柳田邦男のレビュー一覧

  • 零式戦闘機

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     世界に名高いゼロ戦の開発に焦点を当て、『技術者とはかくあるべし』を豊富な取材とインタビューで綴った、名作です。とうてい実現できそうもない目標値をおき、それを現実のものにしていく唯一の道は、あきらめずにやり続けること。そして、小さな一歩を積み重ねること。ゼロ戦の機体設計で貫いた、グラム単位の軽量化へのこだわり、ねじり下げ翼などの新技術を果敢に取り込む姿勢、すべてが技術者の鏡。
     また、太平洋戦争当時、前線の局地的勝利を追求するあまり、増産と改良パッチ当てを続け、次期型機の開発に遅れた結果、類型1万機強も生産されながら戦争終盤でアメリカの戦闘機軍に太刀打ちできなくなったという物語も、マネジメント

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    2012年04月09日
  • 僕は9歳のときから死と向きあってきた

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     ノンフィクション作家が病死やがん死の観点から生と死の問題に向き合った論考集。少年時代の空襲体験と、父と次兄の病死。著者は、そのころから日常のなかに死があったという。

     NHKの記者時代より、戦争、災害、事故、公害、薬害など、現場における生と死の形を見つづけた。医師による心蘇生術のためにかえって死にゆく者のよきイメージがそこなわれることがあることも知った。そのなかで57歳の夏に、次男が自死してしまう。聴覚だけは最後まで生きていると看護師に教わり、昏睡状態だった息子に話しかけ11日間やれるだけのことはやったという思いが、その後、愛する者との死別を受け入れることにつながった。

     在宅ホスピスと

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    2011年11月29日
  • この国の失敗の本質

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    結構古い本で、阪神大震災とか、
    もんじゅとか、オウムとか、第二次世界大戦とかがテーマなんだけど、
    その当時から全く変わってないな日本は。って思った。

    東北の大震災や福島原発はその当時の反省を少しでも活かせてるのでしょうか??

    あまりにも「縦割り・内向き・保守」が染みついてしまっている気がする。

    もちろん私も例外でなくて。

    もし私が、戦時の人間で、死ぬか捕虜になるかみたいな場面があったら、
    きっと、死ぬことより狭い社会でつまはじきにされることのが怖くて死んで行ってたんだろーなぁと思います。

    今だって、自分がピラミッドのどの位置にいるかとか気にしてびくびくして、枠組みの中で物事考えて、自

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    2011年11月26日
  • 恐怖の2時間18分

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    スリーマイル島の原子力発電事故についての柳田国男さんのレポート。
    前半は事故初期段階での原子力発電所内の様子、およびその原因となった技術的、システム的な問題についての記述。後半はマスコミや行政の対応における問題点についての考察。
    図らずも原発の仕組みについては詳しくなってしまっているので、特に前半は内容をよく理解しながら読めて興味深かった。ただ読みながらつくづく感じてしまったのが、「福島と比べるとずいぶん軽い事故だったんだなー」ということ。
    福島については、問題収束はだいぶ先だろうし、現状把握すらまだまだだけど、いつか福島についてもこのくらいきちんとしたレポートがまとまったら是非読みたい。

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    2011年06月02日
  • 空白の天気図

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    原爆直後の台風一過。

    広島に原爆が投下された8月6日、その1ヵ月後の9月17日、観測史上稀に見る大型台風が広島を襲った―――。
    中央気象台は各地方からの測定結果を元に天気図を作成しているが、何らかの事情で地方からの入電が途絶えると、その地域の天気図は空白になってしまう。
    枕崎台風でも同様の事が起こり、九州南部から空白地帯が広まっていった。それは台風の進行と重なり、今回の台風の尋常ならざる勢力を示したいた。
    被爆直後の広島では通信業が途絶え、情報を市民へ提供する術が無かった。警報を示す赤い旗を掲げるも、その意味を理解しえた市民は少なかった。
    そして迎えた9月17日、台風はバラックを吹き飛ばし、

