木村草太のレビュー一覧

  • テレビが伝えない憲法の話

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    日本国憲法とは何か。学校の授業レベルの知識しかなかったため、本書を手に取った。

    「戦争」という単語一つをとっても、分かったつもりでいたが分かっていないことだらけだった。非常に勉強になった。

    減点要因は、筆者のユーモアセンスが結構サムい点と、一部政治家をばっさり否定している点。政治家をどう判断するかは、飽くまで有権者たる読者が各々判断すべきだと思う。

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    2017年11月05日
  • 憲法という希望

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    ちょうど別方面からも「木村草太さん」を薦められ、初めて彼の本を読んだ。
    読みやすく、わかりやすく、おもしろい。
    最後に「本当のプロ(教授と言われる人達を指す)は、一般の人が理解できる言葉に直してこそプロだ」というようなことを書いてあって、その通りだと思った。
    片方から批判するのではなく、憲法を使っていかに理論を組み立てられるか。
    辺野古も、ぜひ木村理論で押してほしい。

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    2017年10月06日
  • 憲法という希望

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    p.23-p.26
    憲法とは「過去に国家がしでかしてきた失敗のリスト」
    「国家権力の三大失敗は、『無謀な戦争』『人権侵害』『権力の独裁』」
    「こうした三大失敗を踏まえて、無謀な戦争をしないように軍事力をコントロールしよう、人権侵害を防ぐために大事な権利をあらかじめ示しておこう、独裁にならないように権力を分立したら民主的にコントロールしよう、というルールを憲法に書き込んだのが、立憲主義の憲法」
    「ですから、立憲的な意味の憲法では、軍事統制、人権保障、権力分立が三つの柱」

    国家批判は抽象論ではなく、具体的に。
    夫婦別姓の問題は「男女差別」ではなく「法律婚と事実婚の差別」として戦う。
    辺野古基地移

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    2017年05月09日
  • 憲法という希望

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    111頁『憲法について考えると、権利者への恐ろしさがわいてきます。例えば、辺野古基地問題を突き詰めていくと、「安全保障に関することは、すべて内閣が勝手に決めていいのだ」との思想に向き合わなければならなくなります。』といったように、日頃のニュースでもやもやっと感じることがあったとき、憲法について理解があれば、自分の考え方を整理できると思いました。

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    2017年05月02日
  • 憲法という希望

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    著者の講演をもとにした本で、前半は夫婦別姓と辺野古基地移転という具体的な問題を取り上げて「憲法を使いこなす」方法が語られています。

    憲法の解釈においては、他の場合よりも概念法学の弊に陥ることを避けなければならないと思いますが、生きた憲法の運用の実例を教えてもらえるという意味で、本書の議論は啓発的だと思います。

    後半は、NHKの『クローズアップ現代』の司会を務める国谷裕子との対談で、前半の内容についてより広い問題意識から考えなおすきっかけを与えてくれるように感じられました。

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    2017年01月29日
  • 「戦後80年」はあるのか――「本と新聞の大学」講義録

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    本のタイトルにあるように、日本に今後戦後80年は
    くるのかという議題で、現政権を中心に批判する
    下記の講義集
    内田樹氏ー比較敗戦論
    東浩紀-本と新聞と大学は生き残れるか
    木村草太-集団的自衛権問題とはなんだったのか
    山室信一-戦後が戦前に転じるとき
    上野千鶴子-戦後日本の下半身
    河村小百合-この国の財政・経済のこれから
    姜尚中-総括講演
    このなかでも、山室信一氏、上野千鶴子氏、河村小百合氏の
    3本がとても興味を引きました。
    どれも、日本が破綻し、または戦争の道に進むのでは
    ないかという潜在的な恐れを感じる内容です。

    支持率は高いですが、本当に今の政権でいいのでしょうか?
    他人事ではないような

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    2016年11月26日
  • 高校生と考える世界とつながる生き方 桐光学園大学訪問授業

