木村草太のレビュー一覧

  • 学問の自由が危ない

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    学問の自由は私たちの生活とも関係している。学問をすることが自由なのもあるが、学問はそれ自体国の権力から自由で独立したものでなくては、また再び、戦争に使われる可能性がある。過去の過ちを繰り返さないという学者の決意から生まれた学術会議の経緯を知っていれば、今回の件は学者集団にとって、赤信号であるとともに、私たちの身にも危険が近づいていることを示している。
    さまざまな学会から声明が出され、報道を賑わせたが、最近また忘れられそうになっている気がしてならない。しかし、このことは決して忘れてはならない。
    個人的には内田樹さんの部分が、自分が薄々感じていたことをはっきりと明文化して提示されたようで戦慄が走っ

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    2021年02月17日
  • 憲法問答

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    考えを述べ合うとはこういうことなのか、と納得。そして、憲法とは、かくも解釈の方法やそれを基に行動をおこすことに幅がでてくるものなのか、と驚愕。

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    2020年01月06日
  • 憲法問答

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    憲法の役割について、これまでで一番理解できたと思います。議論が噛み合ってない部分が長すぎますが、それもまた、社会の縮図かと思えば、趣があります。

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    2019年09月10日
  • 子どもの人権をまもるために

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    子どもを巡る、保育、養護、療育、貧困対策、性の多様性、居場所作りなどについて各テーマごとにコンパクトにまとめられており、第一線で活躍しマスコミにもよく登場する筆者たちが現場発の生の声で語っている。

    今保育士の受験勉強の途中で、児童養護や福祉について学んでいるので、乳児院や養護施設、里親、虐待からの保護などいろいろディープな環境にある子どもたちの事情に興味があって読んでみた。

    正直読んでいて辛くなる。
    一般人に縁がありそうなのは保育園の待機児童問題くらいで、その他は不幸にして家庭や親に恵まれなかった子たち、または、生まれつきの障害や性的マイノリティーなどの苦労を負った子たちだ。

    しかしその

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    2019年08月22日
  • 憲法という希望

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     「憲法の本」というと,硬いんじゃないかというイメージが先行するのだが,本書は,その先入観を気持ちよく砕いてくれて,とてもスイスイと読むことのができた。

    社会に息苦しさが蔓延しているとすれば,それは国家が何らかの失敗をしているということであり,その解決の道筋は憲法に示されている可能性が高い。今こそ,憲法に託された先人たちの知恵に学ぶべきだろう。(はじめに)

     法律が、過去のさまざまなトラブルの経験から成り立っているように,憲法も悲惨な人間の失敗からできている。だからこそ,もし,いま変な息苦しさが社会に蔓延していると感じるのなら,それは,どっかでまた以前と同じ失敗をしようとしているのかも知れ

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    2019年06月05日
  • 憲法問答

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    憲法とは国家権力に適切に権力を行使させるもの。国家権力を統制するもの。国家権力を縛るもの。権力のあり方や、その限定を定める法典。
    権力自体は「重要な公共財」である。しかしそれは、本質的に悪い方向に使われる傾向があるものなので、安全装置を一生懸命かける必要がある。

    手続き法を規定しておくことの重要性。何が正解かわからない中で正解に近づけていくプロセスを重視する

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    2019年01月08日
  • 社会をつくる「物語」の力~学者と作家の創造的対話~

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    面白い組み合わせで、木村草太氏に興味があり読んだ一冊。所々示唆に富む発言があります。一貫してリベラルなトーン。日本の政治やマスコミが、この本くらいのスタンスで物事を論じてくれればいいののになと思いました。

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    2018年06月18日
  • 社会をつくる「物語」の力~学者と作家の創造的対話~

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    気鋭の憲法学者・木村草太と自由な小説家・新城カズマによる、政治からAI、そして「指輪物語」まで、縦横に語り続けた対論。
    これだけの話題を掘り下げる二人の博学にも驚きますが、後半のほとんどを割いて語られる「指輪」の魔力、これは読むしかありません。

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    2018年03月10日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    ネタバレ

    国際法とも照らし合わせ、憲法をわかり易く説明している。
    法学者なので当たり前といえばそうなのだけど、感情論に流されることなく、いいか悪いかというわけでもなく、あくまで論理的整合性を追求する。
    良書だと思います。

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    2018年01月29日
  • 憲法という希望

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    学生時代、憲法を勉強していて、憲法の体温を感じたことはなかった。
    ところが、この本は全く違う。
    政府任せにして批判ばかり繰り返す日本人になってはいけない。

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    2017年07月13日
  • 憲法という希望

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    普段読まないジャンル。
    監査でもよく言っている、フレームワークを使って考える、の憲法版(憲法がフレームワーク)。

    ・国家権力の三大失敗「無謀な戦争」「人権侵害」「権力の独裁」
    ・憲法はこれを防ぐためのもの
     (リスクに対するコントロールですね)
    ・訴訟戦略の巧拙
    ・道徳よりも法務教育!
    ・人権侵害は、少数の人にのみダメージがあり、その他の大多数にとっては、あまり影響がない。だからこそ、憲法で保障される。
    →民主主義と多数決は同じでないという理解が大切。