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    2010年08月14日
  • いつも心に音楽が流れていた

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    すべての章が音楽に関するものではないけれど、音楽の持つ力について、また著者がその人生のなかで音楽とどういう付き合い方をしてきたか、などが書かれている。演奏会の後、『あまりに美しいので、なんだか胸がいっぱいになって涙が溢れてしまいました』といわれた方がいらしたとか。著者は、『心の奥にしまいこんでいたたくさんの悲しみが、美しい音楽によって封印を解かれて、涙となってあふれだしてきたということではなかろうか』といっているが、本当にそうだと思う。普段は人に見せることのない心の奥にすうっとはいってきて、心を震わせるのだ。ジャンルは問わない。その人の心震わすものが、いい音楽なのだ。絵本に関するエッセイ集『大

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    2011年07月17日
  • 零式戦闘機

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    会社の課題図書でした。
    零式戦闘機の開発をめぐるノンフィクションストーリー。
    この時代にこんな機械を作ったことに対する驚きが一番大きいですね。
    とにかく危険極まりない実験と、なんだかんだのしがらみ。
    安全、攻撃性などなど様々なことを考慮しなければならない状況での開発の大変さが身に染みました。

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    2009年10月07日
  • 空白の天気図

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    広島へ原子爆弾が投下された前後を気象台の所員の動きを通して描いています。原子爆弾の直接の被害に目が向きがちですが,その直後に広島に上陸した超大型の枕崎台風が広島に更に追い討ちをかけたことは,まったく認識外でした。広島出身なので,おなじみの地名も出てきてより臨場感を感じつつ読むことができました。

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    2009年10月04日
  • ガン回廊の朝(あした)(上)

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    「ガン」という病が死の病扱いされていたころの、医学会の闘いの物語。この話の未来が、現在の医師不足、続く医療事故になってしまうとは…

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    2009年10月04日
  • ガン回廊の炎(上)

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    「ガン回廊の朝」の続編。

    ガン制圧のために医者、看護婦、研究者が
    さまざまな研究、開発をしていく経過が描かれてある。

    途中、医療機器の開発のことも
    詳しく書かれており、
    その変はかなりマニアックで
    途中で読むのを止めようかと思ってしまった(笑)

    でも、お医者さんたちが、
    途中、ガンを取り除くだけではなく、
    その後の患者さんの気持ちを
    一生懸命考えて、
    痛みを減らす努力や、
    たくさん患者さんの気持ちを聞いてあげる・・・
    その辺の努力が書かれていたので、
    興味深く読めた。

    ターミナルケアについて描かれてある部分では、
    やっぱり、父親の事をあれこれ考えた。
    本当なら・・・父も最期の数ヶ月は

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    2009年10月04日
  • 空白の天気図

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    「枕崎台風」という台風は名前だけ聞いたことがあったが、本当に名前しか知らなかった。
    この台風は終戦直後の九月に枕崎に上陸し、広島を通って日本海に抜けた大型台風だそうだ。
    そう、広島なんである。一月前に原爆で壊滅状態に陥った無防備な広島を、巨大台風が襲ったのである。
    本書は、広島の気象台職員を主人公に、半ば小説仕立てで枕崎台風の被害を描いている。
     本書を読んで感銘を受けたのは、気象台の職員にせよ、病院関係者にせよ、学者にせよ、あの戦争のさなかで黙々と職務をこなしていたということである。
     広島・原爆というと、私が最初にそれを知ったのは子供の頃読んだ漫画の『はだしのゲン』であり、丸木依里の絵本で

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    2009年10月04日
  • 零式戦闘機

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    靖国神社に飾られていると、イデオロギーや政治上の意味を持されてしまう「ゼロ戦」も、この本ではひとつの、優れた飛行機として扱われる。この本で持つ意味は、開発陣の制約の中での性能の向上に対するあくなき追求と、創意工夫の結晶であるということに尽きる。どこかで読んだ言葉の受け売りだが、「優れたデザインには昂ぶりがある」。まさしくそのとおりだ。

