木村草太のレビュー一覧

  • 憲法問答

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    何かと世間を騒がす元大阪府知事・大阪市長で弁護士の橋下徹氏と、気鋭の若手憲法学者の木村草太氏の憲法を巡る対談。
    本人達も言及しているように、意外にもこの二人の対話が噛み合っていて驚いた。まさに法と論理という共通の基盤に基づくインタレスティングな議論だと感じ、憲法を考えるのに一読の価値があると思った。
    「何を憲法に書くべきじゃないか」という問題設定による議論や、集団的自衛権を巡る憲法9条解釈についての議論、憲法改正国民投票の意義付け(国民意思の発露の機会としての憲法改正手続き)についての議論などが、特に興味深かった。また、二人いずれも「適正手続き」という考え方を非常に重視しているのが印象的だった。

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    2019年04月19日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    題名から判断してしまうと、何か陰謀論的なトンデモ本のような印象を感じてしまいますが、全然違います。

    テレビでは伝えきれないのです。
    「改憲論」などは割とニュースになりますが、
    時間はわずかであるし関心もそれほど高いとは
    言えないです。

    そうなるとテレビでは必然的に扱いが少なくなります。
    それではいけません。
    「憲法とは、こういうものだよ」と教えてくれる本です。

    その第一印象は「憲法ってとても良くできてる法律
    なんだな」
    戦後の混乱した時代に施行されたにもかかわらず、
    よくまあこんなに考え込まれた、バランスの良い法律
    が出来たものだ」というものです。

    もちろん長年の研究で「この条文はこういう意味を指しています」という解釈による結果もありますが、
    国家の根幹をなす法律としては世界に誇れるものであると言えます。

    日本国民必読の一冊です。

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    2019年04月11日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    学校教育やメディアだけでは分からないことが多く、
    いざ憲法学者の本を読んで自分の考えを整理したく読み始めた。

    まず主観的ではあるが、木村草太氏についてかなり硬派な方だと思っていたが、随所にユーモアを含めて、一般人にも分かりやすい工夫を凝らしていると感じた。

    そして、憲法9条について。
    私は改正反対だと思う。
    世界各国において、国際法(国連憲章)で武力行使については規律されており、「武力の行使」「武力による威嚇」つまり戦争は禁止、例外的に安保理決議に基づく軍事措置や、武力攻撃に対する自衛のみ認められているのである。
    なので、現憲法9条を改正することで直ちに戦争を実行できる話ではないし、万一の有事の際に備えた自衛隊が存在する現日本国憲法で問題ないだろう。



    ◆心に響いたフレーズ
    現憲法について「押し付け憲法論」だという指摘があるが、制定過程にとやかくいう必要はなく、内容の問題を指摘すべきである。


    なお、私の知識不足であり、理解できない部分もあったちめ、星4とさせていただいた。

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    2019年02月17日
  • AI時代の憲法論 人工知能に人権はあるか

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    ネタバレ

    AIに人格が備わったら、人権はどうなるのか。
    死んだ後にも自分の人格がコピーできたら、
    宗教はどうなるのか。


    問題定義はされても、答えはなし。
    考えるきっかけにはなったけど、消化不良です。

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    2019年01月20日
  • 未完の憲法

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    刺激的でいろいろなことを考えたくなる本だった。面白かったねぇ。そもそも憲法にそんな関心はなかったんだけどさ。本書を読むと、憲法について考えることが、社会生活を営むうえでの大きな手掛かりになるような気さえしてくる。いや、実際にそうなのかもしれない。そこまで憲法の存在意義を知らせてくれる一方で、国や個人の衝突は、文化の力で解決しましょう、というあたり。基準、補助線としての法はあるものの、実際に解決するのは自分自身ですよ、と、これは大人としての基本であるようにも思える。

    この本は、繰り返し読みたいな。

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    2018年07月15日
  • 反グローバリゼーションとポピュリズム~「トランプ化」する世界 マル激トーク・オン・ディマンドvol. 11~