    一番意外だったのは、松田さん(松田公太)の参議院での質疑。議院内閣制にあって、弊害も目立つようなこの頃を鑑みると、こうした質疑を憲法を使い

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    2017年07月01日
  • 憲法という希望

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    今年5月14日に大阪弁護士会が主催して行われた憲法講演会の講演と対談をもとに、加筆・修正してまとめられた本。講演会に行けず残念に思っていたので、読むことをすごく楽しみにしていました。

    先の見えない息苦しい世の中、その原因を突き止め進むべき道を確かめるためには学問に触れること。そこには人類が積み重ねてきた歴史や知恵があり、何らかの筋道を見つけることができるのではないか。憲法を学ぶことで、「『込められた本当の力』を伝えたいし見つけてほしい」とのメッセージから始まりました。

    第1章「日本国憲法と立憲主義」では、
    +憲法は国家の失敗を防ぐための法律
    +尊厳の担い手になった個人が公権力担当者に憲法を

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    2016年10月10日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    例えを多用した議論の積み重ねがわかりやすく、一気に読めた。
    哲学から日本国憲法へのアプローチは興味深い。ルソーやカントなどからの引用も勉強になった。
    「選挙権は権利というより公務」という考え方にはなるほど、そうだよなと納得。
    「国家緊急権」についても理解が深まった。

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    2016年06月27日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    「報道ステーション」コメンテーター(月曜日担当)でおなじみの、新進気鋭の憲法学者による最新刊である。筆者はこの本では、安倍内閣が推し進める「安保法案」の危険性について、わかりやすい言葉で解説している。「本を燃やそうとしている人間は、いずれ自国の憲法を燃やそうとするだろう」という言葉にはゾッとさせられるが、この内閣がこのまま安保法制を強引に推し進めようとすると、早晩国内外で立ちゆかなくなるのは、火を見るより明らかなことである。「法的解釈の安定性」についての意見は必読。この概念を否定するということは、条約の解釈すら自分たちの都合のいいように解釈する可能性もある。それは諸外国との外交関係にも重大な齟

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    2016年05月14日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    違憲の政策を進める為政者には憲法の知識を獲得して対抗すること。こう言っちゃ不謹慎だが違憲訴訟が沸き起こるのを楽しみにしてる。

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    2015年12月19日
  • [音声DL付]現代語訳でよむ 日本の憲法―憲法の英文版を「今の言葉」に訳してみたら―

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    日本国憲法が成立するまでの過程も簡潔にまとめてあって勉強になった。翻訳者・柴田元幸氏と憲法学者・木村草太氏の対談からは、今起きている改憲論のバカバカしさと恐ろしさを改めて感じた。現行の憲法が成立する過程で、当時の日本人(政府、官僚、国民といった全て)がどんなことを考えていたかを想像してみることは大事だと思う。

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    2015年12月18日
  • 憲法の創造力

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    憲法を創造的に応用するということは、憲法の規定を機械的・量的に解釈するのではなく、その規定の意義や目的(憲法はわれわれに何を要求しているか?)を達成するための方策を「質的に」考えなければならないということ。

    第1章
    君が代不起立問題を題材に、法律や命令の目的と手段のバランス関係を論じる。法令の目的を達成するために、他のよりよい手段は考えられなかったか?いわゆるLRAの原則。

    第2章
    一票の格差問題を題材に、政治問題の「正解」を発見するための多様な人物の参加と、みんなが納得して従うことのできる「正統性」のある決定を下すことの重要性を説く。

    第3章
    裁判員制度を題材に、国民の権利の制限は何と

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    2015年08月15日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    筆者は分かりやすさの罠を本書の中で訴えていたが、この本は分かりやすかった。とても真面目そうに見えるので、内容も堅いものかとおもえばそうではなく、ユーモアに富んだ内容もあり、憲法以外の話題を上手く取り込んで読みやすくされている。押し付け憲法論に対しても、一笑に付して終わりではく、雨月物語の例を持ち出して、論者を見捨てない態度を示すあたりが好感が持てた。サンモール洋光台に行ってみたくなった。

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    2015年05月05日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    冒頭、「集団的自衛権は違憲です」とはっきり書かれていてNHK出版やるねと思った。後半の議会についての批評が特に面白かった。PTAに始まり、なぜ議会が機能しないのか、ユダヤ人は全員一致を疑う、一票の格差問題が田舎が損する得するの話になるのはおかしい、合理的な根拠があれば不平等は認められる、などまさに最近、会社の会議で全員一致が求められて悪い会議だといっていた人がいたのでとても良いテキストになった。読みたい本もさらに増えた。今年読んで良かった本ベスト入り。

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    2015年08月02日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    今までの改憲論者達に対するもやもや感が氷解した。特に9条の章は目から鱗が落ちる状態で感動した。国際法をベースに読めばなんら問題はなく「普通」な文章だということを。この条は国際社会に向けた外交声明だと認識すればいいのだ。
    「自衛権の行使」と「自衛戦争」は違う。前者は当たり前で後者は悪。
    「分かりやすいこと」素朴な議論に飛びつく危険さを知った。

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    2014年09月11日