あらすじ
「生と死」を考える「希望」の書
人は死によって肉体は失くなっても、その人の思いや愛や言葉や行為は、遺された者たちの心の中でずっと生き続ける――。
88歳のノンフィクション作家、柳田邦男さんは、そのことを「死後生」と名付けました。
本書は、「生と死」というテーマに、半世紀あまり取り組んできた柳田さんの集大成的アンソロジーであり、逝く人、見送る人に贈る「希望」の一冊となっています。
【主な目次】
■「死後生」という希望の発見
■「人生の最終章」は自分で書く
■「さよなら」なき別れからどう生きなおすか
■わが心に生きる先人たちの「死後生」
日野原重明/金子兜太ほか
■「生きなおす」ための5つの視点
■「犠牲」――わが息子・洋二郎の「死後生」
■「死後生」の証――亡き人との15人の日常会話
■「人生の最終章」を支えた言葉たち
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Posted by ブクログ
表紙の裏に書かれています。「著者の言葉」
「人間、死んだら終わり」といわれますが、私はそうは思わない。
なぜなら、人の精神性のいのちを映す最後の生き方や言葉は、遺された人の心に生き続け、その人生を膨らませていくからです。
このことを私は「死後生」と呼んでいます。
ここで、般若心経入門―――276文字が語る人生の知恵 松原泰道
147から148頁の一部を紹介
「色不異空」
仏教思想の「空」は、零を意味するシユーニャから派生した抽象名詞「シューニャーター」の訳語で、単に無いとか存在しないとかいう意味ではありまさえん。
むしろ、あるものが目に見え、存在する事実を認めたうえで、さらに考えを発展させて、そのものがいまどうしてここに存在できるのであろうかと、さらに考えを発展させて、そのものがいまどうしてここに存在できるのであろうかと、その道理を明らかにしようとするのが空の思想です。
つまり、存在するものは、そのものだけでけっして存在できるのではない、他との多くのかかわりがあって、はじめてそのものが存在できるのです。
かかわりが無かったら、いかなるものも存在しえないというのを「目に見える存在は空に異ならない(色不異空)」というのです。
このかかわりあいのことの道理を「因縁の法(因果律とも」といいます。
そのことを踏まえ、この本を読んだら、著者のしめしてくれたことがとってもよく理解出来ると思います。
この世に人として生まれ、生きた証をしっかりのこす充実した人生を送る。
肉体は滅びても、しっかり魂はこの世に残っていくのです。
で、この本の内容ですが、
1章 「死後生」という希望の発見
2章 「人生の最終章」は自分で書く
3章 「さよなら」なき別れからどう行きなおすか
4章 わが心に生きる先人たちの「死後生」
5章 5歳児の「死後生」が姉12歳の人生指針に
6章 「生きなおす」ための5つの視点
7章 「傾聴」の進化、祈りへ
8章 「犠牲」――わが息子・洋二郎の「死後生」
9章 「死後生」の証――亡き人との15人の日常会話
10章 「人生の最終章」を支えた言葉たち
息子さんの自殺を機に「人の死」「死ぬ人の思い」なだ「死」に長く関わってこられた著者の言葉を編集した本です。
人生も終盤戦を生きる76歳の私としては、一つ一つの文章が心に響きました。