柳田邦男のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
精神病により自殺を図った息子が脳死を経て心停止するまでの11日間において、父親として臓器移植等を体験し考えたことを綴ったノンフィクション。
海外文学作品を引用した心情表現、医学の専門的な内容等、難解な部分はあるものの、あとがき、解説等が充実しており、読みやすく工夫されている。
家族が脳死になったら家族としてどう向き合うか、また、自分が脳死になった場合の臓器提供をどうするか等、考えずにはいられなくなる内容だった。
読後に少し調べてみたところ、本書が発行されてからの25年の間に臓器移植法が制定・改正され、本書発行時は認められていなかった心停止前の脳死患者からの臓器移植も行えるようになっているよ -
購入済み
先人の英知
国立癌センター設立時の実話です。
50年以上も前から早期発見、早期治療を呼び掛けその時代でできうる限りの最高の医療を目指し奮闘する医師たちの姿に心を打たれました。 -
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昨日友人の子供の2歳の誕生日プレゼントに、図書カードをあげたのですが、
本を選ぶ目安になればと思い、タイトルだけでこちらの本を買ってつけて贈りました。
贈る際に、紹介できるようにと自分も読んでおこうと思い、別で購入して読みました。
私は小さい時に国語の先生だった祖父がよく児童文学を読んでいたのを、膝の上で聞いていたそうです。
また、「ノンタン」のシリーズの絵本を父親に読んでもらっていたのを覚えています。
今思えば、あれはすごく恵まれた日常だったのかなと思います。
子供向けだと思っていた絵本も、すごく深い意図があって細部まで絵と文字が作られていることを、
エピソー -
Posted by ブクログ
国立がんセンター総長の田宮猛雄がガンにより死去したあと、国家事業としてセンター設立を決定した時の首相・池田勇人が、咽頭ガンによりセンターに入院することになります。総長の比企能達をはじめとするセンターの医師たちは、マスコミ対応に苦慮しながらも池田の治療に専念し、池田自身の驚異的な体力も味方して、東京オリンピックの開会式への首相の出席を実現するに至ります。
そのほか、胃ガンに比べて早期発見が難しいとされていた肺ガンの克服に向けて、ファイバー・スコープの改良に取り組む医者と技術者の二人三脚の様子や、ガンという病に対する医学の限界を誰よりもよく知っているセンターの医師たちが、みずからガンに侵されたと -
Posted by ブクログ
1962年に設立された国立がんセンターを舞台に、ガン撲滅のために戦った臨床医や研究者の姿を描いたノン・フィクション作品です。
入道を思わせる相貌で、センターの医者たちを厳しく指導した院長の久留勝と、学閥にとらわれることなく全国から人材を呼び集め、久留たちが働く研究と治療の舞台を整えたセンター総長の田宮猛雄をはじめとして、最先端の医療に取り組む医者たちが登場します。久留を中心にしたカンファレンスでは、各人の診断が厳しく検証されました。彼らは、そのような切磋琢磨を経て、ガンの早期発見・治療の成果をあげていきました。さらに著者は、縦割りの弊害を乗り越える外来部・病棟部・臨床検査部の三部門制や、患者 -
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脳死に向き合う父親の、情に寄り切らず、理にも寄り切らない、率直な思いと考えを述べたドキュメンタリーである。洋二郎氏は存命であったなら恐らく優れた作家になってであろう感性と文章力を感じさせられるが、彼自身の好きだった作品名を章名に用いて作品名もタルコフスキーの「サクリファイス(犠牲)」から拝借している。
愛する人の「実感とは異なる死」と対峙したとき、医学的法的解釈では到達し得ない「何か」を11日間の感情や思考の変遷とともに的確に言い表している。死は点ではなくプロセスと捉え、死を状態ではなく受け止める側の在り方なのだと感じさせられる。特に臓器移植を決意したあとに、腎臓の提供は許諾したものの膵臓は -
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物語は著者である柳田さんが堀越二郎氏にインタビューする場面から始まる。
インタビュー時の堀越氏の年齢は72歳。
そもそも柳田さんが零戦に関心を抱いたきっかけは新聞の投稿川柳だった。
「ゼロ戦の心長髪族知らず」
では「ゼロ戦の心」とはいったい何なのか?
掲載紙である読売新聞紙上で、読者の投書による論争が始まったのだ。
飛行機の構造について何ひとつ知識を持たない私にもわかるように、とても丁寧に当時の様子が再現されていた。
まったく新しい発想による戦闘機の開発。
若き技術者たちが集まり、それぞれの得意分野において全力を尽くした結果が「零戦」という形をとったのだとわかる。
わずかな狂いも許されず、軍部