柳田邦男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦後大きな台風が来たのは知っていたが、
ここまで詳しくは知らなかった。
大きな戦争があり被害者としてその場にいる方々が、
職人としか言いようの無い思いや行動、
考え方のおかげで結果や情報が残され後世に伝わっていく。
8月6日からの広島の様子、
今多くの情報や資料として残されている以外のものも
たくさんあったんだろうが、権力や敗戦国としての立場で
日の目を見ないものもあるんだろう。
けれど、苦労して手に入れた情報を活かしているのかどうか。
立場や環境が違えば、大きな災いも資料となり得る。
そして、あとがきにある作者の思いと、
解説の「想定内の事実が起こってしまった」
の文章をしっかり考えたいと -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の歴史を紐解いても、これほど残酷で凄まじい1ページはないことでしょう。広島に原爆が落とされた直後、昭和の時代で三本の指に入る台風がその現場に襲いかかったなんて、僕は今の今まで知りませんでした。
この「忘れられた災害」をどう捉えるべきなのか、読み終えてもなんとも言葉のない、やり切れない一冊ではあります。おそらく作者の柳田もそうだったのでしょう。
しかしこの本は、単なる惨劇の記述に終わってはいません。
むしろ、そんな惨劇の土地の真っ只中にありながらも、自分たちの仕事を放棄したりしなかった気象台職員たちの熱意が主題となっています。それがあるからこそ、読者もそこに一筋の光明を見るよう -
Posted by ブクログ
広島・原爆と来れば、壮絶な記録であるのは当たり前である。しかし、
終戦前後の気象観測に切り口を持って来たところが、さすが「柳田
ノンフィクション」なのだろう。
爆心地から離れていたとは言え、広島気象台も原爆投下の被害を
受けずには済まなかった。建物のガラスは四散し、立っていた者は
爆風で吹き飛ばされる。
観測機器も勿論被害を受け、気象観測どころではない。通信設備や
無線も使えない。それでも、広島の状況を東京の中央気象台に伝え
なくてはならぬ。
気象観測に欠測は許されぬ。東京の中央気象台に送れなくても、
満足に機器の修理も出来ぬまま広島気象台は気象観測を続ける。
そして襲った枕崎台風であ