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    ネタバレ

    トランプ大統領の誕生は、米国における白人のマイノリティ転落に対する恐怖(白人によるアイデンティティ・ポリティクスの行使)、急速なグローバル化やインターネットの登場による中間層の没落(豊かだったものが貧しくなったという感覚、インタネットの登場による生活様式の共有への不信)といったより大きな問題を表象しているに過ぎない。こうした社会の流れや急速な変動への揺り戻し、(移民に対して非同化政策を採ったことに起因する)共有できる敵を常に必要とする従来のアメリカン・ウェイという観点から、トランプ政権が徹底して自国第一主義に走ることは当然の予想である。政治的正当性への不信も含めた民主主義の劣化、享楽化(ポスト・トゥルース/非知性主義的態度)に対抗するためには人々の意識のありよう(行為と体験に対する観察と抽象化/高次化)の変革が必要と考えられる。

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    2018年07月08日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    木村草太の対論を連読。今回は、社会学者・大澤真幸が相手でしたが、二人の学者によって非常に高尚なレベルでの憲法論が展開されているのはわかるにしても、それが私たちにどうつながっているのか、他人ごとに思えてしまうのでは、今の憲法との関係と同じになってしまいます。
    二人には、それを自分ごとと感じさせる工夫を、私たちもそれを受けとめる努力が必要だと思います。

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    2018年03月13日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    日本国憲法とは何か。学校の授業レベルの知識しかなかったため、本書を手に取った。

    「戦争」という単語一つをとっても、分かったつもりでいたが分かっていないことだらけだった。非常に勉強になった。

    減点要因は、筆者のユーモアセンスが結構サムい点と、一部政治家をばっさり否定している点。政治家をどう判断するかは、飽くまで有権者たる読者が各々判断すべきだと思う。

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    2017年11月05日
  • 憲法という希望

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    ちょうど別方面からも「木村草太さん」を薦められ、初めて彼の本を読んだ。
    読みやすく、わかりやすく、おもしろい。
    最後に「本当のプロ(教授と言われる人達を指す)は、一般の人が理解できる言葉に直してこそプロだ」というようなことを書いてあって、その通りだと思った。
    片方から批判するのではなく、憲法を使っていかに理論を組み立てられるか。
    辺野古も、ぜひ木村理論で押してほしい。

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    2017年10月06日
  • 憲法という希望

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    p.23-p.26
    憲法とは「過去に国家がしでかしてきた失敗のリスト」
    「国家権力の三大失敗は、『無謀な戦争』『人権侵害』『権力の独裁』」
    「こうした三大失敗を踏まえて、無謀な戦争をしないように軍事力をコントロールしよう、人権侵害を防ぐために大事な権利をあらかじめ示しておこう、独裁にならないように権力を分立したら民主的にコントロールしよう、というルールを憲法に書き込んだのが、立憲主義の憲法」
    「ですから、立憲的な意味の憲法では、軍事統制、人権保障、権力分立が三つの柱」

    国家批判は抽象論ではなく、具体的に。
    夫婦別姓の問題は「男女差別」ではなく「法律婚と事実婚の差別」として戦う。
    辺野古基地移設問題は憲法41条と92条・95条のコンボで攻める。

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    2017年05月09日
  • 憲法という希望

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    111頁『憲法について考えると、権利者への恐ろしさがわいてきます。例えば、辺野古基地問題を突き詰めていくと、「安全保障に関することは、すべて内閣が勝手に決めていいのだ」との思想に向き合わなければならなくなります。』といったように、日頃のニュースでもやもやっと感じることがあったとき、憲法について理解があれば、自分の考え方を整理できると思いました。

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    2017年05月02日
  • 憲法という希望

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    著者の講演をもとにした本で、前半は夫婦別姓と辺野古基地移転という具体的な問題を取り上げて「憲法を使いこなす」方法が語られています。

    憲法の解釈においては、他の場合よりも概念法学の弊に陥ることを避けなければならないと思いますが、生きた憲法の運用の実例を教えてもらえるという意味で、本書の議論は啓発的だと思います。

    後半は、NHKの『クローズアップ現代』の司会を務める国谷裕子との対談で、前半の内容についてより広い問題意識から考えなおすきっかけを与えてくれるように感じられました。

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    2017年01月29日
  • 「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録

