奥平康弘の作品一覧

「奥平康弘」の「未完の憲法」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 未完の憲法
    4.6
    1巻1,150円 (税込)
    「憲法は常に未完の体系である」とは、憲法を正視した二人の共通のコンセプト。近視眼的な改憲論議を超えて、憲法学の大家と若き俊英が「想像力」で示す未来への針路とは。

ユーザーレビュー

  • 未完の憲法

    Posted by ブクログ

    202112/

    私は、日本国憲法には三つの顔--言い換えれば三つの性質があると考えています。/
    第一に、「法技術的文書としての性質」です。公法(個人と国家の関係を規律する法律)の一番の基礎となる法ではあるけれど、憲法もまた法技術的文書の一つであり、国内法典の一つであるということです。/
    第二に、憲法には諸外国に向けた「外交宣言」としての性質もあります。「サンフランシスコ講和条約」に連なる戦後の国際秩序の中で、「日本もそれに沿った行動をしいます」という宣言としての性質ですね。憲法九条や前文についていえば、法的な意味よりもそちらのほうがむしろ重要なのかもしれません。/
    第三に、日本神話に象徴され

    0
    2021年12月27日
  • 未完の憲法

    Posted by ブクログ

    集団的自衛権と憲法解釈、改憲の議論が持ち上がる中で、もっと勉強しなければと思い、まず手っ取り早く、私と同じ年で若手の憲法学者として活躍中の木村草太さんの本を読んだ。奥平康弘さんとの対談本で、第一章は立憲主義について、第二章は改憲論議について、第三章は現代の憲法をめぐる状況と課題、第四章は憲法の可能性と日本の進路についてまとめられている。

    いくつか個人的に面白いと感じた箇所について。
    なぜ日本人は天皇制に強く惹き付けられるのか?という問いに答えている部分。
    日本では、多くの人が今ある事象や体制に対して消極的肯定、消極的賛同とでも言える態度を示していて、それを変えようという人たちは、説得力のある

    0
    2014年11月25日
  • 未完の憲法

    Posted by ブクログ

    憲法改正は並大抵のことではないし、これを支配層が簡単に考えられるような時代ではもはやない。それよりも、日本国民が日本国を憲法貫く普遍的な原理を突きつめ、掘り下げ、そのことによって世界の平和に貢献していくべき時期ではないか。

    0
    2014年05月02日
  • 未完の憲法

    Posted by ブクログ

    これは大変に示唆に富む内容にあふれている。ふだん本には付箋はたくさんつけないのだが、この本は20本以上、立った。ほかに傍線でたくさん汚した。それだけ記憶にとどめたい言葉にあふれていたわけだ。
    「近視眼的な改憲論議を越えて」というオビ文句に、内容がよくあらわされている。どのくらい「越えて」いるかといえば、2レベル以上は上をいっている(これには、それだけ“近視眼的”な論議の、レベルが低すぎるということも寄与している)。
    改憲を含め、憲法や民主主義、日本のあり方、いまの日本の社会、等々を考えるうえで、必読の書といえる。

    0
    2014年05月01日
  • 未完の憲法

    Posted by ブクログ

    「憲法」の本を学生時代ぶりに手にとって読みました。いちおう、法学部出身だったので勉強したことはありますが、社会に出てからというものニュースや各種メディア媒体で「憲法」「合憲・違憲」という言葉を目にし、耳にしても、どことなく意識の外だったように思います。
    それが意識の中に入ってきたのは本書の中でも触れられている「9条」「96条」の問題で改憲論争が出てきた頃でしょうか。それでも学生時代のように勉強して、この問題について考察してみようとまでにはならなかった。今では悔いの残る出来事ではあります。
    あとがきで奥平さんが言われているように「憲法の入門書」という位置づけでとても分かりやすく、読みやすく、それ

    0
    2023年11月08日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!