木村草太のレビュー一覧
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学問の自由は私たちの生活とも関係している。学問をすることが自由なのもあるが、学問はそれ自体国の権力から自由で独立したものでなくては、また再び、戦争に使われる可能性がある。過去の過ちを繰り返さないという学者の決意から生まれた学術会議の経緯を知っていれば、今回の件は学者集団にとって、赤信号であるとともに、私たちの身にも危険が近づいていることを示している。
さまざまな学会から声明が出され、報道を賑わせたが、最近また忘れられそうになっている気がしてならない。しかし、このことは決して忘れてはならない。
個人的には内田樹さんの部分が、自分が薄々感じていたことをはっきりと明文化して提示されたようで戦慄が走っ -
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子どもを巡る、保育、養護、療育、貧困対策、性の多様性、居場所作りなどについて各テーマごとにコンパクトにまとめられており、第一線で活躍しマスコミにもよく登場する筆者たちが現場発の生の声で語っている。
今保育士の受験勉強の途中で、児童養護や福祉について学んでいるので、乳児院や養護施設、里親、虐待からの保護などいろいろディープな環境にある子どもたちの事情に興味があって読んでみた。
正直読んでいて辛くなる。
一般人に縁がありそうなのは保育園の待機児童問題くらいで、その他は不幸にして家庭や親に恵まれなかった子たち、または、生まれつきの障害や性的マイノリティーなどの苦労を負った子たちだ。
しかしその -
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「憲法の本」というと,硬いんじゃないかというイメージが先行するのだが,本書は,その先入観を気持ちよく砕いてくれて,とてもスイスイと読むことのができた。
社会に息苦しさが蔓延しているとすれば,それは国家が何らかの失敗をしているということであり,その解決の道筋は憲法に示されている可能性が高い。今こそ,憲法に託された先人たちの知恵に学ぶべきだろう。(はじめに)
法律が、過去のさまざまなトラブルの経験から成り立っているように,憲法も悲惨な人間の失敗からできている。だからこそ,もし,いま変な息苦しさが社会に蔓延していると感じるのなら,それは,どっかでまた以前と同じ失敗をしようとしているのかも知れ -
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普段読まないジャンル。
監査でもよく言っている、フレームワークを使って考える、の憲法版(憲法がフレームワーク)。
・国家権力の三大失敗「無謀な戦争」「人権侵害」「権力の独裁」
・憲法はこれを防ぐためのもの
(リスクに対するコントロールですね)
・訴訟戦略の巧拙
・道徳よりも法務教育!
・人権侵害は、少数の人にのみダメージがあり、その他の大多数にとっては、あまり影響がない。だからこそ、憲法で保障される。
→民主主義と多数決は同じでないという理解が大切。
一番意外だったのは、松田さん(松田公太)の参議院での質疑。議院内閣制にあって、弊害も目立つようなこの頃を鑑みると、こうした質疑を憲法を使い -
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今年5月14日に大阪弁護士会が主催して行われた憲法講演会の講演と対談をもとに、加筆・修正してまとめられた本。講演会に行けず残念に思っていたので、読むことをすごく楽しみにしていました。
先の見えない息苦しい世の中、その原因を突き止め進むべき道を確かめるためには学問に触れること。そこには人類が積み重ねてきた歴史や知恵があり、何らかの筋道を見つけることができるのではないか。憲法を学ぶことで、「『込められた本当の力』を伝えたいし見つけてほしい」とのメッセージから始まりました。
第1章「日本国憲法と立憲主義」では、
+憲法は国家の失敗を防ぐための法律
+尊厳の担い手になった個人が公権力担当者に憲法を -
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「報道ステーション」コメンテーター(月曜日担当)でおなじみの、新進気鋭の憲法学者による最新刊である。筆者はこの本では、安倍内閣が推し進める「安保法案」の危険性について、わかりやすい言葉で解説している。「本を燃やそうとしている人間は、いずれ自国の憲法を燃やそうとするだろう」という言葉にはゾッとさせられるが、この内閣がこのまま安保法制を強引に推し進めようとすると、早晩国内外で立ちゆかなくなるのは、火を見るより明らかなことである。「法的解釈の安定性」についての意見は必読。この概念を否定するということは、条約の解釈すら自分たちの都合のいいように解釈する可能性もある。それは諸外国との外交関係にも重大な齟
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憲法を創造的に応用するということは、憲法の規定を機械的・量的に解釈するのではなく、その規定の意義や目的(憲法はわれわれに何を要求しているか?)を達成するための方策を「質的に」考えなければならないということ。
第1章
君が代不起立問題を題材に、法律や命令の目的と手段のバランス関係を論じる。法令の目的を達成するために、他のよりよい手段は考えられなかったか?いわゆるLRAの原則。
第2章
一票の格差問題を題材に、政治問題の「正解」を発見するための多様な人物の参加と、みんなが納得して従うことのできる「正統性」のある決定を下すことの重要性を説く。
第3章
裁判員制度を題材に、国民の権利の制限は何と