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    「私は この小説を書くときに、読んでくださる人が小学六年生までの漢字を読む力があれば読んでもらえるものと思ってこの作品を書き始めました」
    と「氷点」を書いた三浦綾子さんがいってらっしゃいました。

    この本の中で出張授業をされる先生たちは
    もちろん、その道のプロフェッショナルの方たちです
    そして、聴いている対象者たちは 中学生、高校生たち
    その語り口が そのまま 一冊の本にまとめられました

    その「語り口」を読んでいて
    冒頭の三浦綾子さんの言葉を思い起こしたのです

    本当の専門家は
    ただ感心させるだけでなく
    それなら 僕も(私も) 何かやってみよう
    そんな気にさせてくれる方なのです

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    2016年07月05日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    社会学者大澤真幸さんと憲法学者木村草太さんの対談で、新書ということもあり、ライトな語り口、難解なところなど全く無く、余り本を読まない人でもすんなりと一気に読めるだろう。
    大澤さんのいつもの心理学的な視点や独特のキーワードも冴えており、本書では特に中核となる「法の支配/人の支配」という二項対立を提起し、一貫して言及される。
    日本人にはいまだに「法の支配」という近代社会の原則がなじめない。「法」を外部からの介入としてしか感じ取れないのだ。その上、戦争の責任者を結局うやむやにして過ごしてしまった点、ドイツとは真逆である。日本人は自らが引き起こした戦争を、あたかも天災か何かのように、まるで自分たちが被

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    2016年03月02日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    集団的自衛権を憲法に照らし合わせて、どう解釈できるのか説明を連ねていきます。ところどころ、読んでいて私には共感を通り越して感動する箇所があって、憲法の持つ底力に出会うときがあります。憲法は国民の理性への信頼とともにある表現されたりすると。テクニカルには、73条の内閣の事務取り扱いの中に「軍事」の行政作用がないため、集団的自衛権の行使は誰が行うのか。規定がない以上、違憲であるといわざるを得ないというすっきりした説明でした。間違いなく私にとってこの本はセンスオブワンダーを与えてくれた本でした。

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    2015年12月05日
  • [音声DL付]現代語訳でよむ 日本の憲法―憲法の英文版を「今の言葉」に訳してみたら―

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    憲法の条文をすべて読む機会など、あらためて設けない、この先ないだろうなあと思っていたところ、1946年11月3日憲法公布の日に「英文官報号外」に掲載した英文憲法をあらためて現代語に訳した本を見つけました。まだまだ今の憲法は若いのだなと思いました。英文で見るとどういう思いと意味合いで訳すべきなのか、主語に迷うところさえあって、議論の余地があるように思えました。

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    2015年11月02日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    対談本という性質上、ある事柄について体系的な知識を学べるというようなものではなかったが、憲法学者と社会学者が、特定のテーマについてそれぞれの専門分野からの知見を述べ合っており、刺激的な内容だった。政治や法律に関心のある人なら何かしらの考えるヒントが得られるはず。

    個人的にこれはと思った部分を以下に引用する。

    木村「憲法研究者ではない一般の人から見れば、憲法というのは国の物語の象徴としての役割のほうが重要なのではないかと思います。それがどのよに誕生したのかという物語と不可分に結び付いている。……ところが、日本国憲法の場合には、大多数の国民が共有できるような、よりどころとしての具体的な歴史的物

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    2015年10月24日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    憲法学に則り、筋道を追って論理的な説明を抑制的に展開している。論旨がクリアーで非常に分かりやすい。感情的な反応はともかく、これに論理的な反論を安保法に賛成している人はできるのだろうか。

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    2015年10月19日
  • 集団的自衛権はなぜ違憲なのか

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    賛否ある案件を題材にしているが、
    筆者の主張はとても明確で
    わかりやすい。
    7.1閣議決定とは何だったのかと
    思わずにはいられなくなる。

