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そもそも憲法9条、96条は改正できるのか? 集団的自衛権から非嫡子相続まで。憲法論議を正しく楽しむための一冊。本書の内容は、1.憲法の価値を噛みしめる―国家を縛るとはどういうことか? 2.日本国憲法の内容を掘り下げてみる―いわゆる三大原理は何を語っていないのか? 3.理屈で戦う人権訴訟―憲法上の権利はどうやって使うのか? 4.憲法9条とシマウマの檻―どのように憲法9条改正論議に臨むべきか? 5.国民の理性と知性―何のための憲法96条改正なのか?など。テレビや新聞などのメディアには様々な限界がある。メディアには、憲法問題以外にも山ほど扱うべき事柄があり、どうしてもテレビでは伝えられない話がある。安直な改憲論議に踊らされるのではなく、憲法に対するリテラシーを高め、情報の取捨選択を読者自ら行えるようにならなければならない。憲法を身近に感じ、読者自ら考える機会を与える一冊。
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Posted by ブクログ
(20151112)
何かと問題になる憲法第9条を「国際法にあるものを明文化しただけ」とばっさり。
「自衛戦争」はどの国にも許されず、それを9条はうたっているだけと。
そして、国際法上は個別的自衛権、集団的自衛権は「戦争」ではないので国際法上は認められているが、
日本国憲法は、他国のために軍を出すことは許しておらず、個別的自衛権にとどめるべきと。
・・・ここがちょっとわかりにくいけど、なんとなくわかる。
憲法という、身近なはずだがなかなか近寄りがたいものを、
非常にわかりやすく料理してくれた。
というか、草太さん言葉が躍りすぎ。
たとえ話がぶっ飛んでて、たとえなのかなんなのかわからない。
セッション22でその語り口を知っているだけに、思わず笑ってしまう。
そういうどこかとぼけたところのある草太さんが、
96条から手をつけようとした姑息さをズバッと斬ったり、
「押しつけ憲法」説を論破したり。
楽しい新書。
序章 日本国憲法の三つの顔
1 憲法の価値を噛みしめる―国家を縛るとはどういうことか?
2 日本国憲法の内容を掘り下げてみる―いわゆる三大原理は何を語っていないのか?
3 理屈で戦う人権訴訟―憲法上の権利はどうやって使うのか?
4 憲法9条とシマウマの檻―どのように憲法9条改正論議に臨むべきか?
5 国民の理性と知性―何のための憲法96条改正なのか?
終章 日本国憲法の物語―事を正して罪をとふ、ことわりなきにあらず。されどいかにせん
Posted by ブクログ
憲法についての正しい理解と学ぶ楽しさを説く。平易な表現で随所に楽しい例や喩えが盛り込まれているので、飽きずに読めた。何より憲法の意義や大切さを学べ、憲法の復習に一念発起した自分にとってもってこいの入門書になったように思う。人々にとって権力は必要であることを認めつつ、現実の国家が正しく権力を扱うように定めた最高法規が憲法だという観点は、政治や外交といったどこか対岸と感じてしまう問題だけではなく、日々の生活で感じるアイデンティティに根差す問題を考えることの大切さを教えてくれる。
その他、国民主権と三権分立が正しく国家が機能するための優れた制度であること、憲法制定の背景には(悲惨な過去を含めて)歴史との強い結びつきがあること等、今更ながら、目から鱗的に学べたことが多くあった。
また、個人的には終章で著者が引き合いに出した雨月物語の「白峯」と著者のメッセージが心の琴線に触れた。怨霊となった崇徳上皇と西行の舌戦において、孟子や古事記等の権威ある先例を引き合いに出して双方の主張をやり取りする様の面白さと、論破された崇徳上皇が吐露した心情に対する西行の突き放した優しさを紹介しつつ、押しつけ憲法等の分かりやすい主張が目立つ昨今の憲法議論について、一人の大人として感情論や分かりやすい(でも誤った)論理に迎合せず、きちんと学び理解して客観的な観点で議論しようと呼びかける姿勢に著者の強い信念を感じ取った。
ひとりの大人として、今更ながらきちんと勉強したいと思う。
Posted by ブクログ
本書は『テレビが伝えない…』というタイトルですが,それは,「テレビなどのマスコミが隠している事実を書いてあります」という意味ではありません。
