木村草太のレビュー一覧

  • 未完の憲法

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    「憲法」の本を学生時代ぶりに手にとって読みました。いちおう、法学部出身だったので勉強したことはありますが、社会に出てからというものニュースや各種メディア媒体で「憲法」「合憲・違憲」という言葉を目にし、耳にしても、どことなく意識の外だったように思います。
    それが意識の中に入ってきたのは本書の中でも触れられている「9条」「96条」の問題で改憲論争が出てきた頃でしょうか。それでも学生時代のように勉強して、この問題について考察してみようとまでにはならなかった。今では悔いの残る出来事ではあります。
    あとがきで奥平さんが言われているように「憲法の入門書」という位置づけでとても分かりやすく、読みやすく、それ

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    2023年11月08日
  • むずかしい天皇制

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    天皇という存在の不思議さ、ユニークさ、将来性に対する不透明さを社会学者と憲法学者が語る内容が実に斬新に感じた。女性・女系天皇を認めたとしても、今の少子化時代にあっては天皇家の絶滅はかなり有り得ること、天皇や皇室には基本的人権がなく、むしろ内閣の奴隷的な存在であり、その犠牲の上に日本国が成り立っていること、将来、天皇になることを悠仁親王や他の皇族が拒否することも何ら不思議でない、将来は悠仁親王妃になる女性がいるのだろうか?など、なるほどと思う問題提起ばかり。将来途絶えたときには誰を天皇にして制度維持するのだろう!?憲法改正が必要になる!過去の「万世一系」が危うい内容であることや、国民が天皇に敬意

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    2023年08月10日
  • 憲法の創造力

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    実際の判決内容を記載し、それに対する筆者の理論を記載されているが内容がわかりやすい。
    こういった裁判の内容は無意識に難しいものだと思い避けていたが、筆者の説明を読み一つ一つ読み解いていけば理解することができた。
    又、憲法によって保証されているあらゆる権利についてもよく説明がなされており、本を読む前とその後では権利に対する認識が大きく変わった。

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    2023年02月19日
  • 「改憲」の論点

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    やや難しいなと思った章は読み飛ばし。
    第一章 木村草太氏の論旨が秀逸。
    その他読みやすいところだけでも、十分に自分で思考するベースができる。

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    2022年04月26日
  • 憲法という希望

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    著者が書いたというのではなく、大阪弁護士会が主催した講演会での講演をもとにした本。後半は国谷裕子さんとの対談になっている。国谷さんの夫が大阪の弁護士さんだからこういう企画ができたんだろう、きっと。
    ふだん新聞やメディアで見かける著者のコメントからすると私と同じ左寄りの人という印象だったんだけど、初めて著書(この本)を読んでみるとそうでもない。ま、それも当然で、著者は憲法学者として原則的に憲法という枠組みに沿って物事をとらえ発言しているに過ぎない。そして、それがやや左寄りに聞こえるということ。そうなるってことはつまり、現在の日本国憲法では「自由」や「平等」といった左派的思想が味つけのベースになっ

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    2021年12月31日
  • 憲法問答

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    立憲とは何か、国家権力の適切な行使を実現するための憲法の重要性や手続き論の意義、9条の論点等、恥ずかしながら今まで余り理解が及んでなかった憲法の基礎知識に触れられたように思う。施政者として現実の問題に真剣勝負で取り組んできた橋本氏の熱量、憲法学者として丁寧な分析と思考を重ねてきた木村氏のロジック。お互いの相違点を明らかにしながら、それぞれの主張を熱く説きつつ、そこから気づきを得る姿勢には、議論のお手本として学ぶことが多かった。より憲法を身近な問題と考えられるようになったのも良かった。

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    2021年09月20日
  • 学問の自由が危ない

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    法的に見て明らかに違法な任免拒否。
    国会での議論を行わず、解釈だけでも運用を変更してしまう内閣に底知れない怖さを感じる。
    また、これを見過ごして、何も考えずに自民党に投票してしまう国民が情けない。
    再び戦争を起こす事が無いよう、この本は全ての国民に読んで欲しい。

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    2021年03月16日
  • 子どもの人権をまもるために

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    色々な分野で子どもと関わる人たちがそれぞれのテーマで書いたもの。こんなひどい状況におかれている子どもが存在するのかと、読んでいて涙が出そうになる部分も。小さなことでも、自分にできることは何があるかを考えるヒントにしようと思い読んだ。

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    2021年02月06日
  • 憲法という希望

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    さらっと読める憲法の本。面白かった。
    最後に推薦書をいくつか挙げてくださっているのでこれから少しずつ読んでみようと思う。

    ・選択的夫婦別姓訴訟のアプローチについて
    ・辺野古基地問題からみえる現政権の憲法観

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    2020年05月04日
  • 自衛隊と憲法

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    現行憲法の「解釈」では、自衛隊は違憲とは
    されておらず、国民も何となくそれを受け入れています。

    では、その根拠になっているのは憲法のどの条文なのか。
    そして軍隊ではない自衛隊はどのような組織であるのかを
    分かりやすく解説しています。

    現憲法9条のみで改憲論を語るのは、あまり意味がないと
    いうことを学べる一冊です。

    例えば最近新聞を賑わせている「改憲の為の国民投票」。
    実はその内容ごとに区分して実施されなければならないのです。
    自民党の改憲草案は何と53の項目にわたっていて、これを
    それぞれ国民投票にかけることは不可能です。
    故に2012年の自民党草案は本気の提案とは言い難いです。

    だか

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    2019年10月15日
  • 憲法問答

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    説明が上手い二人の対談なので、憲法という硬い話題でも分かりやすく話に入り込めた。それでも中盤難しくてあまり深く理解できなかったところもあったので、これから二回、三回と読んでいきたい