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    2015年09月26日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    そもそも憲法とは何か。
    しっかりと答えられる人は少ないと思った。
    では憲法改正は何が論点で、何が問題なのか。
    この本を読んだことで一旦整理が出来たと思う。

    世には「解釈」という文字が良く出る。
    一点からだけ光を当てれば、影がで反対方向に出る様に、光は意図的なものであり、解釈を争点にしても意味がない。

    この本では国際法と憲法の内容の関係性を説いたことで、確からしい見解を述べ、一定の納得感を生じさせた。

    何事も本質に近づく努力が必要である。

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    2015年08月05日
  • 憲法の条件 戦後70年から考える

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    社会学者大澤真幸先生と憲法学者木村草太先生の対談をまとめたもの。
    そもそも、法の支配とは何か?
    法に書かれているものは絶対神の言葉であり妥協が存在しないイスラム教。法の上に皇帝が君臨し、法を支配する中国。そして、人間が法を作り、その法に人間が支配されるという形での法の支配。
    日本国憲法の成立、意義、そして国民感情の成り立ちなど鋭い切り口で明快に分析される。
    具体的各論についても、非常に明解である。集団的自衛権はなぜ違憲か、そしてあるいみ明確に違憲である自衛隊の存在と、生存権の関係。法解釈についての議論など、非常に面白く、また気づかされることが多い。
    憲法について考えるということだけでなく、法と

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    2015年05月25日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    「国民主権」における国民の定義や、国際法、国連憲章を前提とした憲法理解はとても興味深い。理解しやすい良書

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    2015年05月22日
  • 憲法の創造力

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    憲法学の若手エースが書いています。憲法に関して聖☆おにいさんやクイズ$ミリオネアなどのとっつきやすい話題でわかりやすく説明しているので読み物としても面白いです。

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    2014年11月17日
  • 憲法の創造力

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    <目次>
    はしがき  憲法を創る
    序章    憲法とは何か?
    第1章   君が代不起立問題の視点ーなぜ式典で国歌を     斉唱するのか?
    第2章   一人一票だとどんな良いことがあるのかーク     イズミリオネアとアシモフのロボット
    第3章   最高裁判所は国民をナメているのか?-裁判     員制度合憲の条件
    第4章   日本的多神教と政教分離ー一年は初詣に始ま     りクリスマスに終わる
    第5章   生存権保障の三つのステップー憲法25条1     項を本気で考える
    第6章   公務員の政治的行為の何が悪いのか?-国     民のシンライという偏見・差別
    終章    憲法9条の創造力

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    2014年07月31日
  • 未完の憲法

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    「「憲法は主権者たる国民が国家権力を管理するための法である」というのが、立憲主義の大原則です。ところが、自民党の憲法改正草案をくわしく読むと、その原則に逆行する記述が随所に目につきます。つまり、本来は主権者としての国民に管理される側の国家権力が、逆に憲法を「国民を管理するための法律」にしようとする姿勢が透けて見えるのです。」これは、恐ろしいことです。気を付けなければいけません。

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    2014年07月27日
  • テレビが伝えない憲法の話

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    ネタバレ

    あとがきに
    素朴な議論に飛びつかず、難しい問題を知恵を絞って考えることには価値があるし、広く深い検討をし、精密な法概念を積み重ねて結論を出すことは、とても楽しいことである。
    本書では、立憲主義・権力分立・人権保障・平和主義・改正手続と、憲法のほぼ全体系を見渡しながら、このことを強調してきたつもりである。
    というわけで、本書では、「分かりやすい」素朴な議論に飛びつくことの問題をしてきした。
    とある。

    分かりやすいスローガン、素朴な議論がいかに問題か、ということが繰り返し指摘されている。「分かりやすい議論」には、つい納得されがちだし、また自ら「分かりやすい理由」を見つけて分かったつもりになってい

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    2014年06月03日