機管理の甘さを痛感するばかりである。昨今のコロナ対応での脆弱ぶりにも目を覆うばかりである。ドイツでの対応ぶりの比較されていたが唖然としてしまう。本書最後にある日本政治に対する分析はうなずくばかりである。政治不信と言われてすでに何十年。この先の日本は大丈夫であろうか?

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    2024年04月20日
  • 空白の天気図

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    この本のことは、You Tubeでみた池上彰と柳田邦男の対談で知った。気象台絡みた戦争、戦後史とまとめれると思うが、あらゆるインフラを破壊された中での気象観測、原爆の後に襲ってきた台風。京都大学の研究班が台風で罹災したことは知らなかった。

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    2024年03月24日
  • みんな、絵本から

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    私は、やっぱり紙の本が好き。電子書籍って、結局スマートフォンやタブレットをいじっているのと一緒だと思う。

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    2024年03月23日
  • 空白の天気図

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    広島の気象台から見た、原爆と枕崎台風のノンフィクション。
    枕崎台風によって広島では2,000人もの方が亡くなられた。通常、台風によってこれだけ多くの方が亡くなることはない。なのになぜ、あまり注目されていないのか。

    巨大な災害の後に起こった大災害。
    それがどのような災害であったのか。なぜここまで拡大してしまったのか。実際、どんなことが起きていたのか。
    そこにいた方たちの姿が、息遣いが、伝わってくるように感じ、震えました。
    気象台の方々の、技術者、研究者としてのご尽力を知り、頭が下がる思いでした。
    読み終えた後もずっと、頭と胸に感覚が残っています。

    本書を読み、災害は、その規模の大きさゆえに二

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    2023年09月06日
  • 犠牲 わが息子・脳死の11日

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    「家族にしてみれば、~脳だけを見て語りかけているのではない。温もりのある体全体、喜びや悲しみを表現してきた体全体に語りかけ、その体全体から最後の何かを読み取ろうとし、需要への物語を創ろうとしているのだ。」
    とても素晴らしい1文だと思った。
    このような考えや姿勢こそが、つまりは愛なのではないかと感じた。
    脳死に限らず、人の死について考えることの出来る良書。

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    2023年08月21日