木村草太のレビュー一覧
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橋本氏は元々弁護士なので、法律の解釈については素人ではないのである程度議論になると思ったが、結論的には木村氏の憲法解釈の正論にはかみ合わないことが多かった。
それは橋本氏の政策的判断の熱量が高すぎて、無理筋な法解釈に走りがちだからだ。
木村氏も指摘するように無理な法解釈ではなく憲法を改正する(ルール変更)ことが本筋なのだ。
しかも憲法が予定しているように民主的統制と専門家=法の専門家の監視が必要なことの理解が乏しい印象が強い。
ただ橋本氏が大阪府知事や市長在職中の職務執行において立憲主義、法の支配、プロセス=手続法の重要性を意識しつつ携わっていたことを強調していたことは記しておきたい。 -
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おもしろかった!
「差別発言&行為にどのように対抗できるのか」というかねてからの素朴な問題意識で読み始めたけど、憲法学者が書いてることもあり実はバキバキの法哲学本だった。
法制定の経緯や裁判所の見解、差別を論駁する法的な論理構成などが詳しく取り上げられているのでなかなか難しく、なんとかついていって一応理解して読み通すことができたけど、多分2年前の私なら読めなかったんじゃないか。
この一年仕事で裁判や法律に触れるようになり、自分がこういう法の論理に興味を持ちある程度は理解できるようになっていることに気づいて、自分という人間の幅が広がっているなーと感じてとてもうれしかった。
本はいかなる状 -
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子ども向けの憲法の本は多くあるけれど、「憲法とは何か」「なぜあるのか」についてしっかり説明されているものは多くない。学校の授業では理解しにくい法の意義や他法との関連について説明されている貴重な本。平和主義との関連で国際法まで触れられているのもよい。
「尊重」「責任」「義務」「捕虜」など説明文に出てくる用語の説明はないので、小学校高学年以上向け。学校で公民を習い始めてから読む方が良い。また、知らない用語があれば大人または他書で補う必要がある。
マンガ→簡単な説明→詳しい説明という構成になっているので、マンガのみや簡単な説明まで、といった読み方のアレンジができる。たくさん読むのが難しそうな子供には -
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「差別」をいかに定義するかというところから始め、アメリカの奴隷解放など差別と憲法の歴史、憲法24条と家制度、同性婚・夫婦別姓の問題とそれに関する訴訟、差別されない権利を基礎づける研究者による議論などを取り上げ、法的な観点から差別の構造を論じる。
自分も差別解消に関する条例制定の議論に関わったことがあり、差別の定義をはじめ差別に関する議論が非常に難しい(理論的にも政治的にも)ということは痛感しているが、本書は、錯綜する差別に関する議論を整理するきっかけとして非常に有益だと感じた。
ただ、著者の主張や紹介されている研究者の議論などには納得しがたいものも少なくなく、やはり差別の定義や差別の禁止を根拠 -
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「憲法」の本を学生時代ぶりに手にとって読みました。いちおう、法学部出身だったので勉強したことはありますが、社会に出てからというものニュースや各種メディア媒体で「憲法」「合憲・違憲」という言葉を目にし、耳にしても、どことなく意識の外だったように思います。
それが意識の中に入ってきたのは本書の中でも触れられている「9条」「96条」の問題で改憲論争が出てきた頃でしょうか。それでも学生時代のように勉強して、この問題について考察してみようとまでにはならなかった。今では悔いの残る出来事ではあります。
あとがきで奥平さんが言われているように「憲法の入門書」という位置づけでとても分かりやすく、読みやすく、それ -
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天皇という存在の不思議さ、ユニークさ、将来性に対する不透明さを社会学者と憲法学者が語る内容が実に斬新に感じた。女性・女系天皇を認めたとしても、今の少子化時代にあっては天皇家の絶滅はかなり有り得ること、天皇や皇室には基本的人権がなく、むしろ内閣の奴隷的な存在であり、その犠牲の上に日本国が成り立っていること、将来、天皇になることを悠仁親王や他の皇族が拒否することも何ら不思議でない、将来は悠仁親王妃になる女性がいるのだろうか?など、なるほどと思う問題提起ばかり。将来途絶えたときには誰を天皇にして制度維持するのだろう!?憲法改正が必要になる!過去の「万世一系」が危うい内容であることや、国民が天皇に敬意