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    本のタイトルにあるように、日本に今後戦後80年は
    くるのかという議題で、現政権を中心に批判する
    下記の講義集
    内田樹氏ー比較敗戦論
    東浩紀-本と新聞と大学は生き残れるか
    木村草太-集団的自衛権問題とはなんだったのか
    山室信一-戦後が戦前に転じるとき
    上野千鶴子-戦後日本の下半身
    河村小百合-この国の財政・経済のこれから
    姜尚中-総括講演
    このなかでも、山室信一氏、上野千鶴子氏、河村小百合氏の
    3本がとても興味を引きました。
    どれも、日本が破綻し、または戦争の道に進むのでは
    ないかという潜在的な恐れを感じる内容です。

    支持率は高いですが、本当に今の政権でいいのでしょうか?
    他人事ではないような気がします。英国や米国、韓国、
    日本と反知性主義的というのか、そういうものが蔓延して、
    そのうえに乗っかっている知性的でない治世者に将来を
    奪われていくことになるような暗い気持ちになってきます。
    そうではないかもしれませんが、そうならないためにも
    これらのことを、警告として受け止めて
    自分の判断基軸の一つとして認識することに意味が
    あるのではないかと思います。

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    2016年11月26日
  • 高校生と考える世界とつながる生き方 桐光学園大学訪問授業

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    「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
    と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。

    この本の中で出張授業をされる先生たちは
    もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
    そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
    その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました

    その「語り口」を読んでいて
    冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです

    本当の専門家は
    ただ感心させるだけでなく
    それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
    そんな気にさせてくれる方なのです

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    2016年07月05日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    社会学者大澤真幸さんと憲法学者木村草太さんの対談で、新書ということもあり、ライトな語り口、難解なところなど全く無く、余り本を読まない人でもすんなりと一気に読めるだろう。
    大澤さんのいつもの心理学的な視点や独特のキーワードも冴えており、本書では特に中核となる「法の支配/人の支配」という二項対立を提起し、一貫して言及される。
    日本人にはいまだに「法の支配」という近代社会の原則がなじめない。「法」を外部からの介入としてしか感じ取れないのだ。その上、戦争の責任者を結局うやむやにして過ごしてしまった点、ドイツとは真逆である。日本人は自らが引き起こした戦争を、あたかも天災か何かのように、まるで自分たちが被害者であるかのようにイメージして、そのままの心情を保持してきた。
    戦後はアメリカにひたすら思いを寄せ、中国が経済的に台頭してくると、アメリカからの「愛」を取られまいと、ますます必死に媚を売る。すでに沖縄等の米軍基地や「思いやり予算」などという法外なもので徹底的に服従してきたのに。
    最近無理矢理成立された安保法制は、木村草太氏が断言するように、間違いなく「違憲」であり、しかも安倍晋三やその一派が繰り返してきた妙な「例示」や説明がいかに馬鹿馬鹿しくデタラメであるか、本書では明確に語られている。
    ここで指摘されているように、「集団的自衛権」はその本質が理解されることも無く(もしかしたら安倍自身も全然理解していない)、「日本を守るため」という不可解な名目で自公政権が打ち出してきた。勘違いやデタラメばかりの彼らの説明を、真に受けて信じてしまった国民がいるというのが情けない。
    他にもヘイトスピーチやネトウヨについての分析が面白かった。彼らは「国に愛されていない」と感じ、「国に愛してもらいたい」と必死なのである。つまり彼らの場合愛国者といっても「国に愛されたい者」の意味なのだ。
    学術的な論述を好む私としては、この小冊子ではちょっと物足りない部分もあるものの、万人向けのわかりやすい本として、本書はおすすめできそうだ。
    ただし、「国家的な緊急事態への対処を決めておくべき」という議論の部分は、いま安倍自民党が目指している改憲=緊急事態法案の中身とはどうやら異質なもののようだが、そのへんは本書では詳細に突っ込まれていない。それもそのはず、これは昨年(2015年)1月に刊行された本なのである。

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    2016年03月02日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    集団的自衛権を憲法に照らし合わせて、どう解釈できるのか説明を連ねていきます。ところどころ、読んでいて私には共感を通り越して感動する箇所があって、憲法の持つ底力に出会うときがあります。憲法は国民の理性への信頼とともにある表現されたりすると。テクニカルには、73条の内閣の事務取り扱いの中に「軍事」の行政作用がないため、集団的自衛権の行使は誰が行うのか。規定がない以上、違憲であるといわざるを得ないというすっきりした説明でした。間違いなく私にとってこの本はセンスオブワンダーを与えてくれた本でした。

