柳田邦男のレビュー一覧
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第2次世界大戦がはじまる前、当時の中央気象台は軍による統制を受けることになり、真珠湾攻撃における気象予報も行った。戦時は人員も拡大し、軍事に資する気象予報を行う。
昭和20年8月1日には、中央気象台が大本営に組み込まれ、大本営気象部となる発令がでるはずだったが、ポツダム宣言の諾否にかかる調整で二の次のなるなか、原子爆弾が広島と長崎に落とされる。
終戦後、通信事情が悪くなったこともあり、気象電報の入電がほとんど止まってしまう。8月17日午前6時の入電は、前橋の熊谷の2地点だけという状態であった。
これでは天気図が書けるわけもなく、空白の天気図が残されている。しかし、8月22日には気象管制が解 -
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柳田邦男はノンフィクション作家。「この国の危機管理 失敗の本質」という表題から分かる通り、危機的状況に陥った際の、日本の国としての対応の失敗の状況を描写し、その原因を探ったドキュメンタリーが本書だ。
多くの事例が取り上げられている、ミッドウェイ海戦、水俣病、福知山線脱線事故、鬼怒川堤防決壊、熊本地震等。しかし、本書で中心的に取り上げられているのは、コロナ禍と東日本大震災に伴う東京電力福島原子力発電所事故、特に後者の原発事故問題である。それを、「誰がこんな失敗をした」というような個人的な問題に帰すことなく、システムの問題として捉え分析を行い、本書で語っている。
原発事故で言えば、下記のような分 -
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今では当たり前の様々な絵本がどのように日本や世界で発展していったのかや、絵本の持つ力、可能性を知れてとても素敵な本でした。
私が感銘を受けた絵本でも、子どもはただ読んだだけで何も感じていないことをずっと残念に思っていましたが、「言葉を詩のような響きとしてぱっと感じるだけでいい。一度子供の心の中に伝えておくと、人生の歩みのどこかで発見をする種蒔きになる。」という主旨が書かれていて、これからもたくさん絵本と関わらせてあげたいなと思いました。
大人が楽しむ絵本の話もとても納得がいき、私もどんどん楽しんでいきたいと思います。
国内外の絵本作家や絵描きさんに詳しい御三方の会話なので、当然の知識のようにた -
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防災対策とは、人々の命や財産、地域を守る対策のことだ。議論の余地もないくらい自明のことだが、国や自治体の防災対策の実態を見ると、この自明のことがなされているとはとても言えない。
(引用)この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ、著者:柳田邦男、発行2022年3月、毎日新聞出版、309-310
不安定な国際情勢、新型コロナウイルスによる感染拡大、多発する自然災害・・・。我が国を取り巻く環境は、常に「危機」に晒されている。この危機に対して、私たちは、日頃から備えをすることができるのだろうか。その答えは、かつての寺田寅彦氏が指摘したとおり、私たちの祖先が経験してきた「過去の危 -
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ネタバレ絵本が大好きな気持ちがあふれる。
大切に、大切に読み進めたい一冊。
河合隼雄さん
「すべての人が自分の心の中に秘密の花園をもっている。その花園の中に何を植え、何を育てるのかというのは、その人の人生の大切な課題」
「これだというものをもっている子は、ものがなくても悠々としている。」
松居直さん
「耳から聞いた言葉の世界と目で見た言葉の世界が子どもの中で一つになります。そこに絵本ができる。」
「絵本の中に印刷されている挿絵は静止画ですが、子どもの中に見えている絵本の絵は、生き生きと動いている。」
『自分で絵本の物語の世界をつくる体験をする。そういう体験が実は絵本の本質に触れることです。』
絵 -
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終戦のあと2年ぐらいに大きな台風被害が日本で出たことはきいたことがあったが、原爆投下の翌月である1945年9月に広島を枕崎台風が襲ったことは、不勉強にして知らなかった。
その意味で、魂のこめられた(=臨場感があって読みたくなる)ノンフィクションとしてこのような記録がのこされたことの意義は非常に大きい。著者があとがき(p.428)でも言うように。
自分自身も、読んで本当によかった。
原爆投下の瞬間の閃光・熱戦(p.91)や、その後の街中の人々の死にかけたような様子(遺言をきいて下さいとか、水を下さいとか。P.139)の描写も鮮烈で印象にのこるが、やはり9月の台風の時のおそろしさ(河川水位上昇、 -
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技術の発達は私たちに様々な恩恵を与えてくれる。その反面、使う
側の人間が振り回されることも多いのではないか。
本書は1979年3月28日に発生した、アメリカ・スリーマイル島原子力
発電所の事故を再現し、巨大なシステムを運用する際の安全面を考察
している。
ヒューマン・エラーとして片づけてしまっては、巨大事故の本質は
見えてこない。では、何故、ヒューマン・エラーが起きたのか。
そこには最新技術への過度の依存と、その技術が使う側の視点から
構成されたシステムではなかったことが大きい。
重大な危機に直面して、人は平常心を保っているのは難しい。どうに
かこの危機を脱しなけれ