柳田邦男のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレNHKの「100年インタビュー」という番組での言葉をまとめた一冊だそうです。なので非常に読みやすく、また字も大きく、ポイントとなる言葉はさらに強調されているのでさくっと読むことができてしまいます。
人生の支え、特に悲しみや孤独を感じたときの支えになってくれそうな言葉がいくつも出てきます。
「人間は物語ることによって、生きる意味を見出せる」
「あるいは人間が生きている意味は物語らないとわからない」
「悩み、悲しみ、つらさは全部、自分が生きる糧となる」などなど。
自己肯定感を持つということの大切さも書かれています。
それからヒトデの例え話に感心しました。
これはボランティアをする上での考え方に -
Posted by ブクログ
これまで何度も日本を襲ってきた自然災害。
その中で、日本人がどれだけ学び対策を考えてきたのか。
自然災害で大きな被害が出るたびに、これまでの経験になにも学んできていないのではないのかと思わされる。
安全対策と経済性の間で、経済性が優先され、そのことによって大きな被害が生まれていくのだとしたら、そして、その責任逃れのために、「想定外」という言葉が使われるとしたのだったら、すごく悔しい。
日本は、多くの自然災害にあい、少しずつは進歩している。そのことはこの本を読んでいても感じる。
でも、まだ不十分。
今回の災害でより大きな進歩があることを望む -
Posted by ブクログ
私にも懐かしい本が、柳田氏にも!、と登場することは嬉しい。約50年を経てどう受け止め方が変わったかは、私自身も興味がある。著者もその経験をしている。「風立ちぬ(堀辰雄)」「測量船(三好達治)」「あすなろ物語(井上靖)」「トニオ・クレエゲル」「青春彷徨(ヘッセ)」「異邦人」「千曲川のスケッチ(島崎藤村)」「野火(大岡昇平)」「賢者の贈りもの(オーヘンリー)」など。一方で知らなかった人尾崎喜八の「山の絵本」は新発見。童心に帰るという意味でぜひ読んでみたい。シューマンの「詩人の恋」の「限りなく美しい5月の月に」を何度も口ずさむ場面が出てくるとのこと!文章も美しい。太宰治の「ダス・ゲマイネ」はドイツ語
-
Posted by ブクログ
ネタバレ柳田さんのご子息が自殺を図り、脳死状態に陥った。家族の11日間の体験と苦悩、そして脳死が人の死と定義するか、医療と家族の意識の違いも書かれています。
脳死と臓器移植についての話も興味深かった。
タイトルの「犠牲」とは映画のタイトルと内容に関わってくるが、世界が平和で誰かが幸せであるためには、何かが、あるいは誰かが犠牲になっているのだと言う話も出てくる。
精神患者の多くが、人よりも繊細で優しく感じやすい特徴を持っている。
それ故の苦悩、それゆえの自己犠牲。理解できない人もいるかもしれないが、自分の存在理由や意義を考え過ぎてしまうと生きるのがとてもつらくなるのだ。
作者は作家ゆえ何が真実か知ろうと -
Posted by ブクログ
精神病だった息子が自殺を図り脳死した。その父親の手記。
息子の死から立ち直る為
脳死と臓器移植の関係に一石投じる為
に書かれた作品。
最近ノンフィクション系を立て続けに読んでいる。大体、精神が病んでたり、余命数ヶ月だったりする訳で、物語の至る所で死の影がチラついている。正直未だ「死」について深く考えたことは無いが、「死」にとって最も大切なことは、それに至るまでのプロセスなんだろうと思った。
余命を宣告された癌患者はその日に向かって、思うが侭に「死」へのプロセスを歩み始める。
脳死から心停止するまでの僅かな時間は、周りの人々がその「死」を受け入れる為のもの。つまり脳死とは「死 -
Posted by ブクログ
『脳死』というものを、私は医学生の立場としてしか理解していなかった。例えば脳の状態がどうとか臓器移植がどうとかである。そんな私にとってこの本は衝撃であった。
この本は、遺族の視点で脳死をみることができるのが本書のポイントであろう。これは、脳死の息子が亡くなるまでの様子、家族の心情の変化をその父親が書いている。しかも作家の柳田邦男だけあってすごく克明に深く考えられて描かれている。柳田邦男は家族として脳死と向き合った。そして、息子の脳死を通して改めて脳死について考えるのである。この内容は是非本書で読んでいただきたい。本書を読むことで脳死について深く考えるきっかけが得られるはずだ。