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    2015年12月05日
  • [音声DL付]現代語訳でよむ 日本の憲法―憲法の英文版を「今の言葉」に訳してみたら―

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    憲法の条文をすべて読む機会など、あらためて設けない、この先ないだろうなあと思っていたところ、1946年11月3日憲法公布の日に「英文官報号外」に掲載した英文憲法をあらためて現代語に訳した本を見つけました。まだまだ今の憲法は若いのだなと思いました。英文で見るとどういう思いと意味合いで訳すべきなのか、主語に迷うところさえあって、議論の余地があるように思えました。

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    2015年11月02日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    対談本という性質上、ある事柄について体系的な知識を学べるというようなものではなかったが、憲法学者と社会学者が、特定のテーマについてそれぞれの専門分野からの知見を述べ合っており、刺激的な内容だった。政治や法律に関心のある人なら何かしらの考えるヒントが得られるはず。

    個人的にこれはと思った部分を以下に引用する。

    木村「憲法研究者ではない一般の人から見れば、憲法というのは国の物語の象徴としての役割のほうが重要なのではないかと思います。それがどのよに誕生したのかという物語と不可分に結び付いている。……ところが、日本国憲法の場合には、大多数の国民が共有できるような、よりどころとしての具体的な歴史的物語がない」(pp58-60)

    大澤「日本国憲法の原点には、敗戦がある。それは、敗戦から始まる物語にならざるを得ない。ところが、先ほど述べたように敗戦を否認しているために、物語にならないのです」(p61)

    木村「表現の自由が萎縮しやすいのは、表現の自由には、それ自体に対価がないからということになりますね。……しかしながら、人々の発する情報が自由に流通することによって、社会全体のレベルでは利益を得られます。個人が表現するということは、自分の利益ではなく、社会の利益を実現するための贈与としての性質があり、そこに社会的価値がある」(pp86)

    木村「……ヘイトスピーチにはグノーシスのようなものも感じます。……グノーシスをどう理解するのかというのは、それ自体すごく難しいのでしょうが、私が注目しているのは、「現に流通している標準的な世界観はすべて間違っているのであって、自分たちだけが真理を知っているのだ」という一種の秘教主義、選民思想的な部分です」(pp110-111)

    木村「〔集団的自衛権の〕賛成派は、アメリカに見捨てられたら日本はやっていけないから……集団的自衛権をもとうという。それに対して反対派は、集団的自衛権を認めたら戦争に巻き込まれるからだめだという。激しく対立しているようでいて、いずれの議論も利己的である点は同じです。どちらも国際公共価値には目を向けていないわけです」(p171)

    大澤「「日本の国益のために」という論理は、本当はまだ、理性の私的利用の範囲なんです。……究極的には、国の振る舞いも、理性の公共的使用という観点から考えるべきだと思っています」(p180)

    木村「〔命令委任の禁止について〕そもそも何のために独立して判断しなければならないのかというと、単なる地域の代表としてではなく、全国民の代表として、日本全体の公共的な価値を実現するためです。そうした地点から議論しなければのらないのに、それがないままに命令委任から解放されてしまうと、国会内論理みたいなものに突き動かされてしまう」(p201)

    大澤「理性を公共的に使用せよ、といったところで、何が公共的な判断なのかは本当はわからないわけです。公共的に使用されたりせいがどう判断するかは、結局、不可知のままだ。とすれば、そもそも、公共的な判断などというものはないのだ、と開き直ってはいけない。内容は定かでなくても、公共的な判断は必ずある、と想定することが重要です」(p261)

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    2015年10月24日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    憲法学に則り、筋道を追って論理的な説明を抑制的に展開している。論旨がクリアーで非常に分かりやすい。感情的な反応はともかく、これに論理的な反論を安保法に賛成している人はできるのだろうか。

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    2015年10月19日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    賛否ある案件を題材にしているが、
    筆者の主張はとても明確で
    わかりやすい。
    7.1閣議決定とは何だったのかと
    思わずにはいられなくなる。

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    2015年09月26日