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    2009年10月04日
  • ガン回廊の朝(あした)(上)

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    国立がんセンター発症当時のルポ。胃の二重造影、気管支鏡、肝臓切除術など今では当たり前となった技術の開発に血が滲むような努力がなされる。思わずこちらの消えかけた情熱まで燃えてくる。

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    2009年10月04日
  • はじまりの記憶

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    心の原風景を探す旅。それは単なる回顧ではない。明日をより良く生きるための不可欠の作業なのだ。仰ぎ見る空、ぽっかりとあいた心に吸いこまれていく音…。当代随一のノンフィクション作家と画家が、それぞれの記憶の深層を掘り起こし、「私という現象」の核心に迫る、刺戟的で稀有なコラボレーション。

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    2009年10月04日
  • それでも人生にYesと言うために JR福知山線事故の真因と被害者の20年

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    この本はどうしてこの題名になったのかな、と思ったが、事故のその後の描写を読むにつけ、この題名しかないな、と思うようになった。
    前半の事故の描写が壮絶なだけに、5章からのJR西日本との話し合いの膠着ぶりは読み進めるのが辛くてしばらく本を置いてしまった。
    それだけに、淺野さんの提案とそれに対する遺族の考えの一致は鳥肌がたった。
    苦渋の選択、たしかに手垢にまみれた言葉だけど、これもこのためにあるような言葉だと思った。

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    2026年04月19日
  • この国の危機管理 失敗の本質 ドキュメンタリー・ケーススタディ

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    一つの事故は現場の責任にあらず、その背景には社会的、構造的な原因があるとする。福島原発事故についても、原発安全神話に基づき、原発に津波が被り全電源喪失という事態を想定してこなかったという社会的構造的な要因があった。
    分析モデルとして引用されていた以下の二つの視点は有用である。
    ・事故要因のスライスチーズモデル
    ・mSHELモデル分析法

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    2025年09月20日
  • 「死後生」を生きる 人生は死では終わらない

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    なにやら胡散臭いタイトルで、あの柳田さんがついに“死後の世界”を扱ったのかと思ってしまった。実際にはそうした宗教とかオカルト的な内容ではまったくない。
    「人は死によって肉体は失くなっても、その人の生きた証である生き方や行為や言葉や周囲に寄せた愛や思いは、家族や親密な関係にあった人々の心のなかで消えることなく生き続ける」ことを“死後生”と名付けた。そのうえで、如何に生き如何に死ぬかを多くの実例から考察した本だ。
    特に事故や災害(コロナも含む)によって、不本意な形で死を迎えたケースが印象に残った。

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    2025年02月04日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    コロナ禍をテーマにした、識者たちの短いインタビュー記事が集められたものだが、人間の生死について、人間どうしの関係性について、また経済について(これに関しては私自身の基礎知識がなく、よくわからなかったが…)など、コロナ禍に限らず、人間社会が抱える普遍的で本質的な事柄が多岐にわたって言及されていた。
    色々なるほどと思う言葉に出会ったが、特に、世界的な傾向にある「分断」が抱える問題について、アメリカ人経済学者の言葉が腑に落ちた。彼は、それは誰か一人の責任ではなく「差異を超えて互いに話し合うことを妨げている深い分断そのもの」が問題であると語った。特定の人物に責任を転嫁させるような報道に違和感があったが

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    2023年05月26日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    文字通り、コロナ禍においてどう生きるかを説いた本。

    オムニバス形式なので統一感はないが、コロナについての各有識者の意見が知れたのは良かった。

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    2023年03月12日
  • 私たちはどう生きるか コロナ後の世界を語る2

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    金原ひとみさんと阿川佐和子さんの箇所が印象に残った。
    人との関わりや、孤独や苦しみは永遠には続かない事を改めて考えさせられた。

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    2021年12月19日