柳田邦男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絵本を選ぶ目は確かだと思う。しかし、それらを紹介する記述がくどいというか、胸に響かない。本を紹介する難しさをあらためて感じた。絵本に寄りすぎているか、本人が出過ぎているかのどちらかで、エッセイに成りきれていない。
ただし、『星の王子様』だけは飛び抜けて素晴らしい。亡くなった息子さんとのやりとりがなまなましく、心の深みが感じられるからだ。
・絵本は文学の重要なジャンルではないか、いや正確に言えば、絵本とは、簡潔に洗練された言葉と象徴的な絵と音読する肉声とが一体となって物語の時空を生み出す独特の表現ジャンル。
・なぜ「今、大人こそ絵本を」なのか。1.仕事やお金のことばかりではなく、豊かな感性や相手を思う心などに気づかせてもらえる。2.落ち込んだとき、年老いたとき、心をほぐしてくれる。3.メディアが錯綜する中で、絵本は親と子、大人と子どもが同じ空間と肉声と表情と物語の世界を共有できる
・幼少期の感情の分化を再体験する。
・一般的には「回想」することで、楽しいと感じることが多い。人生のさまざまな変化に対して、うまく適応していくのを助けるのが回想。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私が柳田邦夫氏の著作を初めて読んだのは「日本の逆転した日」という文庫本でした。中学生のときだったと思います。自動車のロータリーエンジンや、製鉄での転炉など1980年代に日本の工業時術力が世界に追いつき、そして世界一になるドラマを様々な業界の実話をもとに丁寧な取材で詳しく述べられていました。工業技術や巨大システムを論じさせれば随一の視点をお持ちの柳田氏が福島原発事故やJCO東海事業所での臨界事故などにどのような視点をお持ちであるか、興味深く読みました。「複雑で高度な技術してステムではシステム中枢部は安全確保に万全の配慮をした設計になっているが、システムの縁に当たる部分でまさかと思われるミスなどが起きやすく、それが引き金となってシステム全体の破壊を招く」という柳田氏の「辺縁事故」という概念は、非常用発電機の不備によって重大な事故に至った福島原発事故の本質を的確に押さえていると思いました。