テレビでは,視聴者に分かりやすい解説が求められます。しかも,短時間でコメントをする必要があるので,これは,この制約はある程度,仕方がありません。
ところが,その「視聴者に分かりやすく,簡単な解説」が曲者となるのです。憲法が持っている本質を説明したり,意見の食い違っている内容の問題点を解きほぐすためには,じっくりと論理を進めなければならないのに,テレビでは,それができません。時間が限られているから…です。
そこで,筆者は,色んな問題について,幅広く,じっくりと語ってくれます。
たとえば「日本国憲法は押しつけ憲法だ」というのも,その一つ。これ,GHQが押しつけた憲法だ!というのですが,それって本当なんでしょうか。では,大日本帝国憲法は,押しつけ憲法じゃないのでしょうか? そもそも,押しつけって,誰が誰に対して? …などと,「押しつけ」一つにしても,考えるべきことはたくさんあるわけですが,テレビやマスコミでは,分かりやすい言葉としての「押しつけ」が先行してしまいます。
これを説明するのに『雨月物語』「白峯」を出してきているのがおもしろいです。「押しつけ論者」をも包みこむ,この論理の展開は,必読です。
他にも,国際法から見た憲法9条の話など,私にとっての初めての視点があって,興味深く読み進めました。
Posted by ブクログ
○憲法学者で首都大学東京准教授の木村草太氏の著作。
○日本国憲法について、その位置付け、意味合い、規定内容の説明・沿革など、条文や背景をベースに丁寧に解説したもの。
○三権分立の理屈や憲法争訟、改憲論の矛盾点など、緻密な理論に基づき、論理的に解説されており、とても分かりやすく、かつ、スッキリする。
○改憲や護憲と聞くと、どうしても、”単純化”したキーワードで、なんとなく気分や雰囲気で考えてしまいそうだが、そもそも「日本国憲法」の内容や経緯などを知っているのかといわれると、自信がなくなってしまう。
○このままでは、著者のいう「改正論議に参加する資格などない」人になってしまいそうなので、しっかりと論理的かつ客観的な思考で、憲法について考えてみたい。
○また、少なくとも「『分かりやすい』素朴な議論に飛びつく」ような癖は無くすようにしたい。
Posted by ブクログ
題名から判断してしまうと、何か陰謀論的なトンデモ本のような印象を感じてしまいますが、全然違います。
テレビでは伝えきれないのです。
「改憲論」などは割とニュースになりますが、
時間はわずかであるし関心もそれほど高いとは
言えないです。
そうなるとテレビでは必然的に扱いが少なくなります。
それではいけません。
「憲法とは、こういうものだよ」と教えてくれる本です。
その第一印象は「憲法ってとても良くできてる法律
なんだな」
戦後の混乱した時代に施行されたにもかかわらず、
よくまあこんなに考え込まれた、バランスの良い法律
が出来たものだ」というものです。
もちろん長年の研究で「この条文はこういう意味を指しています」という解釈による結果もありますが、
国家の根幹をなす法律としては世界に誇れるものであると言えます。
日本国民必読の一冊です。
Posted by ブクログ
学校教育やメディアだけでは分からないことが多く、
いざ憲法学者の本を読んで自分の考えを整理したく読み始めた。
まず主観的ではあるが、木村草太氏についてかなり硬派な方だと思っていたが、随所にユーモアを含めて、一般人にも分かりやすい工夫を凝らしていると感じた。
そして、憲法9条について。
私は改正反対だと思う。
世界各国において、国際法(国連憲章)で武力行使については規律されており、「武力の行使」「武力による威嚇」つまり戦争は禁止、例外的に安保理決議に基づく軍事措置や、武力攻撃に対する自衛のみ認められているのである。
なので、現憲法9条を改正することで直ちに戦争を実行できる話ではないし、万一の有事の際に備えた自衛隊が存在する現日本国憲法で問題ないだろう。
◆心に響いたフレーズ
現憲法について「押し付け憲法論」だという指摘があるが、制定過程にとやかくいう必要はなく、内容の問題を指摘すべきである。
なお、私の知識不足であり、理解できない部分もあったちめ、星4とさせていただいた。
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