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著者が書いたというのではなく、大阪弁護士会が主催した講演会での講演をもとにした本。後半は国谷裕子さんとの対談になっている。国谷さんの夫が大阪の弁護士さんだからこういう企画ができたんだろう、きっと。
ふだん新聞やメディアで見かける著者のコメントからすると私と同じ左寄りの人という印象だったんだけど、初めて著書(この本)を読んでみるとそうでもない。ま、それも当然で、著者は憲法学者として原則的に憲法という枠組みに沿って物事をとらえ発言しているに過ぎない。そして、それがやや左寄りに聞こえるということ。そうなるってことはつまり、現在の日本国憲法では「自由」や「平等」といった左派的思想が味つけのベースになっ -
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現行憲法の「解釈」では、自衛隊は違憲とは
されておらず、国民も何となくそれを受け入れています。
では、その根拠になっているのは憲法のどの条文なのか。
そして軍隊ではない自衛隊はどのような組織であるのかを
分かりやすく解説しています。
現憲法9条のみで改憲論を語るのは、あまり意味がないと
いうことを学べる一冊です。
例えば最近新聞を賑わせている「改憲の為の国民投票」。
実はその内容ごとに区分して実施されなければならないのです。
自民党の改憲草案は何と53の項目にわたっていて、これを
それぞれ国民投票にかけることは不可能です。
故に2012年の自民党草案は本気の提案とは言い難いです。
だか -
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集団的自衛権を容認する安保法の改正がなされたとき,立憲主義に反するとの主張をよく聞きましたが,この本は立憲主義とは何かの理解に役立ちました。
もちろん,立憲主義と言っても,色々な見解があるとは思いますが,1つの見方として,お二人の対談は大変興味深かったです。
憲法改正をめぐっては色々な考え方がありますが,その時代時代の立法事実を検討しなければならないという点については,深く同意します。
権力を行使するにあたり,何が正解かは誰にも分かりません。そこを,適正手続を踏むことによって,一応の正当性を担保するという視点も,強く印象に残りました。
あと,日本の民主主義が成熟していくためには,知って -
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何かと世間を騒がす元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏と、気鋭の若手憲法学者の木村草太氏の憲法を巡る対談。
本人達も言及しているように、意外にもこの二人の対話が噛み合っていて驚いた。まさに法と論理という共通の基盤に基づくインタレスティングな議論だと感じ、憲法を考えるのに一読の価値があると思った。
「何を憲法に書くべきじゃないか」という問題設定による議論や、集団的自衛権を巡る憲法9条解釈についての議論、憲法改正国民投票の意義付け(国民意思の発露の機会としての憲法改正手続き)についての議論などが、特に興味深かった。また、二人いずれも「適正手続き」という考え方を非常に重視しているのが印象的だった -
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題名から判断してしまうと、何か陰謀論的なトンデモ本のような印象を感じてしまいますが、全然違います。
テレビでは伝えきれないのです。
「改憲論」などは割とニュースになりますが、
時間はわずかであるし関心もそれほど高いとは
言えないです。
そうなるとテレビでは必然的に扱いが少なくなります。
それではいけません。
「憲法とは、こういうものだよ」と教えてくれる本です。
その第一印象は「憲法ってとても良くできてる法律
なんだな」
戦後の混乱した時代に施行されたにもかかわらず、
よくまあこんなに考え込まれた、バランスの良い法律
が出来たものだ」というものです。
もちろん長年の研究で「この条文はこう -
Posted by ブクログ
学校教育やメディアだけでは分からないことが多く、
いざ憲法学者の本を読んで自分の考えを整理したく読み始めた。
まず主観的ではあるが、木村草太氏についてかなり硬派な方だと思っていたが、随所にユーモアを含めて、一般人にも分かりやすい工夫を凝らしていると感じた。
そして、憲法9条について。
私は改正反対だと思う。
世界各国において、国際法(国連憲章)で武力行使については規律されており、「武力の行使」「武力による威嚇」つまり戦争は禁止、例外的に安保理決議に基づく軍事措置や、武力攻撃に対する自衛のみ認められているのである。
なので、現憲法9条を改正することで直ちに戦争を実行できる話ではないし、万一