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    2019年10月03日
  • 「改憲」の論点

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    全部理解するのは難しかったが読める範囲でさっと。骨抜きの議論(要するに呪いの言葉とかご飯論法的な手法)に気づいて乗っからないことがまず大事なのだとはよくわかった

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    2019年09月06日
  • 憲法問答

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    集団的自衛権を容認する安保法の改正がなされたとき,立憲主義に反するとの主張をよく聞きましたが,この本は立憲主義とは何かの理解に役立ちました。
    もちろん,立憲主義と言っても,色々な見解があるとは思いますが,1つの見方として,お二人の対談は大変興味深かったです。

    憲法改正をめぐっては色々な考え方がありますが,その時代時代の立法事実を検討しなければならないという点については,深く同意します。

    権力を行使するにあたり,何が正解かは誰にも分かりません。そこを,適正手続を踏むことによって,一応の正当性を担保するという視点も,強く印象に残りました。


    あと,日本の民主主義が成熟していくためには,知って

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    2019年06月09日
  • 憲法問答

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    何かと世間を騒がす元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏と、気鋭の若手憲法学者の木村草太氏の憲法を巡る対談。
    本人達も言及しているように、意外にもこの二人の対話が噛み合っていて驚いた。まさに法と論理という共通の基盤に基づくインタレスティングな議論だと感じ、憲法を考えるのに一読の価値があると思った。
    「何を憲法に書くべきじゃないか」という問題設定による議論や、集団的自衛権を巡る憲法9条解釈についての議論、憲法改正国民投票の意義付け(国民意思の発露の機会としての憲法改正手続き)についての議論などが、特に興味深かった。また、二人いずれも「適正手続き」という考え方を非常に重視しているのが印象的だった

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    2019年04月19日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    題名から判断してしまうと、何か陰謀論的なトンデモ本のような印象を感じてしまいますが、全然違います。

    テレビでは伝えきれないのです。
    「改憲論」などは割とニュースになりますが、
    時間はわずかであるし関心もそれほど高いとは
    言えないです。

    そうなるとテレビでは必然的に扱いが少なくなります。
    それではいけません。
    「憲法とは、こういうものだよ」と教えてくれる本です。

    その第一印象は「憲法ってとても良くできてる法律
    なんだな」
    戦後の混乱した時代に施行されたにもかかわらず、
    よくまあこんなに考え込まれた、バランスの良い法律
    が出来たものだ」というものです。

    もちろん長年の研究で「この条文はこう

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    2019年04月11日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    学校教育やメディアだけでは分からないことが多く、
    いざ憲法学者の本を読んで自分の考えを整理したく読み始めた。

    まず主観的ではあるが、木村草太氏についてかなり硬派な方だと思っていたが、随所にユーモアを含めて、一般人にも分かりやすい工夫を凝らしていると感じた。

    そして、憲法9条について。
    私は改正反対だと思う。
    世界各国において、国際法(国連憲章)で武力行使については規律されており、「武力の行使」「武力による威嚇」つまり戦争は禁止、例外的に安保理決議に基づく軍事措置や、武力攻撃に対する自衛のみ認められているのである。
    なので、現憲法9条を改正することで直ちに戦争を実行できる話ではないし、万一

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    2019年02月17日
  • AI時代の憲法論 人工知能に人権はあるか

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    ネタバレ

    AIに人格が備わったら、人権はどうなるのか。
    死んだ後にも自分の人格がコピーできたら、
    宗教はどうなるのか。


    問題定義はされても、答えはなし。
    考えるきっかけにはなったけど、消化不良です。

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    2019年01月20日
  • 未完の憲法

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    刺激的でいろいろなことを考えたくなる本だった。面白かったねぇ。そもそも憲法にそんな関心はなかったんだけどさ。本書を読むと、憲法について考えることが、社会生活を営むうえでの大きな手掛かりになるような気さえしてくる。いや、実際にそうなのかもしれない。そこまで憲法の存在意義を知らせてくれる一方で、国や個人の衝突は、文化の力で解決しましょう、というあたり。基準、補助線としての法はあるものの、実際に解決するのは自分自身ですよ、と、これは大人としての基本であるようにも思える。

    この本は、繰り返し読みたいな。

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    2018年07月15日
  • 反グローバリゼーションとポピュリズム~「トランプ化」する世界 マル激トーク・オン・ディマンドvol. 11~

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    ネタバレ

    トランプ大統領の誕生は、米国における白人のマイノリティ転落に対する恐怖(白人によるアイデンティティ・ポリティクスの行使)、急速なグローバル化やインターネットの登場による中間層の没落(豊かだったものが貧しくなったという感覚、インタネットの登場による生活様式の共有への不信)といったより大きな問題を表象しているに過ぎない。こうした社会の流れや急速な変動への揺り戻し、(移民に対して非同化政策を採ったことに起因する)共有できる敵を常に必要とする従来のアメリカン・ウェイという観点から、トランプ政権が徹底して自国第一主義に走ることは当然の予想である。政治的正当性への不信も含めた民主主義の劣化、享楽化(ポスト

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    2018年07月08日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    木村草太の対論を連読。今回は、社会学者・大澤真幸が相手でしたが、二人の学者によって非常に高尚なレベルでの憲法論が展開されているのはわかるにしても、それが私たちにどうつながっているのか、他人ごとに思えてしまうのでは、今の憲法との関係と同じになってしまいます。
    二人には、それを自分ごとと感じさせる工夫を、私たちもそれを受けとめる努力が必要だと思います。

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    2018年03月13日